ヴィンテージワインとは|当たり年と熟成、法令に無い年号の話
ヴィンテージワインとは、ブドウを収穫した年がラベルに刻まれたワインのことだ。四桁の数字が言っているのは、造り手の名でも畑の名でもなく、その年の空模様である。雨が多かったか、日が足りたか、収穫の直前に台風が来たか。年号は、その一年ぶんの天気の控えとして瓶に貼られている。
ところが、その空模様に日本の法令は名前を与えていない。「ヴィンテージ」も「収穫年」も「古酒」も、e-Gov法令検索の全法令横断で引くと一件も出てこない。「当たり年」を引くと一文だけ返るが、開いてみるとモーターボート競走法施行規則の「一競走場当たり年間の合計」で、語の切れ目にできた偶然にすぎない。
一方で国は、空模様そのものは徹底的に測っている。気象業務法とその政令・省令など七本、あわせて十三万六百二十四字。何を、どの器械で、小数点の何桁まで測るかが表になっていて、器械には検定があり、有効期間があり、壊した者には拘禁刑まで用意されている。その十三万字に「酒」も「ぶどう」も一字も無い。この記事は、当たり年・熟成・保存・相場の見方をひととおり押さえたうえで、ヴィンテージが語っている空気を国がどう扱っているのかを、その七本から数え直したものだ。
ヴィンテージワインとは|ラベルの四桁が指しているもの

ヴィンテージとは、英語で「ブドウの収穫」を指す言葉だ。ワインのラベルに西暦四桁が入っているとき、それは瓶詰めの年でも発売の年でもなく、原料のブドウを摘んだ年を意味している。日常の会話では「古くて価値のあるワイン」という意味で使われることが多いが、本来は古さの度合いではなく、単一の年から造られたかどうかを示す表記だ。
この一点を押さえると、話が整理しやすくなる。年号が入っている以上、そのワインは一年ぶんの天気を丸ごと引き受けている。同じ畑、同じ造り手、同じ醸造法でも、年が変われば中身が変わる。工業製品なら欠陥と呼ばれかねないこの振れ幅を、ワインは価値として引き受けてきた。
年号が意味を持つのは、ブドウが一年に一度しか実らないからでもある。蒸留酒のように何年か分をまとめて樽で寝かせ、あとから混ぜて味を揃えるという手が使いにくい。摘んだ年の果実がそのまま瓶に入り、その瓶がその年の代表になる。だから優れた年のワインは、後から増やすことができない。この一方通行が、年号を価格に結びつけている。
| 年号の意味 | ブドウを収穫した年。瓶詰めの年ではない |
|---|---|
| 表記の場所 | 表ラベルの銘柄名の上下、またはキャップシールの肩 |
| 価値を決める要素 | 造り手の格、その年の作柄、希少性、保管状態の四つ |
| 飲み頃の幅 | 軽い赤で三〜八年、骨格のある赤で十〜三十年が目安 |
| 保管の目安 | 摂氏十二〜十五度、湿度七〇%前後、横に寝かせる |
| 日本の法令上の扱い | 「ヴィンテージ」という語を含む法令は零件 |
ヴィンテージとノンヴィンテージ(NV)の違い
すべてのワインに年号があるわけではない。ラベルに「NV」とあったり、年号が見当たらないものも多い。これがノンヴィンテージで、複数の収穫年のワインをブレンドして造られる。
ヴィンテージは原則として単一年のブドウから造られるため、その年の個性がそのまま出る。年ごとに出来が変わり、作柄の良かった年は高く評価される。対してノンヴィンテージは、複数年を混ぜることで毎年同じ味に仕上げることを目的とする。シャンパーニュに多い造りで、ブランドの味を安定させる役割を担う。ヴィンテージが「その年らしさ」を、ノンヴィンテージが「いつ飲んでも変わらない味」を表すと考えると分かりやすい。どちらが上ということではなく、目的の違いだ。泡の側の制度はシャンパンの定義と気圧の下限に条文まで整理してある。
ラベルの読み方|収穫年・産地・格付け
年号を探すときは、まず表ラベルを見て、無ければキャップシールの肩と裏ラベルを確認する。銘柄によっては、表には入れずキャップシールにだけ刻む造りもある。それでも見当たらなければノンヴィンテージだ。
ラベルから読み取るべきは四つある。年号、造り手または生産者名、産地の呼称、そして格付けの表示だ。年号だけを見て古いから良いと判断すると、たいてい外す。
フランスのワインなら、産地の呼称がどの範囲まで絞り込まれているかが手がかりになる。地方名より村名、村名より畑名のほうが範囲が狭く、規定も厳しい。イタリアなら統制保証呼称、ドイツなら糖度に基づく等級が同じ役目を果たす。ラベルそのものの見方はエチケットとはワインラベルのことに、ドイツの等級はドイツワインの格付けにまとめている。
当たり年(グレートヴィンテージ)とは

当たり年とは、その年の天候がブドウの生育にとって理想的で、傑出したワインが多く生まれた年のことをいう。グレートヴィンテージとも呼ばれる。ワインの世界でいちばん頻繁に口にされる言葉のひとつだが、これは業界と評論家が使う呼び名であって、公的な定義があるわけではない。
何がその年を決めるのか
大まかには、春の開花が順調に進み、夏に十分な日照と適度な雨があり、収穫期に好天が続いた年が良い年とされる。糖と酸、果実味、渋みがそろって充実するからだ。逆に、開花期の長雨、夏の冷涼、収穫直前の豪雨は、いずれも作柄を落とす方向に働く。
ここで挙げた要素を並べ直すと、気温、降水量、日照時間の三つに集約される。つまり当たり年という言葉は、実質的にはこの三つの数字の組み合わせを一語で言い換えたものだ。ワインの値段を左右しているのは、突き詰めれば一年ぶんの気温と雨と日射の記録である。この三つを国がどう測っているかは、この記事の後半で条文から追う。
厄介なのは、良い方向と悪い方向がいつも同じではない点だ。暑い年は糖が上がって濃いワインになるが、酸が落ちて間延びすることがある。雨は嫌われがちだが、乾きすぎた夏には木が動きを止めるので、適度に降ったほうがよい。何度が最適で何ミリが適量かという答えは、産地と品種の組み合わせごとに違う。理想的な天候
という言い方は、ひとつの基準を指しているようでいて、実際には土地ごとに別のものを指している。
評価は一つに決まらない
同じ年でも産地によって評価は割れる。ボルドーの左岸と右岸で優劣が入れ替わる年があり、ボルドーが良くてブルゴーニュが振るわない年もある。品種の熟し方が違えば、同じ天気でも結果が変わるからだ。
さらに、評価する側が一つではない。複数の評論家や専門誌がそれぞれの尺度で点をつけるため、同じ年に異なる評価が並ぶことは珍しくない。銘柄別・年別の一覧はワインの当たり年 ヴィンテージチャート早見表に、産地ごとの読み分けまで含めてまとめてある。個別の銘柄ではシャトーマルゴーの当たり年と外れ年やシャトー・ラフィット・ロートシルトの当たり年が参考になる。
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年号のあるワインを、在庫のあるものから並べた。
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はじめの一本を選ぶなら、伝説的な年号を追うより、造り手の格がはっきりしている銘柄の近年の良作を選ぶほうが失敗が少ない。品揃えはワインの一覧から確認できる。
熟成で何が変わるか|飲み頃の見極め

瓶の中でワインが変わるのは、微量の酸素が長い時間をかけて働くからだ。色は赤なら紫がかった濃い色からレンガ色へ、白なら緑がかった淡い色から黄金色へ移る。渋みは角が取れ、香りは果実そのものの匂いから、なめし革や枯葉やきのこのような、果実から離れた匂いへ広がっていく。
ただし、どのワインも寝かせれば良くなるわけではない。長期の熟成に耐えるのは、渋みと酸を最初から多く持った骨格のあるワインで、軽やかに造られたものは早いうちに飲んだほうが持ち味が出る。飲み頃を過ぎたワインは、香りが痩せて酸だけが立つ。
飲み頃には幅がある。ひとつの頂点があって前後で落ちるというより、上り坂と平らな部分と下り坂が続く曲線に近い。平らな部分が長い銘柄ほど、いつ開けても大きく外さない。当たり年のワインが評価されるのは、味の絶対値が高いからというより、この平らな部分が長く取れるからだという見方もある。
| タイプ | 飲み頃の目安 | 見極めの手がかり |
|---|---|---|
| 軽めの赤 | 収穫年から三〜八年 | 色がまだ紫を残しているうちに |
| 骨格のある赤 | 十〜三十年 | 渋みが舌に残らなくなった頃 |
| 辛口の白 | 二〜十年 | 黄金色に寄りはじめた頃 |
| 甘口・貴腐 | 十〜五十年 | 糖と酸が拮抗し続ける限り |
| ヴィンテージ・シャンパン | 八〜二十年 | 泡が細かくなり香ばしさが出た頃 |
ヴィンテージワインの保存・保管方法
保管で押さえるべきは温度、湿度、光、振動、姿勢の五つだ。理想は摂氏十二〜十五度の一定した低温で、湿度は七〇%前後。直射日光と振動を避け、ボトルを横に寝かせてコルクを湿らせておく。コルクが乾くと隙間から空気が入り、液面が下がる。
いちばん避けたいのは温度の急変で、夏場に高温になる部屋に置くと数か月で状態が変わる。家庭で安定した環境を保つのは難しいので、長期に持つと決めた本数があるならセラーを検討したい。機種の選び方はワインセラーのおすすめと選び方に、常温での限界はワインの常温保存はどこまで平気かにまとめている。
当たり年・熟成で選ぶヴィンテージワイン30本を比較

ボルドーの五大シャトー、ブルゴーニュの特級、スーパータスカン、貴腐ワイン、ヴィンテージ・シャンパンまで、年号の重みが価格に表れる三十本を並べた。表は並べ替えて見比べられる。
| 画像 | 銘柄・スコア | 定価 市場相場 |
特徴 | リンクサス酒販 本命 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位入手困難
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シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン 1989 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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1989年はボルドー左岸・右岸ともに高評価を集めた当たり年。グラーヴ最上級のこのワインは、当たり年特有の凝縮した黒系果実とスモーキーなミネラルが30年以上を経てなめらかに開き、ヴィンテージの底力を示す。 |
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2位入手困難
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シャトー・ペトリュス 1994 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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1994年のペトリュスは、メルロー主体ながら鉄分やトリュフを思わせる複雑さが熟成で花開いた飲み頃のヴィンテージ。年産が少なく、特定の収穫年の状態の良い個体はコレクター需要が途切れない。 |
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3位入手困難
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シャトー・ル・パン 2016 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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2016年はボルドーが理想的な天候に恵まれた優良ヴィンテージ。年産わずか数千本のル・パンは、当たり年のなめらかなタンニンと華やかな果実味を備え、長期熟成のポテンシャルが高い超少量生産の象徴だ。 |
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4位
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シャトー・ムートン・ロートシルト 2000 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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2000年はボルドーが20世紀を締めくくる世紀の当たり年とされ、記念性も相まって評価が高い。カシスや杉、鉛筆の芯の香りに毎年変わるアートラベルが加わり、ヴィンテージ収集の人気が特に集まる一本。 |
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5位入手困難
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シャトー・ラフィット・ロートシルト 1982 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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1982年は近代ボルドーの評価を一変させた伝説的な当たり年。完熟した果実由来のしなやかな酸と気品ある余韻が、40年超の熟成でさらに磨かれ、ヴィンテージワインの価値を語るうえで外せない年号だ。 |
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6位
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シャトー・ラトゥール 1998 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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1998年はボルドー右岸が秀逸とされた年。晩熟のラトゥールは力強い骨格と鉄のようなミネラルを備え、飲み頃まで数十年を要する。長く寝かせるほど真価を発揮するヴィンテージワインの典型だ。 |
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7位
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シャトー・オー・ブリオン 1999 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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1999年のオー・ブリオンは、土や煙草を思わせる独特の熟成香としなやかな温かみが特徴。5大シャトー唯一のグラーヴとして、収穫年ごとの個性差が分かりやすく、ヴィンテージ比較の楽しみが大きい。 |
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8位入手困難
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DRC モンラッシェ 2013 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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2013年のモンラッシェは、白ワインでも長期熟成するヴィンテージの代表例。蜜やヘーゼルナッツの香りと圧倒的なスケール感を持ち、世界最高峰の辛口白として収穫年の出来が価格を大きく左右する。 |
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9位入手困難
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DRC ラ・ターシュ 2019 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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2019年はブルゴーニュが凝縮感と酸を両立した近年屈指の優良ヴィンテージ。DRCの単独所有畑ラ・ターシュは、スパイスとバラの香り、繊細さと力強さが同居し、若い当たり年の伸びしろを体感できる。 |
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10位入手困難
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アルマン・ルソー シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ 2015 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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2015年は果実が豊かに熟したブルゴーニュの great ヴィンテージ。クロ・ド・ベーズを代表するルソーのこのワインは、チェリーや土の香りに芯の通った骨格があり、当たり年らしい充実感を備える。 |
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11位入手困難
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DRC ロマネ・コンティ 2015 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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世界で最も高価とされる赤ワインの頂点。1.8haの畑から生まれ、当たり年2015のロマネ・コンティはバラやスパイス、東洋的な香りが幾層にも重なる。収穫年と本数の希少性が価格を別格にする。 |
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12位入手困難
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DRC リシュブール 2001 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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2001年のリシュブールは、ロマネ・コンティと畑を接するDRCの力強いグランクリュ。20年超の熟成で豊満な果実と艶やかなタンニンが調和し、飲み頃に入ったヴィンテージの魅力を示す。 |
在庫切れリンクサス入荷通知 | 価格を見るAmazon | ¥744,100 楽天 | 査定 買取 | |
13位
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シャトー・マルゴー 2007 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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“ワインの女王”と称されるマルゴー。2007年は穏やかな作柄だが、スミレや甘いスパイスの香りと絹のような口当たりは健在で、当たり年以外でも造り手の力量が現れることを教えるヴィンテージだ。 |
¥90,000リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | ¥102,300 楽天 | 査定 買取 | |
14位
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シャトー・シュヴァル・ブラン 2007 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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サンテミリオン最上格のシュヴァル・ブラン。2007年はカベルネ・フランの華やかでスパイシーな個性が早くから楽しめる収穫年で、ヴィンテージごとの飲み頃の早い・遅いを比べる好例になる。 |
¥92,400リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | ¥80,000 楽天 | 査定 買取 | |
15位入手困難
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シャトー・オーゾンヌ 2005 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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2005年はボルドー全域が傑出した大当たり年。石灰質の畑から生まれるオーゾンヌは、当たり年特有の凝縮度とミネラル感を備え、生産量の少なさからもヴィンテージの価値が際立つ。 |
¥231,000リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | ¥191,880 楽天 | 査定 買取 | |
16位入手困難
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シャトー・ディケム 1998 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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貴腐ワインの頂点ディケム。1998年は蜂蜜やアプリコットの濃密な甘みを、酸が驚くほど長く支える。極甘口ワインは赤以上に長命で、収穫年(貴腐の付き方)が品質を大きく分けるヴィンテージワインだ。 |
¥63,800リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | ¥120,000 楽天 | 査定 買取 | |
17位
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オーパス・ワン 2017 ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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ナパを代表するオーパス・ワン。2017年はボルドー品種由来の豊潤な果実味と洗練された樽使いが調和した収穫年で、新世界でもヴィンテージごとの作柄差が価格と熟成力に表れることを示す。 |
¥72,600リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | ¥96,800 楽天 | 査定 買取 | |
18位
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サッシカイア 2020 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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スーパータスカンの先駆けサッシカイア。2020年は地中海的な温かさと気品を備えた近年ヴィンテージで、カベルネ主体の構造から長期熟成が見込め、若い当たり年を寝かせる楽しみがある。 |
¥55,000リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
19位入手困難
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マッセート 2015 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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メルロー100%で“イタリアのペトリュス”とも呼ばれるマッセート。2015年はビロードのような舌触りと凝縮した果実味を持つ充実ヴィンテージで、収穫年の出来がそのまま熟成力に直結する。 |
¥190,300リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
20位
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オルネライア 2018 ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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ボルゲリを代表する優美なオルネライア。2018年は果実味と樽香、しなやかなタンニンのバランスがよい収穫年で、飲み頃が比較的早く、ヴィンテージ入門にも向く現代イタリアの実力派だ。 |
¥41,800リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
21位
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ペンフォールズ グランジ 2016 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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オーストラリアの伝説的シラーズ、グランジ。2016年は濃密な黒系果実とスパイスが詰まった優良ヴィンテージで、長期熟成に耐える構造を持ち、新世界における当たり年の価値を体現する。 |
¥99,000リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | ¥132,000 楽天 | 査定 買取 | |
22位
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クリュッグ グランド・キュヴェ ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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クリュッグ グランド・キュヴェは複数の収穫年をブレンドするノン・ヴィンテージ(NV)の最高峰。単一年を名乗らないことで毎年安定した味を生む。ヴィンテージ(単一年)との違いを理解する対比の一本だ。 |
¥30,800リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
23位入手困難
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クリュッグ クロ・デュ・メニル 2008 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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単一畑・単一年から造るヴィンテージ・シャンパンの伝説、クロ・デュ・メニル。2008年は酸が際立つ偉大なシャンパーニュの当たり年で、泡でも収穫年表記が品質と価格を大きく左右することを示す。 |
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24位
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シャトー・ラフィット・ロートシルト 1998 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
1998年のラフィットは、グラファイトと黒系果実の香りに、年月を経て開く繊細なエレガンスが宿る飲み頃ヴィンテージ。5大シャトー筆頭格の熟成した姿を味わえる収穫年だ。 |
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25位
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シャトー・ムートン・ロートシルト 2005 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
毎年異なる芸術家がラベルを描くムートン。当たり年2005はカシスや杉、なめし革の香りに力強い骨格が備わり、ラベル収集とヴィンテージ収集の両面で人気が集まる一本になっている。 |
在庫切れリンクサス入荷通知 | 価格を見るAmazon | ¥217,800 楽天 | 査定 買取 | |
26位
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シャトー・ラトゥール 1981 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
“ポイヤックの獅子”ラトゥールの1981年。鉄分とタールを思わせる重厚な味わいが、40年超の熟成で真価を発揮する。当たり年でなくとも長命に育つ、ラトゥールらしいヴィンテージの好例だ。 |
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27位入手困難
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DRC ラ・ターシュ 1996 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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1996年は酸が豊かで長熟向きと評されるブルゴーニュのヴィンテージ。DRC単独所有畑ラ・ターシュは、複雑なスパイスと花の香り、長期熟成でしか得られない奥行きを備える。 |
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28位
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エマニュエル・ルジェ エシェゾー 2006 ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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アンリ・ジャイエの後継として名高いルジェ。2006年のエシェゾーは透明感のある赤系果実と緻密な造りが光り、収穫年ごとのテロワール表現の違いを丁寧に映すヴィンテージワインだ。 |
¥198,000リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | ¥257,130 楽天 | 査定 買取 | |
29位
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リシュブール(ティボー・リジェ・ベレール)2017 ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
新世代の名手ティボー・リジェ・ベレールが手がけるリシュブール。2017年は濃密な果実と艶やかな質感を備えた収穫年で、若いヴィンテージを寝かせて育てる楽しみのある一本だ。 |
¥121,000リンクサス最安 | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
30位
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シャトー・シュヴァル・ブラン 1993 ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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1993年は穏やかな作柄ながら、シュヴァル・ブランは熟成を経て枯れ葉やスパイスの複雑な香りをまとう。当たり年以外のヴィンテージが時を経て見せる優雅さを教えてくれる一本だ。 |
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伝説的な年を狙うか、近年の優良年を若いうちから寝かせるかで、見るべき年号は変わる。年ごとの評価そのものはヴィンテージチャート早見表に譲る。価格欄は流通している参考値で、希少な古酒やオープン価格の品が多いためメーカー定価は載せていない。五大シャトーの序列は五大シャトーの覚え方と序列、ブルゴーニュの造り手はブルゴーニュの高級ワインに整理してある。
価格相場と資産価値の考え方

ヴィンテージワインの値段は、造り手の格、その年の作柄、残っている本数、そして個体の状態という四つの掛け算で決まる。どれか一つが欠けると、他が揃っていても値は伸びない。年号だけが独立して価格を決めることはない。
相場を見るときは、同じ銘柄の別の年と並べるのが手早い。造り手と畑が同じで年だけが違えば、差額のかなりの部分は作柄と残存本数の差にあたる。そのうえで、飲み頃に入っている年は流通量が増えて値が落ち着き、まだ早い年は動きが鈍い、という傾向が重なる。年号の数字そのものに値が付いているわけではない。金額の目安は、上の三十本の比較表の価格欄で銘柄ごとに確かめられる。
時間とともに値が上がるのは、飲まれて本数が減っていくからだ。同じ年のワインは二度と造られないので、供給は増えない側にしか動かない。ただしこれは、飲み頃の幅が長い銘柄に限った話で、早飲み向きのワインを寝かせても値は付かない。世界の最高額帯の実例は世界一高いワインランキングにまとめている。
失敗しないヴィンテージワインの選び方
選ぶ順序は、造り手、年、状態の三段で考えると迷いにくい。まず信頼できる造り手を決め、その中で予算に合う年を選び、最後にその個体の状態を確かめる。逆に年から入ると、評価の高い年ほど値が張るうえ、状態の悪い個体を掴みやすい。
贈り物として特定の年を探すなら、当たり年かどうかより、その年が飲み頃に入っているかを優先したい。記念の年に合わせる選び方は生まれ年ワインの選び方に、贈答の組み立てはワインのプレゼントに整理してある。
購入・保管で気をつけたい注意点
古いワインを買うときに見るのは、液面の高さ、コルクの沈み、キャップシールの浮き、ラベルの染みの四つだ。液面が肩より下がっているものは、長い年月のあいだに空気が入っている可能性が高い。ラベルの汚れは、湿度の高いセラーで保管されていた証しでもあるので、それだけで悪いとは限らない。
買った後の運搬にも注意がいる。長く動かしていない古い瓶は、澱が舞うと落ち着くまで時間がかかる。届いたらすぐ開けず、最低でも数日は立てずに寝かせて休ませたい。
「ヴィンテージ」は日本の法令に一度も無い

ここから先は、ワインの話をいったん離れる。年号がその年の天気を指しているなら、その天気を国はどう扱っているのか。まず、言葉のほうから確かめた。
書き方を変えて全部叩いた
e-Gov法令検索には、施行中の全法令を横断して語を探す機能がある。外来語は表記が割れるので、思いつく書き方を並べて一つずつ引いた。結果は次のとおりで、いずれも該当零件だった。
| 引いた語 | 該当する法令 |
|---|---|
| ヴィンテージ/ビンテージ/ヴィンテイジ | 零件 |
| ヴインテージ/ヴィンティジ/びんてーじ | 零件 |
| ヴィンテージワイン | 零件 |
| 収穫年/古酒/年代物 | 零件 |
| 酒造年度/醸造年度 | 零件 |
| あたり年 | 零件 |
| 当たり年 | 一文(後述のとおり別語) |
ワインを語るときに誰もが使う言葉が、法令の側にはまったく置かれていない。国はこの概念に名前を与えていない。
「当たり年」が一度だけ出るのはモーターボートの規則
唯一の該当は、モーターボート競走法施行規則の附則第三項にある次の一文である。
前項の規定により超えることができる開催日数は六日以内とし、その一競走場当たり年間の合計は十二日以内とする。
読めば分かるとおり、これは「一競走場当たり
」と「年間
の合計」がたまたま隣り合って、間に文字の切れ目ができただけだ。横断検索は部分一致で拾うので、こういう見かけの一致が混ざる。語としての「当たり年」を書いた条文は、日本の法令に一つも無い。モーターボート競走法施行規則の開催日数の話に、ブドウの出来は関係していない。
国は空模様の測り方を十七の種目で決めている

言葉が無い代わりに、中身のほうは細かく決まっている。気象業務法は冒頭で、扱う対象をこう定義する。
この法律において「気象」とは、大気(電離層を除く。)の諸現象をいう。
気象業務法第二条第一項のこの一行が、ブドウ畑の上を流れる空気も含めた、地表の大気すべてを射程に入れている。そのうえで法第六条第一項は、気象庁以外の政府機関や地方公共団体が守るべき観測の技術上の基準を国土交通省令に委ね、同条第二項がそれを民間にも及ぼした。
最小位数まで決めた表
受けているのが気象業務法施行規則第一条の三で、気象庁以外の者が観測するときの技術上の基準を表にしている。号は第一号から第十八号まで並ぶが、第三号は削除されているので、実際に残る種目は十七だ。多くの種目について、どの器械を使い、どの単位で、どの桁まで読めなければならないかが指定されている。
| 種目 | 単位 | 最小位数 |
|---|---|---|
| 気圧 | ヘクトパスカル | 一ヘクトパスカル |
| 気温 | 度(摂氏) | 一度 |
| 相対湿度 | パーセント | 一パーセント |
| 風(風速) | メートル毎秒 | 一メートル毎秒 |
| 降水量 | ミリメートル | 一ミリメートル |
| 積雪の深さ | センチメートル | 一センチメートル |
| 日照時間 | 時 | 〇・一時 |
| 日射量 | メガジュール毎平方メートル | 〇・一メガジュール毎平方メートル |
| 波浪(高さ) | メートル | 〇・五メートル |
当たり年を決める三要素として先に挙げた気温、降水量、日照時間が、そのままこの表に並んでいる。国は、ワインの値段を左右している当の数字を、単位と桁まで指定して測らせている。ただし、その目的はワインとは何の関係もない。
気象庁が自ら行う観測はさらに広い。同規則第一条の二は、観測の対象を気象、地象、地動、地球磁気、地球電気、水象の六つに分け、それぞれに手段を割り当てている。気象の下だけでもイからソまで十八の項目が並び、末尾のソは「その他の現象」で受ける。途中の「大気の微量成分」はさらに九つに割れていて、オゾン、二酸化炭素、フロン、メタン、一酸化二窒素、四塩化炭素、一酸化炭素、エーロゾルなどが個別に挙がる。空気の中の一成分にまで名前と測り方が与えられている一方で、その空気が育てた果実の名は一つも出てこない。
二十一の号と、期限のある合格
測る器械の側も同じだ。気象業務法第九条第一項は、別表に挙げた気象測器について、技術上の基準に従うべき観測や、許可を受けた予報業務のための観測に使うのであれば、検定に合格したものでなければならないと定める。別表が挙げるのは温度計、気圧計、湿度計、風速計、日射計、雨量計、雪量計の七つで、それぞれに検査用の測定器が指定され、うち温度計・気圧計・湿度計・風速計の四つには検査設備までが対で並ぶ。
検定の中身は気象測器検定規則が引き受ける。第二条は検定を行う気象測器の種類を第一号から第二十一号まで並べるが、末尾の第二十一号は「複合気象測器」、つまり二つ以上が一体になったものを指すので、単体の種類は二十だ。ガラス製温度計と金属製温度計と電気式温度計とラジオゾンデ用温度計が別々の号になっている、といった細かさである。
誤差の呼び分けまで決まっている。同規則第一条は、検査点ごとに真の値からどれだけずれたかを「個別の器差」、隣り合う検査点の器差の差を「較差」、器差の最大値と最小値の差を「極差」と定義する。第十四条第二項は、この三つのうち器種ごとに定められたものが告示の検定公差を超えないことを合格の条件とした。ずれの大きさだけでなく、ずれ方の癖まで見ているということだ。
合格した器械にも期限がある。同規則第十五条は、液柱型水銀気圧計、アネロイド型気圧計、風杯型風速計、風車型風速計、電気式日射計、自記式の貯水型雨量計、転倒ます型雨量計の七つについて有効期間を五年とし、ラジオゾンデ用の温度計・気圧計・湿度計の三つを一年とする。船舶で用いるものは、航行中に期間が過ぎても最初に本邦の港へ着いた日まで延びる(第十五条第三項)。それでもこの七つには期限があるのに、瓶に貼られた年号には有効期間が無い。
合格の印そのものにも決まりがある。同規則第十三条第二項の表は、検定証印の寸法を直径五ミリメートル以上八ミリメートル以下とし、備考にこう添える。
形状において、その中の数字は、西暦年数の十位以下を表すものとする。
気象測器検定規則第十三条第二項。この七法令のなかで国が西暦の年を刻めと命じた相手は、ワインのラベルではなく、一センチに満たないこの印のほうだった。同じ備考は気象測器等委託検定規則第五条第二項の委託検定証印にも置かれており、そちらは一辺四ミリメートル以上六ミリメートル以下の正方形だ。刻まれるのは十の位から下、つまり年の下二桁である。
畝の間の空気だけを見る観測は、はじめから基準の外にある

ここまでで、国が空模様の測り方を細かく決めていることが分かった。では、ブドウ畑の空気もその枠に入るのか。条文はこの問いに、はっきりと答えている。
第一条の四第一号
気象業務法第六条第二項は、政府機関と地方公共団体以外の者について、成果を発表するための観測や災害の防止に使うための観測には技術上の基準に従えと命じたうえで、省令で定めるものは除くとした。受けた気象業務法施行規則第一条の四が、その除かれるものを列挙する。第一号はこうだ。
畝の間又は苗木の間、建物又は坑道の内部等特殊な環境によつて変化した気象のみを対象とする観測
気象業務法施行規則第一条の四第一号。畑の畝の間で測った空気、苗木の間で測った空気は、建物の中や坑道の中と同じ扱いで、技術上の基準の対象から外れる。国はそれを「特殊な環境によつて変化した気象」と呼んでいる。条文がのみ
と書いているとおり、外れるのはそういう空気だけを見る観測で、ふつうの大気もあわせて測るならこの第一号では外れない。もっとも同条は第二号で、気圧・気温・相対湿度・風向・風速・降水量・積雪の深さ・視程・日照時間・日射量と、指定された降水粒子の分布及び状態という十一種目以外を対象とする観測も、まとめて基準の外に置いている。臨時の観測や船舶・航空機の観測も第三号から第五号で外れる。
これは、この法律が産業に無関心だからではない。目的を定めた第一条はこう書く。
この法律は、気象業務に関する基本的制度を定めることによつて、気象業務の健全な発達を図り、もつて災害の予防、交通の安全の確保、産業の興隆等公共の福祉の増進に寄与するとともに、気象業務に関する国際的協力を行うことを目的とする。
気象業務法第一条が掲げる産業の興隆
。さらに第三条第六号は気象庁長官の任務として、観測の成果や調査研究の成果を産業、交通その他の社会活動に利用してもらえるよう促進することを挙げている。産業に使ってほしいと条文に書いたうえで、どの産業のどの作物とも書かなかった。
ヴィンテージという言葉が語っているのは、まさにその空気だ。同じ村でも斜面の向きで熟し方が変わり、畝一本の違いが味に出る、と語られるときの空気である。国が測る対象として想定しているのは、露天の開けた場所で測った、その土地を代表する大気のほうだった。畑の個性は、法の側から見れば最初に取り除くべき偏りとして扱われている。土の側から同じ落差を見た話はワインとは|法令に無いテロワールにまとめてある。
国が三年の刑で守るのは温度計のほう
外された空気とは対照的に、測る器械のほうは手厚く守られている。気象業務法第三十七条は、気象庁と、技術上の基準に従つて観測すべき者が屋外に設置した気象測器や警報の標識を、正当な理由なく壊し、移し、その他効用を害する行為を禁じる。違反すると第四十四条により、三年以下の拘禁刑もしくは百万円以下の罰金、またはその併科である。
守る側の権限も強い。第三十八条は観測のために私人の土地や水面への立入りを認め、第三十九条は障害となる植物やかき、さくを伐除させることを認める。しかも第三十九条第二項は、離島、湖沼、山林、原野などで承諾を得ることが困難で、かつ物件の現状を著しく損傷しないときは、承諾を得ないで伐除できるとする。この場合は速やかに所有者へ通知しなければならない。第四十条が損失の補償を用意しているのは、それだけ踏み込む力があるということだ。
施行令が並べた予報は季節どまり|過ぎた年を語るのに気象予報士は要らない

最後にもう一段ある。国は過ぎた空模様も統計として扱うが(法第二条第四項第五号、第三十六条)、許可と資格と罰則がいちばん重く掛かるのは「これから」を言う側で、過去に掛かる許可は無線で成果を流す業務の一本にとどまる、という点である。
五十の予報と警報
気象業務法施行令は、気象庁が行う予報と警報の種類を表で並べている。第四条第一項に二十三種類、第二項に五種類、第五条の特別警報に八種類、第六条の航空機・船舶向けに六種類、第七条の水防活動向けに八種類。合わせて五十種類だ。
そのうち、いちばん先まで見ているのが季節予報だ。第四条第一項の表は、その内容をこう書く。
当日から一箇月間、当日から三箇月間、暖候期、寒候期、梅雨期等の天気、気温、降水量、日照時間等の概括的な予報
気象業務法施行令第四条第一項。ここでも気温、降水量、日照時間が並ぶ。ただし施行令が種類として書き出したいちばん先は、三箇月と暖候期・寒候期・梅雨期どまりで、しかもその列挙の末尾は「等」で開かれている。表の外へ出れば、気象庁組織規則第十九条第一号が気候情報課の所掌に気候の予報
を割り当ててもいる。年の全体をひとつの評価にまとめるヴィンテージは、そのどの枠にも収まらない。
言うことにも許可がいる。第十七条第一項により、気象庁以外の者が予報の業務を行うには気象庁長官の許可が必要で、第十九条の二により、その許可を受けた者のうち気象や地象の予想を行うものは、その予想を行う事業所ごとに気象予報士を置き、予想そのものを気象予報士に行わせなければならない。無許可で予報業務を行った場合も、気象予報士以外に予想をさせた場合も、第四十六条で五十万円以下の罰金になる。第二十三条は警報そのものを気象庁以外に禁じ、施行令第十条が認める例外はただ一つ、気象庁の津波警報を適時に受けられない状況にある市町村の長が津波警報をする場合だけだ。
その気象予報士も、試験に受かっただけではなれない。第二十四条の二で気象庁長官の行う試験に合格し、第二十四条の二十で改めて登録を受けて、はじめて名乗れる。第二十四条の二十三が定める気象予報士名簿の記載事項は、登録年月日及び登録番号、氏名及び生年月日その他だ。国が年を台帳に書き留めるのは、空模様を語る人のほうであって、空模様を映した酒のほうではない。
「予報」は未来のことばだった
ここまで厳しく縛られているのに、ヴィンテージチャートを誰が作っても罰せられないのはなぜか。答えは定義の中にある。
この法律において「予報」とは、観測の成果に基づく現象の予想の発表をいう。
気象業務法第二条第六項。予想
という語が線を引いている。第十七条第一項の許可も第十九条の二の気象予報士も、これから起こることを言う側に掛かる縛りだ。過去に掛かる許可がまったく無いわけではなく、第二十六条第一項は、自分で行った国内の気象の観測の成果を、気象業務を行う機関・船舶・航空機に受信させるための無線通信で発表する業務に許可を求め、違反を第四十六条第七号で五十万円以下の罰金としている。だがそれは自分で測った値を無線で流す業務の話で、過ぎた年の作柄を文章で論じる行為は、この法律のどの許可欄にも当たらない。ある年のボルドーは素晴らしかったと書くのは、法の外側の行為だ。
ただし、過去について国がまったく口を開かないわけではない。気象業務法第三十五条第一項は、気象庁が一般の依頼により、気象・地象・水象に関する事実
について証明及び鑑定を行うと定める。受けた気象等証明及び鑑定規則が、依頼書の様式と、収入印紙で手数料を納めることと、証明書を交付して行うことまで決めている。裁判や保険の場面で、何月何日の雨量はいくらだったかを公に固めるための仕組みだ。
だがそこで国が固めるのは、第三十五条第一項が対象として挙げた気象・地象・水象の事実だけである。良し悪しの判断は、はじめから制度の側に置かれていない。
だからヴィンテージは自由でいられる。国が名前を与えず、畝の間の空気を技術上の基準から外し、過ぎた年の良し悪しを決める役を誰にも与えなかったその隙間で、二百年ぶんの評価が積み上がってきた。ラベルの四桁は、制度が測ると決めなかった空気を、飲む側が測り続けてきた記録である。
よくある質問

ヴィンテージワインとは何ですか。
ブドウを収穫した年がラベルに明記され、その年の天候や作柄が味わいに反映されたワインのことです。ヴィンテージは本来「収穫」を意味する言葉で、瓶詰めの年でも発売の年でもありません。日本語では熟成した古いワインを指して使われることもありますが、厳密には単一の収穫年から造られたことを示す表記です。
ヴィンテージとノンヴィンテージ(NV)の違いは何ですか。
ヴィンテージは原則として単一の収穫年のブドウから造られ、その年の個性が味わいに表れます。年ごとに出来が変わるため、作柄の良い年は高く評価されます。ノンヴィンテージは複数年のワインをブレンドして毎年一定の味わいに仕上げたもので、シャンパーニュに多く見られます。前者が「その年らしさ」を、後者が「いつ飲んでも変わらない味」を表すと考えると整理しやすいです。
ヴィンテージワインは古いほど良いのですか。
古ければ良いとは限りません。価値を決めるのは造り手の格、その年の作柄、希少性、保管状態の四つです。長期熟成に向くのは渋みと酸を多く持った骨格のある銘柄で、軽めのワインは早く飲むほうが持ち味が出ます。飲み頃を過ぎたものや保管の悪い個体は評価が下がります。
当たり年(グレートヴィンテージ)とは何ですか。
その年の天候がブドウの生育に理想的で、傑出したワインが多く生まれた年のことです。春の開花が順調で、夏に十分な日照と適度な雨があり、収穫期に好天が続いた年が良い年とされます。ただし公的な定義はなく、評価する専門誌や評論家によって差が出ます。産地によっても評価は割れます。
ヴィンテージワインはどう保管すればよいですか。
摂氏十二〜十五度ほどの一定した低温、湿度七〇%前後で、振動と直射日光を避け、ボトルを横に寝かせてコルクを湿らせた状態に保つのが理想です。温度の急変が最も負担になるため、夏場に高温になる場所は避けます。家庭で安定した環境を保つのは難しいので、長期の保管にはワインセラーの導入が現実的です。
「ヴィンテージ」という言葉は日本の法令にありますか。
ありません。e-Gov法令検索の全法令横断検索で、ヴィンテージ、ビンテージ、ヴィンテイジ、ヴインテージ、ヴィンティジ、びんてーじ、ヴィンテージワインの七通りを引いても、いずれも該当は零件です。収穫年、古酒、年代物、酒造年度、醸造年度も同じく零件でした。いずれも二〇二六年八月二十一日時点の検索結果です。
「当たり年」は法令に出てきますか。
語としては出てきません。横断検索では一文だけ返りますが、モーターボート競走法施行規則の附則第三項にある「その一競走場当たり年間の合計は十二日以内とする」という一文で、「一競走場当たり」と「年間」が隣り合ってできた部分一致です。ブドウの作柄とは関係がありません。
日本の法律は天気の測り方をどのくらい細かく決めていますか。
気象業務法施行規則第一条の三が、気象庁以外の者が観測する際の技術上の基準を表にしています。号は第一号から第十八号まで並び、第三号が削除されているため実際の種目は十七です。気温は摂氏一度、気圧は一ヘクトパスカル、降水量は一ミリメートル、日照時間は〇・一時、日射量は〇・一メガジュール毎平方メートルというように、読み取るべき最小位数まで指定されています。
ブドウ畑で測った気温は「気象」に含まれますか。
気象業務法第二条第一項の定義では大気の諸現象すべてが「気象」ですが、技術上の基準の適用については別です。同法施行規則第一条の四第一号が、「畝の間又は苗木の間、建物又は坑道の内部等特殊な環境によつて変化した気象のみを対象とする観測」を基準の対象から除いています。畑の畝の間の空気は、建物や坑道の内部と同じ扱いになっています。
飲まないヴィンテージワインを売ることはできますか。
できます。リンクサス酒販では、ボルドーの五大シャトー、ブルゴーニュの特級、貴腐ワイン、ヴィンテージ・シャンパンなどの買取に対応しています。生産者・畑名・収穫年が明確であること、液面の高さ、コルクとキャップシールの状態、ラベルの傷み、保管環境が評価に影響します。摂氏十二〜十五度の冷暗所で寝かせて保管し、飲む予定のないボトルは状態の良いうちに査定へお出しください。






































