カクテルの度数一覧|弱い順30種と法令が引く六本の線

カクテルの度数一覧|弱い順30種と法令が引く六本の線

カクテルの度数一覧|弱い順30種と法令が引く六本の線

カクテルの度数を弱い順に並べた一覧は、どこを見ても数字が少しずつ違います。書き手が不正確だからではなく、グラスに注がれた一杯の度数を決めている規則が、日本にもEUにも米国にも無いからです。一方、同じ数字が瓶に入っているときには六本の線が引かれていて、そのうち「弱いほど表示の義務が軽い」向きに引かれているのは一本だけです。この記事は代表的な三十種を弱い順に並べたうえで、その数字が瓶に入ったらどの規則の下に落ちるのかを条文で追いました。

グラスの一杯には、度数を書かせる条文が一つもない

グラスの一杯には、度数を書かせる条文が一つもない
テーブルに並んだ色とりどりのカクテル

バーで出てくる一杯に、度数の表示はありません。書かなくても誰にも咎められない。店の怠慢ではなく、表示を命じる規定の射程の外にいるからです。

表示義務が掛かるのは「容器又は包装」に限られる

日本で酒の表示を命じているのは、酒税法ではなく酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律です。その第八十六条の五が、名宛人と、書かせる場所を決めています。

酒類製造業者又は酒類販売業者は、政令で定めるところにより、酒類の品目その他の政令で定める事項を、容易に識別することができる方法で、その製造場から移出し、若しくは保税地域(中略)から引き取る酒類(中略)又はその販売場から搬出する酒類の容器又は包装の見やすい所に表示しなければならない。

酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律 第八十六条の五

掛かる先は容器又は包装です。製造場から移出されるときにも販売場から搬出されるときにも、その液体はまだグラスに入っていません。カウンターで混ぜた瞬間に生まれた一杯は、この条文が想定している物ではないのです。瓶に書かれた四十度は法の下にありますが、その瓶から四十五ミリリットルを注いで作った一杯の度数は、どの条文の下にもありません。混ぜる行為そのものが酒税法第四十三条のみなし製造に触れる仕組みはカクテルとは|定義は酒税法になく、IBA公認は102品で扱いました。ここで見るのは、混ぜた後の数字のほうです。

一杯の度数を決める四つの入力と、その計算

一杯の度数は、四つの入力で決まります。ベースの酒の度数、その量、割り材の量、そして氷が解けて加わる水の量です。このうち法令が縛っているのは一つ目だけで、残りの三つを決めているのは作り手の手つきです。

計算そのものは単純で、使った酒の量に度数を掛けたものを、仕上がりの総量で割ります。四十度のジン四十五ミリリットルを、氷と割り材を合わせて百八十ミリリットルに仕上げれば、四十五掛ける〇・四を百八十で割って、およそ十パーセントです。ジントニックが十パーセント前後と紹介されるのはこの計算によります。

関連商品ラインナップ
バックバーに並ぶ酒瓶

カクテルのベースに使われる蒸留酒とリキュールを中心に、当店で扱っている商品を並べます。瓶に印字されている度数は、ここから先で見ていく線の上に必ず乗っています。

RECOMMENDED

「カクテルの度数一覧|弱い順30種と法令が引く六本の線」に関連するおすすめ商品

ここではその他スピリッツの在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。

度数の低い順に並べたカクテル30種を比較

度数の低い順に並べたカクテル30種を比較
グラスの大きさで変わる一杯の量

代表的なスタンダードカクテル三十種を、度数の低い順に並べました。いちばん軽いパナシェが約二・五パーセント、いちばん重いマティーニが約三十三パーセントで、十三倍以上の開きがあります。この三十行を、あとの章で六本の線に当てます。

カクテルを度数の低い順に並べた30種の比較表
カクテルの度数は、ベースにするお酒と割り材の量で大きく変わります。ビールやワインを使ったロングカクテルは2〜7%ほどと軽く、ジンやウイスキーをそのまま使うショートカクテルは20〜35%に達します。代表的なスタンダードカクテル30種を度数の低い順に並べ、ベース・スタイル(ロング/ショート)・味わいの方向もあわせて整理しました。自分に合う強さの一杯を選ぶ手がかりにしてください。バーでの提供目安は2026年6月時点の実勢で、店舗により異なります。
価格は 2026/09/01 更新
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
Amazon 楽天 買取
1低アル・ロング パナシェ
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安500〜900円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ビールをレモネードで割った軽やかな低アルコールの一杯。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
2低アル・ロング シャンディガフ
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安500〜900円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ビールをジンジャーエールで割った定番のビアカクテル。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
3低アル・ロング レッドアイ
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安600〜1,000円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ビールをトマトジュースで割った二日酔いにもやさしい一杯。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
4甘口・ロング カシスオレンジ
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安600〜1,000円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

カシスをオレンジジュースで割った甘口の定番ロング。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
5甘口・ロング ファジーネーブル
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安600〜1,000円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ピーチの香りが広がる飲みやすい甘口カクテル。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
6低アル・ロング ピーチウーロン
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安600〜900円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

桃の甘さとウーロン茶の渋みが釣り合う軽い一杯。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
7甘口・ロング カシスソーダ
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安600〜1,000円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

カシスを炭酸で割った爽やかでほんのり甘いロング。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
8辛口・ロング スプリッツァー
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安600〜1,000円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

白ワインを炭酸で割った軽快で辛口寄りの一杯。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
9甘口・ロング キール
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安700〜1,200円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

白ワインにカシスを少量加えた上品な食前酒。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
10華やか・ロング ミモザ
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安800〜1,500円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

シャンパンとオレンジジュースの華やかなブランチ向け。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
11甘口・ロング ベリーニ
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安800〜1,500円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

桃のピューレとスパークリングの上品な甘口。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
12ほろ苦・ロング カンパリオレンジ
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安700〜1,200円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

カンパリの苦みとオレンジの甘みが調和するロング。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
13ほろ苦・ロング スプモーニ
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安700〜1,200円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

カンパリにグレフルとトニックを重ねた爽やかな苦み。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
14ほろ苦・ロング カンパリソーダ
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安700〜1,100円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

カンパリを炭酸で割っただけの定番アペリティフ。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
15辛口・ロング ジントニック
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安700〜1,200円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ジンの香りとトニックのほろ苦さが定番の人気ロング。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
16爽快・ロング モスコミュール
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安700〜1,200円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ウォッカをジンジャーとライムで仕上げた爽快なロング。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
17辛口・ロング ジンソーダ
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安700〜1,100円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ジンを無糖の炭酸で割った糖質控えめの辛口ロング。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
18甘口・ロング スクリュードライバー
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安700〜1,100円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ウォッカをオレンジで割った飲みやすい甘口ロング。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
19ほろ苦・ロング アペロールスプリッツ
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安800〜1,400円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

アペロールとプロセッコの鮮やかなイタリアン食前酒。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
20爽快・ロング モヒート
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安800〜1,300円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ミントとライムが香る爽快なキューバ生まれのロング。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
21辛口・ショート ダイキリ
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安800〜1,300円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ラムとライムをシェイクした切れ味のあるショート。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
22甘酸・ショート コスモポリタン
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安900〜1,400円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ウォッカベースの甘酸っぱく鮮やかなピンクのショート。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
23辛口・ショート マルガリータ
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安900〜1,500円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

塩リムドのテキーラベース、柑橘が映える名作ショート。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
24辛口・ショート XYZ
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安900〜1,400円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

「これ以上ない」を名に冠したラムベースのショート。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
25辛口・ショート ホワイトレディ
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安900〜1,400円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ジンと柑橘の気品ある辛口ショートカクテル。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
26辛口・ショート サイドカー
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安1,000〜1,600円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ブランデーベースの気品ある辛口ショート。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
27辛口・ショート ギムレット
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安900〜1,500円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ジンとライムだけで仕上げる硬派な辛口ショート。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
28ほろ苦・ショート ネグローニ
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安1,000〜1,600円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ジン・カンパリ・ベルモット等量の苦み深いショート。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
29辛口・ショート マンハッタン
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安1,000〜1,700円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

「カクテルの女王」と称されるウイスキーの古典。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
30極辛口・ショート マティーニ
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
バーでの提供目安1,000〜1,700円前後(実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

「カクテルの王様」と称される極辛口の頂点。

LINXASで探すコレクション 楽天で探す 商品名検索 査定 買取

カクテルそのものは販売商品ではないため、定価(list_price)は掲載せず、バーでの提供価格のおおよその目安のみを記載しています(2026年6月時点・店舗により異なります)。度数はレシピや作り手によって変動する概算値で、同じ名前でも店ごとに強さが違います。気になるカクテルは、ベースとなるお酒(ジン・ウォッカ・ラム・ウイスキーなど)から選ぶと家庭でも再現しやすくなります。

日本の線は一度|ここを下回ると「酒類」でなくなる

日本の線は一度|ここを下回ると「酒類」でなくなる
種類ごとに分かれた酒の棚

度数を下げていくと、ある高さで「酒類」でなくなります。日本ではその高さが一度です。

一度で切ったうえで、九十度以上を枝から外へ出している

この法律において「酒類」とは、アルコール分一度以上の飲料(薄めてアルコール分一度以上の飲料とすることができるもの(アルコール分が九十度以上のアルコールのうち、第七条第一項の規定による酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料として当該製造免許を受けた製造場において製造するもの以外のものを除く。)又は溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいう。

酒税法 第二条第一項

かっこ書きは、線を下へ広げてから、その枝の内側でもう一度ふるいに掛けています。そのままでは一度に届かないものでも、薄めてアルコール分一度以上の飲料とすることができるものなら酒類に入り、粉末でも溶かして一度以上になるなら入る。ここまでが下への拡張です。その内側のかっこが、九十度以上のアルコールを、免許業者が製造場で酒類の原料として造ったもの以外は弾き返しています。工業用の高濃度アルコールは薄めれば一度を超えますが、酒類ではありません。ただしこれは上限ではありません。原料用アルコールは第三条第十七号でアルコール分が四十五度を超えるものと定義されていて、上に天井がない。線は一度の一本で、九十度は線ではなく、拡張した枝から工業用を抜くための切り出しです。

下の線を割れば、酒税も製造免許も、第八十六条の五が命じる酒類の品目その他の政令で定める事項の表示も、まとめて外れます。ノンアルコールビールモクテルが酒税法の外にいるのは、この一本の線のためです。

「度」は温度十五度で測った容量のこと

その「度」が何を指すかも、同じ法律が自分で決めています。

一 アルコール分 温度十五度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいう。

酒税法 第三条第一号

温度十五度という測定条件まで条文に入っています。容量の割合ですから、パーセント表示と数字そのものは並べられます。ただし測る温度は法域ごとに違います。EUは規則1169/2011の附属書ⅫがThe alcoholic strength shall be determined at 20 °Cと書き、米国は27 CFR § 5.1のプルーフの定義がat 60 degrees Fahrenheit=摂氏約十五・六度です。日本の十五度と合わせて三つとも違う。同じ「容量パーセント」でも、厳密には同じ物差しではありません。また条文が想定しているのは原容量、つまり瓶に入っている液体そのものの量です。氷が解けて増えた水を含む「一杯」は、この定義が測ろうとしている対象ではありません。

「酒類」になると、食品表示基準は六つの表示を外す

「酒類」になると、食品表示基準は六つの表示を外す
裏面のラベルが見えるリキュールの瓶

ここからが中心です。一度の線を上に越えると、表示の義務は重くなるのではなく軽くなります。食品表示基準(平成二十七年内閣府令第十号)は、酒類に対して六つの表示事項を外していて、しかも外し方が二種類あります。

第三条第三項が外す三つ|保存の方法・期限・栄養成分

一つ目は第三条第三項で、表示事項ごとに省略してよい食品の区分を並べています。その区分のなかに酒類が出てくるのは三か所です。

前二項の規定にかかわらず、次の表の上欄に掲げる表示事項の表示は、同表の下欄に掲げる区分に該当する食品にあってはこれを省略することができる。保存の方法1 でん粉2 チューインガム3 冷菓4 砂糖5 アイスクリーム類6 食塩及びうま味調味料7 酒類(後略)

食品表示基準 第三条第三項

同じ表の「消費期限又は賞味期限」の欄にも七番目として酒類が並び、「栄養成分の量及び熱量」の欄では二番目に酒類が来ます。三つ目には区分を絞るかっこ書きが付いていて、栄養表示(中略)をしようとする場合、特定保健用食品及び機能性表示食品を除くとされています。自分からカロリーを謳うなら省略はできない、という条件付きの免除です。

第五条が外す三つ|原材料名・アレルゲン・原産国名

二つ目は第五条で、こちらは「表示は要しない」と書きます。

前二条の規定にかかわらず、次の表の上欄に掲げる場合にあっては、同表の下欄に掲げる表示事項の表示は要しない。酒類を販売する場合 原材料名 アレルゲン 原産国名(後略)

食品表示基準 第五条第一項

三つ並んだうちの二つ目がアレルゲンです。味でも産地でもなく、食べた人が救急搬送されうるかどうかの話ですが、酒類には要りません。第十一条は業務用酒類についても同じ三つを外しています。

ただし外し方が一段弱くなる場面があります。第十五条は、食品関連事業者以外の販売者について酒類にあっては、第六号に掲げる表示事項を除くとし、その第六号がアレルゲンです。外れるのは第六号だけで、同条の第二号(保存の方法)と第三号(消費期限又は賞味期限)は酒類にも残ります。第三条第三項の省略は前二項の規定にかかわらずと書かれていて第十五条には届かないからです。六つのうち二つが、売り手が変わるだけで戻ってくる。免除は酒類という物に貼り付いているのではなく、条文ごとに掛かり直しています。

効き方の差も、言葉ではなく届く範囲に出ています。第三条第三項は前二項の規定にかかわらずで第三条の第一項と第二項だけを外し、第五条第一項は前二条の規定にかかわらずで第三条と第四条をまとめて外す。「省略することができる」か「表示は要しない」かという語より、どこまで届くかのほうが差になっています。

外れる表示事項 根拠 外し方
保存の方法 第三条第三項 省略することができる(第十五条の販売者には残る)
消費期限又は賞味期限 第三条第三項 省略することができる(第十五条の販売者には残る)
栄養成分の量及び熱量 第三条第三項 省略することができる(栄養表示をする場合等を除く)
原材料名 第五条第一項 表示は要しない
アレルゲン 第五条第一項 表示は要しない
原産国名 第五条第一項 表示は要しない

この府令は「酒類」を十八回使い、一度も定義していない

この府令は「酒類」という語を全文で十八回使いながら、一度もその意味を書いていません。定義規定である第二条には二十の号が並びますが、そこに酒類はなく、全文を通して「酒税法」という語も一度も出てきません。酒類に関わる唯一の法令参照は原料原産地名の欄にある酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和二十八年法律第七号)第八十六条の六第一項の規定に基づく酒類の表示の基準で、これも酒類の定義ではなく、別の基準の所在を示しているだけです。

十八回の内訳は、本則が十五回、別表が三回です。別表の三回のうち二回はトマトソースとジャム類の原材料としての酒類で、残る一回は別表第一の25飲料等 飲料水、清涼飲料、酒類、氷、その他の飲料。これは第二条第一号が「加工食品」を定義するために引いている表です。つまりこの府令は、酒類を加工食品の一種として表に載せながら、それが何かは書いていません。定義は酒税法第二条の一度という線にぶら下がっていて、その線は食品表示基準の条文からは見えません。六つの表示を外す規則が、外す相手の輪郭を自分の中に持っていないのです。

卵白と生クリームの一杯|日本ではアレルゲンが書かれない

卵白と生クリームの一杯|日本ではアレルゲンが書かれない
卵白を使ったクラシックカクテル

この免除がいちばん具体的に効くのが、弱いほうの一杯です。甘いカクテルには、卵白と生クリームを使うものが少なくありません。

別表第十四が並べる九品目に、卵と乳がある

食品表示基準がアレルゲンとして名指しする特定原材料は、別表第十四に置かれています。

えび カシューナッツ かに くるみ 小麦 そば 卵 乳 落花生

食品表示基準 別表第十四(第三条関係)

九つのうち、卵と乳がカクテルに直結します。クローバークラブやピンクレディのように卵白を泡立てる一杯、アレクサンダーやグラスホッパーのように生クリームを合わせる一杯がそれです。ところが、材料になったリキュールの瓶には第五条によりアレルゲンの表示義務がなく、出てきたグラスには第八十六条の五が掛からない。卵と乳がどこにも書かれないまま、一杯が目の前に置かれます。

店で出す一杯には、そもそも容器も包装もない

店で出す場合はさらに手前で外れます。第三条第一項は、義務が掛かる場面を一文のなかで二度絞り込んでいます。

食品関連事業者が容器包装に入れられた加工食品(業務用加工食品を除く。以下この節において「一般用加工食品」という。)を販売する際(設備を設けて飲食させる場合を除く。第六条及び第七条において同じ。)には、次の表の上欄に掲げる表示事項が(中略)表示されなければならない。(後略)

食品表示基準 第三条第一項

グラスは容器包装ではなく、バーは設備を設けて飲食させる場所です。同じ一文のなかで二度外れています。瓶の側で外れ、店の側でも外れる。作り手に聞く以外に確かめる方法がないのは、そのためです。

EUの本線は1.2%|同じ数字が二つのスイッチを兼ねている

EUの本線は1.2%|同じ数字が二つのスイッチを兼ねている
ラベルを向けて並べたワインの瓶

EUの本線は一・二パーセントで、日本と違うのは、その一本が二つのスイッチを同時に切り替えている点です。越えると、書かなければならないものが一つ増え、書かなくてよいものが二つ増えます。同じ規則の、同じ数字です。

第九条第一項(k)|1.2%を超えたら度数を書く

消費者への食品情報の提供に関する規則(EU)第1169/2011号は、第九条第一項に義務的記載事項を(a)から(l)まで並べ、その(k)が度数です。

(k) with respect to beverages containing more than 1,2 % by volume of alcohol, the actual alcoholic strength by volume;

Regulation (EU) No 1169/2011, Article 9(1)(k)

一・二パーセントを超える飲料に限って実際の度数を書け、という条文です。裏返せば、それ以下の飲料に度数の表示義務はありません。

第十六条第四項|1.2%を超えたら原材料と栄養は要らない

同じ規則の第十六条は「一定の義務的記載事項の省略」という表題を持ち、その第四項がこう書きます。

Without prejudice to other Union provisions requiring a list of ingredients or a mandatory nutrition declaration, the particulars referred to in points (b) and (l) of Article 9(1) shall not be mandatory for beverages containing more than 1,2 % by volume of alcohol.

Regulation (EU) No 1169/2011, Article 16(4)

(b)は原材料一覧、(l)は栄養成分表示です。一・二パーセントを超える飲料には、この二つが要りません。日本の食品表示基準が酒類から同じ二つを外していたのと、同じ向きの免除です。

ただし外れていないものがあります。第九条第一項(c)のアレルギー物質は、この免除に入っていません。EUでは、卵白を使ったリキュールでも生クリームを使ったリキュールでも、瓶にその旨が載ります。しかも第四十四条第一項(a)は、包装されずに最終消費者や集団給食に供される食品についてthe provision of the particulars specified in point (c) of Article 9(1) is mandatoryと書いています。瓶に入っていない一杯にも、アレルギー物質を伝える義務がある。日本が第五条で瓶から外し、第三条第一項でグラスも外していたのと、二重に分かれます。同項(b)は、それ以外の記載事項を加盟国が国内措置で義務づけうるとしているので、EUでは一杯にどこまで書かせるかが加盟国ごとに動きます。

書き出しの一句が開けていた扉

第十六条第四項は、免除を書く前に条件を置いています。原材料一覧や栄養成分表示を求める別のEU法があるなら、そちらを妨げない、という書き出しです。これは単なる決まり文句ではなく、あとから実際に使われた扉でした。二〇二一年の規則(EU)第2021/2117号が、農産物の共通市場組織を定める規則(EU)第1308/2013号の第百十九条第一項に、二つの項目を書き足しています。

(h) the nutrition declaration pursuant to Article 9(1), point (l), of Regulation (EU) No 1169/2011;
(i) the list of ingredients pursuant to Article 9(1), point (b), of Regulation (EU) No 1169/2011;

Regulation (EU) 2021/2117, amending Article 119(1) of Regulation (EU) No 1308/2013

参照先が、第十六条第四項のいったん外したはずの(l)と(b)そのものです。ぶどう酒については、外した二つが別の規則から戻ってきました。書き出しの一句がなければ、この書き足しは第十六条第四項と衝突していたはずです。

脱アルコールで10%を割ると、賞味期限が要る

同じ改正には三つ目の書き足しがあり、こちらは度数そのものを条件にしています。

(j) in the case of grapevine products which have undergone a de-alcoholisation treatment in accordance with Annex VIII, Part I, Section E and that have an actual alcoholic strength by volume of less than 10 %, the date of minimum durability pursuant to Article 9(1), point (f), of Regulation (EU) No 1169/2011.

Regulation (EU) 2021/2117, amending Article 119(1) of Regulation (EU) No 1308/2013

脱アルコール処理を受けて十パーセントを割ったぶどう酒製品には賞味期限を書け、という規定です。ただし十パーセントという高さを先に引いていたのは、こちらではありません。規則1169/2011の附属書Ⅹ第1項(d)が、賞味期限を要しないものを並べたなかにbeverages containing 10 % or more by volume of alcoholを置いています。ぶどう酒はそのすぐ上の行でwines, liqueur wines, sparkling wines, aromatised winesとして丸ごと外れていたので、脱アルコール品にだけ期限を戻す書き足しが必要になった、という順序です。一般の線としては、十パーセント以上の飲料に賞味期限は要りません。日本の食品表示基準が酒類から期限表示を省略できるとしていたのと同じ発想が、度数そのものを条件にした形でEUにも置かれています。

米国は三本の線を引く|0.5%と7%と24%

米国は三本の線を引く|0.5%と7%と24%
琥珀色の蒸留酒のボトル

米国は三本の線を引いています。低いほうから、〇・五パーセント、七パーセント、二十四パーセント。三本とも、規則の掛かり方そのものが変わる線です。

0.5%|健康警告文が始まる高さ

いちばん低い線は、一九八八年のアルコール飲料表示法(ABLA)による健康警告文の線です。

Alcoholic beverage. Includes any beverage in liquid form which contains not less than one-half of one percent (.5%) of alcohol by volume and is intended for human consumption.

27 CFR § 16.10

蒸留酒側の規定も麦芽飲料側の規定も、同じ高さを繰り返します。Alcoholic beverages, including distilled spirits, that contain at least 0.5 percent alcohol by volume, must be labeled with a health warning statement(第5.7条(a))。麦芽飲料についての第7.7条(a)もほぼ同文です。〇・五パーセントは注意書きが始まる高さであって、酒でなくなる高さではありません。日本の一度とは線の意味が違います。

7%|ここを下回るとFAA法の「ワイン」でなくなる高さ

二本目は七パーセントで、ここで掛かる規則の組み合わせが変わります。

The regulations in this part apply to wine containing not less than 7 percent and not more than 24 percent alcohol by volume.

27 CFR § 4.6

そして七パーセントを割った場合の行き先が、次の条に書かれています。ただし本題に入る前に、同じ条の柱書が釘を刺しています。They may, however, also be subject to other labeling requirements. See 27 CFR parts 24 and 27、そしてSee 27 CFR part 16 for health warning statement requirements。七パーセントを割っても、内国歳入法上のワインとしての規則と、先ほどの〇・五パーセントの健康警告文は外れるとは書かれていません。第四部が掛からなくなるだけです。

(a) Products containing less than 7 percent alcohol by volume. The regulations in this part do not cover products that would otherwise meet the definition of wine except that they contain less than 7 percent alcohol by volume. Bottlers and importers of alcohol beverages that do not fall within the definition of malt beverages, wine, or distilled spirits under the FAA Act should refer to the applicable labeling regulations for foods issued by the U.S. Food and Drug Administration. See 21 CFR part 101.

27 CFR § 4.7(a)

連邦アルコール管理法上の「ワイン」の枠から外れ、第四部の代わりに食品医薬品局の一般食品ルールが乗ります。一般食品ルールですから、栄養成分表示の様式が付いてくる。弱いワインのほうが、ラベルに載る情報は多くなります。行き先が同じ製品はほかにもあり、第7.6条(b)は麦芽大麦とホップの両方を使っていない製品をSee 21 CFR part 101と送り出しています。こちらの引き金は度数ではなく原料ですが、落ちる先は同じです。

24%|ワインが蒸留酒になる高さ

三本目は上の端です。

(b) Products containing more than 24 percent alcohol by volume. Products that would otherwise meet the definition of wine except that they contain more than 24 percent alcohol by volume are classified as distilled spirits and must be labeled in accordance with part 5 of this chapter.

27 CFR § 4.7(b)

二十四パーセントを超えると、ぶどうから造ったものでも蒸留酒として扱われ、第五部の規則が掛かります。中身ではなく数字で分類が変わる点は、日本の酒税法が品目の定義にアルコール分の上限や下限を書き込んでいるのと同じ発想です。連続式蒸留焼酎の三十六度未満(第三条第九号)、原料用アルコールの四十五度を超えるもの(同第十七号)、清酒の二十二度未満(同第七号)がそれにあたります。品目ごとの線の全体はスピリッツとは 酒税法が決める品目の話で扱いました。

六本の線を並べる|弱いほど軽いのは一本だけだった

六本の線を並べる|弱いほど軽いのは一本だけだった
バーカウンターの計量器具

ここまでの線を一つの表に置きます。高さも単位の書き方も、三つの法域でそろっていません。

六本の線を一つの表に置く

高さ 法域 根拠 越えると起きること
0.5% 米国 27 CFR § 16.10、§ 5.7(a)、§ 7.7(a) 健康警告文の表示義務が始まる
一度 日本 酒税法 第二条第一項 「酒類」になり、食品表示基準の六つの表示が外れる
1.2 % vol EU 規則(EU)1169/2011 第九条第一項(k)・第十六条第四項 度数の表示義務が生じ、原材料一覧と栄養成分表示が外れる
7% 米国 27 CFR § 4.6、§ 4.7(a) ワインに第四部が掛かり、代わりにFDAの一般食品ルールが外れる(第16・24・27部は下でも掛かる)
10 % vol EU 規則(EU)1169/2011 附属書Ⅹ第1項(d)、規則(EU)1308/2013 第百十九条第一項(j) 賞味期限の表示義務が外れる(ぶどう酒製品は(j)で脱アルコール品だけ戻る)
24% 米国 27 CFR § 4.7(b) ワインではなく蒸留酒として扱われる

正味で数え直すと、六本のうち「弱いほど書く手数が少なくてよい」向きに引かれているのは、健康警告文の〇・五パーセント一本だけです。一・二パーセントは、越えると度数の一項目が増える代わりに二項目が外れるので、差し引きでは弱い側が重い。一度は、越えると食品側の六つが外れる代わりに組合法第八十六条の五の表示が掛かりますが、外れるほうが多い。七パーセントは、第四部が掛かる代わりに一般食品ルールが外れます。十パーセントは、割ったほうにだけ賞味期限が付きます。二十四パーセントは増減ではなく、掛かる規則そのものが差し替わります。アルコールを含むことは、表示の世界ではおおむね加重要因ではなく免除要因です。

三十種を線に当てるとどうなるか

六本の線はいずれも容器に入った製品に掛かるもので、グラスの一杯には掛かりません。ここでやるのは「同じ数字が瓶に入っていたら、どの側にいたか」という置き換えです。

下にいる杯 上にいる杯 覚えとして
0.5% 0種 30種 いちばん軽いパナシェでも約2.5%
一度 0種 30種 三十種すべてが日本の「酒類」の高さにある
1.2 % vol 0種 30種 三十種すべてが度数表示の側に入る
7% 10種 19種 ワインとして瓶詰めした場合。ミモザは約5〜7%で線をまたぐ
10 % vol 13種 17種 下の13種が賞味期限の要る側。約10%ちょうどの4種は要らない側
24% 24種 6種 ワインとして瓶詰めした場合。24%ちょうどは第四部の内側

0.5%・一度・7%はその値を含む側、1.2%と24%は超えた側、10%は割った側に効きます。7%の行だけ合計が29なのは、ミモザが線上で両側から外れるためです。

読みどころは七パーセントの行です。パナシェからベリーニまでの十一種のうち、線をまたぐミモザを除いた十種は、同じ度数のワインとして瓶詰めされていたら米国では第四部の外へ出て、栄養成分表示の様式が付きます。一方でホワイトレディからマティーニまでの六種は、二十四パーセントを越えて蒸留酒に分類されます。同じ一覧の上端と下端で、想定される規則が入れ替わっています。

度数の数字をどこまで信じるか|一覧の読み方

度数の数字をどこまで信じるか|一覧の読み方
ライムを添えたジントニック

瓶の度数には許された幅があり、グラスの度数には幅の決まりもない

瓶に印字された度数は、点ではなく幅です。国税庁の法令解釈通達は、原則として税率適用区分を同じくする一度の範囲内で「○○度以上○○度未満」と表示させ、品目によっては上下一度の許容を認めています。書かれた数字と中身が一致していなくても、決められた幅のなかにあれば正しい表示です。

グラスの一杯には、その幅の決まりすらありません。幅が広いのではなく、幅を定める規定が無い。一覧の「約10%」は標準的なレシピから逆算した目安で、別の店の分量なら七パーセントにも十三パーセントにもなります。

氷が解けたぶんを測っている制度はない

どの制度も測っていないものが、もう一つあります。氷です。アルコール分の定義は原容量百分中の割合で、瓶の中の液体が対象です。グラスのなかで氷が解けて増えた水は、この分母に入る想定がありません。ロングカクテルは飲み終わるころには薄くなっていますが、その薄まり方に触れた条文はどこにもありません。

だから一覧は、順番を読むための道具として使うのが正しい使い方です。ジントニックが十パーセントちょうどかどうかは、その日のグラスの中でしか決まりません。強さの見当をつけるなら、数字より、ベースの酒とロングかショートかの別のほうが当てになります。

飲まないお酒の査定・買取はリンクサスへ

飲まないお酒の査定・買取はリンクサスへ
査定に出す前に並べた酒瓶

カクテルのために買ったベースの酒が、一杯だけ作って棚に残っていることがあります。ジン、ラム、ベルモット、リキュール類は、開栓していなければ査定の対象になります。リンクサス酒販ではウイスキーからリキュールまで幅広く扱っており、当日十四時までのご注文で当日発送、品揃えは取扱商品一覧からご覧いただけます。

カクテルの度数についてよくある質問

カクテルの度数についてよくある質問
グラスの形の違いを描いた図

カクテルの度数について、検索でよく尋ねられている点を条文の側から整理しました。

カクテルの度数に法律上の決まりはありますか。

ありません。表示を命じる酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第八十六条の五は、義務の掛かる先を酒類の容器又は包装と書いています。グラスは容器でも包装でもないため、メニューにも一杯にも度数を書く義務が生じません。瓶に印字された度数だけが規則の下にあります。

いちばん度数の低いカクテルと高いカクテルはどれですか。

この記事の比較表では、ビールをレモネードで割ったパナシェが約2.5%で最も低く、ジンとドライベルモットのマティーニが約33%で最も高くなっています。低いほうはビールやワインを割ったロング、高いほうは割り材の少ないショートに集まります。

カクテルの度数はどうやって計算しますか。

使った酒の量に度数を掛け、仕上がりの総量で割ります。40%のジン45mlを全体180mlに仕上げるなら、45×0.4÷180でおよそ10%です。ただし割り材の量と氷が解ける量には規則がなく、酒税法第三条第一号のアルコール分は原容量百分中の割合を指すので、氷で増えた水は条文が想定する分母に入っていません。

度数が低ければ表示の決まりもゆるいのですか。

おおむね逆です。日本では酒税法第二条第一項の一度以上になると「酒類」になり、食品表示基準が保存の方法、期限、栄養成分の量及び熱量、原材料名、アレルゲン、原産国名の六つを外します。一度を下回れば一般の食品として、これらが戻ります。EUの1.2%も米国の7%も、越えたほうが記載事項の少ない側です。例外は米国の0.5%で、こちらは越えると健康警告文が加わります。

カクテルにアレルギー物質の表示はありますか。

日本では義務としてありません。食品表示基準第五条第一項は、酒類を販売する場合について原材料名、アレルゲン、原産国名の表示を要しないとしています。店で出す一杯は第三条第一項が設備を設けて飲食させる場合を除くとしているため、そもそも対象外です。EUは規則(EU)1169/2011第四十四条第一項(a)が、包装されていない食品にもアレルギー物質の提供を義務づけています。卵白や生クリームを使う一杯を避けたい場合は、作り手に直接お尋ねください。

EUや米国では、弱いお酒の表示はどうなっていますか。

EUは規則(EU)1169/2011第九条第一項(k)で1.2%を超える飲料に度数の表示を求め、第十六条第四項で同じ1.2%を超える飲料から原材料一覧と栄養成分表示を外しています。米国は27 CFR § 4.7(a)で、7%未満のワインを第四部の外へ出し、See 21 CFR part 101としてFDAの一般食品ルールへ送っています。ただし同条の柱書のとおり、第16部の健康警告文などは7%未満でも外れません。

ラベルに書かれた度数は正確な値ですか。

幅のある値です。国税庁の法令解釈通達は、税率適用区分を同じくする一度の範囲内で「○○度以上○○度未満」と表示することを原則とし、品目によっては上下一度の許容を認めています。つまりラベルの数字は決められた幅のなかの表現で、分析値そのものではありません。カクテルの度数にはその幅の決まりすらありません。

前後の記事