グルナッシュとは|品種名を名乗る条件を仕様書と告示で読む

グルナッシュとは|品種名を名乗る条件を仕様書と告示で読む

グルナッシュとは|品種名がラベルに出るまでにくぐる三つの決まり

グルナッシュとは|品種名がラベルに出るまでにくぐる三つの決まり
グルナッシュとは|品種名がラベルに出るまでにくぐる三つの決まりの参考画像

グルナッシュは、フランス南部からスペインにかけて広く植えられている黒ぶどうである。日本の売り場では、フランス語読みの「グルナッシュ」とスペイン語読みの「ガルナッチャ」が同じ棚に並ぶ。この記事の比較表でも、スペインの「アルト・モンカヨ ガルナッチャ」とオーストラリアの「ヤルンバ ブッシュ・ヴァイン グルナッシュ」が同じ一覧に並んでいる。

呼び名が割れること自体は、EUの規則が織り込み済みである。ワインの表示を定める委任規則(EU)2019/33の第50条は、条文の全体を通して「品種名またはその同義語」という言い方をしており、名前が一つに定まらないことを前提に条件を書いている。どの同義語を使えるかは、EU域内で造られたものなら加盟国が作る分類目録(その義務を免除された加盟国はOIV=国際ぶどう・ぶどう酒機構の国際リスト)で決まり、EUの外で造られたものは造った国の決まりに従ったうえで、OIVかUPOVかIBPGRのいずれかのリストに載っている名前であることが要る。この記事は名前の使い方だけを扱い、どの名前とどの名前が植物として同一かという判定には立ち入らない。

ラベルに「グルナッシュ」と書くまでには、性質の違う三つの決まりをくぐる。一つ目は産地の側の決まりで、フランスならAOCごとの仕様書がどの品種を植えてよいかを列挙する。二つ目はEUの表示規則で、その名前を出すのに何パーセント要るか、どの名前を使ってよいかを決める。三つ目は日本の決まりで、国内で造ったワインに品種名を出す条件を国税庁の告示が定める。目的も書きぶりも別で、片方を満たしても片方は満たさない。

以下では、味わいの形容ではなくこの三つの条文を順に読む。仕様書にもpuissants et structurés(力強く骨格がある)のような描写はあるが、それは呼称の条件を定めた条項ではなく、産地との結び付きを説明するX節に置かれた記述である。フルボディとはのような味わいの言葉は、そちらに対応する。

関連商品ラインナップ
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下のグリッドは、リンクサス酒販のワインのコレクションから引いている。実際に描かれるのはナパを中心に、ボルドーや豪州の蒐集向けが並ぶ顔ぶれで、グルナッシュを主体にした一本が必ず出るとは限らない。中身は在庫の動きで入れ替わる。

それでも見どころはある。ラベルの表に品種名を大きく置く一本と、産地名だけで通す一本が同じ棚に並ぶのは、造り手の好みだけの問題ではない。この記事が読む三つの決まりが、どちらを選べるかの範囲を先に決めている。

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ここではワインの在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。

グルナッシュの代表ワイン30本の比較表

グルナッシュの代表ワイン30本の比較表
グルナッシュの代表ワイン30本の比較表の参考画像

比較表は30件のデータから組み立てている。産地の国別に数えると表1のとおりで、フランスが16本と半数を超える。

表1 比較表30本の産地の国別内訳
本数
フランス 16本
スペイン 7本
オーストラリア 4本
アメリカ 3本

ただし30本すべてがグルナッシュのワインではない。北ローヌのエルミタージュ2本は、当店が「【比較用シラー】」と札を付けて並べた対照用の行で、グルナッシュは使われていない。公開ページの特徴の欄にもその札がそのまま出る。表1のフランス16本には、この2本が含まれている。

タイプの内訳は、赤・フルボディが23本、赤・ミディアム〜フルが2本、赤・ミディアムが2本、ロゼ・辛口が1本、酒精強化・甘口が2本。度数は13.5%から16.0%に収まる。グルナッシュが赤だけの品種ではないことが内訳に出ている。

公開ページに出る列は8つで、画像・銘柄とスコア・定価と市場相場・特徴・リンクサス酒販・Amazon・楽天・買取が並ぶ。並べ替えは「おすすめ順」「価格順」「希少度順」の3つで、初期状態はおすすめ順。価格の絞り込みは「すべて」「〜30,000円」「30,001〜50,000円」「50,001〜100,000円」「100,001円〜」「価格不明」の6区分である。

数字の読み方には注意が要る。並べ替えと絞り込みが使う価格の値は30行のうち20行が0で、この20行は「価格不明」に入る。定価の値は30件すべて空で、代わりに市場相場の文が30件すべてに入っている。リンクサス酒販の列は当店の商品と結び付いた5行だけが個別の商品ページへ進み、残りの25行は全商品のコレクションへ飛ぶ。

グルナッシュを味わう代表ワイン30本 比較表
グルナッシュ(スペイン名ガルナッチャ)は、南ローヌのシャトーヌフ・デュ・パプからスペインのプリオラート、オーストラリアの古樹まで、世界中で多彩な顔を見せる黒ブドウです。産地別の代表30本を、味わいタイプ・実勢価格・希少度で横断的に並べました。価格は楽天・Amazonの実勢を参考値として掲載し、最安値を案内する一覧ではありません。リンクサス酒販の在庫品は各リンクから状態と価格を確認できます(2026年6月時点)。
価格は 2026/08/12 更新
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
Amazon 楽天 買取
シャトー・ラヤス シャトーヌフ・デュ・パプ ルージュ1神話的・希少 シャトー・ラヤス シャトーヌフ・デュ・パプ ルージュ
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場150,000〜500,000円前後(750ml・ヴィンテージにより変動・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

グルナッシュ100%の頂点。世界中のコレクターが探す神話的シャトーヌフ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥528,000 楽天 査定 買取
ドメーヌ・デュ・ペゴー シャトーヌフ・デュ・パプ キュヴェ・ダ・カーポ 20072PP100点級 ドメーヌ・デュ・ペゴー シャトーヌフ・デュ・パプ キュヴェ・ダ・カーポ 2007
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場60,000〜90,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

パーカー100点を重ねた怪物キュヴェ。グルナッシュ約80%の濃密な一本。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
アンリ・ボノー レゼルヴ・デ・セレスタン3伝説・古典派 アンリ・ボノー レゼルヴ・デ・セレスタン
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場50,000〜120,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

故アンリ・ボノーが遺した伝説。グルナッシュ主体の古典派シャトーヌフ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥82,500 楽天 査定 買取
シャトー・ド・ボーカステル シャトーヌフ・デュ・パプ ルージュ413品種の名門 シャトー・ド・ボーカステル シャトーヌフ・デュ・パプ ルージュ
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場12,000〜20,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

公認13品種をすべて植えるシャトーヌフの名門。グルナッシュは骨格の要。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥25,300 楽天 査定 買取
クロ・デ・パプ シャトーヌフ・デュ・パプ5WS年間1位歴 クロ・デ・パプ シャトーヌフ・デュ・パプ
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場15,000〜25,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

米誌年間1位にも輝いた実力派。教皇の畑を意味する由緒ある区画。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥26,400 楽天 査定 買取
6ラ・クロー代表 ドメーヌ・デュ・ヴィユー・テレグラフ ラ・クロー
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場10,000〜18,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

銘醸地ラ・クロー高原の代表格。グルナッシュ65%の滋味深い味わい。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ドメーヌ・ド・ラ・ジャナス シャトーヌフ・デュ・パプ ヴィエイユ・ヴィーニュ7古樹85%超 ドメーヌ・ド・ラ・ジャナス シャトーヌフ・デュ・パプ ヴィエイユ・ヴィーニュ
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場15,000〜30,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

樹齢100年級の古樹グルナッシュ85%超。モダン派シャトーヌフの旗手。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥19,800 楽天 査定 買取
8 ドメーヌ・サンタ・デュック ジゴンダス
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場4,000〜8,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

「小さなシャトーヌフ」ジゴンダスの先駆者。グルナッシュ主体で価格も手頃。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
9 シャトー・ド・サン・コム ジゴンダス
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場5,000〜9,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ローマ時代から続く醸造遺構を持つ名門。評論家点数の常連。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
10入門定番 E.ギガル コート・デュ・ローヌ ルージュ
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場2,000〜3,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

世界で最も飲まれる南ローヌ系の定番。グルナッシュ入門に最適。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
11ロゼ専用AOC シャトー・ダケリア タヴェル ロゼ
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場2,500〜4,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

フランス唯一級のロゼ専用AOC。グルナッシュ主体の「食事のためのロゼ」。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ドメーヌ・ラ・スマド ラストー12 ドメーヌ・ラ・スマド ラストー
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場3,000〜5,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

2010年に村名AOC昇格のラストー。グルナッシュ主体の実力派。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥3,080 楽天 査定 買取
13VDN甘口 M.シャプティエ バニュルス
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場3,000〜5,000円前後(500ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

グルナッシュで造る酒精強化甘口。チョコに合う数少ないワイン。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
14天日熟成 マス・アミエル モーリー
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場3,500〜6,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

天日熟成の伝統VDN。グルナッシュの酸化熟成が生む複雑美。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
アルバロ・パラシオス レルミタ15西最高峰・希少 アルバロ・パラシオス レルミタ
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場100,000〜250,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

スペイン最高峰の一角。樹齢100年級ガルナッチャの記念碑的ワイン。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥165,000 楽天 査定 買取
16復興の象徴 クロ・モガドール
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場12,000〜20,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

プリオラート復興の立役者ルネ・バルビエの代表作。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
17PP100点歴 エスペクタクレ・デル・モンサン
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場15,000〜25,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

樹齢100年超の単一畑ガルナッチャ。評論家満点歴のある奇跡の畑。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
18濃厚系高評価 アルト・モンカヨ ガルナッチャ
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場6,000〜10,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

高評価連発の濃厚ガルナッチャ。パワフル系が好きな人へ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ボデガス・ボルサオ トレス・ピコス19 ボデガス・ボルサオ トレス・ピコス
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場2,000〜3,500円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

「ガルナッチャの帝国」の看板。3,000円台で味わえる果実爆弾。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥3,119 楽天 査定 買取
20 ラス・ロカス ガルナッチャ
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場1,500〜2,500円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

米国市場で人気に火が付いた高コスパ・ガルナッチャ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
アルバロ・パラシオス カミンス・デル・プリオラート21 アルバロ・パラシオス カミンス・デル・プリオラート
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場3,000〜5,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

レルミタと同じ造り手のエントリー。プリオラート入門の定番。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥4,180 楽天 査定 買取
トルブレック レ・ザミ22古樹100年超 トルブレック レ・ザミ
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場20,000〜35,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

1901年植樹の古樹グルナッシュ100%。豪州グルナッシュの最高峰。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥29,700 楽天 査定 買取
23 クラレンドン・ヒルズ ロマス グルナッシュ
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場8,000〜15,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

豪州でブルゴーニュ的手法を貫く単一畑グルナッシュ。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
24 ヤルンバ ブッシュ・ヴァイン グルナッシュ
★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場3,000〜5,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

株仕立て古樹から造る軽やか系。グルナッシュの新潮流を映す一本。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
25豪州GSM先駆 チャールズ・メルトン ナイン・ポピュラス
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場6,000〜10,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

シャトーヌフに敬意を払う豪州GSMブレンドの先駆け。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
シネ・クア・ノン ディスタンタ I 201926米カルト・希少 シネ・クア・ノン ディスタンタ I 2019
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場60,000〜90,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

入手困難な米カルトワイン。ローヌ品種を極めるシネ・クア・ノン。

¥60,500リンクサス最安 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
シネ・クア・ノン ツヴァイ・ハーモニカ 201827米カルト・希少 シネ・クア・ノン ツヴァイ・ハーモニカ 2018
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場55,000〜85,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

グルナッシュでパーカー100点を量産してきた造り手の希少キュヴェ。

¥55,000リンクサス最安 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
28新世代・単一品種 ア・トリビュート・トゥ・グレース グルナッシュ
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場8,000〜14,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

グルナッシュ専門の女性醸造家。淡く美しい新世代スタイル。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ドメーヌ・ジャン・ルイ・シャーヴ エルミタージュ・ルージュ 202129比較用・北ローヌ ドメーヌ・ジャン・ルイ・シャーヴ エルミタージュ・ルージュ 2021
★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場50,000〜80,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

【比較用シラー】同じローヌでも品種が違うとどう変わるかの基準点。

¥55,000リンクサス最安 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
エルミタージュ ルージュ レ・グレフュー 2018 ミシェル・シャプティエ30比較用・北ローヌ エルミタージュ ルージュ レ・グレフュー 2018 ミシェル・シャプティエ
★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア
市場相場25,000〜40,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

【比較用シラー】シャプティエの単一区画エルミタージュ。

¥29,700リンクサス最安 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取

価格は各モールの実勢(2026年6月時点)で、ワインにはメーカー希望小売価格が設定されないため定価は掲載していません。楽天/Amazon価格は同一品が見つからない場合は空欄になります。在庫・価格・ヴィンテージは変動するため、最新情報は各リンク先でご確認ください。最安値を保証する一覧ではありません。

シャトーヌフ・デュ・パプの仕様書は品種を18挙げている

シャトーヌフ・デュ・パプの仕様書は品種を18挙げている
シャトーヌフ・デュ・パプの仕様書は品種を18挙げているの参考画像

グルナッシュの本場として真っ先に名が挙がるのが、南ローヌのAOCシャトーヌフ・デュ・パプである。この呼称の中身を決めているのは仕様書(cahier des charges)で、2011年11月16日のデクレ第2011-1567号によって承認され、同月19日の官報に載った。

今回は二つの経路で本文を取った。農業省の官報サイトが公開する版と、生産者組合が自ら配布する版である。品種を列挙した一文を、空白と改行を除いて突き合わせたところ完全に一致した。

Les vins rouges et blancs sont issus des cépages suivants : bourboulenc B, brun argenté N (localement dénommé « vaccarèse »), cinsaut N, clairette B, clairette rose Rs, counoise N, grenache blanc B, grenache gris G, grenache N, mourvèdre N, muscardin N, picardan B, piquepoul blanc B, piquepoul gris G, piquepoul noir N, roussanne B, syrah N, terret noir N.

冒頭は「赤と白のワインは次の品種から造られる」という意味で、そのあとに18の名前が続く。末尾のB・N・G・Rsは果皮の色を示す記号で、Bが白、Nが黒、Gが灰、Rsがロゼである。一覧にすると表2になる。

18という数は、数えて出したものではない。同じ仕様書のX節(産地との結び付き)2°がLes raisins issus d’une liste de dix-huit cépages(18品種の一覧から得られるぶどう)と書いており、一覧と説明の文が同じ数を指している。

表2 シャトーヌフ・デュ・パプの仕様書が挙げる品種
# 仕様書の表記
1 bourboulenc B
2 brun argenté N(現地名 vaccarèse)
3 cinsaut N
4 clairette B
5 clairette rose Rs ロゼ
6 counoise N
7 grenache blanc B
8 grenache gris G
9 grenache N
10 mourvèdre N
11 muscardin N
12 picardan B
13 piquepoul blanc B
14 piquepoul gris G
15 piquepoul noir N
16 roussanne B
17 syrah N
18 terret noir N

読み落としやすい点が二つある。一つは、赤と白で別のリストを立てていないこと。条文は「赤と白のワインは」と一続きに書き、そのあとに黒い品種も白い品種も混ぜて並べる。もう一つは比率がどこにも書かれていないことで、これは節を改めて見る。

「13品種」という数え方はどこから出てくるのか

「13品種」という数え方はどこから出てくるのか
「13品種」という数え方はどこから出てくるのかの参考画像

シャトーヌフ・デュ・パプを説明する文章では「13品種」という数がよく使われる。仕様書が挙げるのは18なので、5つ分が合わない。差は、果皮の色ちがいをまとめるかどうかで生まれる。

18の名前から色を示す語と記号を落として数え直すと、clairette が2つ、grenache が3つ、piquepoul が3つで重なる。重なった分を一つずつに畳むと、18から1と2と2を引いて13になる。

つまり「13」は仕様書の条文に書かれている数ではなく、18の一覧を畳んだときに出てくる数である。どちらが正しいという話ではなく、数え方を書かないまま数だけを引くと食い違う。ここでは条文の表記そのままの18を基準に置く。

この記事の比較表にも痕跡が残っている。シャトー・ド・ボーカステルの行は、希少度の札・特徴・説明文の三か所すべてで「13品種」と書いている。これは当店が付けた説明文で、13という数え方に立っている。仕様書の側は同じ顔ぶれを18の名前で並べており、二つは同じ一覧の別々の数え方にあたる。

仕様書が定めていないもの|品種の比率

仕様書が定めていないもの|品種の比率
仕様書が定めていないもの|品種の比率の参考画像

グルナッシュはシャトーヌフ・デュ・パプの主役だと説明されることが多い。ところが仕様書は、グルナッシュを何パーセント以上にせよとは書いていない。

今回走査したのは、農業省の官報サイトが公開する仕様書の全11ページである。この範囲にパーセント記号は8か所あり、値は6種類だった。欠株の割合の上限(15%)、ワインの自然のアルコール度数の下限(12.5%)、選果で外した実から造るワインの最低の割合(2%)、糖の残りかたの基準を分ける度数の境目(14%)、白の増強後の上限(14.5%)、そしてX節1°が産地の説明として挙げる赤の生産比率(95%)である。いずれも呼称の条件としての品種の比率ではない。

仕様書の見出しの立て方にも表れている。この文書は3つの章に分かれ、生産の条件は第1章の中のI〜XIIという節に並ぶ。品種を扱うV節は上の一文だけで小見出しを持たない。「proportion」という語も全11ページに一度も出てこない。

ただし、仕様書がグルナッシュの位置づけに触れていないわけではない。X節2°「製品の品質と特性に関する情報」はLe cépage grenache N est le cépage dominant sur le vignoble.と書き、この品種が畑で支配的であることを事実として記す。白についてはLes vins blancs, principalement élaborés à partir des cépages grenache B, clairette B et roussanne Bとも書く。前者は畑の姿、後者は出来上がるワインの姿の記述で、どちらも「支配的でなければならない」という条件ではない。

したがって、仕様書の文面だけを根拠にするなら、グルナッシュを100%使った一本も、グルナッシュの比率が低い一本も、同じように18の一覧の中で成り立つ。実際にどう配合するかは、蔵ごとの判断と畑の構成の問題であって、呼称の条件ではない。

この記事の比較表には、シャトーヌフ・デュ・パプが7本入っている。当店が付けた説明文では、シャトー・ラヤスをグルナッシュ100%、ドメーヌ・デュ・ペゴーのキュヴェ・ダ・カーポをグルナッシュ約80%と書いている。これは当店の説明であって仕様書が要求した数字ではない、という点は分けて読んでほしい。

仕様書がグルナッシュを名指しするのは比率ではなく熟し方

仕様書がグルナッシュを名指しするのは比率ではなく熟し方
仕様書がグルナッシュを名指しするのは比率ではなく熟し方の参考画像

仕様書がグルナッシュの名を出すのは、V節の一覧のほかにVI節・VII節・X節の三か所である。VI節の剪定の規則では、grenache noir N が mourvèdre N・piquepoul noir N・terret noir N とともに株仕立てに固定される一方、grenache blanc B と grenache gris G はコルドン・ド・ロワイヤも選べる側に入っている。品種の名前で切っているのではなく、色で切っている。X節の記述は前の節で見たとおりで、残るVII節が収穫の条件だ。

Ne peuvent être considérés comme étant à bonne maturité les raisins présentant une richesse en sucre inférieure à : - 216 grammes par litre de moût pour le cépage grenache N ; - 207 grammes par litre de moût pour les autres cépages noirs ; - 196 grammes par litre de moût pour les cépages blancs.

ぶどうが「よく熟した」と言えるかどうかの下限を、grenache N だけ果汁1リットルあたり216グラムに置き、ほかの黒い品種は207グラム、白い品種は196グラムとしている。グルナッシュだけが黒い品種の中で9グラム高い。仕様書がこの品種に与えた特別扱いは、量の指定ではなく熟し方の指定だった。

ほかの数値もあわせると表3になる。

表3 シャトーヌフ・デュ・パプの仕様書が定める主な数値
項目
よく熟したと言える糖の下限(grenache N) 216 g/L
よく熟したと言える糖の下限(その他の黒い品種) 207 g/L
よく熟したと言える糖の下限(白い品種) 196 g/L
自然のアルコール度数の下限 12.5%
収量 35 hl/ha
これを超えると収穫の全量が呼称を失う収量 36 hl/ha(râpéを造る場合は42)
râpéを造る場合のその最低割合 申告量の2%以上
植栽密度の下限(列植えの場合) 3000本/ha

数値以外の禁止と義務も並ぶ。収穫はLes raisins sont récoltés manuellement. Le recours à la machine à vendanger est interdit.と定められ、機械収穫は使えない。選果はLe tri qualitatif de la vendange est obligatoire.で、外した実は捨てるか râpé というワインに回すかのどちらかになり、râpé は地理的表示を名乗れない。醸造ではL’utilisation de morceaux de bois est interditeと木片の使用が禁じられ、Les vins rouges ne font l’objet d’aucun enrichissementとして赤には補糖や濃縮といった増強が一切認められていない。

こうして並べると、仕様書が押さえているのは配合ではなく、収穫までの負荷のかけ方と、収穫後に手を加える余地の狭さである。

これはAOCに共通する書きぶりではない。同じ南ローヌのジゴンダスの仕様書は、第5章に「Encépagement」と並べて「Règles de proportion à l’exploitation」という項目を立て、赤とロゼについてLa proportion du cépage grenache N est supérieure ou égale à 50 % de l’encépagementと定めている。ただしこれは見出しのとおり経営体の作付比率の規則で、La conformité de l’encépagement est appréciée pour la couleur considérée, sur la totalité des parcelles de l’exploitationと書かれているとおり、畑に何をどれだけ植えるかの話であって瓶の中の配合の話ではない。しかもこの文書は2024年6月25日にINAOの全国委員会が採択した変更案で、冒頭にne saurait préjuger de la rédaction finale(確定した文言を予断するものではない)と明記されている。作付比率の規則を置こうとする呼称と、そもそも置いていない呼称がある、という点だけを読み取っておきたい。シャンパンとはのように、呼称ごとに条文の作りは違う。

EUの表示規則|一品種なら85パーセント、二品種以上なら100パーセント

EUの表示規則|一品種なら85パーセント、二品種以上なら100パーセント
EUの表示規則|一品種なら85パーセント、二品種以上なら100パーセントの参考画像

仕様書が決めるのは「畑に何を植えてよいか」であって、「ラベルに何と書いてよいか」ではない。後者を決めるのはEUの規則である。まず基本規則(EU)1308/2013の第120条第1項が、品種名を任意記載事項の一つとして挙げる。書いても書かなくてもよい、という位置づけになっている。

書く場合の条件は委任規則(EU)2019/33の第50条にある。今回参照したのは2025年1月18日時点の統合版で、同条の本文を2023年12月8日時点の統合版と突き合わせたところ、空白を除いて一字も違わなかった。

if only one wine grape variety or its synonym is named, at least 85 % of the product must have been made from that variety

if two or more wine grape varieties or their synonyms are named, 100 % of the product concerned must have been made from these varieties

直感に反するのはここである。一つの品種名だけを書くときの下限は85%だが、二つ以上を並べた瞬間に、書いた品種だけで100%を占めていなければならなくなる。名前を増やすほど条件が緩むのではなく、逆に厳しくなる。どちらの号にも、甘味付けに使った分などを計算から除く但し書きが付く。

並べ方も決まっている。The wine grape varieties must appear on the label in descending order of the proportion used and in characters of the same size.とあり、使用量の多い順に同じ大きさの文字で書く。片方を大きく刷って主役に見せることはできない。

日本の決まりと並べると表4のようになる。日本側の中身は次の節で読む。

表4 品種名をラベルに書く条件(EUと日本)
書き方 EU 委任規則2019/33 第50条 日本 国税庁告示第18号 第6項
一つの品種名だけを書く 書いた品種が85%以上 使用量の最も多い品種名。合計が85%以上
二つの品種名を書く 書いた品種だけで100%。多い順・同じ大きさの文字 使用量の多い上位二品種。多い順。合計が85%以上
三つ以上の品種名を書く 書いた品種だけで100%。多い順・同じ大きさの文字 使用量の多い上位三品種以上。多い順。各品種の割合を併記。合計が85%以上

名乗れる名前の側の条件|分類目録と名指しで外された6つ

名乗れる名前の側の条件|分類目録と名指しで外された6つ
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85%を満たしても、その名前が使えるとは限らない。第50条は名前の出どころも縛っている。

For grapevine products produced in the Union, the names of the wine grape varieties or their synonyms shall be those specified in the wine grape varieties classification referred to in Article 81(2) of Regulation (EU) No 1308/2013.

加盟国が作る分類目録に載っている名前でなければならない、という意味である。目録の作り方は規則(EU)1308/2013の第81条第2項にあり、載せてよい品種には種の条件と名指しの除外という二つの条件が付く。

the variety concerned belongs to the species Vitis vinifera or comes from a cross between the species Vitis vinifera and other species of the genus Vitis

the variety is not one of the following: Noah, Othello, Isabelle, Jacquez, Clinton and Herbemont.

Noah、Othello、Isabelle、Jacquez、Clinton、Herbemontの6つは、条文が名前を挙げて分類から外している。目録から外された品種についてはWhere a wine grape variety is deleted from the classification referred to in the first subparagraph, grubbing up of this variety shall take place within 15 years of its deletion.として、15年以内の抜根が定められている。

目録を作る義務には例外もある。第81条第3項はMember States whose wine production does not exceed 50 000 hectolitres per wine yearとして、直近5年の平均で年間50,000ヘクトリットルを超えない加盟国を免除する。その場合の基準がOIVの国際リストで、第50条の側がこう受ける。

the names of the wine grape varieties or synonyms shall be those specified in the ‘International list of vine varieties and their synonyms’ managed by the International Organisation of Vine and Wine.

もう一つ、名前そのものが原産地呼称や地理的表示を含む場合の扱いがある。第50条第3項は、そうした品種名のうちwhich may appear on the label of a product bearing a protected designation of origin or geographical indication or geographical indication of a third country are those listed in Part A of Annex IV to this Regulation.と定める。Part Aに載っていない名前は、原産地呼称や地理的表示の付いたワインのラベルに出せない。第4項は向きが逆で、地理的表示の一部を含む名前としてPart Bに挙げたものがmay only appear on the label of a product bearing a protected designation of origin or geographical indication or geographical indication of a third country.とされる。前者は載っていないと出せず、後者は載ると行き先が狭まる。

この記事が扱う三つの綴りについては、2025年1月18日時点の統合版の全文を附属書IVを含めて走査したが、Grenache・Garnacha・Cannonauのいずれも一度も現れなかった。ただしこの二つの項が対象にするのは名前の綴りなので、呼び名を一つずつ突き合わせない限り、グルナッシュの別名すべてが対象外だとは言えない。

分類目録の話はEU域内に限られるが、いま見た第3項と第4項は、第三国の地理的表示を付けた製品のラベルにも当たる。EUの外で造られたものには第50条第1項(c)も当たり、shall comply with the rules applicable to wine producers in the third country concerned, including those emanating from representative professional organisationsとして、生産者団体の定めを含む現地の決まりに従ったうえで、OIV・UPOV・IBPGRのいずれかのリストに載る名前であることを求める。この記事の比較表では豪州4本と米国3本の計7本がこちらに当たる。

逆に、規則が名前の置き換えを認めている例もある。the wine grape variety names used to supplement the description of the product, namely, ‘pinot blanc’, ‘pinot noir’, ‘pinot meunier’ or ‘pinot gris’ and the equivalent names in the other Union languages, may be replaced by the synonym ‘pinot’.という規定で、スパークリングと高品質スパークリングに限って四つのピノを「ピノ」一語にまとめてよい。同じ扱いを受ける品種はグルナッシュには用意されていない。ピノ・ノワールとはの側から見ると、この置き換えは名前の数を減らす方向の特例にあたる。

日本の告示|85パーセントの三通りと「日本ワイン」の縛り

日本の告示|85パーセントの三通りと「日本ワイン」の縛り
日本の告示|85パーセントの三通りと「日本ワイン」の縛りの参考画像

日本でも、国内で造ったワインに品種名を書く条件が決まっている。根拠は酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第86条の6第1項に基づく「果実酒等の製法品質表示基準」(平成27年国税庁告示第18号)で、平成29年と令和元年に一度ずつ改正されている。

国内製造ワインの原料として使用したぶどうの品種名については、次の各号に掲げるものであって、表示するぶどうの品種の使用量の合計が85パーセント以上を占める場合に限り、当該ぶどうの品種名をその容器又は包装に表示できるものとする。

85%という数字はEUと同じだが、当てはめ方が違う。EUは二品種以上を書くと100%になるのに対し、告示は品種を何個書いても、書いた品種の合計が85%以上あればよい。号は三つに分かれていて、一号が使用量の最も多い品種名、二号が上位二品種、三号が上位三品種以上である。

三品種以上を書くときだけ追加の義務が付く。使用量の多い上位三品種以上のぶどうの品種名(それぞれに使用量の割合を併記し、かつ、使用量の多い順に表示するものとする。)とあり、それぞれの割合を数字で添える。EUの側は割合の併記を求めず、代わりに合計を100%に固定する。同じ85%でも設計が逆向きだ。

もう一つの縛りは、書ける場所である。この場合において、第8項第1号に規定する別記様式以外への表示は、日本ワインに限り、表示できるものとする。とあり、一括表示欄の外に品種名を出せるのは日本ワインに限られる。日本ワインの定義は第1項第3号にある。

「日本ワイン」とは、国内製造ワインのうち、酒税法第3条第13号に掲げる果実酒(原料として水を使用したものを除く。)(同号ニに掲げる果実酒にあっては、別表に掲げる製法により製造したものに限る。)で、原料の果実として国内で収穫されたぶどうのみを使用したものをいう。

国内で造ったワインでも、輸入した果汁や輸入ワインを使えば日本ワインにはならない。その場合、品種名は一括表示欄の中でしか名乗れない。ワインの酸化防止剤で扱う表示欄と同じ枠の話である。

85%という割合は品種名だけの話ではない。地名は第5項第1号が原料として使用したぶどうのうち、同一の収穫地で収穫されたものを85パーセント以上使用した場合の当該収穫地を含む地名と定め、収穫年は第7項が国内製造ワインの原料として使用したぶどうの収穫年については、表示する収穫年に収穫したぶどうの使用量が85パーセント以上を占める日本ワインに限り、その容器又は包装に表示できるものとする。と定める。三つとも同じ割合に揃えてある。

そしてこの品種名の規定は、守らなかったときに指示や公表の対象になる「重要基準」に入っている。重要基準そのものを定めているのは平成15年12月国税庁告示第15号で、平成27年国税庁告示第21号がこれを改正し、その第2号として果実酒等の製法品質表示基準(平成27年国税庁告示第18号)第2項、第3項及び第5項から第7項までを加えた。品種名を扱う第6項はこの「第5項から第7項まで」に含まれる。

表5 三つの決まりが答えている問い
問い EU・フランス側の根拠 日本側の根拠
畑に何を植えてよいか AOCの仕様書(フランス)/加盟国の分類目録(規則1308/2013 第81条第2項) 告示は規定していない
ラベルに品種名を書ける割合 委任規則2019/33 第50条第1項(a) 告示第18号 第6項
どの名前を使ってよいか 委任規則2019/33 第50条第1項(b)(c)・第3項・第4項 告示は規定していない(割合・順序・併記・場所のみ)
ラベルのどこに書けるか 第50条第1項(a)は並び順と文字の大きさを定めるが記載位置の規定は置いていない 別記様式以外は日本ワインに限る(第6項後段)

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査定ではラベルの項目が手がかりになる。品種名と収穫年が入っていることは、上で読んだ割合の条件を満たしている印でもあるので、産地と造り手を照合する起点になる。スペインワインの特徴のように、産地ごとに書き方の慣習も違う。

よくある質問

グルナッシュとガルナッチャは同じものですか。

売り場では同じぶどうを指す二つの呼び方として扱われます。EUの委任規則2019/33第50条は「品種名またはその同義語」という書き方で、名前が複数あることを前提に条件を組み立てています。どの同義語を使えるかは、EU域内なら加盟国の分類目録(免除された加盟国はOIVの国際リスト)、EUの外なら造った国の決まりとOIV・UPOV・IBPGRのいずれかのリストで決まります。

シャトーヌフ・デュ・パプの品種は13ですか、18ですか。

仕様書の条文に並んでいるのは18です。clairetteが2つ、grenacheが3つ、piquepoulが3つ、果皮の色ちがいで別々に挙げられているため、これを一つずつに畳むと13になります。「13」は条文に書かれた数ではなく、18の一覧を畳んだときに出てくる数です。

シャトーヌフ・デュ・パプはグルナッシュが何パーセント以上と決まっていますか。

決まっていません。全11ページで「proportion」の語は一度も出てこず、パーセント記号が付く8か所を全部当たっても品種の比率を定めた数字はありません。仕様書がグルナッシュに与えた固有の数値は熟し方の下限で、糖を216g/Lとし、ほかの黒い品種の207g/Lより高く置いています。

ラベルに品種名を二つ書くと、条件はどう変わりますか。

EUでは厳しくなります。委任規則2019/33第50条第1項(a)は、一品種だけなら85%以上でよいのに対し、二品種以上を書く場合は書いた品種だけで100%でなければならないと定めています。並べる順は使用量の多い順で、文字の大きさも同じにする必要があります。

日本のワインに品種名を書く条件はEUと同じですか。

割合の数字は同じ85%ですが、当てはめ方が違います。国税庁告示第18号第6項は、品種をいくつ書いても、書いた品種の合計が85%以上あればよいとしています。三品種以上を書く場合はそれぞれの割合を併記します。また、一括表示欄の外に品種名を出せるのは日本ワインに限られます。

目録から外された品種はどうなりますか。

規則(EU)1308/2013第81条第2項は、目録から削除された品種を15年以内に抜根すると定めています。同項はNoah、Othello、Isabelle、Jacquez、Clinton、Herbemontの6つを名指しで分類の対象外にしており、附属書ではなく法令の本文に品種名が書き込まれています。委任規則2019/33第50条第2項がピノ四つを名指しするのと同じ書きぶりです。

最終更新:(リンクサス酒販 鑑定士チーム監修)

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