ポートワインとは|種類・度数・飲み方とシェリーとの違い、名前になった港の話

ポートワインとは|種類・度数・飲み方とシェリーとの違い、名前になった港の話

ポートワインは、ポルトガル北部のドウロ地方でしか造れない酒精強化ワインだ。発酵の途中で度数の高いブドウの蒸留酒を加えて発酵を止めるので、糖が残り、度数はおおむね十九から二十二パーセントに上がる。名前は、その酒が積み出された河口の港町ポルトから来ている。この記事では、ルビーとトウニーという二つの大きな分け方、飲み方と保存、シェリーやマデイラとの違いをまず整理する。そのうえで、名前の由来になった「港」を日本の法律がどう扱っているかを、港湾法・港則法・関税法・とん税の二法の条文そのもので追っていく。船の側から港を見る法律と、積荷の側から見る法律とでは、数え方も課すものも違う。

ポートワインとは|ドウロ地方の酒精強化ワイン

ポートワインとは|ドウロ地方の酒精強化ワイン
ドウロ川沿いの段々畑とグラス

ポートワインを管理しているのは、ポルトガルのドウロ・ポルトワイン協会(IVDP)という公的機関だ。その公式サイトは、この酒をひとことでこう説明している。

Port Wine is a fortified wine, as defined in EU legislation. It is produced in the Demarcated Region of the Douro under very specific conditions resulting from natural and human factors.

出典:IVDP「Port Wines - Introduction」

EUの法令が定める「酒精強化ワイン」であること、そしてドウロの画定地域で造られること。この二つが最初に置かれている。産地は、大西洋に注ぐドウロ川の上流域だ。急斜面に段々畑が組まれ、そこで収穫されたブドウが酒になる。

発酵を途中で止めて甘みを残す

同じ説明文は、造り方の中身も一文で書いている。

The winemaking procedures, based on traditional methods, include stopping the fermentation of the must by adding grape brandy (benefício), making up lots of wine and ageing the wine.

出典:IVDP「Port Wines - Introduction」

果汁の発酵を、ブドウ由来の蒸留酒を加えて止める。ポルトガル語でbenefícioと呼ばれる工程だ。普通のワインは糖が尽きるまで発酵させるので辛口になるが、ポートは途中で酵母の働きを止めるため、ブドウの糖がそのまま残る。加える蒸留酒の度数が高いほど酵母は早く止まる。

IVDPは、甘さの度合いがこの一手で決まると書いている。Just how sweet a wine will be is a choice made during production; it depends on when the brandy is added to stop the fermentation of the wine。早く止めれば甘く、遅く止めれば辛口寄りになる。ポートに極甘口から辛口までが並ぶのは、この時点の判断が幅を持っているからだ。

度数は十九から二十二パーセント

蒸留酒を足すぶん、出来上がりの度数は上がる。IVDPは幅を数字で示している。a high alcohol content (usually between 19 and 22% vol.)。一般的な赤ワインが十二から十四パーセント前後であることを思えば、ポートは六割ほど高い位置にいる。

度数が高く糖度も高いので、未開栓なら品質が動きにくい。とりわけ樽で長く寝かせるトウニーや、瓶で年月を重ねるヴィンテージは、この保存性の上に成り立っている。度数の高い酒がどう扱われるかについてはワインのアルコール度数の記事も参考にしてほしい。

名前は河口の港町ポルトに由来する

ポートという呼び名は、ドウロ川が大西洋に出るところにある港町ポルト(オポルト)から来ている。上流で造られた酒は川を下り、この港の対岸ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアの貯蔵庫に集められ、そこから船で運び出された。十七世紀以降、英国との取引を通じて世界に広まった経緯もよく知られている。

つまりこの酒の名前は、ブドウの品種でも造り手でもなく、積み出し口の地名である。港がなければこの名前は生まれなかった。記事の後半では、その「港」という言葉を日本の法律がどう定義し、どう数えているかを見ていく。

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棚に並ぶワインのボトル

リンクサス酒販で扱うワインの在庫から、ポートワインとあわせて楽しめる銘柄をまとめて掲載する。カードから商品ページへ進むと、産地やブドウ品種、度数、容量、価格、在庫状況を確認できる。

掲載しているのは、酒精強化ワインや甘口タイプを中心に、食後の一杯に向く銘柄だ。ポート樽で仕上げたウイスキーのように、ポートの香味に通じる一本も見つかる。品揃えは日々動くので、気になる銘柄が品切れの場合は近いスタイルのカードをたどってほしい。当日十四時までのご注文で当日発送に対応している。

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ここではワインの在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。

ポートワインの種類|ルビー系とトウニー系という二つの流れ

ポートワインの種類|ルビー系とトウニー系という二つの流れ
色の異なるポートを並べたグラス

ラベルに並ぶ言葉は多いが、IVDPの分け方は単純だ。Port Wines can be divided into two major categories according to the manner by which they are aged.――熟成のさせ方で二つに分かれる、と書いている。ルビー系とトウニー系である。そこにホワイトとロゼが加わる。

系統 IVDPが挙げるカテゴリー 熟成の場所 色と香りの傾向
ルビー系 ルビー/リザーブ/LBV/ヴィンテージ タンク・大樽のあと瓶 濃い赤紫、若い果実味
トウニー系 トウニー/トウニーリザーブ/年数表示(10・20・30・40年)/コリェイタ 小樽・大槽で長期 黄褐色、ドライフルーツと木
ホワイト 甘辛六段階(エクストラドライ〜ラグリマ) 樽または槽 淡黄から黄金色
ロゼ ロゼ 酸化させずに保存 桃色、チェリーやイチゴ

ルビー系|下からルビー、リザーブ、LBV、ヴィンテージ

IVDPはルビー系をwines in which the winemaker looks to restrain the evolution of their deep red colour and maintain the fruit and strength of a young wineと説明する。深い赤を保ち、若い酒の果実味と力を残す方向だ。そのうえで、カテゴリーを品質の低い順に並べている。Ruby, Reserve, Late Bottled Vintage (LBV) and Vintage――この四つが、下から上への並びとして公式に書かれている。

LBVは単一年のブドウを樽で数年寝かせてから瓶詰めするスタイル、ヴィンテージは作柄の優れた宣言年だけに造られ、瓶の中で長い時間をかけて変わっていく。IVDPはThe finest category wines, especially Vintage, followed by LBV, are good for storing as they age well in bottle.と、瓶熟成に向くのはとりわけこの二つだと書いている。ヴィンテージは澱が出るのでデカンタして注ぐ。

トウニー系|十年、二十年、三十年、四十年という刻み

トウニー系は、年数の違う酒を組み合わせて造る。With age, the colour of the wines slowly develops into tawny, medium tawny or light tawny, with a bouquet of dried fruits and woodとあるとおり、赤みが抜けて黄褐色に向かい、ドライフルーツと木の香りが立ってくる。カテゴリーはトウニー、トウニーリザーブ、年数表示(十年・二十年・三十年・四十年)、そしてコリェイタだ。

ここで一つだけ性格の違うのがコリェイタである。IVDPはThese are blends of wines from several years, except for Colheitas, wines of a single year that are similar to an aged Tawny of the same age.と書いている。トウニー系は原則として複数年のブレンドだが、コリェイタだけが単一年だという意味だ。同じ年数表示でも、十年トウニーは「平均して十年相当」を指し、コリェイタは収穫年そのものを名乗る。ラベルの数字の意味が違う。

もう一点、トウニー系は買ってすぐ飲める。These wines are ready to drink when they are bottled.――瓶詰めの時点で飲み頃だと書かれている。寝かせて育てるのはルビー系の上位、開けて楽しむのはトウニー系、という住み分けになる。

ホワイトとロゼ|甘辛は六段階、十六・五パーセントという別の線

ホワイトポートは白ブドウから造る。IVDPは甘辛をextra dry, dry, semi-sweet, sweet, very sweet and Lágrimaの六段階で並べている。ラグリマがもっとも甘い側だ。さらに近年は、度数を落とした別枠がある。a minimum alcohol content of 16.5% (Light Dry White Port)――最低十六・五パーセントという、ポート全体の十九から二十二パーセントとは違う線が引かれている。度数の低いポートを求める声に応えたものだと説明されている。

ロゼはobtained by light maceration of red grapes, with no oxidation during preservation。黒ブドウの果皮に短く触れさせ、保存中に酸化させない。チェリーやラズベリー、イチゴの香りがあり、冷やすか氷を入れて飲む。カクテルの材料にもなる。キールのように白ワインを土台にした一杯と同じ感覚で、ロゼポートをトニックで割る飲み方も広まっている。

種類・熟成で選ぶポートワイン30本を比較

種類・熟成で選ぶポートワイン30本を比較
店頭に並ぶボトルの一例

下の比較表は、ポートワインとその周辺の酒精強化ワイン三十本を、種類・度数・産地で並べたものだ。スタイルや度数、ブランドで並べ替えられるので、まず甘口の濃厚なタイプか爽やかなタイプかで絞り、次に熟成年数と価格帯で候補を比べていく使い方が分かりやすい。

価格欄の楽天・Amazonは掲載時点で流通している参考値で、最安値を案内するための一覧ではない。在庫状況もあわせて確認してほしい。リンクサス酒販の在庫がある場合は、表内のリンクから状態と最新の価格を確認できる。

ポートワインの種類・熟成で選ぶ30本の比較
ポートワインはポルトガル・ドウロ地方で造られる酒精強化ワインで、ルビー・トウニー・ヴィンテージ・LBV・ホワイト・ロゼなどスタイルが幅広い。若々しい果実味のルビー、樽熟成で円熟したトウニー、当たり年のみ造られるヴィンテージと、熟成方法で味わいが大きく変わる。30本をスタイル・度数・産地で横断比較し、比較用に他の酒精強化ワイン(シェリー・マデイラ・VDN)も並べた。ポートはオープン価格のため実勢価格は各リンクで確認できる(2026年6月時点)。
価格は 2026/09/01 更新
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
Amazon 楽天 買取
1 テイラー 10年 トウニー ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

樽熟成で琥珀色に育った定番トウニー。ナッツとドライフルーツの香りが楽しめる入門の一本。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
テイラー 20年 トウニー ポート 750ml2入手困難 テイラー 20年 トウニー ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

20年熟成の凝縮したトウニー。ナッツとスパイスの複雑さが際立つ上級者好みの逸品。

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テイラー ヴィンテージ ポート 750ml3入手困難 テイラー ヴィンテージ ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

当たり年のみ造られる最高峰。瓶内で何十年も育つ、ポートの頂点に立つスタイル。

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テイラー LBV レイトボトルドヴィンテージ 750ml4 テイラー LBV レイトボトルドヴィンテージ 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

単一年の果実味を手頃に楽しめるLBV。ヴィンテージの濃さを身近にした実力派。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥7,229 楽天 査定 買取
5 グラハム シックスグレープス リザーブ ルビー 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

若々しい果実味あふれるリザーブ・ルビー。濃厚な甘さと飲みやすさを両立した定番。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
グラハム 10年 トウニー ポート 750ml6 グラハム 10年 トウニー ポート 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

蜂蜜とナッツの円熟した甘み。バランスのよい10年トウニーの好例。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥16,980 楽天 査定 買取
グラハム 20年 トウニー ポート 750ml7入手困難 グラハム 20年 トウニー ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

20年熟成の深い琥珀色と凝縮感。優雅でなめらかな飲み口の名品。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥6,980 楽天 査定 買取
グラハム ヴィンテージ ポート 750ml8入手困難 グラハム ヴィンテージ ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

力強さと優美さを兼ね備えたヴィンテージ。長期熟成のポテンシャルが高い。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥29,700 楽天 査定 買取
9 フォンセカ Bin No.27 リザーブ ルビー 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

濃密な果実味で世界的に人気のリザーブ・ルビー。コスパに優れた定番。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
フォンセカ ヴィンテージ ポート 750ml10入手困難 フォンセカ ヴィンテージ ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

豊潤で華やかなヴィンテージ。果実の凝縮感と長熟性で高い評価を得る。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ダウ ヴィンテージ ポート 750ml11入手困難 ダウ ヴィンテージ ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

やや辛口の作りで知られるヴィンテージ。引き締まった構造が食事にも合う。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥19,101 楽天 査定 買取
12 ダウ 10年 トウニー ポート 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

辛口ハウスらしい締まりのある10年トウニー。ナッツの香ばしさが心地よい。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
13 ウォーレ オチマ 10年 トウニー 500ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

細身ボトルの軽快なトウニー。冷やして食前にも楽しめる現代的なスタイル。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
14入手困難 ウォーレ ヴィンテージ ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

気品ある果実味と長熟性。老舗ウォーレズの実力を示すヴィンテージ。

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15 コックバーン スペシャルリザーブ ルビー 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

英国で長年愛される定番ルビー。バランスのよい果実味で食後に親しみやすい。

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サンデマン ファイン ルビー ポート 750ml16 サンデマン ファイン ルビー ポート 750ml
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

黒マントのロゴで知られる入門ルビー。手頃で親しみやすいスタンダード。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥2,500 楽天 査定 買取
17入手困難 サンデマン 20年 トウニー ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

20年熟成の凝縮した複雑味。サンデマンの上級ラインを代表する名品。

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18 クロフト ピンク ロゼ ポート 750ml
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

近年生まれたロゼ・ポート。よく冷やしてカクテルベースにも使える軽やかさ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
クロフト ヴィンテージ ポート 750ml19入手困難 クロフト ヴィンテージ ポート 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

華やかな果実味のヴィンテージ。老舗クロフトの伝統が息づく長熟タイプ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥15,400 楽天 査定 買取
ニーポート ルビー ポート 750ml20 ニーポート ルビー ポート 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

独立系の名門ニーポートが手がける端正なルビー。果実味の純度が高い。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
キンタ・ド・ノヴァル ヴィンテージ ポート 750ml21入手困難 キンタ・ド・ノヴァル ヴィンテージ ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

伝説のナショナルで名高い単一キンタ。気品と長熟性を備えた憧れの存在。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥148,000 楽天 査定 買取
22 ラモス・ピント 10年 トウニー キンタ・デ・エルヴァモイラ 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

単一畑由来の個性が光る10年トウニー。エレガントな酸とナッツの香り。

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23 フェレイラ トウニー ポート ドナ・アントニア 750ml
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

ポルトガル本国で愛される老舗のトウニー。親しみやすい甘みとナッツ感。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
24 オフレー ホワイト ポート 750ml
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

白ブドウから造るホワイトポート。トニック割りの食前酒として人気急上昇。

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コプケ コリェイタ ポート 750ml25入手困難 コプケ コリェイタ ポート 750ml
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

単一年の長期樽熟トウニー。収穫年が刻まれる稀少なコリェイタの名門。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥5,550 楽天 査定 買取
26入手困難 チャーチル クラステッド ポート 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

瓶内で澱を生む伝統的クラステッド。ヴィンテージの趣を手頃に味わえる。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
27 テイラー チップドライ ホワイト ポート 750ml
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

辛口に仕上げた白ポート。冷やしてアペリティフやポート・トニックに最適。

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28 ハーヴェイズ ブリストルクリーム シェリー 750ml
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

ポートと並ぶ酒精強化ワインの代表シェリー。甘口クリームタイプの定番。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ブランディーズ マデイラ 5年 リッチ 750ml29 ブランディーズ マデイラ 5年 リッチ 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

加熱熟成が生む独特の風味。ポートと同じ国の酒精強化ワイン、マデイラ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥3,861 楽天 査定 買取
30 バニュルス ランシオ フランス産 750ml
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
💎 プロのおすすめ

南仏グルナッシュの天然甘口VDN。ポートに通じる濃厚な甘みとチョコ相性。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取

飲み方とペアリング、保存、そしてシェリー・マデイラとの違い

飲み方とペアリング、保存、そしてシェリー・マデイラとの違い
チーズを添えたグラスの一例

ポートは甘みと度数が高いぶん、温度と量、そして合わせるものでずいぶん印象が変わる。小ぶりのグラスに少量を注ぎ、香りを確かめながらゆっくり進めるのが基本になる。

スタイルごとに温度を変える

濃厚な赤系のルビーやヴィンテージは、室温よりやや低い十六度ほどで果実味とコクが立つ。樽で酸化熟成させたトウニーは十二度前後まで下げると、ナッツの香ばしさが前に出てくる。ホワイトとロゼは六度から八度によく冷やす。IVDPがロゼについてThey are best drunk chilled or with iceと書いているとおり、氷を入れてしまってもかまわない。

ヴィンテージポートは澱が出るので、抜栓の数時間前に立てておき、デカンタに移してから注ぐ。LBVはフィルターを通したものが多く、そのまま開けて飲めるものが大半だ。

チーズとチョコレートという定番

合わせる相手の定番はブルーチーズだ。ロックフォールやスティルトンの塩気と、ポートの濃い甘みが互いを押し上げる。ルビーやヴィンテージはチョコレートやベリーの菓子と、トウニーはナッツ菓子やキャラメル系の甘さと相性がよい。ホワイトポートはトニックウォーターで割った「ポート・トニック」が本場ポルトガルの夏の定番で、レモンやミントを添えると軽くなる。

開栓後にもつ日数はスタイルで違う

未開栓なら、度数も糖度も高いので冷暗所で長く置ける。問題は開栓後だ。トウニー系はすでに樽の中で酸素と付き合ってきているため、開けてからも数週間は味が保つ。逆にルビーやヴィンテージは酸化に弱く、数日のうちに飲み切るのが理想になる。いずれも栓をして冷蔵庫に立てておくと変化が緩やかになる。栓の選び方はワインストッパーの記事にまとめている。

シェリー、マデイラとの違いは「いつ強化するか」

酒精強化ワインの仲間は他にもある。スペインのシェリーは、発酵を最後まで進めてから強化するのが基本なので、糖が残らず辛口に仕上がる。フロールと呼ばれる酵母の膜の下で熟成するフィノ、酸化熟成させるオロロソというように、熟成の方式でも分かれる。ポートが「途中で止めて甘みを残す」のに対し、シェリーは「終わらせてから足す」。順番が逆である。

同じポルトガルでも、大西洋のマデイラ島で造るマデイラは、エストゥファと呼ばれる加熱熟成を経る点が違う。焦がしカラメルやナッツの香りが生まれ、開栓後も長くもつ。南フランスのバニュルスやモーリーといった甘口も同じ酒精強化ワインの系列で、食後酒として並べて比べると、ポートの立ち位置が見えやすい。

「ポート」は港である|港湾法は港を四つに分ける

「ポート」は港である|港湾法は港を四つに分ける
接岸する貨物船の風景

名前の話に戻る。ここから先は、この酒の名前になっている言葉そのものを追う。ポートは港だ。では日本の法律は、港をどう定義しているのか。基礎になるのは港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)である。

第二条第二項|三つは政令が指名し、四つ目は引き算で決まる

港湾法第二条第二項は、一つの項のなかで四つの区分をまとめて定義している。

この法律で「国際戦略港湾」とは、長距離の国際海上コンテナ運送に係る国際海上貨物輸送網の拠点となり、かつ、当該国際海上貨物輸送網と国内海上貨物輸送網とを結節する機能が高い港湾であつて、その国際競争力の強化を重点的に図ることが必要な港湾として政令で定めるものをいい、(中略)「地方港湾」とは、国際戦略港湾、国際拠点港湾及び重要港湾以外の港湾をいう。

出典:港湾法第二条第二項

読み方に注意が要る。国際戦略港湾、国際拠点港湾、重要港湾の三つには、いずれも政令で定めるものという言葉が付く。ところが四つ目の地方港湾にはそれがない。三つに入らなかったものが地方港湾だ、という引き算の定義になっている。だから政令の別表に「地方港湾」という欄は無い。この項で名前を指定されるのは上の三つだけである。

政令の別表に並ぶ名前を数える

その政令が港湾法施行令(昭和二十六年政令第四号)の別表第一だ。都道府県ごとに、国際戦略港湾・国際拠点港湾・重要港湾・避難港の四欄が並ぶ。末尾の避難港だけは第二条第九項が別に政令へ委ねたもので、暴風雨に際し小型船舶が避難のため停泊することを主たる目的とし、通常貨物の積卸し又は旅客の乗降の用に供せられない港湾と定義されている。荷を扱わないことによって定義された港である。欄に書かれた名前を数えると、次のようになる。

別表第一に並ぶ名前の数
国際戦略港湾 3 京浜、大阪、神戸
国際拠点港湾 17 室蘭、千葉、名古屋、関門、博多ほか
重要港湾 100 青森、八戸、舞鶴、高松ほか
避難港 36 松前、奥尻、鼠ケ関ほか

国際戦略港湾の欄に置かれた名前は三つしかない。しかも「京浜」は、都道府県の欄が「東京神奈川」となった一行に、ただ一つ書かれている。東京・川崎・横浜が個別に並ぶのではなく、京浜という一語でまとめられている。

もう一つ、名前の揺れがある。宮城県の国際拠点港湾の欄は仙台湾と書かれているが、同じ政令の附則では仙台塩釜港の港湾管理者という言い方をしている。後で見る港則法施行令の別表第二では、宮城県の特定港は「石巻、仙台塩釜」だ。同じ海の同じ場所を、法令によって別の名前で呼んでいる。

十万字近い港湾法の本則に「酒」は一度も出てこない

港湾法は大きな法律だ。本則だけで条数は二百三十六、字数は九万八千を超える。その全文を検索すると、「港湾」は千四百回以上、「貨物」は四十九回出てくる。ところが「酒」はゼロ、「ワイン」もゼロ、「ぶどう」もゼロ、「食品」もゼロだった。「飲」という字が一度だけ現れるが、それは緑地の貸付けに関する条の飲食店である。

港湾法は、港に何を運び込むかを問題にしていない。岸壁があり、航路があり、荷さばき地があり、それを誰が管理するか――施設と管理者の法律なのだ。ポートワインが着く場所を作っている法律に、ポートワインの名前は無い。

港則法が見るのは船と危険物|本則に「貨物」は零回

港則法が見るのは船と危険物|本則に「貨物」は零回
夕暮れの海を進む船

港の中の交通を仕切るのは、港湾法ではなく港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)だ。こちらは本則五十六か条、字数にして一万二千五百ほどの、ずいぶん小さな法律である。

目的は「船舶交通の安全」と「港内の整とん」

第一条は短い。

この法律は、港内における船舶交通の安全及び港内の整とんを図ることを目的とする。

出典:港則法第一条

安全と整とん。それだけである。八つある章のうち、総則・雑則・罰則を除いた五つの名前は、入出港及び停泊、航路及び航法、危険物、水路の保全、灯火等となっている。この本則を全文検索すると、「特定港」は六十八回、「トン」は九回出てくる。そして「貨物」は――一度も出てこない。「酒」も「食品」もゼロだ。

第五条には各々そのトン数又は積載物の種類に従いという一節があり、停泊する区域を積み荷の種類で分けることは想定されている。それどころか第四章はさらに踏み込み、第二十二条第一項が船舶は、特定港において危険物の積込、積替又は荷卸をするには、港長の許可を受けなければならない。と定める。第二十一条ただし書は危険物の種類、数量及び保管方法を見るとも書いている。荷は見られているのだ。ただし見られているのは危険性や散乱のおそれで、値段でも銘柄でもない。だから法律は最後まで「貨物」という語を使わずに済む。港則法にとって船は、大きさと危険性を持った移動する物体であって、中身の商品ではない。

特定港は八十七、適用される港は五百

港則法が特別な手続を課すのは「特定港」だ。定義は第三条第二項にある。

この法律において「特定港」とは、喫水の深い船舶が出入できる港又は外国船舶が常時出入する港であつて、政令で定めるものをいう。

出典:港則法第三条第二項

喫水が深い船が入れるか、外国船が常時出入りするか。この二つのどちらかを満たし、かつ政令で名指しされたものが特定港になる。港則法施行令(昭和四十年政令第二百十九号)の別表第二を数えると、四十二都道府県にわたって八十七の港が挙がっている。北海道は根室、釧路、苫小牧、室蘭、函館、小樽、石狩湾、留萌、稚内の九港、沖縄県は金武中城と那覇の二港だ。

一方、同じ政令の別表第一は、港則法が適用される港とその区域を、灯台や岬などからの方位と距離で一つずつ定義している。こちらは五百港ある。八十七はそのなかの一部にすぎない。

港長に届け出るのは、入ったことと出ること

特定港に入るとどうなるか。第四条が定めている。

船舶は、特定港に入港したとき又は特定港を出港しようとするときは、国土交通省令の定めるところにより、港長に届け出なければならない。

出典:港則法第四条

入港したときと、出港しようとするとき。届け出る相手は港長で、税関ではない。第五条以下では停泊する区域の指定、第七条では修繕や係船の届出が続くが、税関に出すような積荷の目録はどこにも出てこない。そもそも本則で「荷」という字が使われるのは、ただ一度、第二十二条の「荷卸」だけである。港則法にとって荷は、爆発するかどうかで初めて姿を現す。

税関が見る港は「開港」|政令の別表に百十八

税関が見る港は「開港」|政令の別表に百十八
海を望む港のイメージ

ポートワインが日本に着くとき、同じ岸壁が三つ目の名前で呼ばれる。港湾法の重要港湾でも港則法の特定港でもなく、関税法(昭和二十九年法律第六十一号)が言う「開港」としてである。ここで初めて、積荷そのものを手続の対象にする法律が出てくる。

開港の定義と、引き算で決まる不開港

定義は第二条第一項の号のなかにある。

「開港」とは、貨物の輸出及び輸入並びに外国貿易船の入港及び出港その他の事情を勘案して政令で定める港をいう。

出典:関税法第二条第一項第十一号

港則法の特定港が「喫水」と「外国船の出入り」で決まっていたのに対し、開港は貨物の輸出及び輸入を第一の考慮事情に挙げている。同じ港を見ていても、物差しが違う。

二つ先の号は、残りをまとめて処理する。

「不開港」とは、港、空港その他これらに代り使用される場所で、開港及び税関空港以外のものをいう。

出典:関税法第二条第一項第十三号

港湾法の地方港湾と同じ形だ。指定されたものを先に決め、それ以外をひとまとめの名前で呼ぶ。日本の港は、関税法の目から見れば開港か不開港かの二つしかない。

同じ港を、三つの法律が別々に数えている

関税法施行令(昭和二十九年政令第百五十号)の別表第一が、開港の名前を都道府県順に並べている。見出し行を除いて数えると百十八だった。北海道の紋別・網走・花咲・釧路から始まり、沖縄の金武中城・那覇・平良・石垣で終わる。

法令 数えているもの 物差し
港則法施行令 別表第一 港則法が適用される港 500 港内の交通の安全
港則法施行令 別表第二 特定港 87 喫水と外国船の常時出入り
関税法施行令 別表第一 開港 118 貨物の輸出入と外国貿易船
港湾法施行令 別表第一 国際戦略港湾・国際拠点港湾・重要港湾 3・17・100 輸送網のなかの役割

五百、八十七、百十八。日本の海岸線は一つなのに、法律ごとに違う数の「港」が数え上げられている。特定港の八十七は五百の内側にあるが、開港の百十八は別の物差しで選ばれていて、同じ岸壁が二重三重に名前を持つ。ポートワインを積んだ船が原則として入るのは、このうち関税法の百十八だ。

不開港に入れるのは、許可と検疫と遭難のときだけ

では残りの港はどうなるか。第二十条第一項が閉めている。

外国貿易船等の船長又は機長は、税関長の許可を受けた場合を除くほか、当該外国貿易船等を不開港に出入させてはならない。ただし、検疫のみを目的として検疫区域に出入する場合又は遭難その他やむを得ない事故がある場合は、この限りでない。

出典:関税法第二十条第一項

原則は禁止。抜けるのは、税関長の許可を得たとき、検疫だけを目的として検疫区域に入るとき、そして遭難その他やむを得ない事故があるときの三つに限られる。しかも事故で入った場合は、第二項で直ちにその事由を付してその旨を税関職員に(税関職員がいないときは警察官に)届け出なければならないとされている。税関職員がいないなら警察官へ、というところまで書いてある。

入港から出港まで|関税法第三章が求める報告と許可

入港から出港まで|関税法第三章が求める報告と許可
輸送される酒類の梱包

関税法の章は番号だけ見れば第十一章まであり、枝番の章を入れると十三ある。そのなかで船の出入りを正面から扱うのは第三章「船舶及び航空機」の十九か条だ。第十五条から第二十八条まで。ポートワインを載せた船が経験するのは、この章の順番である。

入港前の報告と、二十四時間という区切り

最初に来るのは入港手続だ。

開港に入港しようとする外国貿易船の船長は、通信設備の故障その他政令で定める場合を除き、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該外国貿易船の名称及び国籍のほか、当該外国貿易船の積荷、旅客(当該外国貿易船に旅客が乗船する場合に限る。)及び乗組員に関する事項で政令で定めるものをその入港しようとする開港の所在地を所轄する税関に報告しなければならない。

出典:関税法第十五条第一項

着いてからではなくあらかじめである。しかもコンテナに詰められた積荷については、第七項がさらに前倒しする。報告するのは船長ではなく運航者等で、船積港を当該外国貿易船が出港する前にと書かれている。日本に向けて出港する前の段階で、何が積まれているかを日本の税関が知っている、という設計だ。

報告なしで入ってしまった場合は、第二項が入港後直ちにの書面提出に切り替える。これとは別に、第三項が入港届と船用品目録の提出に、入港の時から二十四時間という期限を置いている。この二十四時間は行政機関の休日に含まれる時間を除いて計算すると、わざわざ断ってある。

報告がなければ、荷を降ろすことができない

第十六条第一項は、報告と荷役を直結させている。積荷に関する報告がない場合、外国貿易船等に対する貨物の積卸しはしてはならない。書類が先で、荷役が後だ。

ただし書には例外が並ぶ。旅客及び乗組員の携帯品、郵便物(中略)並びに船用品及び機用品については、この限りでない。ここでいう船用品は第二条第一項第九号に定義があり、燃料、飲食物その他の消耗品を含む。船の中で消費される飲食物は、報告を待たずに動かせる。輸入される酒と、船が積んでいる酒とでは扱いが違うわけだ。旅行者が持ち帰る枠については免税店と携帯品の記事で整理している。

十六万字の関税法で「酒」が出るのは、没収の条だけ

ここで章を離れて、法律全体を見渡してみる。関税法の本則は十六万字を超え、「貨物」という語は千百回以上出てくる。ところが「酒」という字が現れるのは、たった二回だ。しかもその二回は同じ条の同じ号にある。第百十八条第三項第一号――没収の対象になる輸入制限貨物等の定義である。

一 次に掲げる貨物 イ 酒税法(昭和二十八年法律第六号)第二条第一項(定義)に規定する酒類 ロ たばこ事業法(昭和五十九年法律第六十八号)第二条第三号(定義)に規定する製造たばこ(中略)ハ 国の専売品

出典:関税法第百十八条第三項第一号

同条第一項は犯罪貨物等について没収すると定めている。つまり関税法が「酒」と書くのは、密輸などの犯罪に関わった貨物を取り上げる場面だけである。輸入の手続を定めた条文のどこにも、酒の名前は出てこない。ワインもウイスキーも、そこでは番号の付いた貨物として扱われる。

積荷ではなく船に課す税|とん税と特別とん税

積荷ではなく船に課す税|とん税と特別とん税
納付額を計算する場面

船が開港に入ると、原則としてそれだけで税がかかる。ポートワインに酒税と関税がかかるのとは別に、運んできた船そのものに課される税が二つある。とん税法(昭和三十二年法律第三十七号)と特別とん税法(同年法律第三十八号)だ。どちらも同じ年に、番号を一つ違えて置かれた。

一トンにつき十六円と二十円

とん税法の第一条は一文で終わる。外国貿易船の開港への入港には、この法律により、とん税を課する。課税の対象は貨物ではなく「入港」という出来事である。税率は第三条にある。

とん税は、外国貿易船の純トン数を課税標準とし、次の各号に掲げる場合について当該各号に掲げる税率により課する。 一 開港への入港ごとに納付する場合 純トン数一トンまでごとに十六円 二 開港ごとに一年分を一時に納付する場合 純トン数一トンまでごとに四十八円

出典:とん税法第三条

特別とん税のほうは、第一条に目的が書き込まれている。別に法律で定めるところにより地方公共団体に財源を譲与するため――集めた分が地方へ回る税だ。税率は第三条で、入港ごとに一トンまでごとに二十円、一年分を一時に納めるなら六十円になる。

課税標準はどちらも純トン数で、実際に積んだ荷の量でも価格でもない。空荷で入っても、満載で入っても、同じ船なら同じ額になる。

三十六分の十六と三十六分の二十

二つの税は別々に納めるわけではない。特別とん税法第五条第一項が特別とん税は、とん税にあわせて申告しと定め、続く第二項が受け取った金額の分け方を書いている。

特別とん税及びとん税の納付があつたときは、その納付に係る金額の三十六分の二十に相当する税額の特別とん税及び三十六分の十六に相当する税額のとん税の納付があつたものとする。

出典:特別とん税法第五条第二項

十六と二十を足せば三十六になる。入港ごとの税率をそのまま分母にした比率だ。窓口では一つの金額として扱い、内側で国と地方に割り振る。納税義務者はとん税法第四条により、原則として船長である。

積荷が顔を出すのは、非課税を外すときだけ

とん税法の本則は三千三百字たらずで、「外国貿易船」が二十回、「開港」が十三回出てくる。それに対して「貨物」はわずか三回だ。しかもその三回は、非課税の規定とその後始末に集まっている。

第七条は、非課税になる場合を四つの号で挙げ、それに準ずるやむを得ない理由も拾っている。号が挙げるのは次の四つだ。海難その他航行上の支障で入港したとき、検疫だけを目的として一時入港したとき、避難のため一時出港して理由が消えた後すぐ同じ開港に戻ったとき、出港後二十四時間以内に他の港に寄らず同じ開港に入ったとき。そして、ただし書がこう続く。

ただし、第一号又は第二号に規定する理由により入港した場合(これに準ずるやむを得ない理由がある場合を含む。)において、これらの理由に直接よらない貨物の積卸をするときは、この限りでない。

出典:とん税法第七条ただし書

海難や検疫で駆け込んだ船でも、その理由と関係のない荷を降ろした瞬間に非課税が外れる。とん税法が積荷を見るのは、この一点だけだ。ちなみに特別とん税法の本則千八百字弱には、「貨物」という語が一度も出てこない。

納めるまで、船は出ていけない

この二つの税を取りこぼさない仕掛けは、とん税法ではなく関税法の側にある。出港手続を定めた第十七条の第二項だ。

前項の場合において、当該外国貿易船についてとん税法(昭和三十二年法律第三十七号)及び特別とん税法(昭和三十二年法律第三十八号)の規定により納付すべきとん税及び特別とん税の額があるときは、その額が納付された後でなければ、同項の許可をしないものとする。

出典:関税法第十七条第二項

出港には税関長の許可が要り、その許可は税を納めた後でなければ出ない。ただし書で担保の提供が認められてはいるが、原則は明快だ。ポートワインを降ろした船は、税を払うまで日本の港を離れられない。積荷の中身を一度も名指ししないとん税法が、船の足を止めている。

飲まないポートワイン・酒精強化ワインの査定・買取はリンクサスへ

飲まないポートワイン・酒精強化ワインの査定・買取はリンクサスへ
買取カウンターでの査定の様子

贈り物でいただいたヴィンテージポート、実家に眠っていたトウニー、開ける機会のないマデイラやシェリー。飲まないまま置いている酒精強化ワインがあれば、リンクサス酒販で査定できる。ヴィンテージやコリェイタのように収穫年が刻まれたものは、年と状態の組み合わせで評価が変わる。

査定の前に見ておきたいのは、ラベルの表記、液面の高さ、コルクの沈みや漏れの跡、そして箱や証明書の有無だ。高温多湿の場所に長く置かれたものは、栓まわりに変化が出やすい。写真を送ってもらえれば、おおよその見当をお伝えできる。ヴィンテージワインシャンパンとあわせてまとめて相談してもらってもかまわない。

よくある質問

よくある質問
ポートワインについての質問と回答
ポートワインとはどんなお酒ですか。

ポルトガル北部のドウロ画定地域で造られる酒精強化ワインです。IVDPの説明では、EUの法令が定める酒精強化ワインにあたり、発酵の途中でブドウ由来の蒸留酒を加えて発酵を止めることで糖を残します。度数は通常十九から二十二パーセントで、名前は積み出し口である港町ポルトに由来します。

ルビーとトウニーは何が違うのですか。

熟成のさせ方が違います。ルビー系はタンクや大樽で色を保ったまま瓶詰めし、トウニー系は樽や槽で長く置いて黄褐色に変わり、ドライフルーツと木の香りが出ます。IVDPはルビー系のカテゴリーをルビー、リザーブ、LBV、ヴィンテージの順に、トウニー系をトウニー、トウニーリザーブ、年数表示、コリェイタとして挙げています。

十年トウニーとコリェイタはどう違いますか。

コリェイタだけが単一年です。IVDPはトウニー系について、複数年のブレンドであるがコリェイタは例外で単一年の酒だと説明しています。十年や二十年という表示は熟成の目安を示すもので、収穫年を示すものではありません。ラベルの数字の意味が別だと考えてください。

度数の低いポートワインはありますか。

ライトドライホワイトポートという枠があります。IVDPは最低アルコール分十六・五パーセントとしており、通常の十九から二十二パーセントより低い設定です。度数の高さが気になる場合の選択肢になります。ホワイトポートの甘辛はエクストラドライからラグリマまで六段階に分かれています。

開栓したポートはどれくらいもちますか。

スタイルによります。トウニー系はすでに酸化熟成を経ているため開栓後も数週間もつことが多く、ルビーやヴィンテージは酸化に弱いため数日で飲み切るのが理想です。いずれも栓をして冷蔵庫に立てて保管すると変化が緩やかになります。

日本に酒を運ぶ船は、どの港にでも入れるのですか。

入れません。関税法は「開港」を政令で定めると規定し、関税法施行令の別表第一に百十八の港名が並んでいます。それ以外は「不開港」で、第二十条第一項により税関長の許可を受けた場合を除いて外国貿易船を出入りさせてはならないとされています。ただし書の例外は、検疫だけを目的とする場合と、遭難その他やむを得ない事故があるときです。

とん税は積荷の量で決まるのですか。

決まりません。とん税法第三条は課税標準を船の純トン数とし、入港ごとに一トンまでごとに十六円、開港ごとに一年分を一時に納める場合は四十八円と定めています。特別とん税は同じ課税標準で二十円と六十円です。積荷の量や価格は税額に影響しません。ただし第七条ただし書により、非課税で入港した船が理由と関係のない荷を降ろすと非課税が外れます。

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