モスコミュールとは|作り方と、ウォッカの輸入に承認が要る場合

モスコミュールは、ウォッカにジンジャービアとライムを合わせる一杯です。材料はたった三つですが、そのうち二つは輸入の場面でまったく違う扱いを受けます。ウォッカは関税率表が名前で拾う番号に入り、ジンジャービアはアルコール分〇・五%という線で二つの番号に割れます。作り方と分量を押さえたうえで、その線を引く資料と、産地で要る承認まで読みます。作り方だけ知りたい方は、目次の「家で作る手順」から直接どうぞ。

モスコミュールとは|ウォッカと生姜の一杯

モスコミュールとは|ウォッカと生姜の一杯
銅マグに注いだモスコミュールの一例

モスコミュールは、ウォッカをベースにジンジャービア(またはジンジャーエール)で満たし、ライムを搾って仕上げるロングカクテルです。名前は「モスクワのラバ」で、蹴られたように効くという意味だと説明されることが多い一杯です。ウォッカの銘柄を替えると輪郭が変わり、割り材の辛さで表情が変わるので、同じ名前でも家庭とバーで別の飲み物のようになります。

材料は三つ、割り材の番号は二つに割れる

材料はウォッカ、ジンジャービア、ライムの三つだけです。ところが「日本に持ち込むもの」として見ると、置かれる場所が揃いません。ウォッカは関税率表の第二二・〇八項に属し、その中の六桁の号が「ウオッカ」という名前を持っています。ジンジャービアは、アルコール分が〇・五%を超えるかどうかで第二二・〇六項と第二二・〇二項に分かれます。ふだんの一杯では、この違いはどこにも顔を出しません。顔を出すのは、その材料がどこから来たかを国が見ている場面だけです。

度数の目安と、分量では決まらないもの

ウォッカ四十五ミリリットルをジンジャービア百三十五ミリリットルで割ると、単純計算で全体の度数は一〇%前後です。氷が溶ける分を見込めば、飲み進める頃には八%台まで落ちます。度数は分量の比で決まりますから、辛口の割り材を選んだだけでは数字は変わりません。

一方で、分量をどう変えても動かないものがあります。そのウォッカがどこで造られ、どこの港から積まれたかです。カクテルの設計とは無関係な変数ですが、輸入の制度は品目の番号と並べてそこを見ます。カクテルの度数一覧で他の一杯と並べると、モスコミュールは中くらいの位置にいます。

家で作る手順と、順序を変えない理由

家で作る手順と、順序を変えない理由
カクテルづくりに使う道具の一例

モスコミュールはシェイクを使いません。グラスの中で作るビルドなので、道具はメジャーカップとバースプーンがあれば足ります。手順は短いのですが、順序を入れ替えると炭酸が抜けて味が平らになります。

注ぐ順序

先にグラスか銅マグを氷でいっぱいにし、ウォッカを注ぎ、ライムを搾り、最後にジンジャービアを静かに満たします。仕上げにバースプーンで底から一回だけ持ち上げるように混ぜます。炭酸入りの割り材を先に入れると、あとから注ぐウォッカが泡を潰します。分量はウォッカ四十五ミリリットルに割り材を適量というのが一般的で、比を一対三で覚えておけばグラスの大きさが変わっても味の位置は動きません。ジンバックやボストンクーラーも同じ骨格です。

ライムの搾りかた

ライムは八等分のくし切りにして、皮を外側に向けて搾ります。皮の油分が少し落ちると香りが立ちます。搾ったあとのくし切りをグラスに落とすと、時間が経つにつれて苦みが出ます。飲み切るのが遅い方は落とさないほうが最後まで味が揃います。生のライムがないときはボトルのライムジュースで代えられますが、香りの立ち上がりは弱くなります。

冷やす順序

グラス、ウォッカ、割り材の三つとも冷えていることが前提です。どれか一つが常温だと、氷が溶けて薄まる速度が上がります。ウォッカは冷凍庫に入れておいても凍りませんから、飲む前から入れておくのが簡単です。銅マグを使う場合は、注ぐ前にマグごと冷やしておきます。銅は熱を速く伝えるので、常温のマグだと逆に中身の温度を持ち上げます。

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モスコミュール向けウォッカとプレミアムウォッカ30銘柄を比較

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スピリッツのボトルが並ぶ様子の一例

モスコミュールに使うウォッカは、クセの少ない定番から穀物の甘みが残るもの、原料をじゃがいもに振ったものまで幅があります。価格帯と入手しやすさを並べたうえで、割り材に負けない骨格があるかどうかで選ぶと外しません。

モスコミュール向けウォッカ & プレミアムウォッカ 比較表(30銘柄)
モスコミュールに使いたい定番ウォッカから、ロックで味わうプレミアムウォッカまで30銘柄を横断比較。タイプ(プレーン/フレーバー/プレミアム/国産クラフト)・度数・原料・産地・モスコミュールとの相性・楽天/Amazonの購入先を一覧できます。土台に最適なスミノフ・アブソルート・ストリチナヤ・ティトス、上質なグレイグース・ベルヴェデール、シトラスやライムのフレーバー、サントリー白やニッカなど国産クラフトまで。輸入ウォッカの多くはオープン価格のため定価は非掲載、市場相場の目安と各モールの実勢価格を参考にしてください。
画像 銘柄・スコア 定価
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本場ロシアの定番。バランスのよい辛口。

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ウクライナの人気ウォッカ。クリーンでなめらか。

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国産米100%の和ウォッカ。ほのかな甘みと余韻。

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ニッカ カフェウォッカ 700ml18位定番 ニッカ カフェウォッカ 700ml
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カフェ式蒸留の国産クラフト。とうもろこしの甘み。

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クリスタルヘッド 700ml19位限定 クリスタルヘッド 700ml
市場相場4,500〜6,000円台(700ml・実勢・2026年6月時点)

ドクロ型ボトルの話題作。クリーンでなめらか。

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レイカ 700ml20位定番 レイカ 700ml
市場相場2,800〜3,800円台(700ml・実勢・2026年6月時点)

アイスランドの湧水仕込み。澄んだピュアな味。

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ゴルバチョフ ウォッカ 700ml21位定番 ゴルバチョフ ウォッカ 700ml
市場相場1,200〜1,700円台(700ml・実勢・2026年6月時点)

ドイツの定番。軽快でコスパに優れる。

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22位定番 ダンツカ 1L
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23位定番 スリーシックスティ 700ml
市場相場1,500〜2,000円台(700ml・実勢・2026年6月時点)

ダイヤ型ボトルのドイツ産。軽快で手頃。

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24位定番 ストリチナヤ ヴァニラ 750ml
市場相場1,600〜2,200円台(750ml・実勢・2026年6月時点)

甘いバニラ風味。デザート寄りの一杯に。

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25位定番 アムンゼン ウォッカ 700ml
市場相場1,000〜1,500円台(700ml・実勢・2026年6月時点)

コスパに優れた定番。たっぷり使える軽快さ。

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グレイグース ラ・ポワール(洋梨)700ml26位限定 グレイグース ラ・ポワール(洋梨)700ml
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上質な洋梨フレーバー。華やかな一杯に。

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スピリタス 500ml27位限定 スピリタス 500ml
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公称96%。ごく少量を割って使う上級者向け。

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ギルビー ウォッカ 750ml28位定番 ギルビー ウォッカ 750ml
市場相場1,000〜1,500円台(750ml・実勢・2026年6月時点)

古くからの定番。手頃でクセのない万能ベース。

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LADOGA ラドガ インペリアル パールホワイト 700ml29位希少 LADOGA ラドガ インペリアル パールホワイト 700ml
市場相場(リンクサス酒販 在庫価格を商品ページで確認)

真珠を思わせる豪華デキャンタの最高級ウォッカ。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon ¥184,000 楽天 査定 買取
ストリチナヤ エリート 700ml30位限定 ストリチナヤ エリート 700ml
市場相場5,000〜7,000円台(700ml・実勢・2026年6月時点)

氷点ろ過の超なめらかプレミアム。上質な一杯に。

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輸入ウォッカの多くはオープン価格のため定価(list_price)は掲載せず市場相場の目安のみを記載しています(2026年6月時点の実勢)。楽天/Amazon価格は各モールの実勢で、同一銘柄・容量が見つからない場合は空欄になります。モスコミュール用の定番ウォッカはリンクサス酒販(プレミア・希少酒専門)では現在お取り扱いがないため購入先は楽天・Amazonをご案内し、リンクサス在庫がある希少ボトルは商品ページから確認できます。価格・在庫は変動します。

ジンジャービアを二つに割る〇・五%の線

ジンジャービアを二つに割る〇・五%の線
生姜の一例

ジンジャービアとジンジャーエールの違いは、ふつう「発酵させたかどうか」「辛さの度合い」で説明されます。輸入の場面で効くのはそこではなく、アルコール分が〇・五%を超えるかどうかという一点です。この線は税関が公表している関税率表解説の第二二類に、類注として書かれています。

類注三が数え上げている項

第二二類の注三は、二つのことを一度に書いています。

第 22.02 項において「アルコールを含有しない飲料」とは、アルコール分が 0.5%以下の飲料をいう。アルコール飲料は、第 22.03 項から第 22.06 項まで又は第 22.08 項に属する。

関税率表解説 第22類 注3(税関)

前半が線を引き、後半が線の向こう側にある項を数え上げています。数え上げられているのは第二二・〇三項から第二二・〇六項までと第二二・〇八項です。その間の第二二・〇七項だけが抜けていますが、注三は抜いた理由を書いていません。この項はエチルアルコール(変性させてないもので八十%以上のもの)と変性アルコールの項です。

この五つの並びは、あとで見る経済産業省の一覧のロシアの行とほとんど重なります。重ならないのは第二二・〇七項の扱いだけで、そこに一つ仕掛けがあります。

アルコールを含有しない飲料の側

第二二・〇二項には、六桁の号としてノンアルコールビールが立っています。その解説は、この号に入るものを三つ挙げていて、二つ目がジンジャービールです。

ジンジャービール及びハーブビールで、アルコール分が 0.5%以下のもの

関税率表解説 第22.02項(B)ノンアルコールビール(2)(税関)

日本のスーパーで売られているジンジャーエールや、ノンアルコールをうたうジンジャービアはこの項に入ります。同じ項の解説にはレモネードやコーラも並びます。

発酵酒の側

アルコール分が〇・五%を超えると、同じ名前のまま第二二・〇六項へ移ります。この項は、りんご酒や梨酒、ミード、清酒を例に挙げる「その他の発酵酒」の項です。解説はこの項に入るものを十件並べていて、その最後の十件目に名前が出てきます。

Ginger beer 及び Herb beer:砂糖、水及びしょうが又は草本を酵母で発酵させて得られる。

関税率表解説 第22.06項(10)(税関)

砂糖と水と生姜を酵母で発酵させる、という説明はジンジャービアの作り方そのものです。この解説は、伝統的な作り方のジンジャービアが酒の側に立つことを名前を書いて認めています。同じ項には清酒も入っているので、日本酒とジンジャービアが同じ番号を分け合います。

アルコール分の測り方も類注が決めています。注二は第 20 類からこの類までにおいてアルコール分は、温度 20 度におけるアルコールの容量分による。と書き、二十度での容量%が基準です。ノンアルコールビールやシャンディガフでも同じ〇・五%が出てきます。

モスコミュールの材料 関税率表の項 アルコール分の条件
ジンジャーエール/ノンアルコールのジンジャービア 第22.02項 0.5%以下
発酵させたジンジャービア 第22.06項 0.5%超
ウォッカ 第22.08項(号は2208.60) アルコール分を問わず(80%未満はエチルアルコールの限定)

外為法は輸出と輸入を同じ強さで書いていない

外為法は輸出と輸入を同じ強さで書いていない
バックバーに洋酒が並ぶ様子の一例

酒を海外から仕入れるときの入口は、外為法という法律です。昭和二十四年法律第二百二十八号で、本則は四万九千四百九十字、枝番を含めて十三の章に分かれています。この法律の第六章が「外国貿易」で、輸出と輸入の両方がここに置かれています。ところが、同じ章に置かれていながら、二つの書き方はまるで揃っていません。

輸出には原則の条があり、輸入には無い

第六章の先頭に立っているのは、次の一文だけの条です。

貨物の輸出は、この法律の目的に合致する限り、最少限度の制限の下に、許容されるものとする。

外国為替及び外国貿易法 第四十七条(輸出の原則)

原則を宣言する条が、輸出には立てられています。ではこれに対応する「輸入の原則」という条はどこにあるのか。第六章の条を先頭から順に見ると、第四十七条(輸出の原則)、第四十八条(輸出の許可等)、第四十九条及び第五十条、第五十一条(船積の非常差止)、第五十二条(輸入の承認)、第五十三条(制裁)、第五十四条(税関長に対する指揮監督等)の七つが並び、そのうち第四十九条及び第五十条は見出しもなく削除です。つまり生きている条は六か条で、輸入の原則を宣言する条は一つも入っていません。

輸入について「必要最小限」を書いているのは、第六章ではなく法律の冒頭です。第一条は…対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより、…と目的を述べ、ここには輸出も輸入も区別なく入っています。輸出にだけ、目的規定と別に独立した原則の条が重ねて置かれている形です。

第五十二条は「課せられることがある」と書く

ウォッカの輸入に効くのは第五十二条です。この条には第二項も号もなく、一文だけで終わります。

外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第十条第一項の閣議決定を実施するため、貨物を輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、輸入の承認を受ける義務を課せられることがある。

外国為替及び外国貿易法 第五十二条(輸入の承認)

目的が四つ並び、そのあとに義務が来ます。見落とせないのは文末で、「受けなければならない」ではなく受ける義務を課せられることがあるです。この条そのものは義務を課しておらず、政令で課され得ると書いているだけです。輸出側の同じ位置にある条は、こう書きます。

国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出をしようとする者は、政令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

外国為替及び外国貿易法 第四十八条第一項(輸出の許可等)

こちらは「受けなければならない」で、法律が直接に義務を置いています。この項は許可、第五十二条は承認で、語も違います。本則に「許可」は百十六回出てきますが、「輸入の許可」という並びは一度も出てきません。

四つの目的のうち、一つだけに国会が出てくる

四つの目的のうち、最後の「第十条第一項の閣議決定を実施するため」だけは、その先に手続が続きます。第十条第一項は、我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときに閣議で対応措置を決められると定め、その中身として七つの規定を列挙しています。ここで貨物の輸入そのものを対象にするのは第五十二条だけです。そしてこの経路には、他の三つには付いていない縛りが付きます。

政府は、前項の閣議決定に基づき同項の対応措置を講じた場合には、当該対応措置を講じた日から二十日以内に国会に付議して、当該対応措置を講じたことについて国会の承認を求めなければならない。

外国為替及び外国貿易法 第十条第二項

第三項は、不承認の議決があったときは速やかに、当該対応措置を終了させなければならない。と定めています。二十日という期限(閉会中や解散中は次の国会)と国会の議決が出てくるのは、この一つの目的に限られます。ロシア産の酒類の措置が四つのうちどの目的に拠っているのかは、あとで見る経済産業省のページには書かれていないので、ここでは条文の構造だけを確認しておきます。

語の数で見る非対称

非対称は語の数にも出ます。本則四万九千四百九十字で、「輸出」は七十二回、「輸入」は十九回です。「輸入の承認」という並びは二回しかなく、どちらも第五十二条の中、見出しの括弧と本文に一回ずつです。「輸入」が出てくる十九回を条ごとに割ると、第十九条に五回、第二十四条に二回、第五十二条に三回、第五十三条に三回、第五十四条に一回、第六十九条の八に一回、第七十条に三回、第七十一条に一回で、八か条にしか現れません。しかも第五十三条と第五十四条は輸出又は輸入と両方をまとめて書く条ですから、輸入だけを取り上げる条は第六章の中では第五十二条一本です。「原産地」という語は本則に一度も出てきません。原産地という考え方は、政令から下の階層で出てきます。

承認が要るのはどんなときか|輸入令の三つの入口

承認が要るのはどんなときか|輸入令の三つの入口
酒販店の売場の一例

外為法第五十二条が「政令で定めるところにより」と投げた先が、輸入令です。昭和二十四年政令第四百十四号で、本則はわずか二千五百字しかありません。条番号は第一条から第十九条まで振られていますが、第二条、第六条から第八条まで、第十条、第十二条及び第十三条が削除になっているので、生きている条は十二か条です。

第三条の公表と、公表しない余地

制度の起点は第三条第一項です。

経済産業大臣は、輸入割当てを受けるべき貨物の品目、輸入の承認を受けるべき貨物の原産地又は船積地域その他貨物の輸入について必要な事項を定め、これを公表する。

輸入貿易管理令 第三条第一項(輸入に関する事項の公表)

この「公表」が、実務で輸入公表と呼ばれているものです。ここで初めて「原産地又は船積地域」という言葉が出てきます。外為法の本則には一度も出てこなかった語が、政令の第三条で登場します。同じ項には読み飛ばしやすいただし書も付いています。ただし、経済産業大臣が適当でないと認める事項の公表については、この限りでない。公表を義務づけた条が、同じ項の中で公表しない余地を残しています。第二項はあらかじめ主務大臣の同意を得るよう求めますが、この同意は割当ての品目にだけ掛かっていて、原産地や船積地域を定めるときには書かれていません。

公表のしかたは省令が決めています。輸入規則の第一条は輸入貿易管理令(以下「令」という。)第三条第一項の規定による経済産業大臣の公表は、官報及び通商弘報に掲載することによつて行う。と一文で書いています。官報と通商弘報という二つの媒体が名指しされていて、それ以外の媒体は書かれていません。

第四条第一項の三つの号

承認が要る場面は、第四条第一項が三つの号に分けています。第一号は輸入割当てを受けることを要するとき、第三号はその他の必要な事項が公表されているときです。酒に効くのは第二号です。

当該貨物の品目について、貨物の原産地又は船積地域が前条第一項の規定により公表された場合において、その原産地を原産地とする貨物を輸入し、又はその船積地域から貨物を輸入しようとするとき。

輸入貿易管理令 第四条第一項第二号(輸入の承認)

「又は」で二つに分かれている点が要点です。原産地がその地域である場合と、その地域から積んだ場合の両方が拾われ、どちらか一つに当たれば承認が必要になります。

実務でこの号は「二号承認」と呼ばれ、さらに「二の二号承認」という呼び方も使われます。二つの違いは省令の文面から確かめられます。輸入規則第二条の二第一項第一号は、イで令第四条第一項第二号の規定による輸入の承認(全地域を原産地又は船積地域とする貨物の輸入に係る承認を除く。)…、ロで…(全地域を原産地又は船積地域とする貨物の輸入に係る承認に限る。)…と、同じ第二号を「全地域かどうか」で書き分けています。呼び名は二つですが、根拠になっている号は同じ一つです。

第四条第二項には、承認を要らなくする仕組みも書かれています。第三号の場合に、公表が「一定の手続を行うべき旨」とあわせて、その手続を行えば承認を要しない旨を定めたときは承認が不要になります。経済産業省が事前確認・通関時確認と呼ぶ区分は、この第二項の形に対応します。

六箇月という有効期間

承認が下りたあとにも期限があります。第五条第一項は前条第一項の規定による輸入の承認の有効期間は、その承認をした日から六箇月とする。と定め、第二項で特に必要があるときは別の期間を定めたり延長したりできるとしています。承認は下りて終わりではなく、六箇月という時計が動き出します。

輸入公表がロシア産の酒に引いた線

輸入公表がロシア産の酒に引いた線
棚に並ぶウォッカのボトルの一例

では、その公表で何が指定されているのか。輸入公表そのものは官報と通商弘報に載るもので、本記事では逐語を確かめられませんでした。ただ、経済産業省は承認が必要な貨物を地域ごとに一覧にしたページを置いています。「特定地域からの輸入規制(2号承認)」というページで、冒頭に2号承認制とは、特定の原産地又は船積地域に係る輸入について、承認を必要とする制度です。と書かれています。

六つの番号

この一覧のロシアの行には、貨物例を「アルコール飲料」として六つの番号が並んでいます。第二二・〇三、第二二・〇四、第二二・〇五、第二二・〇六、二二〇七・一〇、第二二・〇八です。根拠法令等の欄には※原則輸入禁止と輸入注意事項2022第5号(令和四年四月十二日)が並び、窓口は貿易審査課とされています。

先ほどの類注三と並べてみてください。注三が「アルコール飲料」として数え上げた項は、第二二・〇三項から第二二・〇六項までと第二二・〇八項でした。この六つの番号は、その五つに二二〇七・一〇を足したものです。品目を選び直したというより、関税率表が自分で「これがアルコール飲料だ」と書いた範囲をそのまま持ってきた形になっています。

そして、この並びに入っていないものがあります。第二二・〇一(水、氷及び雪)と第二二・〇二(アルコールを含有しない飲料)です。モスコミュールの割り材は、アルコール分が〇・五%以下であればこの第二二・〇二項です。ウォッカは第二二・〇八項です。同じ一杯の材料が、一覧の内と外に分かれます。

四桁と六桁

並びをよく見ると、五つは四桁なのに二二〇七・一〇だけが六桁です。桁数の意味については、経済産業省の「ロシア等への輸出入に関するFAQ」が説明しています。このFAQのQ3は輸出側の問で、末尾で輸入規制についても参照先の問を示しています。桁数の読み方はこう書かれています。

HSコードが4桁で規制されているものは、貨物のHSコードの上4桁が一致するものが規制対象、6桁で規制されているものは6桁すべてが一致するものが規制対象です。

経済産業省「ロシア等への輸出入に関するFAQ」Q3

この読み方をあてると、第二二・〇八が四桁で指定されている以上、その中の号はすべて掛かります。ウォッカの二二〇八・六〇も、ウイスキーの二二〇八・三〇も、ジンの二二〇八・五〇も同じです。反対に二二〇七・一〇は六桁の指定なので、同じ第二二・〇七項でも二二〇七・二〇は外れます。二二〇七・二〇は変性アルコールで、解説は飲食には適しないようにある種の物質を添加したものと書いています。飲めるものだけを拾い、飲めないものは残す。桁数の違いがその線引きを担っています。

原産地と船積地域

もう一つ、同じ行の中に見落としやすい書き分けがあります。地域の欄はこう書かれています。

ロシア(原油及び石油製品についてはロシアを原産地とする場合に限る。)

経済産業省「特定地域からの輸入規制(2号承認)」地域欄

括弧の限定が付いているのは原油及び石油製品だけです。酒類の行にはこの限定がありませんから、輸入令第四条第一項第二号の「又は」が両方とも生きます。ロシアが原産地であっても、ロシアから積んだのであっても承認が必要になります。第三国のウォッカをロシアの港で積み替えた場合が前者から外れて後者に入る、という関係です。

同じFAQは輸入の側でもこの二つを並べ、Q30はロシアを原産地又は船積地域とする対象貨物(指定されたHSコードに該当)が対象となります。と書いています。国が船積地域まで見ていることは、省令の別のところからも裏づけられます。輸入規則第四条は、告示で定める貨物について税関が経済産業大臣に通知する事項を八つの号で並べていて、その三号が貨物の原産地及び船積地域です。通知の段階で両方が別々の項目として上がります。

手荷物と個人使用の特例はどこまで届くか

手荷物と個人使用の特例はどこまで届くか
空港の免税店の案内表示の一例

輸入令第四条第一項は「貨物を輸入しようとする者」と書くだけで、事業かどうかを区別しません。旅行者が一本を鞄に入れて帰る場合はどうなるのか。輸入令には、承認の第四条と割当ての第九条をまとめて外す条があります。

別表第一の二十七項目

第十四条は柱書で第四条及び第九条の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。と書き、三つの号を並べます。第一号が別表第一の貨物、第二号が別表第二の上欄に掲げる者が入国の際に下欄の貨物を携帯または税関に申告の上別送する場合、第三号が仮に陸揚げする場合です。

別表第一は二十七の項目を並べた表です。番号は一から二十二までですが、十一の二、十四の二、十四の三、十七の二、十九の二という枝番が五つ入るので、項目数は二十七になります。酒に関わりそうなものを拾うと、一が総価額五〇〇万円以下の貨物(経済産業大臣が告示で定めるものに限る。)で、四が次の一行です。

個人的使用に供せられ、且つ、売買の対象とならない程度の量の貨物

輸入貿易管理令 別表第一(第十四条関係)四

「個人的使用」と「売買の対象とならない程度の量」の二つが揃うことを求めています。ここには本数も容量も書かれていません。旅行者の免税で語られる「三本まで」は別の法律の側にある数字で、輸入令の別表第一には本数や容量を示す数字が一つも出てきません。免税の枠組みは免税店のウイスキーの側で扱っています。

別表第二の備考に酒は書かれていない

別表第二は三つの行だけの表です。上欄は「一時的に入国する者及び一時的に出国して入国する者」「永住の目的をもつて入国する者(一時的に出国して入国する者を除く。)」「船舶又は航空機の乗組員」で、下欄はそれぞれ携帯品と職業用具、携帯品と職業用具と引越荷物、本人の私用に供すると認められる貨物です。旅行者は一行目に当たります。

「携帯品」が何を指すかは、表の下の備考が定めています。

「携帯品」とは、手荷物、衣類、書籍、化粧用品、身辺装飾用品その他本人の私用に供することを目的とし、且つ、必要と認められる貨物をいう。

輸入貿易管理令 別表第二(第十四条関係)備考一

例示は手荷物、衣類、書籍、化粧用品、身辺装飾用品の五つで、酒はここに名前がありません。ただし、名前がないから外れるという読み方はできません。例示のあとにその他本人の私用に供することを目的とし、且つ、必要と認められる貨物という受け皿が置かれているからです。

ただし書が名指ししている目的は一つだけ

ここで第十四条の柱書に戻ります。三つの号を並べる前に、短いただし書が付いています。

ただし、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため必要がある場合として経済産業大臣が定める場合は、この限りでない。

輸入貿易管理令 第十四条ただし書(特例)

特例を外せる場合として書かれているのは、外為法第五十二条が並べた四つの目的のうち「我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため」の一つだけです。「国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため」など残る三つは、このただし書には書かれていません。

そのため、別表第一や別表第二の特例が個々の措置でどう扱われるかは、条文の文面だけからは決まりません。ロシア産の酒類の措置がどの目的に拠っているのかは経済産業省のページに書かれておらず、旅行者の手荷物についての取扱いも本記事では確かめられませんでした。持ち帰りを予定している方は、出発前に窓口とされている貿易審査課に直接確かめるのが確実です。

承認を受けずに輸入したときと、効くのは通関の日

承認を受けずに輸入したときと、効くのは通関の日
バーカウンターの背棚の一例

承認が必要な貨物を、承認を受けずに入れてしまったらどうなるか。外為法の第九章が罰則で、八か条が並んでいます。

段差は輸出と輸入ではなく、条項の別で付く

輸入に効くのは第六十九条の八第一項第五号です。

第五十二条の規定に基づく命令の規定による承認を受けないで貨物の輸入をしたとき。

外国為替及び外国貿易法 第六十九条の八第一項第五号

この項の柱書は、五年以下の拘禁刑もしくは千万円以下の罰金、またはその併科と定め、ただし書で当該違反行為の目的物の価格の五倍が千万円を超えるときは、罰金は、当該価格の五倍以下とする。としています。高価な貨物では罰金の上限が価格に連動して上がります。

直前の第六十九条の七第一項は七年以下の拘禁刑もしくは二千万円以下の罰金で、こちらには第四十八条第一項の許可を受けない輸出が入っています。輸出のほうが重いと読みたくなりますが、それは正確ではありません。第六十九条の八第一項には、第四十八条第二項の許可を受けない輸出(第三号)と第四十八条第三項の承認を受けない輸出(第四号)が、輸入の第五号と同じ項・同じ刑で並んでいます。段差は輸出と輸入の間ではなく、貨物については重い側に第四十八条第一項だけが置かれているという条項の別で付いています。

刑罰とは別に、輸入そのものを止められる

罰則とは別の系統として、第五十三条第二項があります。

経済産業大臣は、貨物の輸出又は輸入に関し、この法律、この法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反した者(前項に規定する者を除く。)に対し、一年(第十条第一項に規定する対応措置(第四十八条第三項又は前条に係るものに限る。)に違反した者にあつては、三年)以内の期間を限り、輸出又は輸入を行うことを禁止することができる。

外国為替及び外国貿易法 第五十三条第二項(制裁)

括弧の中が読みどころです。期間の原則は一年ですが、第十条第一項の対応措置に違反した場合は三年になり、その対応措置は第四十八条第三項と前条つまり第五十二条に係るものに限られています。処分をしたときは税関にも伝わります。輸入規則第六条が、法第五十三条第二項の処分をしたときはその旨を遅滞なく税関に通知するものとする、と定めているからです。

効くのは申告の日ではない

規制が新しく掛かるとき、契約済みの荷物には経過措置が置かれることがあります。その経過措置の期限が「いつの日」で切られるかについて、経済産業省のFAQはダイヤモンドの例で明確に書いています。

ただし、経過措置期間内に輸入通関し、内国貨物としてください。輸入申告をしていたとしても2025年1月2日以降に通関する場合は、輸入禁止となります。

経済産業省「ロシア等への輸出入に関するFAQ」Q30

申告を出した日ではなく、通関を終えて内国貨物になった日で判定されると書かれています。荷物が港に着いていても、審査が期限をまたげば入れられません。なお、これはダイヤモンドについての説明で、酒類の措置に同じ経過措置があったかどうかは確かめていません。

通関の場面で承認の有無を見るのは税関です。輸入令第十五条第一項は…貨物を輸入しようとする者が輸入の承認を受けていること又はこれを受けることを要しないことを確認しなければならない。と定めています。「受けていること」と「受けることを要しないこと」の両方が確認の対象で、要らない場合も確認されます。

酒税法はウォッカという語を持たない

酒税法はウォッカという語を持たない
酒類の区分を示す資料の一例

輸入の関門を抜けたウォッカは、次に酒税法の世界に入ります。ところが、この法律はウォッカという名前を一度も書きません。

本則にも施行令にも出てこない

酒税法の本則は三万二千九百四十六字あります。この中を数えると、「ウオッカ」も「ウォッカ」も〇回で、「ジンジャー」も〇回です。酒税法施行令の本則二万四千百七十三字でも「ウオッカ」「ウォッカ」はどちらも〇回、「ジン」も〇回でした。ブランデーが九回、ウイスキーが五回出てくる政令が、ウォッカとジンには一度も触れません。

一方、関税率表は名前を持っています。第二二・〇八項に二二〇八・六〇という号が立ち、その名が「ウオッカ」です。同じ税関の解説の本文では農産物(例えば穀類、じゃがいも)をすりつぶしたものを発酵、蒸留して得られるウォッカ(更に活性炭でろ過するものがある。)と書かれていて、号の名は「ウオッカ」、解説の本文は「ウォッカ」です。同じ資料の中で表記が揺れています。

スピリッツという受け皿

では酒税法はウォッカをどこで受けるのか。「スピリッツ」という語が本則に十一回、施行令に十三回出てきます。この区分が受け皿で、名前を挙げずに中身の条件で拾う書き方です。名前で拾う制度と条件で拾う制度が、同じ一本のボトルに重なっています。ウォッカとはとジンとウォッカの違いで、この区分のしかたを追っています。輸入した酒類の酒税が保税地域から引き取るときに動く筋道は、紹興酒とパローマでご覧ください。

飲まないウォッカ・洋酒の査定・買取はリンクサスへ

飲まないウォッカ・洋酒の査定・買取はリンクサスへ
リンクサスのバーカウンターの一例

棚に置いたままのウォッカやリキュールがあれば、リンクサスにお持ちください。銘柄と状態と需要を見て金額をお出しします。その他スピリッツの品揃えもご覧いただけます。当日十四時までのご注文で当日発送しています。

よくある質問

よくある質問
よくある質問のイメージ
モスコミュールの作り方と黄金比を教えてください。

氷を詰めたグラスか銅マグにウォッカ四十五ミリリットルを注ぎ、ライムを搾り、最後にジンジャービアを静かに満たして底から一回持ち上げるように混ぜます。比はウォッカ一に対して割り材三が目安で、度数は単純計算で一〇%前後です。炭酸入りの割り材を先に入れると泡が潰れるので順序は変えないでください。

ジンジャービアとジンジャーエールは輸入の制度で違う扱いになりますか。

アルコール分が〇・五%を超えるかどうかで分かれます。関税率表第二二類の注三が、〇・五%以下のものを第二二・〇二項の「アルコールを含有しない飲料」とし、それを超えるアルコール飲料は第二二・〇三項から第二二・〇六項まで又は第二二・〇八項に属するとしています。発酵させたジンジャービアは第二二・〇六項で、税関の解説はこの項の十件目に Ginger beer を名前で挙げています。

ロシア産のウォッカは日本に輸入できないのですか。

経済産業省の「特定地域からの輸入規制(2号承認)」のページは、ロシアの行にアルコール飲料として六つの番号を挙げ、根拠法令等の欄に「原則輸入禁止」と書いています。禁止という条文があるのではなく、輸入貿易管理令第四条第一項第二号によって経済産業大臣の承認が必要になり、その承認について「原則輸入禁止」と付記されている、という形です。

ロシアが原産地でなければ大丈夫ですか。

酒類については原産地だけではありません。輸入貿易管理令第四条第一項第二号は「その原産地を原産地とする貨物を輸入し、又はその船積地域から貨物を輸入しようとするとき」と両方を拾っています。経済産業省の一覧で括弧の限定「ロシアを原産地とする場合に限る」が付いているのは原油及び石油製品だけで、酒類の行にはその限定がありません。

旅行の土産にロシア産のウォッカを一本持ち帰れますか。

輸入貿易管理令第十四条は、別表第一の貨物と、別表第二の上欄の者が入国の際に携帯または税関に申告の上別送する貨物について、承認と割当ての規定を適用しないと定めています。別表第一の四には「個人的使用に供せられ、且つ、売買の対象とならない程度の量の貨物」があります。ただし同条のただし書により、条約その他の国際約束を誠実に履行するため必要がある場合として経済産業大臣が定める場合は特例が外れます。取扱いは条文だけでは決まりませんので、出発前に窓口の貿易審査課へお確かめください。

承認を受けずに輸入したらどうなりますか。

外国為替及び外国貿易法第六十九条の八第一項第五号が「第五十二条の規定に基づく命令の規定による承認を受けないで貨物の輸入をしたとき」を挙げ、同項の柱書が五年以下の拘禁刑もしくは千万円以下の罰金またはその併科と定めています。ただし書により、目的物の価格の五倍が千万円を超えるときは罰金の上限がその価格の五倍まで上がります。刑罰とは別に第五十三条第二項の輸入禁止の処分も置かれています。

酒税法にはウォッカという区分があるのですか。

ありません。酒税法の本則三万二千九百四十六字と酒税法施行令の本則二万四千百七十三字を数えると、「ウオッカ」「ウォッカ」はいずれも〇回です。酒税法は「スピリッツ」という区分で受けていて、この語は本則に十一回、施行令に十三回出てきます。名前で拾っているのは関税率表で、第二二・〇八項に二二〇八・六〇「ウオッカ」という号が立ちます。

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