日本酒度とは|国税庁の公表値と甘辛度で読む

日本酒度とは|国税庁の公表値と甘辛度で読む

日本酒度とは|国税庁が式で定義している比重の換算値

日本酒度とは|国税庁が式で定義している比重の換算値
日本酒度が印字された清酒のラベル

日本酒度は、蔵が感覚で付けた数字ではありません。国税庁が毎年出している「全国市販酒類調査結果」は、日本酒度の欄に注記を置いて、この値が何であるかを一行で決めています。つまりラベルの「+5」は、味の評価ではなく、比重をひとつの式で読み替えた結果です。

比重をどう数字に直しているか

令和6年度調査分の注記は、日本酒度を日本酒度 = 1443/比重-1443と書いています。比重がちょうど1.0000のとき日本酒度は0になり、比重が1より小さくなるほどプラスへ、大きくなるほどマイナスへ動きます。水よりわずかに軽いか重いか、それだけを目盛りに直したものです。式そのものの導き方と、そこから1合の重さを出す手順は日本酒のカロリーの記事で扱っているので、ここでは深追いしません。

国税庁の書きぶりは控えめ

同じ項目は式を注で示す前に、日本酒度はアルコール分が高くエキス分が少ない清酒では高くなり、アルコール分が低くエキス分が多い清酒では低くなります。甘口、辛口の指標として使用されることもあります。と説明しています。「甘口、辛口の指標として使用されることもあります」という書き方に注目してください。断定していません。日本酒度が動く原因はアルコール分とエキス分の二つであって、糖分だけで決まるわけではない、というのがこの一文の含みです。

よく「日本酒度は糖分の量を表す」と説明されますが、注記はそう書いていません。式に入っているのは比重だけです。比重を押し下げるのはアルコール分、押し上げるのはエキス分で、同じ報告書はエキス分を「エキス分」とは、酒類の容量100 cm3中に含まれる不揮発性成分のグラム数をいいます。そのほとんどが糖分です。と説明しています。糖分は確かに日本酒度に効きます。ただし式が見ているのは比重であって、注記はアルコール分の側からも同じ向きに動くと書いています。糖分だけの物差しではありません。実際、令和6年度の集計値ではグルコースの平均が一般酒2.17、吟醸酒2.00、純米酒1.48、本醸造酒1.63(g/100mL)で、日本酒度の並びとは一致していません。

関連商品ラインナップ
棚に並ぶ日本酒の四合瓶

当店で扱っている日本酒を、蔵と種類の幅が見えるように並べています。ラベルに日本酒度を刷っている銘柄は限られます。後の節で見るとおり、日本酒度は書かなくてよい数値だからです。気になる銘柄があれば日本酒の商品一覧からご覧ください。

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ここでは日本酒の在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。

日本酒度の目安で選ぶ代表銘柄30本

日本酒度の目安で選ぶ代表銘柄30本
切子グラスと日本酒のボトル

全国の代表銘柄30本を、日本酒度の目安が低いほうから高いほうへ並べた表です。30本はすべて清酒で、比較のために別の酒類を混ぜてはいません。ただし、ここに入っている数値は各銘柄の公表値や流通時の実測をもとにした目安であり、国税庁が公表している集計値とは性質が違います。銘柄ごとの値は醸造年度や瓶詰めのロットで動くので、幅を持って読んでください。

並びの両端を見ると幅の大きさがわかります。もっとも低いのは発泡性の一本で目安が−70から−90、もっとも高いのは超辛口をうたう二本で+12前後です。国の集計値が四区分とも+1.7から+4.5の範囲に収まっていたのとは対照的で、市販されている酒の実際の幅は平均値からは見えません。

日本酒度の目安で選ぶ代表銘柄30本|甘口から辛口まで
日本酒度は、清酒の比重を国税庁の式で読み替えた値です。数値が小さいほど甘口寄り、大きいほど辛口寄りの目安になりますが、同じ数値でも酸度が高ければ辛く感じられるなど、飲み口は複数の要素で決まります。発泡性の超甘口から+12の超辛口まで、全国の代表銘柄30本を日本酒度の目安・産地・タイプで横並びにしました。数値は参考として、味わいの解説とあわせてお選びください。
価格は 2026/08/12 更新
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
Amazon 楽天 買取
一ノ蔵 すず音1甘口・発泡 一ノ蔵 すず音
★★★☆☆3/ 唎酒師スコア
市場相場700〜1,200円前後(300ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

甘口の極み。発泡で軽やかなスパークリング日本酒。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
花陽浴 純米吟醸2甘口・希少 花陽浴 純米吟醸
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場3,000〜6,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ジューシーで華やか、果実味あふれる甘口系の人気銘柄。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
鳳凰美田 純米吟醸3甘口・吟醸 鳳凰美田 純米吟醸
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場2,500〜4,500円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

華やかな吟醸香と上品な甘み、フルーティーな辛さ控えめ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
新政 No.6 R-type4旨口・人気 新政 No.6 R-type
★★★★★5/ 唎酒師スコア
流通量が限られ価格の振れ幅が大きいため、商品ページの表示価格をご確認ください。
💎 プロのおすすめ

6号酵母発祥の蔵が醸す、甘辛のバランス型純米。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon ¥26,000 楽天 査定 買取
浦霞 禅 純米吟醸5中口・定番 浦霞 禅 純米吟醸
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場1,800〜3,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

穏やかで端正、料理に寄り添う中口の純米吟醸。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
剣菱 上撰6濃醇・老舗 剣菱 上撰
★★★☆☆3/ 唎酒師スコア
市場相場1,500〜2,500円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

数値は中庸でも濃醇。甘辛だけで決まらない好例。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
而今 特別純米7旨口・入手困難 而今 特別純米
★★★★★5/ 唎酒師スコア
当店が扱う容量やグレードによって価格帯が大きく変わるため、商品ページの表示価格をご確認ください。
💎 プロのおすすめ

数値は中庸、味わいはジューシー。現代旨口の代表。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
久保田 萬寿 純米大吟醸8旨口・名門 久保田 萬寿 純米大吟醸
★★★★★5/ 唎酒師スコア
市場相場5,500〜9,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

淡麗辛口の代名詞から旨口へ。久保田の最高峰。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
飛露喜 特別純米9旨口・人気 飛露喜 特別純米
★★★★★5/ 唎酒師スコア
市場相場4,000〜8,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

「無濾過生原酒」ブームの火付け役、旨口の代表。

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十四代 純米大吟醸(高木酒造)10甘旨口・最高峰 十四代 純米大吟醸(高木酒造)
★★★★★5/ 唎酒師スコア
市場相場25,000〜45,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

甘旨口の頂点。日本酒人気を象徴するプレミアム。

¥38,500リンクサス最安 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
月桂冠 月11中口・定番 月桂冠 月
★★☆☆☆2/ 唎酒師スコア
市場相場700〜1,200円前後(900ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

全国どこでも手に入る、中口の定番パック酒。

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獺祭 純米大吟醸 三割九分12華やか・定番 獺祭 純米大吟醸 三割九分
★★★★★5/ 唎酒師スコア
市場相場4,500〜6,500円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

世界的人気の純米大吟醸。香り高くキレもある。

¥4,950リンクサス最安 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
田酒 特別純米13旨口・名酒 田酒 特別純米
★★★★★5/ 唎酒師スコア
市場相場3,500〜6,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

米の旨味を引き出した、端正な特別純米の名酒。

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真澄 純米吟醸 辛口生一本14中口・定番 真澄 純米吟醸 辛口生一本
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場1,800〜3,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

7号酵母発祥の蔵。バランスのよい中口の純米吟醸。

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〆張鶴 純 純米吟醸15淡麗・上品 〆張鶴 純 純米吟醸
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場2,000〜3,500円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

新潟らしい淡麗で上品な旨味。食中酒の優等生。

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白鶴 まる16中口・定番 白鶴 まる
★★☆☆☆2/ 唎酒師スコア
市場相場700〜1,200円前後(900ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

灘の大手が手がける、家庭の定番パック酒。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
大七 生酛 純米17生酛・濃醇 大七 生酛 純米
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場1,800〜3,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

生酛造りの濃醇な旨味。数値以上に飲みごたえ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
鶴齢 純米18旨口・新潟 鶴齢 純米
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
当店が扱う容量やグレードによって価格帯が大きく変わるため、商品ページの表示価格をご確認ください。
💎 プロのおすすめ

雪国・南魚沼の旨口。やわらかく飲みごたえあり。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
黒龍(黒龍酒造)19淡麗・名門 黒龍(黒龍酒造)
★★★★★5/ 唎酒師スコア
当店が扱う容量やグレードによって価格帯が大きく変わるため、商品ページの表示価格をご確認ください。
💎 プロのおすすめ

福井が誇る端正な銘酒。きれいな辛口の代表格。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
出羽桜 桜花吟醸20やや辛・吟醸 出羽桜 桜花吟醸
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場1,500〜2,800円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

吟醸酒を身近にした立役者。香り高くキレのよい辛口。

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久保田 千寿 吟醸21淡麗辛口・定番 久保田 千寿 吟醸
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場2,500〜4,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

淡麗辛口の王道。料理を選ばない新潟の定番吟醸。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
八海山 清酒22淡麗辛口・定番 八海山 清酒
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場1,200〜2,200円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

全国区の淡麗辛口。普通酒でも高品質な定番。

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上善如水 純米吟醸23淡麗・軽快 上善如水 純米吟醸
★★★☆☆3/ 唎酒師スコア
市場相場1,200〜2,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

「水のごとし」を体現した、軽快な淡麗辛口。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
菊正宗 上撰 本醸造24辛口・生酛 菊正宗 上撰 本醸造
★★★☆☆3/ 唎酒師スコア
市場相場1,000〜1,800円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

灘の生酛で醸す、燗映えするキレのよい辛口。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
菊姫 山廃 純米25濃醇辛口・山廃 菊姫 山廃 純米
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場2,000〜3,500円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

山廃仕込みの濃醇辛口。力強くコク深い味わい。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
立山 特別本醸造26淡麗辛口・北陸 立山 特別本醸造
★★★☆☆3/ 唎酒師スコア
市場相場1,200〜2,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

北陸の淡麗辛口。食中酒として安定した人気。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
越乃寒梅 白ラベル27淡麗辛口・名酒 越乃寒梅 白ラベル
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場2,000〜3,500円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

淡麗辛口ブームの元祖。端正で軽快な新潟の名酒。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
男山 純米28辛口・北海道 男山 純米
★★★☆☆3/ 唎酒師スコア
市場相場1,500〜2,800円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

北の大地の辛口。シャープで力強い飲みごたえ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
谷川岳 超辛口29超辛口・群馬 谷川岳 超辛口
★★★☆☆3/ 唎酒師スコア
市場相場1,500〜2,500円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

数値で見る超辛口。鋭いキレと爽快な後口。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
春鹿 超辛口 純米30超辛口・名酒 春鹿 超辛口 純米
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
市場相場1,500〜2,800円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

超辛口の代名詞。旨味と鋭い辛さが両立する名酒。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取

日本酒度は商品や醸造年度によって変動するため、表の数値は一般的な目安です(2026年6月時点)。同じ日本酒度でも、酸度が高いと辛口に、低いと甘口に感じられるなど、味わいは複数の要素で決まります。価格は希望小売価格を公表しない銘柄が大半のため定価は掲載せず、市場相場の目安のみを記載しています。容量やグレードで振れ幅が大きい銘柄は、商品ページの表示価格をご確認ください。楽天/Amazonは同一商品が見つからない場合は空欄となります。

国が毎年測っている日本酒度|令和6年度の全国集計値

国が毎年測っている日本酒度|令和6年度の全国集計値
清酒の区分をあらわした図

国税庁は「全国市販酒類調査」として、小売店で買い上げた市販酒を各国税局の鑑定官室で分析し、結果を毎年公表しています。令和6年度分は令和6年7月から令和7年6月までに実施され、令和8年1月に課税部鑑定企画官の名前で出ました。つまり日本酒度は、蔵の自己申告とは別に、国の手で毎年測り直されている数値でもあります。

国内製造酒の選び方も報告書に書かれています。全ての品目について、各国税局管内の製造者全体のおよそ4分の1に当たる数の製造者を選定し、これらの製造者が製造している商品を小売販売場から購入しました。4年でおおむね全ての製造者が製造する全ての品目の酒類が選定されるよう、計画的に選定しています。という手順です(輸入酒は別の手順で選ばれます)。分析そのものは原則として「国税庁所定分析法」(昭和 36 年国税庁訓令第1号)に従い実施しました。とあり、日本酒度の測り方は原則として国税庁所定分析法(昭和36年国税庁訓令第1号)によることになっています。

ただし、このあと見る成分の平均値は買い上げた酒の全体から出したものではありません。報告書は第3部の冒頭で、課税移出数量が多く、かつ全国的に営業活動がなされるなどにより、その性状等の把握が特に重要と認めた製造者の代表商品を集計対象としました。と断っています。四区分の集計点数を足すと336点で、これが清酒の成分集計の対象点数です。

四つの区分の平均値

清酒は一般酒・吟醸酒・純米酒・本醸造酒の四つに分けて集計されています。一般酒とは特定名称酒以外の清酒のことです。告示第8号第1項が定める特定名称は吟醸酒・純米酒・本醸造酒の三つで、調査の区分名もこの三つです。報告書自身も「清酒の製法品質表示基準」(平成元年国税庁告示第8号)に規定する吟醸酒、純米酒及び本醸造酒(以下、これらを「特定名称酒」といいます。)と書いています。国税庁の概要ページがなお、特定名称は、原料、製造方法等の違いによって8種類に分類されます。としているのは、第2項で認められる大吟醸酒や純米吟醸酒まで数えたときの話です。ここで一つ注意が要ります。報告書はなお、本調査においては、純米吟醸酒、純米大吟醸酒及び大吟醸酒は「吟醸酒」に、特別純米酒は「純米酒」に、特別本醸造酒は「本醸造酒」に含めています。と断っています。つまり表の「純米酒」には純米吟醸酒が入っておらず、それは「吟醸酒」の側に数えられています。

表1 清酒の成分(全国集計値・令和6年度)
区分 集計点数 アルコール分 日本酒度 酸度 アミノ酸度 エキス分 グルコース(g/100mL)
一般酒 195 15.33 3.4 1.19 1.17 4.56 2.17
吟醸酒 46 15.42 1.7 1.41 1.10 4.91 2.00
純米酒 47 15.04 3.8 1.54 1.36 4.42 1.48
本醸造酒 48 15.50 4.5 1.29 1.10 4.41 1.63

日本酒度の平均値は、吟醸酒が1.7でもっとも低く、次いで一般酒が3.4、純米酒が3.8、本醸造酒が4.5です。日本酒度だけを見れば、吟醸酒がもっとも甘い側、本醸造酒がもっとも辛い側に位置することになります。この並びは覚えておいてください。次の節でひっくり返ります。

標準偏差が平均より大きい区分がある

同じ表には標準偏差も載っています。吟醸酒は平均1.7に対して標準偏差が3.8で、平均より散らばりのほうが大きい。一般酒も平均3.4に対して標準偏差3.4で、ほぼ同じ大きさです。平均が+1.7だからといって、吟醸酒を買えば+1.7前後の酒が来るわけではありません。この集計は「トリム平均法」(最大値及び最小値付近の結果を除外した上で集計する方法。本調査においては、平均値±3σを超える結果を除外。)を使って外れ値を落としたうえでの数字なので、それでもなおこれだけ散らばっているということです。

経年で見ると、報告書は特定名称酒について本醸造酒の日本酒度は、吟醸酒、純米酒に比べて高い傾向にあります。とまとめています。これは特定名称酒の三区分の中での話で、一般酒は別の図で扱われており、四区分をまたいだ順位が安定しているとまでは書かれていません。しかも報告書は清酒のうち、特定名称酒については、令和2年度以降、集計対象とする酒類を下記のとおり変更したため、グラフでは令和元年度以前の結果と切り離して表示しています。と断っています。令和6年度の値はこの傾向に沿っています。

国税庁は日本酒度とは別に「甘辛度」を計算して公表している

国税庁は日本酒度とは別に甘辛度を計算して公表している
日本酒のタイプを比べた図

同じ調査結果には、日本酒度・酸度・アミノ酸度と並んで、甘辛度濃淡度という二つの値が載っています。これは実測値ではなく、日本酒度と酸度から計算する指標です。国が日本酒度をそのまま甘辛の答えとして使わず、わざわざ別の数値を立てていることが、日本酒度の位置づけをよく表しています。

報告書に印刷されている式は次のとおりです。

表2 甘辛度と濃淡度の式・向き(全国市販酒類調査結果 令和6年度調査分)
指標 数値が高いほう 数値が低いほう
甘辛度 甘辛度 = 193593/(1443+日本酒度) - 1.16×酸度 - 132.57 甘口 辛口
濃淡度 濃淡度 = 94545/(1443+日本酒度) + 1.88×酸度 - 68.54 濃醇 淡麗

報告書は甘辛度について甘辛度は、数値が高いほど甘口、低いほど辛口であることを示します。、濃淡度について濃淡度は、数値が高いほど濃醇、低いほど淡麗であることを示します。と明記しています。甘辛度の式では日本酒度が分母に入っているので、日本酒度が高いほど甘辛度は下がります。日本酒度が高いほど辛口側という向きは、日本酒度そのものの注記ではなくこの式から読めるものです。

報告書はこの二つの値を都道府県ごとにも出しています。ただしその図は一般酒だけを対象にしたもので、令和3年度から令和6年度までの4年平均を四つの帯に区切っています。

表3 一般酒の都道府県別の図で使われている区切り(令和3〜6年度の4年平均。甘辛度と濃淡度は別々の図の凡例で、行どうしが対応するものではありません)
甘辛度の図の凡例 濃淡度の図の凡例
1 0.2以上 −0.6以上
2 0.0以上0.2未満 −0.8以上−0.6未満
3 −0.2以上0.0未満 −1.0以上−0.8未満
4 −0.2未満 −1.0未満

一般酒の甘辛度の全国値はこの4年平均で-0.10、濃淡度は-0.97です。公表値は小数第2位まで刻まれています。式の傾きから換算すると、甘辛度の0.01は日本酒度のおよそ0.1に相当する一方、図の帯の幅0.2は日本酒度のおよそ2.2に相当します。同じ細かさでも、値の桁と図の区切りでは意味が違います。

日本酒度の順位と甘辛度の順位は一致しない

日本酒度の順位と甘辛度の順位は一致しない
清酒の酸度をあらわした図

公表されている日本酒度と酸度の平均値を式に入れると、公表されている甘辛度と濃淡度がほぼそのまま出てきます。四区分すべてで差は0.01未満でした。報告書は甘辛度と濃淡度の行も「平均値」として掲げています。式が素直に当てはまることは確かめられますが、試料ごとに算出して平均したのか、平均値を式に入れたのかは、この一致からは判別できません。そのうえで、日本酒度で並べた順番と甘辛度で並べた順番を突き合わせると、両端が入れ替わります。

表4 日本酒度で並べた順と甘辛度で並べた順(令和6年度・全国集計値)
順位 日本酒度で甘い側から 日本酒度 甘辛度で甘い側から 甘辛度 その区分の酸度
1 吟醸酒 1.7 一般酒 -0.11 1.19
2 一般酒 3.4 吟醸酒 -0.20 1.41
3 純米酒 3.8 本醸造酒 -0.33 1.29
4 本醸造酒 4.5 純米酒 -0.54 1.54

日本酒度でいちばん甘い側にいたのは吟醸酒(1.7)でしたが、甘辛度でいちばん甘い側にいるのは一般酒(-0.11)です。日本酒度でいちばん辛い側にいたのは本醸造酒(4.5)でしたが、甘辛度でいちばん辛い側にいるのは純米酒(-0.54)です。先頭と末尾がどちらも入れ替わりました。

理由は酸度です。純米酒の酸度は1.54で四区分のうちもっとも高く、本醸造酒は1.29、一般酒は1.19でもっとも低い。甘辛度は酸度が高いほど下がるので、日本酒度がそこそこでも酸度が高い純米酒は辛口側へ、日本酒度がやや高くても酸度が低い一般酒は甘口側へ動きます。日本酒度だけを見て甘辛を決めると、国自身の指標とは違う結論になるということです。

濃淡度で並べるとまた別の順番になります。濃醇な側から順に純米酒(-0.30)、吟醸酒(-0.44)、本醸造酒(-0.80)、一般酒(-0.93)です。日本酒度の並び、甘辛度の並び、濃淡度の並びの三つがそれぞれ違う順序になるということで、一つの数値で味の位置を決めようとすること自体に無理があります。

ラベルに書く義務がある事項に日本酒度は入っていない

ラベルに書く義務がある事項に日本酒度は入っていない
缶の底に印字された製造年月

ここから制度の話に移ります。日本酒のラベルの決まりは、性格の違う三つの層でできています。一つめが表示義務、二つめが表示基準、三つめが重要基準です。順に見ていきます。

表示義務の根拠は酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(以下「組合法」)の第86条の5です。条文は酒類製造業者又は酒類販売業者は、政令で定めるところにより、酒類の品目その他の政令で定める事項を、容易に識別することができる方法で、(中略)酒類の容器又は包装の見やすい所に表示しなければならない。と定め、何を書くかを政令に投げています。受け取っているのが同法施行令の第8条の3で、第1項が製造者の氏名又は名称と製造場の所在地に加えて次の五号を挙げています。

表5 酒類業組合法施行令第8条の3第1項が挙げる表示事項
事項
第1号 内容量(粉末酒にあつては、当該粉末酒の重量)
第2号 当該酒類の品目
第3号 当該酒類(粉末酒を除く。)のアルコール分
第4号 雑酒にあつては、税率の適用区分を表す事項
第5号 その他の発泡性酒類(酒税法第三条第三号ハに規定するその他の発泡性酒類をいう。)にあつては、発泡性を有する旨を表す事項

内容量、品目、アルコール分、雑酒の税率適用区分、その他の発泡性酒類である旨の五つです。日本酒度はここにありません。この層に違反した場合は組合法第98条第1号の2により五十万円以下の罰金が科されます。義務がかかっているのはこの五つ(と氏名・所在地)だけで、日本酒度を書かなかったことが罰則につながることはありません。

国が実際に何を確認しているかも、同じ調査結果から読み取れます。第2部の表示についての節は、調査の範囲を「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」(昭和 28年法律第7号)により、酒類のラベル等に表示しなければならないこととされている酒類の品目等の表示事項について、各国税局が買い上げた酒類の全てを対象として調査しました。と説明しています。調べているのは、組合法によって表示が求められている事項、つまり第86条の5の義務事項と、20歳未満の者の飲酒防止のように表示基準の側で求められている事項が刷られているかどうかです。日本酒度が書いてあるかどうかは調査の対象になっていません。

表6 令和6年度に確認された主な表示上の問題
区分 調査点数 適正な品目表示がない アルコール分に関する表示がない 20歳未満の者の飲酒防止表示がない
国内製造酒 1,427 1 2 31
輸入酒 86 0 0 4

定められた表示事項が適切に表示されていなかったものは35点でした。表の内訳を足すと38になりますが、報告書は同一の調査対象酒類に表示上の問題が複数確認されたものがあったため、表7の合計と一致しない。と注記しています。一つの商品で複数の問題が見つかった場合があるためです。なお引用中の「表7」は報告書側の表番号で、本記事の表6にあたります。

告示第8号の任意記載事項10個にも日本酒度は無い

告示第8号の任意記載事項10個にも日本酒度は無い
特定名称の清酒の区分図

二つめの層が表示基準です。根拠は酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(組合法)の第86条の6第1項で、財務大臣は、前条に規定するもののほか、酒類の取引の円滑な運行及び消費者の利益に資するため酒類の表示の適正化を図る必要があると認めるときは、酒類の製法、品質その他の政令で定める事項の表示につき、酒類製造業者又は酒類販売業者が遵守すべき必要な基準を定めることができる。と定めています。この規定に基づいて作られた四本の基準のひとつが、清酒の製法品質表示基準(平成元年11月22日国税庁告示第8号)です。

告示第8号は六つの項でできています。第1項が特定名称の要件、第2項がその表示のしかた、第3項が必要記載事項、第4項が文字の大きさ、第5項が任意記載事項、第6項が表示禁止事項です。必要記載事項と任意記載事項の中身を並べると次のようになります。

表7 告示第8号が挙げる記載事項(令和4年告示第30号による改正後)
区分 事項
必要記載事項(第3項) 第1号 原材料名
必要記載事項(第3項) 第2号 保存又は飲用上の注意事項
必要記載事項(第3項) 第3号 原産国名
必要記載事項(第3項) 第4号 外国産清酒を使用したものの表示
任意記載事項(第5項) 第1号 原料米の品種名
任意記載事項(第5項) 第2号 清酒の産地名
任意記載事項(第5項) 第3号 貯蔵年数
任意記載事項(第5項) 第4号 原酒
任意記載事項(第5項) 第5号 生酒
任意記載事項(第5項) 第6号 生貯蔵酒
任意記載事項(第5項) 第7号 生一本
任意記載事項(第5項) 第8号 樽酒
任意記載事項(第5項) 第9号 「極上」、「優良」、「高級」等品質が優れている印象を与える用語
任意記載事項(第5項) 第10号 製造時期の表示

必要記載事項が四つ、任意記載事項が十です。日本酒度はどちらにもありません。表示禁止事項の三つにも出てきません。実際、告示第8号の本文を機械で走査すると「日本酒度」という語は0回しか出てきません。施行令第8条の3、重要基準を定める告示第15号、解釈通達のうち第86条の6に係る部分も同じように走査しましたが、いずれも0回でした。

では日本酒度を刷ることが禁じられているのかというと、そうではありません。国税庁が毎年出している「酒のしおり」は、任意記載事項の一覧を掲げたあとに上記以外の事項については、事実に基づき別途説明表示する場合に限り表示しても差し支えないことになっています。と書いています。この一文はしおりにはありますが、告示第8号の条文そのものには置かれていません。日本酒度がラベルに載っているのは、限定列挙された任意記載事項に入っているからではなく、この受け皿のほうに乗っているからだ、という整理になります。

第4項は、第3項の必要記載事項について文字の大きさを定めています。前項の規定により表示すべき事項は、当該清酒の容器又は包装の見やすい所に明瞭に表示するものとし、表示に使用する文字は、8ポイント(日本産業規格Ζ8305(1962)に規定するポイントをいう。以下同じ。)の活字以上の大きさの統一のとれた日本文字とする。という書き方で、容量200ミリリットル以下の容器は6ポイント以上でよいという但し書きが付いています。必要記載事項には字の大きさまで決まりがあるのに、日本酒度をどう書くかについての決まりは告示のどこにもありません。

解釈通達を見ると、告示の各項がどこまで細かく縛られているかがわかります。「品質が優れている印象を与える用語」について通達は、第2項の本文を解説する箇所で「極上」、「優良」、「高級」のほかに、「超特選」、「特選」、「別選」、「特製」、「別製」、「特上」、「特醸」、「別醸」、「デラックス」、「大」、「特別」等の用語をいうと例示し、この定義は第5項第9号でも同じだと括弧書きで断っています。重要基準に入る第2項の側では、特別純米酒・特別本醸造酒の「特別」を説明する客観的事項について、醸造アルコールの使用量の多寡は、「使用原材料、製造方法その他の客観的事項」に該当しないものとして取り扱う。とまで踏み込んでいます。この密度の規定が並ぶ中に、日本酒度に関する記述は一つもありません。

重要基準と令和4年の改正|どこが命令と罰則につながるか

重要基準と令和4年の改正|どこが命令と罰則につながるか
壁一面に並べられた一升瓶

重要基準に入る項と入らない項

三つめの層が重要基準です。組合法の第86条の7は、財務大臣は、前条第三項の指示を受けた者がその指示に従わなかつた場合において、その遵守しなかつた表示の基準が、同条第一項の表示の基準のうち、酒類の取引の円滑な運行及び消費者の利益に資するため特に表示の適正化を図る必要があるものとして財務大臣が定めるもの(以下「重要基準」という。)に該当するものであるときは、その者に対し、当該重要基準を遵守すべきことを命令することができる。と定めています。指示に従わなかっただけでは足りず、破った基準が重要基準に当たるときにはじめて命令に進み、命令に違反すると組合法第98条第2号により五十万円以下の罰金に至ります。

その重要基準を指定しているのが「酒類の表示の基準における重要基準を定める件」(平成15年12月19日国税庁告示第15号)です。第1号は清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)第1項(本表の適用に関する通則を除く。)、第2項、第3項及び第6項と書いています。

表8 告示第8号の各項が重要基準に入るかどうか
内容 重要基準
第1項 特定名称の要件(本表の適用に関する通則を除く) 入る
第2項 特定名称の表示のしかた 入る
第3項 必要記載事項 入る
第4項 文字の大きさ 入らない
第5項 任意記載事項 入らない
第6項 表示禁止事項 入る

任意記載事項の第5項は重要基準から外れています。したがって、任意記載事項の書き方を守らなかった場合は、組合法第86条の6第3項の指示と、指示に従わないときの公表(同条第4項は財務大臣は、前項の指示に従わない酒類製造業者又は酒類販売業者があるときは、その旨を公表することができる。と定めています)までは進みうるものの、命令と罰則の経路には乗りません。日本酒度はその任意記載事項にすら入っていない、さらに外側の位置にあります。

令和4年の改正で動いた三つ

告示第8号は令和4年7月19日に改正され(令和4年国税庁告示第30号)、令和5年1月1日に施行されました。国税庁が挙げている主な改正点は三つです。

表9 令和4年国税庁告示第30号による主な改正点
項目 改正の内容
製造時期表示 製造時期の表示を必要記載事項から任意記載事項に変更しました。
受賞の記述 受賞の記述に関する任意記載事項の規定を廃止した上で、「品評会等で受賞したものであるかのように誤認させる用語」及び「官公庁が推奨しているかのように誤認させる用語」を表示禁止事項に追加しました。
複合表示 「生原酒」、「生貯蔵原酒」などの表示が可能となります。

製造時期は必要記載事項から任意記載事項へ移りました。つまり重要基準の中から外へ出たことになります。受賞の記述は、それまで任意記載事項の第10号でしたが規定そのものが廃止され、代わりに誤認させる用語のほうが表示禁止事項に加わりました。許可の枠から出て、禁止の枠に入ったわけです。改正前の姿を載せたままの資料も残っているので、条文を参照するときは改正沿革の最後が令和4年の告示になっているかを確かめてください。

日本酒度を読むときに何と一緒に見るか

日本酒度を読むときに何と一緒に見るか
利き猪口に注がれた日本酒

ラベルに日本酒度が刷られていない銘柄も珍しくありません。その場合でも、義務事項であるアルコール分は必ず書かれていますし、特定名称を名乗っている酒なら精米歩合が原材料名の近くに併記されています。手がかりが日本酒度だけということはまずない、という前提で見てください。

ここまでを踏まえると、日本酒度の使いどころははっきりします。比重という一つの物差しの読み替えであり、国も甘辛を日本酒度だけで決めてはいない。だからこそ、単独では読まず、隣にある情報と組み合わせて使うのが実際的です。

表10 日本酒度と一緒に見ると読み違えにくい項目
一緒に見る項目 ラベル上の位置づけ 日本酒度の読み方への効き方
酸度 義務でも基準でもない(蔵の任意) 高いほど甘辛度は下がり辛口側に振れる
アルコール分 施行令第8条の3第1項第3号の義務事項 高いと日本酒度は上がりやすい
特定名称 告示第8号第1項・重要基準 区分ごとに日本酒度の平均が違う
精米歩合 特定名称を表示するときは第3項第1号で併記が必要 味の設計の手がかりになる
製造時期 令和5年から任意記載事項 貯蔵で味が動いた可能性を示す

表の右端の列は、日本酒度がどう動くかを示しています。アルコール分が高いと日本酒度は上がりやすく、エキス分が多いと下がりやすい。この二つが同時に効くので、日本酒度が同じでも中身は一通りに決まりません。令和6年度の集計値でいえば、日本酒度がもっとも低い吟醸酒はエキス分が4.91で四区分中もっとも高く、日本酒度がもっとも高い本醸造酒はエキス分が4.41でもっとも低い。一方でアルコール分は本醸造酒の15.50が最高で吟醸酒は15.42です。単位が違うので生の差をそのまま比べることはできません。標準偏差に照らすと、アルコール分の差0.08は本醸造酒の標準偏差0.44の2割ほど、エキス分の差0.50は本醸造酒の標準偏差0.56の9割ほどで、この二区分の開きはエキス分の側にあります。

酸度を刷っている蔵であれば、公表されている式に日本酒度と酸度を入れて甘辛度を自分で出すこともできます。四区分の平均値で試したときは公表値との差が0.01未満でしたから、計算そのものは素直です。特定名称や精米歩合の意味は精米歩合の記事、酸度とアミノ酸度が味に与える働きは日本酒の酸度とアミノ酸度の記事、そもそも清酒と日本酒という呼び方の違いは清酒と日本酒の違いの記事で扱っています。生酒や生貯蔵酒の扱いは生酒とはの記事が詳しいです。

飲まない日本酒の査定・買取はリンクサスへ

飲まない日本酒の査定・買取はリンクサスへ
鑑定士が日本酒のボトルを確認する様子

贈り物でいただいたまま置いてある一升瓶や、飲みきれずに残った四合瓶があれば、リンクサス酒販で査定しています。日本酒は保存条件で状態が変わりやすいため、ラベルの特定名称・製造時期・保存状況を確認したうえで金額をお出ししています。日本酒度が書かれていない銘柄でも査定できますのでご安心ください。

よくある質問

よくある質問
徳利とお猪口のセット
日本酒度はラベルに必ず書いてありますか。

いいえ。酒類業組合法施行令第8条の3第1項が挙げる表示義務事項は、製造者の氏名又は名称・製造場の所在地と、内容量・品目・アルコール分・雑酒の税率適用区分・その他の発泡性酒類である旨の五号で、日本酒度は含まれていません。清酒の製法品質表示基準(告示第8号)の任意記載事項10個にもありません。

では日本酒度を書いてはいけないのですか。

書けます。国税庁の「酒のしおり」は任意記載事項の一覧のあとに「上記以外の事項については、事実に基づき別途説明表示する場合に限り表示しても差し支えないことになっています。」と記しています。限定列挙の外にある事項として、事実に基づく説明表示という形で載せられている、という整理です。

日本酒度がプラスなら必ず辛口ですか。

プラスなら辛口側に寄る、とまでは言えます。ただしプラスの大小がそのまま辛さの順位になるわけではありません。国税庁の令和6年度の全国集計値は四区分とも日本酒度がプラス(1.7〜4.5)ですが、そのなかで日本酒度がいちばん低い吟醸酒は、国が別に計算している甘辛度では2番目で、甘辛度でいちばん甘い側にいるのは一般酒です。差を生んでいるのは酸度です。

甘辛度は自分で計算できますか。

できます。国税庁が公表している式は「甘辛度 = 193593/(1443+日本酒度) - 1.16×酸度 - 132.57」で、数値が高いほど甘口、低いほど辛口です。日本酒度と酸度の両方をラベルや蔵の公表資料で確認できる銘柄なら、そのまま当てはめられます。

日本酒度の全国平均はどのくらいですか。

令和6年度の全国集計値では、一般酒3.4、吟醸酒1.7、純米酒3.8、本醸造酒4.5です。ただし標準偏差は一般酒が3.4で平均と同じ大きさ、吟醸酒は3.8で平均1.7の2倍を超えており、散らばりは小さくありません。

任意記載事項を守らなかったら罰則がありますか。

任意記載事項を定める告示第8号第5項は重要基準に指定されていません。重要基準に指定されているのは第1項(通則を除く)・第2項・第3項・第6項です。命令と罰則の経路に乗るのは重要基準に当たる場合なので、第5項の違反は指示と公表までにとどまります。

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