サングリアとは|種類・度数・名前の由来と血を売れない法律

サングリアは、ワインに果実を入れて冷やす、スペイン生まれの飲みものです。ただ、この名前はスペイン語の普通の単語で、辞書を引くと飲みものは四番目にしか出てきません。一番目は「静脈を開くこと」、つまり瀉血です。血の名を持つ一杯があるのなら、血そのものを扱っている制度は何を書いているのか。種類と度数の目安を先に整理したうえで、日本で血を採ることを定めた三つの法令を全文で開きます。三万六百九十二字のどこにも「酒」の字はなく、そのかわり、この法律でいちばん高い罰金は、血に値段をつけたことに科されます。

サングリアとは|ワインに果実を入れて冷やす、スペインの飲みもの

サングリアとは|ワインに果実を入れて冷やす、スペインの飲みもの
ぶどう畑を望む席にグラスを置いた参考画像

先に答え|三行で足りること

サングリアは、ワインにオレンジやりんごなどの果実と甘みを加え、よく冷やして果実ごと出す飲みものです。生まれはスペインで、赤ワインを使うものがよく知られていますが、白でもロゼでも泡でも作られます。ワインそのものより甘く、度数は下がります。

実用の部分はこれでほぼ足ります。作り方の手順、漬け込みの時間、名乗りに関する欧州の決まりまで踏み込んだ内容は、サングリアの作り方と漬け込み時間にまとめてありますので、そちらをご覧ください。この記事では重ねません。

この記事が扱う範囲と、扱わない範囲

代わりにこの記事が扱うのは、名前のほうです。サングリア(sangría)はスペイン語の普通の単語で、辞書を引くと飲みもの以外の意味が先に並びます。一番目は「静脈を開くこと」、つまり瀉血。この一語は、血を抜く行為も、針を刺す腕の部位も、そして飲みものも、まとめて指しています。

そこで後半では、日本で血そのものを扱っている法律を条文で開きます。読むのは三つ。安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(昭和三十一年法律第百六十号。以下「法」)、同施行規則(以下「規則」)、採血の業務の管理及び構造設備に関する基準(平成十五年厚生労働省令第百十八号。以下「基準省令」)です。加えて、令和八年度の献血の受入れに関する計画を見ます。

扱わないのは、献血をすべきかどうかという勧誘めいた話と、飲んだあとに献血できるかという医学的な判断です。前者は本記事の役目ではなく、後者は条文に書かれていないことが後半の要点そのものになります。字数の数え方は、e-Govで取得した全文から空白を除いた文字列に対して行いました。

種類と度数の目安|赤・白・ロゼ・スパークリング

種類と度数の目安|赤・白・ロゼ・スパークリング
並べたワイングラスの参考画像

四つの色と、それぞれの性格

ベースの色で四つに分かれます。赤(ティント)は果実味と渋みが骨格になり、オレンジやシナモンと合わせると重心が下がります。白(ブランカ)は酸が前に出るので、桃や柑橘と合わせて軽く仕上がります。ロゼはその中間で、色のわりに味は白寄りです。スパークリングは泡の分だけ口当たりが軽く、乾杯向きになります。

果実の選び方と下ごしらえは、前掲の別記事に譲ります。

度数はベースより下がる

ワインは赤でおおむね十一から十五パーセント、白で九から十三パーセントほどです。ここに果汁や甘みが加わるので、出来上がりの度数はベースより下がります。市販のサングリアは七パーセント前後の表示が多く、ワインのおよそ半分という見当になります。

種類 ベースの目安 合わせやすい果実 向く場面
赤(ティント) 赤ワイン 11〜15% オレンジ、りんご、レモン 肉料理、生ハム
白(ブランカ) 白ワイン 9〜13% 桃、ぶどう、柑橘 魚介、サラダ
ロゼ ロゼワイン 10〜13% ベリー、柑橘 前菜全般
スパークリング カバなど 11〜12% いちご、柑橘 乾杯、揚げもの

度数が下がるぶん量が進みます。純アルコールの量で考えると、七パーセントのサングリアを五百ミリリットル飲めば三十五ミリリットルで、十二パーセントのワインならおよそ三百ミリリットル分にあたります。カクテルの度数の考え方もあわせてご覧ください。

市販品と、自分で作るときの分かれ目

市販品は度数と甘みが安定していて、冷やすだけで出せます。自分で作る場合は、ベースの選び方で味が決まります。渋みの強い高級な赤は果実と合わせると重くなりやすいので、果実味のある手頃な一本のほうが扱いやすい。ハウスワインの選び方や自然派ワインの記事も参考になります。

どちらの場合も、大人数に出すときはピッチャーごと冷やして、氷は別に添えるほうが薄まりません。グラスは大ぶりのものを選ぶと、果実を一緒にすくいやすくなります。

似た飲みものとしては、赤ワインをコーラで割るカリモチョ、温めて香辛料を入れるグリューワインがあります。どちらもワインに手を加える点は同じで、加えるものと温度が違うだけです。

RECOMMENDED

「サングリアとは|種類・度数・名前の由来と血を売れない法律」に関連するおすすめ商品

ここではワインの在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。

ベースに向くワインと市販サングリア三十銘柄を比較

ベースに向くワインと市販サングリア三十銘柄を比較
棚に並べたワインボトルの参考画像

市販のサングリア、ベースに向くスペインの赤と白、泡のカバ、そして香りを足すためのリキュールやブランデーまでを並べています。価格と在庫は日々動くので、各カードのリンク先で最新の状態をご確認ください。

サングリアのベースに向くワイン&市販サングリア30種を比較
サングリアは「どのワインを土台にするか」で味が決まる飲み物です。そのまま飲める市販サングリアから、ベースに向くスペインの赤・白・ロゼ・カバ、たっぷり作るときの手頃な新世界ワイン、香りを足すオレンジリキュールやブランデー・デ・ヘレスまで、30種を産地・度数・タイプ・甘辛で横並びにしました。完成品で手軽に楽しむか、好みのワインから自分で作るか、選び方の手がかりにしてください。
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
Amazon 楽天 買取
1位定番・入門 ヴィニャ・アルバリ サングリア 赤
市場相場700〜1,200円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

日本でも入手しやすい定番の市販サングリア。

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2位定番・白 ヴィニャ・アルバリ サングリア 白
市場相場700〜1,200円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

白ワインベースの爽やかな市販サングリア。

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3位本格・人気 ロラ・モラ ラ・サングリア・エスパニョーラ 赤
市場相場900〜1,500円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

テンプラニーリョ主体の本格派サングリア。

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ドン・シモン サングリア 赤4位定番・手頃 ドン・シモン サングリア 赤
市場相場700〜1,300円前後(実勢・2026年6月時点)

スペインで広く飲まれる定番ブランドのサングリア。

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トーレス サングレ・デ・トロ 赤5位定番・ベース向き トーレス サングレ・デ・トロ 赤
市場相場1,200〜2,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

雄牛のマスコットで知られる、サングリア向きの定番赤。

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6位リオハ・実力派 マルケス・デ・カセレス リオハ クリアンサ 赤
市場相場1,500〜2,800円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

リオハの実力派、サングリアにもそのままにも。

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カンポ・ビエホ テンプラニーリョ 赤7位コスパ・ベース向き カンポ・ビエホ テンプラニーリョ 赤
市場相場1,000〜1,800円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

コスパ抜群、サングリアの土台に使いやすい定番。

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ファウスティーノ VII 赤8位老舗・入門 ファウスティーノ VII 赤
市場相場1,200〜2,200円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

リオハの老舗が造る、軽快な普段使いの赤。

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マルケス・デ・リスカル リオハ 赤9位名門・上質 マルケス・デ・リスカル リオハ 赤
市場相場1,800〜3,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

歴史あるリオハの名門、少し贅沢なベースに。

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10位名門・本格 ボデガス・ムガ リオハ レゼルバ 赤
市場相場3,500〜5,500円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

リオハの至宝、単体で味わいたい本格派。

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プロトス クリアンサ 赤11位銘醸・力強い プロトス クリアンサ 赤
市場相場2,200〜3,800円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

ドゥエロ河岸の実力派、濃厚なベースに。

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12位白・王道 マルケス・デ・リスカル ルエダ ベルデホ 白
市場相場1,300〜2,300円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

白サングリアの王道ベース、爽やかなベルデホ。

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13位定番・白 トーレス ビーニャ・ソル 白
市場相場1,200〜2,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

トーレスの定番白、軽やかな白サングリア向き。

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トーレス ヴィーニャ・エスメラルダ 白14位アロマ・華やか トーレス ヴィーニャ・エスメラルダ 白
市場相場1,500〜2,500円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

香り華やか、フルーツと好相性の白。

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15位名産・白 マルティン・コダックス アルバリーニョ 白
市場相場1,800〜2,800円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

海辺の名産、魚介と合う爽やかな白。

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フレシネ コルドン・ネグロ カバ16位定番・カバ フレシネ コルドン・ネグロ カバ
市場相場1,200〜2,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

黒ボトルの定番カバ、スパークリングサングリアに。

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コドーニュ クラシコ ブリュット カバ17位老舗・カバ コドーニュ クラシコ ブリュット カバ
市場相場1,300〜2,200円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

カバの老舗、華やぐスパークリングの土台。

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18位コスパ・カバ セグラ・ヴューダス ブルット カバ
市場相場1,000〜1,800円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

コスパに優れたカバ、気軽な泡サングリアに。

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19位ロゼ・華やか マルケス・デ・カセレス リオハ ロサード ロゼ
市場相場1,300〜2,300円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

華やかな色合い、ロゼサングリアのベースに。

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20位名門・ロゼ ボデガス・ムガ リオハ ロサード ロゼ
市場相場1,800〜3,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

名門ムガの上質ロゼ、贅沢なロゼサングリアに。

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サンタ・ヘレナ アルパカ カベルネ・メルロー 赤21位コスパ・たっぷり向き サンタ・ヘレナ アルパカ カベルネ・メルロー 赤
市場相場600〜1,100円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

コスパの代名詞、たっぷり作るサングリアの味方。

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フロンテラ カベルネ・ソーヴィニヨン 赤22位コスパ・大容量 フロンテラ カベルネ・ソーヴィニヨン 赤
市場相場700〜1,300円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

大容量も選べる、気軽な赤サングリアの土台。

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カルロ・ロッシ レッド 赤23位大容量・甘め カルロ・ロッシ レッド 赤
市場相場1,000〜1,800円前後(実勢・2026年6月時点)

大容量で人気、甘めの赤サングリアに。

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メルシャン ボン・ルージュ 赤24位国産・定番 メルシャン ボン・ルージュ 赤
市場相場600〜1,000円前後(実勢・2026年6月時点)

国産ブランドの定番、扱いやすい毎日の赤。

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コアントロー(オレンジリキュール)25位定番・香りづけ コアントロー(オレンジリキュール)
市場相場2,500〜4,000円前後(700ml・実勢・2026年6月時点)

サングリアに少量。香りと深みを足す名脇役。

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グラン・マルニエ コルドン・ルージュ26位高級・香りづけ グラン・マルニエ コルドン・ルージュ
市場相場3,500〜5,500円前後(700ml・実勢・2026年6月時点)

コニャックベースの贅沢なオレンジリキュール。

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27位本場・香りづけ カルロス1世 ブランデー・デ・ヘレス
市場相場3,000〜5,500円前後(700ml・実勢・2026年6月時点)

本場スペインのブランデー、香りに厚みを。

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28位名門・隠し味 カルデナル・メンドーサ ブランデー・デ・ヘレス
市場相場5,000〜8,000円前後(700ml・実勢・2026年6月時点)

ヘレスの至宝、贅沢なサングリアの隠し味。

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ペドロ・ヒメネス シェリー(甘口)29位甘口・甘みづけ ペドロ・ヒメネス シェリー(甘口)
市場相場1,800〜3,500円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

天然の甘みづけに。砂糖の代わりの濃密シェリー。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥3,520 楽天 査定 買取
30位ノンアル・気軽 ノンアルコール サングリア(0.00%タイプ)
市場相場700〜1,500円前後(実勢・2026年6月時点)

運転やお酒を控える人も楽しめるサングリア。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取

ワインや市販サングリアは銘柄ごとに希望小売価格を公表しないものが大半のため、定価(list_price)は掲載せず市場相場の目安のみを記載しています(2026年6月時点の実勢)。ヴィンテージや流通状況により価格は変動し、楽天/Amazonは同一商品が見つからない場合は空欄となります。手軽さ重視なら市販サングリア、本格派ならテンプラニーリョの赤やベルデホの白を土台に、香りを足したいときはオレンジリキュールやブランデーを少量、という具合に選ぶと失敗しにくくなります。

名前の話|辞書の「サングリア」は、飲みものが四番目

名前の話|辞書の「サングリア」は、飲みものが四番目
開いた本とグラスを並べた参考画像

スペイン王立アカデミーが並べる十一の語義

スペイン王立アカデミー(Real Academia Española)の『Diccionario de la lengua española』で sangría を引くと、語義が十一並びます。飲みものはそのうちの四番目です。上から三つは血と損失の話で、飲みものはそのあとに出てきます。

四番目の定義はこう書かれています。

Bebida refrescante que se compone de agua y vino con azúcar y limón u otros aditamentos.

Real Academia Española『Diccionario de la lengua española』sangría 語義4

訳すと「水とワインに砂糖とレモンまたはほかの添加物を加えた、清涼な飲みもの」です。果実を漬け込むという言い方はしておらず、まずagua y vino、水とワインから始めています。日本で紹介されるサングリアより、もっと素朴な飲みものとして書かれている、と読めます。

一番目は「静脈を開くこと」

語義の一番目はこうです。

Acción y efecto de sangrar (‖ abrir o punzar una vena).

Real Academia Española『Diccionario de la lengua española』sangría 語義1

abrir o punzar una vena、静脈を開く、または突く。その行為と結果、つまり瀉血です。二番目はDerramamiento abundante de sangreで、大量の流血。三番目は物事が継続的に失われていくことで、財政の話などに使われます。

三番目のPérdida continuada y considerable de algoは、何かが継続的に大きく失われることを指します。辞書は用例として、金融危機が国にもたらした経済的なサングリア、という言い方を挙げています。血が流れ続ける比喩が、そのまま損失の比喩になっているわけです。

ここまで来ると、飲みものの名前が四番目に置かれている理由も見当がつきます。この語はもともと飲みものの名前ではなく、血を抜くことを指す普通の名詞で、飲みものはそこから枝分かれした用法のひとつと読む余地があります。

五番目は、針を刺す場所

もうひとつ、見落としやすい語義があります。五番目です。

Parte de la articulación del brazo opuesta al codo.

Real Academia Española『Diccionario de la lengua española』sangría 語義5

肘の反対側にあたる腕の関節部分、日本語で言えば肘窩です。献血で針を刺すあの場所を、スペイン語は「サングリア」と呼びます。つまりこの一語は、血を抜く行為と、血を抜く場所と、赤い飲みものを、同じつづりで指しています。ちなみに九番目は印刷用語の字下げ、十番目は溶鉱炉の出湯です。

「赤い色が血に似ているから」は、辞書には書かれていない

日本語の紹介では、赤ワインの色が血の色を思わせるから名付けられた、と説明されることがよくあります。もっともらしい説明ですが、王立アカデミーの辞書は語義を並べるだけで、この由来を書いていません。本記事も由来を断定はしません。確かなのは、辞書の上でこの語が瀉血と飲みものを同時に指しているという事実のほうです。

そして、その事実が読み方をひとつ与えてくれます。血の名を持つ飲みものがあるのなら、血そのものを扱う制度が何を書いているのかを見に行けばよい。ここから先はその話です。

血を扱う法律を開く|三万六百九十二字に「酒」は零回

血を扱う法律を開く|三万六百九十二字に「酒」は零回
保管中のワインを写した参考画像

三つの法令と、その大きさ

日本で人の血を採ることを正面から扱っているのは、名前の長い一本の法律です。制定は昭和三十一年で、当時は採血及び供血あつせん業取締法という題名でした。いまは安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律といいます。目的はこう書かれています。

この法律は、血液製剤の安全性の向上、安定供給の確保及び適正な使用の推進のために必要な措置を講ずるとともに、人の血液の利用の適正及び献血者等の保護を図るために必要な規制を行うことにより、国民の保健衛生の向上に資することを目的とする。

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律 第一条

この法律と、その施行規則、そして採血の現場の基準を定めた基準省令。三つを並べると次の大きさになります。

法令 全文の字数 本則の字数 本則の条数
法(昭和三十一年法律第百六十号) 15,851 9,341 40
規則(昭和三十一年厚生省令第二十二号) 11,372 5,669 23
基準省令(平成十五年厚生労働省令第百十八号) 3,469 3,008 13(うち第二条は削除)
合計 30,692 18,018 76

制定時の題名は採血及び供血あつせん業取締法でした。血を売り買いする商売を取り締まるための法律として始まり、薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律(平成十四年法律第九十六号)によっていまの題名になっています。もとの題名に「取締」の二文字が入っていたことは、あとで見る罰則の額と読み合わせると目を引きます。

法は六章立てで、総則、基本方針等、採血、血液製剤の安定供給、雑則、罰則の順に並びます。条の数は四十、本則は九千三百四十一字ですから、法律としては小ぶりな部類です。

数えた結果

この三万六百九十二字を検索すると、こうなります。

語 法 規則 基準省令
酒 0 0 0
アルコール 0 0 0
飲酒 0 0 0
採血 94 107 92
献血 46 14 9
問診 0 1 0

「酒」も「アルコール」も、三つとも零回です。念のため「飲料」「食事」「酔」でも引きましたが、いずれも三つとも零回でした。「消毒」も零回です。採血の場面を細かく書いている法令なのに、消毒という語すら条文には出てきません。

「問診」は三万字に一度だけ

いちばん下の行を見てください。「問診」は三つの全文を通じて一度しか出てきません。その一度は、規則第十四条第一項です。

法第二十五条第一項の規定により、献血者等につき行うべき健康診断の方法は、問診その他必要な診察並びに体温測定、体重測定、血圧測定、血色素検査及び血小板数検査とする。

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律施行規則 第十四条第一項

献血に行くと、前日の飲酒を含めて生活のことを細かく聞かれます。その紙のもとになっている語は、条文にはこの一語しか置かれていません。何を聞くかは、規則にも法にも基準省令にも書かれていません。ただし委ね先が空白なわけではなく、基準省令第三条第一号は、採血事業者が採血所ごとに備える採血基準書に健康診断に関することを書けと求めています。

いちばん高い罰金は、値段をつけたことに科される

いちばん高い罰金は、値段をつけたことに科される
ワインの買取相談の場面をあらわす参考画像

第十六条は三十九字

法の第十六条は、見出しを「有料での採血等の禁止」とし、条文はこれだけです。

何人も、有料で、人体から採血し、又は人の血液の提供のあつせんをしてはならない。

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律 第十六条

三十九字。ただし書もなければ、例外を政令に委ねる文言もありません。主語は何人もで、事業者に限定されていません。禁じられているのは二つ、有料で採ることと、有料で提供をあっせんすることです。

五百万円と三百万円

この条に対応する罰則が第三十三条です。三年以下の拘禁刑もしくは五百万円以下の罰金、または併科。一方、無許可で業として採血した場合の罰則は第三十四条で、三年以下の拘禁刑もしくは三百万円以下の罰金、または併科です。

条(主なもの) 違反の対象 拘禁刑の上限 罰金の上限
第三十三条 第十六条(有料での採血等) 3年 500万円
第三十四条 第十二条・第十三条第一項(採血等の制限・無許可の採血) 3年 300万円
第三十五条 業務停止処分への違反 2年 200万円
第三十八条 採血の業務で知り得た秘密の漏示 1年 50万円

拘禁刑の上限は第三十三条も第三十四条も同じ三年です。違うのは罰金で、五百万円と三百万円、二百万円の差があります。この法律で罰金の上限がいちばん高いのは第三十三条、つまり有料で血を採った場合です。許可を取らずに採ることより、値段をつけて採ることのほうを、罰金の額では重く扱っている。

同じ改正で、罰金の額も引き上げられています。いまの題名に変えた改正法の附則第一条第三号は、旧法第六条の「業として、有料で、」を「有料で、人体から採血し、又は」に改める部分と、旧法第十五条の「五万円」を「五百万円」に改める部分を名指しし、これらをひとまとめにして公布の日から起算して一月を経過した日から施行すると定めました。改正法の本体は公布から三年以内の政令で定める日、第一号は一年以内の政令で定める日、第二号は公布の日という置き方で、日付を月単位で切ったのはこの第三号だけです。「業として」の四文字が外れたことで、一回きりの取引も条文の射程に入りました。

「営利を目的として」は、許可を与えない理由になる

そもそも入口が狭く作られています。第十二条第一項は、決められた者が血液製剤などの原料とする目的で採る場合を除いて何人も、業として、人体から採血してはならないと定め、そのうえで治療行為として、又は輸血、医学的検査若しくは学術研究のための血液を得る目的で採血する場合をただし書で外します。つまり、原則は禁止で、認められた目的だけが穴として空いている形です。

そのうえで、血液製剤の原料とする目的で業として採血するには第十三条第一項で厚生労働大臣の許可が要りますが、同条第三項は、要件を満たしていても許可を与えないことができる場合を五つ挙げます。その三番目がこれです。

申請者が営利を目的として採血しようとする者であるとき。

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律 第十三条第三項第三号

「営利」という語は、法の全文一万五千八百五十一字のなかでこの一か所にしか出てきません。出口では罰金、入口では許可を与えないことができる。血に値段をつけることを、この法律は両側からふさいでいます。

そして「業として採血すること」は、医業になる

もうひとつ、短い条があります。第三十一条です。

業として人体から採血することは、医療及び歯科医療以外の目的で行われる場合であつても、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十七条に規定する医業に該当するものとする。

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律 第三十一条

研究のためでも、製剤の原料のためでも、業として採るなら医業です。医業ですから、医師でない者が独立して行うことはできません。サングリアはボトルに値札を貼って店に並べられますが、名前が指すもう一方は、採られる側に値段がつくことも、誰が採れるかも、条文でふさがれています。

採血の前に測る五つと、外れるための十一号と十四号

採血の前に測る五つと、外れるための十一号と十四号
ワインのコルクを写した参考画像

測るのは体温・体重・血圧・血色素・血小板数

さきほど引いた規則第十四条第一項をもう一度見ます。健康診断の方法は、問診その他必要な診察に加えて、体温測定、体重測定、血圧測定、血色素検査及び血小板数検査。測るものは五つです。

法の側の根拠は第二十五条です。第一項が健康診断を義務づけ、第二項がこう続けます。

前項の採血者は、厚生労働省令で定めるところにより貧血者、年少者、妊娠中の者その他の採血が健康上有害であると認められる者から採血してはならない。

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律 第二十五条第二項

名指しされているのは貧血者、年少者、妊娠中の者の三つで、そのあとにその他の採血が健康上有害であると認められる者という受け皿が続きます。中身は省令に委ねられました。

別表第二は、採血の種類ごとに号を並べる

その省令が規則の別表第二です。採血の種類を四つに分け、それぞれに該当したら採血してはならない号を並べます。号の数は、二〇〇ミリリットル全血採血が十一、四〇〇ミリリットル全血採血が十一、血漿成分採血が十一、血小板成分採血が十四です。

採血の種類 年齢の下限 体重 血色素量の下限 号の数
200mL全血採血 16歳 男45kg/女40kg 男12.5/女12 g/dl 11
400mL全血採血 男17歳/女18歳 50kg 男13/女12.5 g/dl 11
血漿成分採血 18歳 男45kg/女40kg 12 g/dl(例外あり) 11
血小板成分採血 18歳 男45kg/女40kg 12 g/dl 14

血漿成分採血の血色素量には赤血球指数が標準域にある女子にあつては、一一・五g/dl未満という括弧書きが付きます。血小板成分採血だけ号が三つ多いのは、血小板数が一マイクロリットルあたり十五万を下回る者を外す号と、四週間以内に四回行い、その四回目から四週間を経過していない者を外す号、そして成分採血の間隔の号が、血漿成分採血の二週間と血小板成分採血の一週間の二つに分かれるためです。最高血圧が九〇mm(水銀圧)未満の者を外す号は、四つとも共通で置かれています。

採る量についても短い規定があります。規則第十四条の二第二号は、献血者等の同意を得ることと並べて採血の目的に照らして必要最小限の採血量とすることを求めます。ただしこれは法第二十五条第三項を受けた規定で、医薬品、医療機器、再生医療等製品や研究開発に用いる物の原料とする目的で採る場合に掛かるものです。輸血用と血液製剤用の採血には掛かりません。

最後の号は、四つとも同じ一文

そして四つの区分の最後の号は、すべて同じ文言です。

有熱者その他健康状態が不良であると認められる者

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律施行規則 別表第二(第十四条関係)各区分の末号

熱があるかどうかは体温計で測れます。そのあとの健康状態が不良であると認められる者という受け皿に、飲んだ直後の人が入るのかどうかは、条文からは決まりません。年齢も体重も血圧も血色素量も数字で書き切っているこの別表が、酒については一語も置いていない。健康診断の項目を法令で読んだ記事でも同じ形が出てきましたが、あちらは健診、こちらは採血で、根拠になる法律がそもそも別です。

採血所の決まりは、明るさを数字で書かない

採血所の決まりは、明るさを数字で書かない
ワインセラーの棚を写した参考画像

第十一条は八号あって、数値が一つも無い

採血を行う場所の決まりは、基準省令の第十一条にまとまっています。八つの号のうち、最初の三つを引きます。

一 採光、照明及び換気が適正であり、かつ、清潔であること。二 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区分されていること。三 採血の業務を適正に行うのに支障のない面積を有すること。

採血の業務の管理及び構造設備に関する基準 第十一条第一号から第三号

明るさは適正、広さは支障のない面積。八つの号のどこにも数値が出てきません。基準省令の全文三千四百六十九字を通しても、ルクスも平方メートルも登場しません。八番目の号は献血者等の応急の処置を行うための設備を求めていますが、これも設備の名前だけです。

人の側については別表に号を並べて数字で切っていた同じ制度が、部屋の側では数字を置かない。書き分けられている、と読むほうが正確でしょう。

もうひとつ、この省令には車が出てきます。第一条第四項が移動採血車を採血所……の構造設備の一部であって、採血の用に供する車両をいうと定義しているためです。街角に停まっているあのバスは、法令の上では車両であると同時に、採血所の構造設備の一部という扱いになります。法第二十一条第一項も採血所を採血を行う場所をいい、採血の用に供する車両を含むと定義しているので、第十一条の八つの号はそのバスにも掛かります。

三十年と五年

そのかわり、記録については具体的です。基準省令第五条は採血責任者にいくつもの記録を作らせたうえで、保存期間を二段に分けます。採血で得られた血液と資材の保管・出納の記録と、血液に関する記録は、作成の日から三十年間。構造設備の清浄、従事者の衛生管理、設備の点検、試薬等の点検の記録は、作成の日から五年間です。

記録の種類 保存期間 根拠
血液及び資材の保管・出納の記録、血液に関する記録 30年 基準省令 第五条第二項
構造設備の清浄、衛生管理、点検の記録 5年 基準省令 第五条第三項
苦情処理記録 5年 基準省令 第九条第二号
健康被害を受けた献血者等の処遇の記録(完結の日から) 5年 基準省令 第九条の二第二号

三十年という長さの理由は、省令には書かれていません。書かれているのは期間だけです。ワインのヴィンテージを三十年さかのぼるのとは、数字が同じでも意味が違います。

補償と苦情は、あらかじめ用意しておく

基準省令にはもう二つ、短い条があります。第十条の二はこう書きます。

採血事業者は、あらかじめ、採血によって献血者等に生じた健康被害の補償のために、必要な措置を講じておかなければならない。

採血の業務の管理及び構造設備に関する基準 第十条の二

あらかじめという語が効いています。起きてから考えるのではなく、始める前に用意しておけという条です。第九条は献血者等からの苦情への対応を定め、原因の究明と改善措置まで含めた記録を五年間残させます。ここでも、献血者は客ではないのに、苦情の窓口だけは客と同じように置かれている。

国が毎年、血の量を決める|令和八年度は二百二十四万リットル

国が毎年、血の量を決める|令和八年度は二百二十四万リットル
セラーでボトルを確かめる場面の参考画像

方針と計画の置かれ方

法の第二章と第四章は、方針と計画を積み重ねます。厚生労働大臣が基本方針を定め(第九条)、それに基づいて毎年度の献血推進計画を定め(第十条第一項)、都道府県も同じ年度の推進計画を定め(第十条第五項)、採血事業者が献血受入計画を作って大臣の認可を受けます(第十一条第一項)。血液製剤の需給計画は、この列の下ではなく基本方針から直接分かれて毎年度定められます(第二十六条第一項)。基本方針は少なくとも五年ごとに再検討することになっています。

第十条第二項第一号は、献血推進計画に当該年度に献血により確保すべき血液の目標量を書けと求めます。国が、集めるべき血の量を年ごとに数字で決めるということです。

令和八年度の数字

大臣が認可した実際の数字を見ます。令和八年度の献血の受入れに関する計画は、日本赤十字社が令和八年二月九日に申請し、厚生労働大臣が同年三月三十日に認可しました。第1はこう書きます。

令和8年度に献血により受け入れる血液の目標量は、別紙1の輸血用血液製剤及び血漿分画製剤用の原料血漿の必要量を確保するために、別紙2のとおり全血献血で 134 万リットル、血漿成分献血で 60 万リットル、血小板成分献血で 30 万リットルの合計 224 万リットルとする。

令和8年度の献血の受入れに関する計画 第1
項目 令和8年度
全血献血の目標量 134万L
血漿成分献血の目標量 60万L
血小板成分献血の目標量 30万L
合計 224万L
常設献血受入施設 135箇所
移動採血車 267台
成分採血装置 1,505台

別紙2-1の合計欄を見ると、全血献血は一、三四四、〇八九リットルで、そのうち二〇〇ミリリットル採血は一四、七〇七リットルです。全血のおよそ一パーセントです。四〇〇ミリリットル採血が実質的な標準になっている、と数字が示しています。施設の数は令和八年四月一日時点の予定数です。

目標量が二百二十四万リットルになる根拠は、別紙1の必要量です。令和八年度に必要な血液量は合計二、一八八、三九一リットルとされ、その内訳は輸血用血液製剤の需要見込みが九四八、三九一リットル、血漿分画製剤用の原料血漿の確保計画が一、二四〇、〇〇〇リットル。輸血に回る量より、製剤の原料になる量のほうが多い、という構図です。

山梨と福井は、血小板の目標量が「0」になる

別紙2には注記が付いています。

山梨県及び福井県では血小板採血を行わないため、血小板成分献血目標量が「0」となっていること。

令和8年度の献血の受入れに関する計画 別紙2 注記

全国を七つのブロックに分けた需給管理の体制のなかで、二つの県だけ目標量が「0」になります。計画本文はまた、日本赤十字社について唯一の採血事業者であると書いています。法は許可制を敷いていますが、なぜ一団体だけになったのかを、計画は書いていません。

サングリアの側に戻る|値札のつくものと、つかないもの

サングリアの側に戻る|値札のつくものと、つかないもの
果実とお酒を並べた参考画像

「貴重」は、法に一度だけ置かれている

法の第三条は基本理念の条です。その第三項に、この法律で唯一の「貴重」が出てきます。

血液製剤は、献血により得られる血液を原料とする貴重なものであること、及びその原料である血液の特性にかんがみ、適正に使用されなければならない。

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律 第三条第三項

お酒の世界で「貴重」といえば、ふつうは値段のことを指します。数が少なく、手に入りにくく、だから高い。ところがこの条が挙げる理由は、献血により得られる血液を原料とすることと、血液の特性の二つで、値段の話は出てきません。しかもこの条の主語は血液製剤で、血液そのものではありません。制度が値段を否定しているのは採る場面のほうで、その先については規則第十六条が原料血漿の標準価格を需給計画に書かせ、規則第十八条第一項第一号が供給した量と価格を報告させています。

語の置き方も似ています。法第二条第二項はこの法律で「献血者等」とは、献血をする者その他の被採血者をいうと定めます。献血する人だけでなく、治療や検査で血を採られる人まで含めて一語にまとめ、その全員を保護の対象に置いた定義です。売り手でも買い手でもなく、採られる側という一点でくくっている。

サングリアは、その反対側にあります。一本千円台のボトルが棚に並び、飲みきれなければ査定に出すこともできる。名前がスペイン語で瀉血を指す語だとしても、飲みものとしては値段のつく世界の住人です。同じ一語が、値段のつく側と、採る場面に値段をつけさせない側とに、足を一つずつ置いている。

本記事が確認できたことと、できなかったこと

確認できたのは、三つの法令の全文三万六百九十二字に「酒」「アルコール」「飲酒」が零回であること、「問診」が規則第十四条第一項の一度だけであること、罰金の上限がいちばん高いのが第十六条違反の五百万円であること、別表第二が採血の種類ごとに十一号または十四号を並べていること、基準省令の構造設備の基準に数値が無いこと、令和八年度の目標量が二百二十四万リットルであることです。

確認できなかったのは、献血の前に飲酒を尋ねる運用が何を根拠にしているかです。法にも規則にも基準省令にも、飲酒について定めた条文はありませんでした。令和八年度の計画についても、参照した本文と別紙の範囲には見当たりません。問診票の項目は問診という二文字の中に丸ごと委ねられており、その中身は今回読んだ範囲の外にあります。したがって本記事は、献血の前に飲んでよいかどうかについては何も述べません。判断の根拠は条文の外にある、とだけ書いておきます。

お酒と体の関係については、アルコールの分解や休肝日の記事も用意しています。数字で測る制度という点では、ノンアルコールビールと検知器の記事も同じ筋です。

飲まないワイン・洋酒の査定・買取はリンクサスへ

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ボトルを確認する場面の参考画像

サングリア用にと買った赤ワインが箱のまま残っている、いただきものの一本を開ける機会がない。そうしたご相談を承っています。リンクサス酒販は品揃えの拡充にあわせて買取のご相談を受け付けており、当日十四時までのご注文で当日発送にも対応しています。

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よくある質問

よくある質問
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サングリアとはどんな飲みものですか。

ワインに果実と甘みを加え、よく冷やして果実ごと出すスペイン発祥の飲みものです。赤ワインを使うものが知られていますが、白、ロゼ、スパークリングでも作られます。果汁や甘みが加わるぶん、出来上がりの度数はベースのワインより下がり、市販品では七パーセント前後の表示が多く見られます。作り方の手順や漬け込み時間は、当店の別記事にまとめてあります。

サングリアの名前は、赤ワインの色が血に似ているからですか。

そう説明されることが多いのですが、スペイン王立アカデミーの辞書はこの由来を書いていません。辞書が示しているのは、sangría という語が十一の語義を持ち、飲みものはその四番目だということです。一番目は静脈を開くこと、つまり瀉血。五番目は肘の反対側の腕の関節部分、日本語でいう肘窩です。由来を断定する材料は、辞書の側にはありません。

日本の法律で、血を採ることはどう扱われていますか。

安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律が扱っています。昭和三十一年の法律で、もとの題名は採血及び供血あつせん業取締法でした。血液製剤の原料とする目的で業として採血するには第十三条第一項で厚生労働大臣の許可が要り、第三十一条は、業として採血することは医療及び歯科医療以外の目的で行われる場合であっても医師法第十七条の医業に該当すると定めています。

血を売ることはできますか。

できません。第十六条が「何人も、有料で、人体から採血し、又は人の血液の提供のあつせんをしてはならない」と定めています。三十九字の条文で、ただし書はありません。違反すると第三十三条により三年以下の拘禁刑もしくは五百万円以下の罰金、またはその併科となります。この五百万円は、この法律で罰金の上限がいちばん高い額です。

献血の前にお酒を飲んではいけない、という決まりは法令にありますか。

今回読んだ範囲では見つかりませんでした。法、施行規則、採血の業務の管理及び構造設備に関する基準の三つを合わせた全文三万六百九十二字に、「酒」も「アルコール」も「飲酒」も一度も出てきません。令和八年度の献血の受入れに関する計画も、参照した範囲には飲酒の記載がありませんでした。実際の運用は問診に委ねられているとみられますが、その中身は条文の外にあります。

献血の前には何を測るのですか。

施行規則第十四条第一項が、健康診断の方法として問診その他必要な診察に加えて、体温測定、体重測定、血圧測定、血色素検査及び血小板数検査を挙げています。測るものは五つです。そのうえで、同条第二項が別表第二を指し、採血の種類ごとに、該当したら採血してはならない条件を並べます。号の数は二〇〇ミリリットル全血採血で十一、血小板成分採血で十四です。

採血ができない条件には、どんなものがありますか。

別表第二が採血の種類ごとに並べています。二〇〇ミリリットル全血採血であれば、十六歳未満または六十五歳以上(六十五歳以上七十歳未満で、六十歳から六十五歳までの間に採血歴のある人は除かれます)、体重が男子四十五キログラム未満または女子四十キログラム未満、最高血圧が九〇mm(水銀圧)未満、血色素量が男子十二・五または女子十二グラム毎デシリットル未満などです。最後の号は四つの区分に共通で、有熱者その他健康状態が不良であると認められる者となっています。

献血の会場の明るさや広さに、決まりはありますか。

採血の業務の管理及び構造設備に関する基準の第十一条が八つの号で定めていますが、数値はありません。第一号は採光、照明及び換気が適正であり、かつ、清潔であること、第三号は採血の業務を適正に行うのに支障のない面積を有すること、という書き方です。この省令の全文三千四百六十九字を通しても、ルクスや平方メートルの記載は出てきません。

年間にどれくらいの血を集める計画なのですか。

令和八年度の献血の受入れに関する計画では、全血献血で百三十四万リットル、血漿成分献血で六十万リットル、血小板成分献血で三十万リットル、合計二百二十四万リットルが目標量とされています。日本赤十字社が令和八年二月九日に申請し、厚生労働大臣が同年三月三十日に認可したものです。別紙によれば、常設の献血受入施設は百三十五箇所、移動採血車は二百六十七台です。

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