ベルモットとは何かをEU条文と5銘柄の公式スペックから解く

ベルモットとは何かをEU条文と5銘柄の公式スペックから解く

ベルモットとは何かを条文と公式スペックから定義する

ベルモットを食前酒として楽しむ場面
ヨーロッパで食前酒として親しまれてきた一杯

ベルモットは、ぶどうから造った酒にニガヨモギなどの香草の風味を付け、さらにアルコールを足して仕上げた酒です。ワインの棚に置かれることもリキュールの棚に置かれることもあり、どちらの顔も持っているために「結局どういう酒なのか」がわかりにくい。この記事はその輪郭を、法令の条文と輸入元の公式スペックという二つの一次資料だけで引き直します。

まず押さえたいのは、ベルモットという名前が単なる商品名やジャンル名ではなく、ヨーロッパでは条文に書かれた販売名称だという点です。欧州連合の規則251/2014は、香りを付けたぶどう酒製品を「アロマタイズドワイン」「アロマタイズドワインベースドリンク」「アロマタイズドワイン製品カクテル」の3つに分け、そのうちアロマタイズドワインの販売名称のひとつとして「Vermouth」を置いています。条文が挙げる要件は次の2つだけです。アルコールが加えられていること、そして特徴的な味わいがヨモギ属(Artemisia)の適切な物質を用いて得られていること。つまりベルモットを名乗るために不可欠なのは、香草の中でもヨモギ属であり、かつ後からアルコールを足す工程なのです。

ベルモットを他と分けているのはヨモギ属の指定

この2つの要件は、同じ附属書のなかで並んでいる他の販売名称と読み比べると位置づけがはっきりします。アルコールの添加については、附属書II A の6販売名称のうち4つが「加えられている(has been added)」で必須、「ワインベースのアペリティフ」だけが「加えられていてもよい(may have been added)」で任意です。アロマタイズドワインの一般的な定義(第3条第2項(c))も任意の書き方です。つまりアルコールの添加はベルモットに固有の条件ではありません。

附属書II A の6販売名称でアルコール添加の書き方を読み比べた結果
販売名称 条文の書き方 アルコール添加
(1) Aromatised wine 第3条第2項への参照のみ
(2) Wine-based aperitif may have been added 任意
(3) Vermouth has been added 必須
(4) Bitter aromatised wine has been added 必須
(5) Egg-based aromatised wine has been added 必須
(6) Väkevä viiniglögi/Starkvinsglögg has been added 必須

固有なのはもう一方の要件です。ヨモギ属を指定しているのはベルモットだけで、ビター・アロマタイズドワインの補足語のひとつ「Americano」にニガヨモギ(wormwood)が出てくるのを除けば、附属書IIのほかの販売名称にヨモギ属の指定はありません。つまり「ベルモットはワインに香草を漬けた酒」という説明が落としているのは、香草が何でもよいわけではなく、ヨモギ属でなければならないという一点です。

もうひとつ、アロマタイズドワインである以上、ベルモットには度数の枠がはめられます。第3条第2項は、原料となるぶどう由来の製品が総容量の75%以上を占めること、実測アルコール分が14.5%以上22%未満であること、そして総アルコール分が17.5%以上であることを求めています。この下限14.5%が、ベルモットが普通のワインより一段強い理由の条文上の根拠です。

日本で売られている5銘柄の公式スペック

では日本の売り場に実際に並ぶものはどうか。マルティーニとノイリー・プラットはどちらもバカルディ ジャパンが輸入しており、同社の商品情報でヴェルモットとして掲載されているのは次の5銘柄です。度数・純アルコール量・容量・品名・原産国はいずれも同社の各商品ページの記載です。

バカルディ ジャパンがヴェルモットとして掲載する5銘柄(2026年7月30日に各商品ページで確認)
商品名 英語表記 度数 純アルコール量(100mlあたり) 容量 品名 公式の甘辛表記 原産国
マルティーニ エキストラ・ドライ MARTINI EXTRA DRY 18% 14.4g 750ml 甘味果実酒(ヴェルモット) 白・辛口 イタリア
ノイリー・プラット ドライ NOILLY PRAT DRY 18% 14.4g 1000ml・750ml 甘味果実酒(ヴェルモット) 辛口 フランス
ノイリー・プラット スイート NOILLY PRAT SWEET 16% 12.8g 1000ml 甘味果実酒(ヴェルモット) 甘口 フランス
マルティーニ ロッソ MARTINI ROSSO 15% 12.0g 750ml 甘味果実酒(ヴェルモット) 赤・甘口 イタリア
マルティーニ ビアンコ MARTINI BIANCO 15% 12.0g 750ml 甘味果実酒(ヴェルモット) 白・甘口 イタリア

表のなかでいちばん意外なのが品名の列です。5銘柄すべてが「甘味果実酒(ヴェルモット)」で揃っています。辛口のマルティーニ エキストラ・ドライも、辛口のノイリー・プラット ドライも、日本の表示上は「甘味」と書かれた枠に入ります。なぜそうなるのかは製法と原料の章で条文から追います。

ベルモットの種類を分けているのは色ではなく糖分

ベルモットの種類を分ける区分の考え方
条文が区分しているのは糖分だけ

店頭でも記事でも、ベルモットは「スイート(ロッソ)」「ドライ」「ビアンコ」「ロゼ」「アンバー」といった呼び方で並べられます。ところが規則251/2014の条文を最後まで読んでも、ロッソ・ビアンコ・ロゼという語はひとつも出てきません。条文が販売名称に足せると定めている語はいくつかありますが、甘辛に相当するのは糖分による5段階の区分で、色に相当する区分はひとつも置かれていません。

規則251/2014 第6条が定める糖分の区分(転化糖に換算した1リットルあたりの糖分)
条文の語 日本での呼び方 糖分 総アルコール分の例外
‘extra-dry’ エキストラ・ドライ 30グラム未満 総アルコール分15%以上に引き下げ
‘dry’ ドライ 50グラム未満 総アルコール分16%以上に引き下げ
‘semi-dry’ セミ・ドライ 50グラム以上90グラム未満 例外なし
‘semi-sweet’ セミ・スイート 90グラム以上130グラム未満 例外なし
‘sweet’ スイート 130グラム以上 例外なし

ドライにだけ置かれている度数の例外

この表の右端が、通説とまっすぐ食い違う部分です。第6条は‘extra-dry’と‘dry’の2語についてだけ、第3条第2項(g)の総アルコール分17.5%以上という原則から外れる例外を置き、それぞれ15%以上・16%以上へと下限を引き下げています。「ドライのほうが度数が高い」と説明されることが多いのに、条文が用意しているのは逆方向の緩和なのです。辛口だから強い、という関係は法令のどこにも書かれていません。

色は区分ではなく結果である

では色の呼び方は何なのか。少なくとも条文上の区分ではなく、各社が自社の商品を説明するために使っている表現です。実際にバカルディ ジャパンの表記を見ると、マルティーニは「白・辛口」「赤・甘口」「白・甘口」のように色と甘辛を組み合わせて書く一方、ノイリー・プラットは「辛口」「甘口」と甘辛だけを書きます。同じ輸入元のなかでも書き方が揃っていません。

さらに、ヴェルモットのカテゴリー解説では「白ワインをベースに、にがよもぎを始め、15~50種類もの薬草・ハーブを配合し、さらにスピリッツを加えて完成する」と説明されています。赤・甘口と表記されるマルティーニ ロッソも、この解説の枠のなかにあります。つまり色は原料のワインの色をそのまま指しているとは限らず、仕上げの段階で加わるものを含めた結果として現れる、と読むほうが実態に近いのです。

国際バーテンダー協会が公表するレシピの用語も、甘辛を軸に据えた形をとります。後のカクテルの章で見るとおり、同協会が使う語は4種類で、うち3種類が甘口側です。

ベルモットの度数を公表値と逆算の両方で確かめる

ベルモットの度数と純アルコール量を計量する
度数から純アルコール量を出す式は1つ

ベルモットの度数は「14度から18度くらい」と幅で書かれることが多く、その幅の中で自分の一本がどこにいるのかは、たいてい書かれていません。日本で買える5銘柄については、輸入元が度数と純アルコール量の両方を公表しているので、はっきりします。

公表されている純アルコール量が厚生労働省の式と一致するかを5銘柄で検算した結果
商品名 公表度数 式で出た値 公表されている値 判定
マルティーニ エキストラ・ドライ 18% 100 × 18 ÷ 100 × 0.8 14.4g 14.4g 一致
ノイリー・プラット ドライ 18% 100 × 18 ÷ 100 × 0.8 14.4g 14.4g 一致
ノイリー・プラット スイート 16% 100 × 16 ÷ 100 × 0.8 12.8g 12.8g 一致
マルティーニ ロッソ 15% 100 × 15 ÷ 100 × 0.8 12.0g 12.0g 一致
マルティーニ ビアンコ 15% 100 × 15 ÷ 100 × 0.8 12.0g 12.0g 一致

5銘柄すべてで一致しました。各商品ページに添えられた注記も「100(ml)×アルコール分(%)/100×0.8」で、厚生労働省が使う式そのままです。つまりこの5銘柄については、度数さえ分かれば飲んだ量から純アルコール量を自分で出せます。

辛口が強いのではなくブランドで分かれている

表を度数で並べ替えると、辛口の2銘柄がどちらも18%で最も高く、甘口が15%・16%です。ここまでは通説どおりに見えます。ところがブランド単位で切ると景色が変わります。ノイリー・プラットは辛口18%と甘口16%で差が2ポイントしかなく、その甘口はマルティーニの甘口15%より1ポイント高い。「甘口だから弱い」を銘柄をまたいで当てはめると外れます。

条文の側から見ても同じ結論になります。アロマタイズドワインの実測アルコール分の枠は14.5%以上22%未満で、甘口にも辛口にも同じ枠がかかります。甘辛で枠が分かれるのは糖分のほうであって、度数ではないのです。

レシピの公表度数から逆算すると3通りの値が出る

ここでもうひとつ、実務でつまずきやすい話をしておきます。アサヒビールのカクテルガイドは、材料によっては純アルコール量を併記し、完成した一杯の度数も公表している珍しい資料です。ベルモットを使う2つのマティーニでは、どちらもドライベルモットの側に純アルコール量が付いているので、そこからベルモットの度数を逆算できます。

アサヒビールのカクテルガイドの公表値からドライベルモットの度数を逆算した結果
カクテル ベース ベルモット 公表された完成度数 純アルコール量からの逆算 完成度数からの逆算
マティーニ ウヰルキンソン・ジン 47.5° 45ml(純アルコール量の記載なし) ドライベルモット 15ml(1.8g) 39.30% 15.0% 14.7%
ウオッカマティーニ ウヰルキンソン・ウオッカ 40° 50ml(16.0g) ドライベルモット 10ml(1.2g) 35.80% 15.0% 14.8%

純アルコール量から逆算すると2つとも15.0%になり、完成度数から逆算するとマティーニが14.7%、ウオッカマティーニが14.8%になります。同じサイトの中で3通りの値が出るわけです。そしてどれも、日本で買えるドライベルモット2銘柄の公称18%とは一致しません。

手元のノイリー・プラット ドライやマルティーニ エキストラ・ドライを18%として同じ配合で計算し直すと、マティーニは40.13%、ウオッカマティーニは36.33%になります。公表値よりそれぞれ0.83ポイント・0.53ポイント高い。レシピに書かれた完成度数は、そのレシピが前提にしている材料の度数の上に成り立っている数字です。自分のボトルの度数を当てはめると変わる、というだけの話ですが、ここを混ぜると計算が合わなくなります。

製法と原料を酒税法の条文から読み直す

ベルモットの製法と原料をたどる産地
ヨモギ属の香草と強化用アルコールが要になる

日本のラベルに書かれる品名が、辛口でも「甘味果実酒(ヴェルモット)」になる。この一見おかしな表示には、酒税法の条文にきちんとした理由があります。結論から言えば、ベルモットは「果実酒になれないから甘味果実酒になっている」のです。

酒税法第3条は第13号で果実酒、第14号で甘味果実酒を定義します。第14号の柱書は「次に掲げる酒類で果実酒以外のものをいう」で、第13号に当てはまらなかったものを受け止める側として書かれています。2つの条文を項目ごとに並べると、緩い側がどちらかがはっきりします。

酒税法第3条第13号(果実酒)と第14号(甘味果実酒)の条文を6項目で対比した結果
項目 果実酒(第13号) 甘味果実酒(第14号)
アルコール分の上限 20度未満(第13号の柱書) 条文に定めがない
ロからニまでの度数条件 15度以上のものを除く(第13号の柱書) 該当する条件がない
ブランデー等を加えられる上限 総アルコール分の100分の10まで(同号ニ) 総アルコール分の100分の90まで(第14号ハ)
浸すことができる植物 政令で定める植物(同号ホ) 「植物」で政令の限定がない(第14号ニ)
薬剤の添加 条文に列挙がない 加えられる(第14号ニ)
色素の添加 条文の列挙にない(同号ニ) 加えられる(第14号ハ・ニ)

政令が認めている植物はオークだけ

表の4行目が決定的です。果実酒の第13号ホは「イからニまでに掲げる酒類に政令で定める植物を浸してその成分を浸出させたもの」と書きます。では政令が定める植物とは何か。酒税法施行令第7条第4項に一語だけ書かれています。「法第三条第十三号ホに規定する政令で定める植物は、オーク(チップ状又は小片状のものに限る。)とする。」

認められているのはオークのチップと小片だけです。ニガヨモギも、ジンジャーも、柑橘の皮も、政令の一覧には入っていません。ワインに香草を漬けた瞬間に、その酒は果実酒の枠から外れます。外れた先が第14号ニ「果実酒又はイからハまでに掲げる酒類に植物を浸してその成分を浸出させたもの若しくは薬剤を加えたもの」で、こちらの条文は「植物」と書くだけで政令の限定を置いていません。

なお度数の側にも別の関門があります。第13号の柱書はロからニまでについて「アルコール分が十五度以上のものその他政令で定めるものを除く」と定めており、日本で買える5銘柄はいずれも15%以上なので、この3つの経路も塞がれます。ただしホの経路はこの括弧の外にあるので、度数だけでは決まりません。甘味果実酒に行き着く決め手は、あくまで政令が植物をオークに限定していることの側です。

アルコールを足す工程の扱いが日欧で正反対

もうひとつ目を引くのは、アルコールを加えられる量の差です。果実酒はブランデー等を「総アルコール分の100分の10」までしか加えられませんが、甘味果実酒は「100分の90」まで加えられます。同じ法律の隣り合う号で9倍の差がついています。一方の欧州連合の条文では、ベルモットはアルコールの添加が任意ではなく必須です。日欧の枠組みを並べると、向きの違いがよく見えます。

ベルモットの扱いを欧州連合の規則251/2014と日本の酒税法で7項目対比した結果
項目 欧州連合 規則251/2014 日本 酒税法
ベルモット固有の定義 ある(附属書II A(3)) ない(甘味果実酒に含まれる)
ニガヨモギなどヨモギ属の使用 必須 要件になっていない
アルコールの添加 必須(附属書II A(3) が「has been added」) 任意(加えなくてもよい)
実測アルコール分 14.5%以上22%未満 定めがない
総アルコール分 17.5%以上 定めがない
糖分による呼称の区分 5段階を条文で定義 定めがない
色による区分 条文に存在しない 条文に存在しない

7項目のうち一致は1項目、食い違いは6項目です。しかも食い違いの向きが一貫しています。欧州連合はベルモット専用の箱を作り、そこにヨモギ属・アルコール添加・度数・糖分表示という条件を積みました。日本は専用の箱を作らず、条件のいちばん緩い箱で受けています。「甘味果実酒」という品名が甘さの説明になっていないのは、この設計の違いから来ています。

ベルモットの語源と歴史で確認できること

ベルモットの歴史をたどるイタリアとフランスの産地
イタリアとフランスで別々に育った系統

ベルモットという語はドイツ語のWermut(ニガヨモギ)に由来する、と説明されるのが一般的です。実際に条文が要求している植物がヨモギ属であることと、この語源の説明はきれいに噛み合います。ただし、名前の由来を公式に確定させた資料は見つかっていません。この点はマティーニの記事でも触れたとおりで、メーカー側が由来を断定した記述は確認できていません。

確認できるのは創業年と系統の違いまで

一方、輸入元が公表している事実ははっきりしています。マルティーニは1863年にイタリア・ピエモンテ州で創業したブランドで、バカルディ ジャパンは同ブランドを「1863年創業の世界No.1 アスティ・スプマンテ&ヴェルモット」と紹介しています(同社はこのNo.1表示に注記を付け、アスティ・スプマンテとヴェルモットのいずれも2023年1月から12月の販売量・金額でIWSR社調べであると明記しています)。ノイリー・プラットは1813年にジョセフ・ノイリーが確立したブランドで、同社は「フレンチヴェルモットのトップブランド」と表現しています。創業年で見れば、フランス側のほうが50年早いことになります。

味わいの方向も、輸入元の公式テイスティングノートを読み比べると系統の違いが出ます。マルティーニ エキストラ・ドライは「バランスの取れた酸味、わずかなウッディさ、柑橘類のベースにほろ苦いハーブの味わい」、ノイリー・プラット ドライは「ナツメグなどのスパイシーさ、オレンジピールのわずかな苦味を感じる味わい」です。同じ辛口・同じ18%でも、公式が挙げる香味の語がまったく重なりません。

ノイリー・プラット ドライについては、輸入元が用途まで書き添えています。「ドライマティーニには欠かせない、バーテンダーから圧倒的に支持されているフレンチヴェルモット」という紹介文で、加えて「品質にこだわるバーテンダーをはじめ、加熱した際も味わいを失うことなくコクを保つため、フレンチのシェフからも料理を引き立てるハーブワインとして重宝されている」とも書かれています。飲むためだけの酒として位置づけられていない点は、ほかの4銘柄の商品説明文には見られない書き方です。

リンクサス酒販が扱うワインのラインナップ
ぶどうから造る酒として隣にあるもの

ベルモットは、条文の上ではぶどう由来の製品を総容量の75%以上含む酒です。香草とアルコールが加わるぶん独特ですが、出発点はワインと同じところにあります。下に並ぶのは当店が取り扱うワインのラインナップで、ベルモットそのものではありません。ボルドーやナパのスティルワインが中心なので、ベルモットの代わりに使えるものではない点はご了承ください。ベルモットの銘柄そのものを比べたい方は、次の章の比較表をご覧ください。

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ここではワインの在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。

ベルモットと周辺のアロマタイズドワインをタイプ別に比較する

ベルモットの銘柄をタイプ別に比較する
タイプと度数と産地で並べた一覧

ここからはベルモットとその周辺のアロマタイズドワインを、タイプ・度数・産地・相性のよいカクテルで横断的に並べた表です。一覧のうち、度数と容量を輸入元の公式ページで確認できたのはバカルディ ジャパンが扱う銘柄に限られます。それ以外の行の度数と容量は各生産者・各流通の表記に基づく参考値です。また、リレとコッキ アメリカーノはヨモギ属を要件とするベルモットの販売名称には当たらないため、アロマタイズドワインとして区別して並べています。

ベルモットと周辺のアロマタイズドワイン30銘柄
ベルモットは、ぶどうから造った酒にニガヨモギなどヨモギ属の香草の風味を付け、さらにアルコールを加えて仕上げた酒です。この一覧では、ベルモットに加えて、ヨモギ属を要件とするベルモットの販売名称には当たらないアロマタイズドワイン(リレ、コッキ アメリカーノ)も、区別したうえで並べています。度数と容量を輸入元の公式ページで確認できたのはバカルディ ジャパンが扱う銘柄に限られ、それ以外の行は各生産者・各流通の表記に基づく参考値です。価格は各モールの実勢を参考値として掲載し、最安値を案内する一覧ではありません(2026年6月時点)。ベルモットはオープン価格のため、メーカー定価は掲載していません。
価格は 2026/08/17 更新
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
Amazon 楽天 買取
1 カルパノ アンティカフォーミュラ 1000ml 16.5%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
約3,800〜5,000円
💎 プロのおすすめ

ベルモットの原点とされる濃厚なバニラ香。マンハッタンを格上げする一本。

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2 マンチーノ ヴェッキオ 750ml 16%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
約3,800〜4,800円
💎 プロのおすすめ

樽熟成の琥珀色ベルモット。香木とドライフルーツの余韻が長い。

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3 ラ・カンティニ ヴェルモット ロワイヤル ブラン 750ml 16%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
約3,400〜4,400円
💎 プロのおすすめ

造り手の技を生かした華やかな白。ソーダ割りに向く。

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4 コッキ ストリコ ヴェルモット・ディ・トリノ 750ml 16%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
約3,200〜4,200円
💎 プロのおすすめ

伝統製法のトリノ産ロッソ。ほろ苦さと甘みのバランスが秀逸。

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5 ノイリー・プラット ドライ 1000ml 18%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
約1,900〜2,800円
💎 プロのおすすめ

ドライマティーニの定番。海風を思わせる塩味と熟成香。

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6 カルパノ プント・エ・メス 750ml 16%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,300〜3,200円
💎 プロのおすすめ

甘さと苦さが半々の名作。ロックや食前酒で個性が光る。

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7 ドラン ドライ 750ml 17.5%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,200〜3,000円
💎 プロのおすすめ

シャンベリー産の繊細なドライ。軽やかでマティーニ向き。

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8 ドラン ブラン 750ml 16%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,200〜3,000円
💎 プロのおすすめ

ほのかな甘みと花の香り。ソーダ割りで爽やかに。

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9 ドラン ルージュ 750ml 16%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,200〜3,000円
💎 プロのおすすめ

フレンチらしい軽やかな赤。ネグローニを繊細に整える。

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10 コッキ ヴェルモット・ディ・トリノ 750ml 16%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,500〜3,400円
💎 プロのおすすめ

カカオとシトラスの香り。アメリカーノに最適。

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11 マルティーニ ロッソ 750ml 15%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約1,300〜1,900円
💎 プロのおすすめ

世界で最も飲まれる赤ベルモット。カクテルの基本。

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12 マルティーニ エキストラ・ドライ 750ml 18%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約1,300〜1,900円
💎 プロのおすすめ

入手しやすい辛口。輸入元の公表度数は18%。

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13 マルティーニ ビアンコ 750ml 15%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約1,300〜1,900円
💎 プロのおすすめ

バニラと花の甘い香り。ソーダやトニックで気軽に。

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14 マルティーニ ロザート 750ml 15%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
約1,400〜2,000円
💎 プロのおすすめ

赤白をブレンドした淡いロゼ。クローブの香りが特徴。

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15 チンザノ ロッソ 1000ml 15%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約1,200〜1,700円
💎 プロのおすすめ

トリノ発の老舗ロッソ。コスパ良くカクテル向き。

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16 チンザノ エクストラドライ 1000ml 18%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
約1,200〜1,700円
💎 プロのおすすめ

軽快な辛口。マティーニやスプリッツの土台に。

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17 チンザノ ビアンコ 1000ml 15%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
約1,200〜1,700円
💎 プロのおすすめ

やさしい甘さの白。ロックやソーダで手軽に。

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18 コッキ アメリカーノ 750ml 16.5%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,800〜3,700円
💎 プロのおすすめ

キナの苦味が効いたアペリティフ。スプリッツに最適。

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19 リレ ブラン 750ml 17%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,000〜2,800円
💎 プロのおすすめ

ボルドー由来の華やかな白アペリティフ。冷やして食前に。

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20 リレ ロゼ 750ml 17%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,200〜3,000円
💎 プロのおすすめ

フルーティーで軽やかなロゼ。夏の食前酒に。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
21 ベルサッツァー ドライ 750ml 22%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,800〜3,800円
💎 プロのおすすめ

ドイツ・バーデン産。ジンとの相性が良い力強い辛口。

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22 ベルサッツァー ロゼ 750ml 17.5%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,800〜3,800円
💎 プロのおすすめ

グレープフルーツ香のロゼ。トニック割りが定番。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
23 マンチーノ ロッソ アマラント 750ml 16%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約3,000〜4,000円
💎 プロのおすすめ

27種のボタニカル。複雑で奥行きのある赤。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
24 マンチーノ セッコ 750ml 16%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約3,000〜4,000円
💎 プロのおすすめ

イタリア産の上質ドライ。カモミール香が個性的。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
25 アンティカ・トリノ ヴェルモット・ロッソ 750ml 17%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約3,000〜4,000円
💎 プロのおすすめ

伝統レシピ復刻の濃密ロッソ。食前食後どちらも。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
26 ガンチア ロッソ 1000ml 14.8%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
約1,300〜1,900円
💎 プロのおすすめ

スパークリングで有名な蔵の手頃なロッソ。

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27 ルータン ドライ 750ml 17%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,500〜3,200円
💎 プロのおすすめ

アルプスのハーブを生かしたフレンチドライ。

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28 ノイリー・プラット アンバー 750ml 16%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,600〜3,500円
💎 プロのおすすめ

スパイス香る琥珀色。ロックでじっくり味わう。

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29 カルパノ ビアンコ 1000ml 14.9%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,400〜3,200円
💎 プロのおすすめ

名門カルパノの白。バニラとミントの上品な甘さ。

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30 プラ ヴェルモット・ロッソ 750ml 17%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
約2,600〜3,400円
💎 プロのおすすめ

バローロ用ブドウを使う職人系ロッソ。

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価格は各モールの実勢(2026年6月時点)で、いずれもオープン価格のためメーカー定価は掲載していません。この欄に金額を入れていない都合上、価格順の並べ替えと価格帯の絞り込みは働きません。度数と容量は、バカルディ ジャパンが輸入する銘柄については同社の商品ページの記載、それ以外は各生産者・各流通の表記に基づく参考値です。マルティーニ ロザートとノイリー・プラット アンバーは同社の商品情報に個別のページが見当たらないため、日本の輸入元の掲載外として扱っています。ベルサッツァー ドライの22%は規則251/2014がアロマタイズドワインに定める14.5%以上22%未満の枠の外側にあたるため未確認の参考値です。容量やヴィンテージで価格は変わります。在庫・価格は変動するため、最新情報は各リンク先でご確認ください。最安値を保証する一覧ではありません。

表の並べ替えと絞り込みは、この欄に金額を入れていない都合上、価格順では働きません。相場の欄に書いた金額は、最安値を案内するものではなく、その銘柄がおおよそどのあたりの価格帯にあるかを示す参考値です。

ベルモットをそのまま飲むときの目安

ベルモットをそのまま飲むときのグラス選び
食前酒として単体で飲む場面

ベルモットはカクテルの材料として語られがちですが、バカルディ ジャパンはヴェルモットのカテゴリー解説で「欧米では食前酒として日常的に飲まれ、食欲増進の酒として愛されている」と書いています。そのまま飲むほうが本来の用途に近い、と読める書き方です。

冷やしてそのまま、または氷を入れて

15%から18%という度数は、蒸留酒よりはるかに低く、一般的なワインよりは高い位置にあります。公表値で計算すると、100mlに含まれる純アルコール量は12.0gから14.4gです。ワインと同じ感覚で一杯を空けると、同じ量でもこの差の分だけ純アルコール量が増えます。小ぶりのグラスで少量ずつ、というのが扱いやすい飲み方です。

ソーダやトニックで割ると輸入元の想定に近づく

バカルディ ジャパンが各商品ページで最初に挙げているカクテルを見ると、マルティーニのエキストラ・ドライ、ロッソ、ビアンコの3銘柄はいずれも同名の「トニック」が筆頭に置かれています。割って飲む形が、輸入元がまず勧める飲み方になっているわけです。一方でノイリー・プラット ドライの筆頭はマティーニ、スイートの筆頭はネグローニで、こちらは最初からカクテルの材料として紹介されています。

ベルモットをトニックで割った一杯
輸入元が筆頭に挙げる割り方

割って飲むときに度数がどうなるかは、上の式で自分で出せます。例えばマルティーニ ビアンコ15%を60ml使い、トニックウォーター120mlで満たしたなら、完成した180mlに含まれるアルコールは60×15÷100=9ml相当で、度数は5.00%になります。数字が出せると、もう一杯にするかどうかの判断がしやすくなります。

ベルモットを使う定番カクテルの公表分量

ベルモットを使うカクテルの道具
国際団体の公表分量を並べる

ベルモットの使い方をいちばん具体的に示しているのは、国際バーテンダー協会が公表しているレシピです。同協会のレシピはグラム数や度数を書かない代わりに、材料をミリリットルで書きます。公式カクテル102品を材料欄まで通して数えると、ベルモットを使うのは13品です。そのうち日本でよく名前を聞く6品を並べると、一杯に占める割合の幅がそのまま見えます。

国際バーテンダー協会の公式カクテルでベルモットを使う13品のうち代表的な6品
カクテル 協会の表記 ベルモットの量 ほかの材料 分量が確定する合計 ベルモットの割合
ドライ マティーニ Dry Vermouth 10ml ジン60ml 70ml 14.3%
マンハッタン Sweet Red Vermouth 20ml ライウイスキー50ml+アンゴスチュラビターズ1dash 70ml 28.6%
ネグローニ Sweet Red Vermouth 30ml ジン30ml+ビター カンパリ30ml 90ml 33.3%
アメリカーノ Sweet Red Vermouth 30ml ビター カンパリ30ml+ソーダを少量 分量が確定しない 算出できない
マルティネス Sweet Red Vermouth 45ml ロンドン ドライ ジン45ml+マラスキーノ ルクサルド1バースプーン+オレンジビターズ2dashes 90ml 50%
ブールヴァルディエ Sweet Red Vermouth 30ml バーボンまたはライウイスキー45ml+ビター カンパリ30ml 105ml 28.6%

割合は14.3%から50%まで開きます。ドライ マティーニのベルモットは全体の14.3%にすぎませんが、マルティネスでは半分がベルモットです。同じ材料でありながら、脇役から主役までを一人で担っていることになります。個別のカクテルはネグローニマンハッタンアメリカーノの各記事で、苦味を担うカンパリについては別記事で扱っています。

協会の用語は甘辛が軸で色は補助にとどまる

表の2列目に注目してください。13品の材料欄を通して見ると、同協会がベルモットを指すのに使っている語は4種類あります。

国際バーテンダー協会の公式カクテル102品の材料欄に現れるベルモットの語
協会の表記 使っている品数
Dry Vermouth 3品
Sweet Red Vermouth 7品
Sweet Vermouth 2品
Sweet Vermouth Cinzano Rosso 1品

4種類のうち3種類が甘口側で、辛口は「Dry Vermouth」のひとつだけです。色の語が入るのは甘口側の一部にとどまり、しかも1品では「Sweet Vermouth Cinzano Rosso」と銘柄名まで書き込まれています。つまり同協会の用語も、まず甘辛で分け、色や銘柄はそのうえに乗せる形になっています。種類の章で見た条文の設計と同じ順序です。

ベルモットと呼ばれずに指定されているものがある

ベルモットの周辺でよく混同されるのがリレです。国際バーテンダー協会のヴェスパーは、材料をジン45ml+ウォッカ15ml+リレ・ブラン7.5mlと書きます。注目したいのは銘柄名で書いていること自体ではなく(同協会は102品のうち42品で材料に銘柄名を書いています)、ベルモットという語をここでは使っていないことです。ヴェスパーの67.5mlのうちリレは11.1%で、ドライ マティーニのベルモットの割合よりさらに小さい量です。同協会はコープス・リバイバー2にもリレ・ブランを30mlで指定しています。

規則251/2014の条文に立ち返れば、ベルモットの販売名称を使うにはヨモギ属を用いていることが要件です。同協会がリレをベルモットと呼ばずに商品名で書いているのは、この区別と整合します。ただしリレ社の公式サイトは当方の環境からは取得できず(HTTP 403)、原材料の記載まで自分で確認できていません。本記事では「協会がベルモットとは書いていない」というところまでにとどめ、原材料についての断定は避けます。

ベルモットの選び方は甘辛と度数と容量で決まる

ベルモットの選び方を決める手がかり
甘辛の表記と度数の数字から選ぶ

選ぶときに見る場所は3つで足ります。甘辛の表記、度数、容量です。色の呼び方は条文の区分ではないので、判断の軸にはしにくい。順に整理します。

用途から甘辛を決める

上の表に挙げた6品のうち、辛口を使うのはドライ マティーニだけで、残る5品はすべて甘口の赤を使います(13品まで広げると辛口を使うのはドライ マティーニ・カルディナーレ・タキシードの3品です)。作りたいカクテルがマティーニ系ならドライ、ネグローニ・マンハッタン・アメリカーノ・マルティネス・ブールヴァルディエのどれかなら甘口の赤、という分け方でほとんど間に合います。そのまま飲むことが主目的なら、輸入元が筆頭にトニック割りを挙げているマルティーニの3銘柄が入り口として扱いやすいでしょう。

容量は開栓後に飲みきれる量で決める

公式スペックの容量を見ると、マルティーニの3銘柄はいずれも750ml、ノイリー・プラット ドライは1000mlと750ml、スイートは1000mlです。ベルモットはカクテル1杯に10mlから45mlしか使いません。協会のドライ マティーニなら1本750mlで75杯分になります。つまり容量の選択は「何杯作れるか」ではなく「どれだけの期間で飲み終えられるか」の問題です。

開栓後の保存で言えることと言えないこと

ベルモットの開栓後の保存方法
香草由来の香りが先に落ちる

ベルモットの保存については、輸入元の各商品ページに開栓後の扱いを指示する記載がありません。確認できるのは度数・純アルコール量・容量・品名・原産国までです。したがってここでは、条文と公表スペックから確実に言えることだけを整理します。

ベルモットと一般的なスティルワインの位置づけを4項目で比べた結果
項目 ベルモット 一般的なスティルワイン
香りの主役 ヨモギ属などの香草由来の成分 果実と樽由来の成分
公表されているアルコール分 15%から18%(輸入元5銘柄) ベルモットより低いのが一般的
EU条文上の位置づけ アロマタイズドワイン(規則251/2014) ぶどう酒(規則1308/2013)
日本の酒税法の品目 甘味果実酒 果実酒

度数が高いぶんワインより有利で、蒸留酒より不利

アルコール分は保存性に効きます。ベルモットの15%から18%は、一般的なスティルワインより高く、蒸留酒よりはるかに低い位置です。欧州連合の条文がアロマタイズドワインに求める実測アルコール分の下限が14.5%であることを踏まえると、ワインと同じ扱いでは強すぎ、ウイスキーと同じ扱いでは弱すぎる、という中間の性質になります。開けた後は冷やして置き、早めに使い切る前提で量を決めるのが素直です。

記載がないことと、してはいけないことは違う

ここで一つ、線を引いておきます。輸入元が開栓後の保存について書いていないのは、「どう置いてもよい」という意味でも「冷蔵しなければならない」という意味でもありません。単に公表されていないだけです。当店として言えるのは、度数と香りの構成から見て香草由来の香りが先に落ちやすいこと、そしてカクテル1杯の使用量が10mlから45mlと少ないため、開栓から飲みきりまでの期間が長くなりやすいことまでです。賞味期限や飲みきり期間の日数を数字で書いている一次資料は、今回の調査では見つかりませんでした。

ベルモットについてよくある質問

ベルモットについてよくある質問
疑問の整理

この記事で扱った内容から、質問の多い点をまとめました。

ベルモットとはどんなお酒ですか

ぶどうから造った酒にニガヨモギなどヨモギ属の香草の風味を付け、さらにアルコールを加えて仕上げた酒です。欧州連合の規則251/2014は、ベルモットを名乗る条件として「アルコールが加えられていること」と「特徴的な味わいがヨモギ属の適切な物質によって得られていること」の2つを挙げています。アロマタイズドワインの一種なので、実測アルコール分は14.5%以上22%未満の枠に入ります。

ベルモットのドライとスイートは何が違うのですか

欧州連合の規則251/2014 第6条は、販売名称に足せる語として糖分による5段階を定めています。‘extra-dry’は1リットルあたりの糖分が30グラム未満、‘dry’は50グラム未満、‘sweet’は130グラム以上です。違いは糖分であって度数ではありません。むしろ条文は‘extra-dry’と‘dry’についてだけ、総アルコール分の下限を17.5%から15%・16%へ引き下げる例外を置いています。

ロッソ・ビアンコ・ロゼは法律で決まった区分ですか

いいえ。規則251/2014の条文には、ロッソ・ビアンコ・ロゼという語がひとつも出てきません。条文が販売名称に足せると定めている語のうち、甘辛にあたるのは糖分の5段階で、色にあたる区分は置かれていません。色の呼び方は各社が自社商品を説明するために使っている表現で、同じ輸入元のなかでもマルティーニは色と甘辛を併記し、ノイリー・プラットは甘辛だけを書くという違いがあります。

ベルモットの度数はどのくらいですか

バカルディ ジャパンが輸入する5銘柄は15%から18%です。辛口のマルティーニ エキストラ・ドライとノイリー・プラット ドライがともに18%、ノイリー・プラット スイートが16%、マルティーニ ロッソとビアンコが15%です。欧州連合の規則251/2014はアロマタイズドワインの実測アルコール分を14.5%以上22%未満と定めているので、この枠の内側に収まります。

ベルモットのカロリーはどこで確認できますか

バカルディ ジャパンの5銘柄の商品ページには熱量の記載がありません。公表されているのは度数と、100mlあたりの純アルコール量までです。純アルコール量は「100(ml)×アルコール分(%)/100×0.8」という同社の注記どおりの式で計算されており、5銘柄すべてで公表値と式の値が一致します。飲んだ量に応じた純アルコール量はこの式で出せます。

辛口のベルモットなのに品名が甘味果実酒なのはなぜですか

酒税法第3条第14号の甘味果実酒は「次に掲げる酒類で果実酒以外のものをいう」と書かれた受け皿の品目で、条文に糖分の下限がありません。果実酒(第13号)でワインに浸せる植物は、酒税法施行令第7条第4項が「オーク(チップ状又は小片状のものに限る。)」の一語に限定しています。ニガヨモギなどの香草を浸すと果実酒の枠から外れ、甘味果実酒として扱われます。甘さとは無関係の分類です。

ベルモットはワインに香草を漬けただけのお酒ですか

いいえ。欧州連合の規則251/2014の附属書IIは、ベルモットについて「アルコールが加えられている(has been added)」と定めており、添加は任意ではありません。ただしアルコールの添加は附属書II A の6販売名称のうち4つで必須なので、ベルモットに固有の条件ではありません。ベルモットだけに課されているのは、特徴的な味わいをヨモギ属(Artemisia)の適切な物質で得ることです。香草が何でもよいわけではない、という点が要になります。

ベルモットはそのまま飲んでも大丈夫ですか

はい。バカルディ ジャパンはヴェルモットのカテゴリー解説で「欧米では食前酒として日常的に飲まれ、食欲増進の酒として愛されている」と書いており、単体で飲むことが本来の用途に近い形です。ただし度数は15%から18%で一般的なワインより高く、100mlあたりの純アルコール量は12.0gから14.4gです。小さめのグラスで少量ずつが扱いやすい量です。

リレはベルモットの一種ですか

国際バーテンダー協会はヴェスパーの材料に「リレ・ブラン」という商品名を書いており、ベルモットという語を使っていません。欧州連合の規則251/2014は、ベルモットの販売名称を使う要件としてヨモギ属(Artemisia)の使用を挙げているため、ヨモギ属を用いない製品はベルモットを名乗れません。ただしリレ社の公式サイトは当方の環境から取得できず、原材料の記載まで確認できていないため、本記事では「協会がベルモットとは書いていない」という事実までにとどめています。

ベルモットの開栓後はどのくらい持ちますか

輸入元の各商品ページに開栓後の保存や飲みきり期間の記載はなく、日数を示した一次資料は今回の調査では見つかりませんでした。確実に言えるのは、度数が15%から18%で一般的なスティルワインより高く蒸留酒よりは低いこと、そしてカクテル1杯の使用量が10mlから45mlと少ないため開栓期間が長くなりやすいことです。冷やして置き、早めに使い切れる容量を選ぶのが実際的です。

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