透き通った一杯にオリーブが沈み、グラスの脚がすっと立つ。バーのカウンターで誰かが「マティーニを」と頼む光景は、カクテルというものの象徴的なイメージそのものだ。ジンとドライベルモットだけで仕立てるこの辛口カクテルは「カクテルの王」と呼ばれ、シンプルゆえに作り手の技と素材の質がはっきり出る。この記事では、マティーニの基本レシピと度数、名前の由来、ドライからダーティ、ギブソン、ヴェスパーまでのバリエーション、そして味の決め手になるジンとベルモットの選び方を順に整理していく。自宅で一杯を組み立てるための具体的なコツまで通して読めば、最初の一本を選ぶ手がかりになるはずだ。
マティーニとは|カクテルの王と呼ばれる理由
マティーニは、ジンをドライベルモットで割り、オリーブやレモンピールを添えて仕上げる辛口のショートカクテルだ。材料はわずか二種類、そこに香りづけのガーニッシュが加わるだけという潔い構成でありながら、世界中のバーで別格の存在として扱われてきた。「カクテルの王」と称される理由は、そのシンプルさそのものにある。隠す甘みも割り材もないため、ジンの質、ベルモットとの比率、混ぜ方や温度といった一つひとつの判断が、そのまま一杯の出来に表れるからだ。
口に含むとまず冷たくキリッとしたジュニパーの香りが立ち、後からベルモットのハーブのニュアンスがふくらむ。甘さはほとんどなく、シャープでドライな飲み口が身上だ。だからこそ好みははっきり分かれるが、いったんその冷涼な辛口の魅力にはまる人は多い。映画や小説のなかで知的なキャラクターが好む一杯として描かれてきたのも、この研ぎ澄まされた印象ゆえだろう。まずは王道のジン・マティーニから、その世界に触れてみたい。
マティーニの基本レシピと作り方
マティーニの基本は、ジンとドライベルモットを冷やしてステアし、グラスに注ぐだけだ。比率に絶対の正解はないが、よく知られた目安としてジン3に対してドライベルモット1のあたりから始めると、味の組み立てを理解しやすい。ベルモットを減らすほど辛口(ドライ)になり、増やすほどまろやか(ウェット)になる。自分の好みの一杯を探す出発点として、まずは標準的な比率を体に覚えさせたい。
基本の手順
ミキシンググラスに氷をたっぷり入れ、軽くステアして角を取り、溶けた水を捨てる。そこへよく冷えたジンとドライベルモットを注ぎ、静かに十数回ステアして全体をなじませる。氷が入らないよう、あらかじめ冷やしておいたカクテルグラスへ注ぎ、最後にピックに刺したグリーンオリーブを沈めれば完成だ。レモンの皮を絞りかけて落とすと、また違う表情になる。手順は短いが、グラスもジンも冷やし込んでおくことが仕上がりを大きく左右する。
道具がそろわなくても、ミキシンググラスの代わりに口の広いグラス、バースプーンの代わりに細い柄のスプーンで代用できる。大切なのは、混ぜすぎて氷を溶かしすぎないこと、そして提供までの時間を短くすることだ。冷たさが命のカクテルなので、飲む直前に作るのが鉄則になる。次の比較表では、その出発点になるベースのジン選びを具体的に見ていこう。
マティーニのベースに使いたいジン30銘柄を比較
マティーニの味を最終的に決めるのはベースのジンだ。ジュニパーをきりっと効かせた英国の正統派ロンドンドライから、和素材を組み込んだ国産クラフト、地中海のハーブやブドウを使う個性派まで、選ぶ一本で香りの方向性は大きく変わる。下の比較表は、マティーニに向くジン30本を度数・タイプ・特徴で横断的に並べ、それぞれの香味の個性を比べられるようにまとめたものだ。度数の高さやタイプで絞り込み、辛口の正統派を狙うのか、香りの個性で遊ぶのかという軸で候補を見比べてほしい。価格欄の楽天・Amazonは2026年6月時点で流通している高値帯の参考値で、最安値を案内する一覧ではない。在庫状況もあわせて確認し、自分の一杯の出発点を選ぶ手がかりにしてほしい。リンクサス酒販の在庫品は表内のリンクから状態と最新の価格を確認できる。
| 画像 | 銘柄・スコア | 定価 市場相場 |
特徴 | リンクサス酒販 本命 |
Amazon | 楽天 | 買取 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位
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季の美 京都ドライジン 700ml 45% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
柚子・檜・山椒など和素材が香る京都産クラフトジン。繊細なマティーニに。 |
在庫切れリンクサス入荷通知 | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
2位
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サントリー ジャパニーズクラフトジン ROKU 六 700ml 47% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
桜花・煎茶・山椒など6種の和素材。47度の立体的な香味でマティーニ向き。 |
在庫切れリンクサス入荷通知 | 価格を見るAmazon | ¥3,850 楽天 | 査定 買取 | |
3位
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サントリー 六 ジン 1000ml 47% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
人気のROKUを家飲み向きの1Lで。和素材の香りでカクテルを華やかに。 |
在庫切れリンクサス入荷通知 | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
4位
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タンカレー ロンドンドライジン 750ml 47.3% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
バーの定番ロンドンドライ。キレのあるジュニパーが正統派マティーニを生む。 |
在庫切れリンクサス入荷通知 | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
5位
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コーヴァル ドライジン 500ml 47% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
シカゴ発のオーガニッククラフトジン。穀物由来の柔らかな甘みが個性。 |
在庫切れリンクサス入荷通知 | 価格を見るAmazon | ¥5,058 楽天 | 査定 買取 | |
| 6位 | ビーフィーター ロンドンドライジン 700ml 47% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
ロンドンで蒸留され続ける王道。柑橘の効いた辛口がマティーニの基準。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
7位
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ボンベイ・サファイア 750ml 47% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
10種ボタニカルを蒸気で抽出。華やかで軽やかなモダンマティーニに。 |
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| 8位 | ゴードン ロンドン ドライジン 700ml 43% ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
世界で愛される定番。ヴェスパー・マティーニのベースとしても知られる。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
9位
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タンカレー No.TEN 750ml 47.3% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
フレッシュな柑橘を加えた最上級ライン。香り高い贅沢なマティーニに。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥5,300 楽天 | 査定 買取 | |
10位
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プリマス ジン 700ml 41.2% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
産地呼称を持つ伝統ジン。まろやかで土の香りがクラシックに映える。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥2,302 楽天 | 査定 買取 | |
11位
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ヘンドリックス ジン 700ml 41.4% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
バラとキュウリで香り付けした個性派。華やかなアレンジマティーニ向き。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥4,158 楽天 | 査定 買取 | |
12位
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ザ・ボタニスト アイラドライジン 700ml 46% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
アイラ島の22種野生ボタニカル。複雑で奥行きあるマティーニを生む。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥4,480 楽天 | 査定 買取 | |
| 13位 | モンキー47 シュヴァルツヴァルト ドライジン 500ml 47% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
黒い森の47種ボタニカル。圧倒的な複雑さでプレミアムマティーニに。 |
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14位
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シップスミス ロンドンドライジン 700ml 41.6% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
ロンドンのクラフト復興を牽引した小規模蒸留。端正で正統な味わい。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥4,400 楽天 | 査定 買取 | |
15位
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ジン マーレ 700ml 42.7% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
オリーブ・ローズマリー・バジルが香る地中海ジン。ダーティマティーニに最適。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥4,400 楽天 | 査定 買取 | |
16位
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No.3 ロンドンドライジン 700ml 46% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
ロンドンの老舗酒商が手がける王道。ジュニパー主体でマティーニの理想形。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥5,120 楽天 | 査定 買取 | |
| 17位 | シタデル ジン オリジナル 700ml 44% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
コニャック地方発の19種ボタニカル。華やかで滑らかなフレンチジン。 |
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18位
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マーティンミラーズ ジン 700ml 40% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
蒸留後にアイスランドの水で加水。クリーンでなめらかな口当たり。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥7,003 楽天 | 査定 買取 | |
| 19位 | フォーピラーズ レアドライジン 700ml 41.8% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
豪州を代表するクラフトジン。シトラスとスパイスのモダンな香味。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
20位
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ノルデス アトランティック ガリシアン ジン 700ml 40% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
スペイン産ブドウベースに11種ボタニカル。フローラルで優しい味わい。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥5,280 楽天 | 査定 買取 | |
| 21位 | ブードルス ブリティッシュ ジン 700ml 40% ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
柑橘を使わずハーブとスパイスで構成。マティーニで本領を発揮する辛口。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
| 22位 | スター・オブ・ボンベイ 700ml 47.5% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
ボンベイの上級版。ベルガモットとアンブレットシードで濃密な香り。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
| 23位 | アヴィエーション アメリカン ジン 700ml 42% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
ジュニパー控えめのアメリカンスタイル。ラベンダーが香る滑らかな味。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
24位
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サントリー ジン 翠 SUI 700ml 40% ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
柚子・緑茶・生姜の和素材。手頃で飲みやすい国産デイリージン。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
25位
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桜尾 ジン オリジナル 700ml 47% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
広島産17種ボタニカルのクラフトジン。柑橘と牡蠣殻由来の塩味が個性。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥2,020 楽天 | 査定 買取 | |
26位
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ニッカ カフェジン 700ml 47% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
カフェ式蒸留器が生む国産ジン。和柑橘と山椒の華やかな香り。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥4,196 楽天 | 査定 買取 | |
| 27位 | 和美人 クラフトジン 700ml 45% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
鹿児島の本格焼酎蔵が造る和ジン。九州の柑橘と生姜が香る。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 | |
28位
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マルフィ ジン コン リモーネ 700ml 41% ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
アマルフィ産レモンを使うイタリアジン。明るい柑橘でカジュアルに。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥4,980 楽天 | 査定 買取 | |
29位
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ジーヴァイン フロレゾン 700ml 40% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
ブドウベースにブドウ花を加えたフレンチジン。フローラルで滑らか。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | ¥4,675 楽天 | 査定 買取 | |
| 30位 | オックスレー クラシック イングリッシュ ドライジン 700ml 47% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
氷点下の真空蒸留で香りを保った革新派。新鮮な柑橘香でマティーニに。 |
LINXASで探すコレクション | 価格を見るAmazon | 楽天で探す 商品名検索 | 査定 買取 |
価格は各モールの実勢(2026年6月時点)で、ジンはいずれもオープン価格のためメーカー定価は掲載していません。楽天/Amazon価格は同一品が見つからない場合は空欄になります。在庫・価格は変動するため、最新情報は各リンク先でご確認ください。最安値を保証する一覧ではありません。
関連商品ラインナップ
リンクサス酒販の在庫から、マティーニのベースに使いたいジンをまとめて掲載する。各カードから商品ページへ進むと、度数や容量、付属品の有無、価格、在庫状況を確認できる。正統派のロンドンドライを選べば王道の辛口に、和素材のクラフトジンを選べば香りに個性が宿る。一本の違いがそのまま一杯の表情に直結するのが、マティーニというカクテルの面白さだ。
掲載しているのは、ジュニパーの芯が通った王道タイプ、柚子や山椒を効かせた国産クラフト、穀物由来の甘みをまとうアメリカンスタイルといった観点で選んだ銘柄だ。気になる一本が品切れの場合でも、近い香味の銘柄をカード経由でたどれる。状態の良いボトルや人気の銘柄は早く動くため、迷ったら早めに押さえておきたい。
マティーニの度数とアルコールの強さ
マティーニはカクテルのなかでもかなり度数が高い部類に入る。一般的な仕上がりで30%前後から、辛口に振れば35%を超えることもある。ベースになるジンが40%以上、ドライベルモットも15%前後あり、そこへ氷で溶けた水分が少し加わるだけなので、ビールやサワーの感覚で飲むと一気に酔いが回る。見た目は涼しげで量も多くないが、中身は紛れもなく強い酒だと意識しておきたい。
度数を左右するのはジンとベルモットの比率と、ステアによる加水の度合いだ。ベルモットを減らしてドライに振るほどアルコールは強くなり、しっかり混ぜて氷を溶かすほど度数はわずかに下がる。強さが気になるなら、ベルモットをやや多めにしたウェットマティーニから入るとよい。量を重ねる席では、水やソーダをチェイサーとして添えると体への負担を抑えられる。小さな一杯でも油断せず、自分のペースを保つことが大切になる。
マティーニの名前の由来と歴史
マティーニという名の由来には複数の説があり、はっきりとは特定されていない。よく語られるのが、ニューヨークのホテルで働いていた「マルティーニ」というバーテンダーが考案したという説だ。もう一つ有力なのが、イタリアの酒造メーカーであるマルティーニ社が、自社のベルモットを使ったカクテルとして広めたことから社名が呼び名になったという説である。いずれも決め手を欠くが、19世紀後半のアメリカで原型が生まれたという点では多くの記述が一致している。
初期のマティーニは、今よりずっとベルモットの比率が高い甘口寄りのレシピだったとされる。時代が下るにつれてベルモットは減り、ジンの比率が高い辛口へと洗練されていった。20世紀には極端にベルモットを抑えた「エクストラドライ」が流行し、ベルモットをグラスに塗るだけといった逸話まで生まれた。こうしてマティーニは、時代ごとの嗜好を映しながら「より辛口に」という方向へ進化してきたのだ。
マティーニのバリエーション
マティーニは基本がシンプルなぶん、少しの工夫で表情が大きく変わる。ベルモットの量、ベースの酒、ガーニッシュを変えるだけで別物のように感じられるのが奥深さだ。代表的なバリエーションを下の表に整理した。
| 名前 | 特徴 |
|---|---|
| ドライ・マティーニ | ドライベルモットを少なめにした辛口。現在もっとも一般的なスタイルで、ジンの個性が前に出る。 |
| ウェット・マティーニ | ベルモットを多めにしたまろやかな仕立て。ハーブの香りがふくらみ、初めての人にも飲みやすい。 |
| ダーティ・マティーニ | オリーブの漬け汁を加えたもの。液色がわずかに濁り、塩気とコクが加わる。 |
| ギブソン | オリーブの代わりにカクテルオニオン(小さな酢漬け玉ねぎ)を飾る。見た目はマティーニとほぼ同じ。 |
| ウォッカ・マティーニ | ジンの代わりにウォッカを使う。別名カンガルー。クセが少なく澄んだ味わい。 |
| ヴェスパー | ジンとウォッカを併用し、ベルモットの代わりにリレ・ブランを使う。レモンピールを添える。 |
ギブソンとの違いはガーニッシュにある
ギブソンはレシピそのものはマティーニとほぼ同じで、決定的な違いはガーニッシュだ。オリーブを沈める代わりに、酢漬けの小さな玉ねぎ(カクテルオニオン)を飾る。たったそれだけの違いで、玉ねぎがもたらす穏やかな酸味と香りが加わり、印象は意外なほど変わる。バーで頼むと一見そっくりだが、ピックに刺さっているのが緑のオリーブか白い玉ねぎかで見分けられる。
ヴェスパーは小説生まれの特別な一杯
ヴェスパーは、小説『007』シリーズでジェームズ・ボンドが注文したことで知られるマティーニの派生だ。ジンとウォッカを両方使い、ベルモットの代わりにリレ・ブランという香り付けのアペリティフワインを加え、レモンピールを飾る。原作では「シェイクして」と指定される点も特徴で、一般的なマティーニがステアで作られるのとは対照的だ。物語が生んだこの一杯は、今も世界中のバーで愛され続けている。
ベースのジンとベルモットの選び方
マティーニの味は、ジンとベルモットという二つの素材の掛け合わせで決まる。どちらを選ぶかで、同じ作り方でもまったく違う一杯になる。それぞれの選び方の勘どころを押さえておきたい。
ジンは香りの方向性で選ぶ
王道の辛口を目指すなら、ジュニパーをしっかり効かせたロンドンドライジンが間違いない。タンカレーやビーフィーター、No.3といった銘柄は、マティーニの基準とも言える明快な辛口を生む。一方、香りで遊びたいなら、和素材を使った季の美やROKU、ハーブが香るジン マーレ、フローラルなヘンドリックスなど個性派を選ぶと、一杯に独自の表情が宿る。初めての一本には扱いやすいロンドンドライを、慣れてきたら個性派へと広げていくのがおすすめだ。
ベルモットは鮮度が命
見落とされがちだが、ドライベルモットの状態はマティーニの質を大きく左右する。ベルモットは酒精強化ワインの一種で、開栓後は酸化が進み、香りが鈍く平板になっていく。少量しか使わないからと常温で長く置いたものを使うと、せっかくのジンの香りが死んでしまう。開栓後は冷蔵庫で保管し、数週間から一か月を目安に使い切るのが理想だ。ノイリー・プラットやマルティーニ・エクストラドライなどの定番を、小まめに新しくして使いたい。
オリーブとレモンピールの選び方
マティーニの仕上げを担うガーニッシュは、単なる飾りではなく香りと味を決める重要な要素だ。定番はグリーンオリーブとレモンピールの二択で、どちらを選ぶかで一杯の方向性が変わる。好みや合わせる料理に応じて使い分けたい。
| ガーニッシュ | もたらす風味と向いている場面 |
|---|---|
| グリーンオリーブ | 塩気とコクを添え、飲みごたえが増す。食事と合わせる一杯や、しっかりした味わいを求めるときに。 |
| レモンピール | 皮を絞って柑橘の香りを移す。爽やかで軽やかになり、ジンの香りを引き立てたいときに向く。 |
| カクテルオニオン | 酢漬け玉ねぎの穏やかな酸味が加わる。これを使うとギブソンと呼ばれる別の一杯になる。 |
オリーブを使うなら、種抜きで塩気の穏やかなものを選ぶと味のバランスを崩しにくい。レモンピールは、皮の表面の油分を飲み口側に向けて軽く絞り、香りを移してからグラスに落とす。白いワタの部分は苦味が出るので避けたい。小さな選択だが、ここが一杯全体の印象を最後に整えてくれる。
ステアとシェイクの違い
マティーニは原則としてステア、つまりミキシンググラスのなかで静かに混ぜて作る。シェイカーで激しく振るシェイクと混ぜるステアでは、仕上がりがはっきり変わるからだ。透明感のある澄んだ一杯を目指すなら、ステアが基本になる。
シェイクは空気を含ませて細かな気泡を作り、口当たりをまろやかにする技法だが、液体が白く濁り、わずかに薄まる。一方ステアは、必要以上に加水せず、ジンの澄んだ香りとシャープな飲み口をそのまま生かす。だからこそ正統派のマティーニはステアで仕立てるのが定石とされてきた。ただし例外もあり、前述のヴェスパーのように、あえてシェイクで作るレシピも存在する。技法に唯一の正解はなく、狙う味によって選ぶものだと考えるとよい。
家庭で作るときは、混ぜすぎないことだけ意識すれば十分だ。氷を入れたグラスのなかでバースプーンを壁づたいに十数回ほど回し、全体が十分に冷えたら止める。長く混ぜるほど水っぽくなるため、短く手早くが合言葉になる。冷たさとキレを両立させる感覚が、回数を重ねるうちに自然とつかめてくるはずだ。
自宅でマティーニを楽しむコツ
マティーニはバーで味わう特別な一杯という印象が強いが、道具と素材がそろえば自宅でも十分に楽しめる。むしろ自分の好みの比率を探れるのは家飲みならではの醍醐味だ。最初に用意したいのは、ベースのジン、ドライベルモット、グリーンオリーブかレモン、そしてよく冷えたカクテルグラスである。
仕上がりを左右する最大のポイントは、とにかく冷やすことだ。ジンを冷凍庫で、グラスを冷蔵庫であらかじめ冷やしておくと、氷で薄めすぎずにキリッとした一杯になる。比率はジン3対ベルモット1を出発点に、辛口が好きならベルモットを減らし、まろやかさが欲しければ増やすと、自分の黄金比が見つかる。少量のベルモットの差で印象が変わるので、計量カップやジガーがあると再現性が高まる。
そろえたジンは、マティーニ以外にもジントニックやジンソーダなど幅広いカクテルに使い回せる。まずは飲みやすい銘柄から始め、慣れてきたら香りの個性が強い一本へと広げていくと、家飲みの世界が一気に広がる。気に入った一杯を自分の手で再現できるようになれば、お酒の時間はぐっと豊かになるはずだ。
飲まないお酒の査定・買取はリンクサスへ
マティーニのベースを探すうちに、ジンやベルモット、関連するスピリッツのボトルは少しずつ手元に増えていきやすい。試したものの好みに合わなかった一本や、贈り物でもらったまま眠っているボトルがあれば、状態の良いうちに査定に出すという選択肢もある。リンクサス酒販の買取窓口では、銘柄や度数、付属品の有無を見極めたうえで評価を付けている。
査定は写真送付による事前見積、宅配買取、出張買取の三つの方法を用意している。複数本まとめての依頼は一本ずつより評価が安定しやすく、コレクション整理の場面でも扱いやすい。査定・買取の窓口は リンクサス ブランデー・洋酒買取 / ウイスキー買取 / 日本酒買取 / 焼酎買取 を利用できる。販売側の在庫は リンクサス酒販トップ から確認できる。お酒に関する基礎情報は 国税庁の酒類に関する情報 も参考になる。
よくある質問
マティーニはどんなお酒ですか?
ジンをドライベルモットで割り、オリーブやレモンピールを添えて仕上げる辛口のショートカクテルです。材料が少なくシンプルなぶん、ジンの質や混ぜ方、温度がそのまま味に出るため「カクテルの王」と呼ばれます。甘さはほとんどなく、冷たくシャープな飲み口が身上です。
マティーニの度数はどのくらいですか?
仕上がりで30%前後、辛口に振ると35%を超えることもあります。ベースのジンが40%以上、ドライベルモットも15%前後あり、氷で溶ける水分が少し加わる程度なので、見た目の涼しさに反してかなり強いお酒です。量を重ねる席では水やソーダを添えると負担を抑えられます。
マティーニの「ドライ」とは何ですか?
ドライベルモットの量を少なくした辛口の仕立てを指します。ベルモットを減らすほどジンの個性が前に出て、シャープで辛口になります。逆にベルモットを多めにするとまろやかなウェットになります。現在もっとも一般的なのはドライ・マティーニです。
マティーニとギブソンの違いは何ですか?
レシピはほぼ同じで、違いはガーニッシュにあります。マティーニがグリーンオリーブやレモンピールを添えるのに対し、ギブソンは酢漬けの小さな玉ねぎ(カクテルオニオン)を飾ります。玉ねぎの穏やかな酸味が加わり、見た目はそっくりでも印象が変わります。
ウォッカマティーニと普通のマティーニの違いは何ですか?
ベースの酒が異なります。一般的なマティーニがジンを使うのに対し、ウォッカマティーニはジンの代わりにウォッカを使い、別名カンガルーとも呼ばれます。ウォッカはクセが少ないため、より澄んでクリアな味わいになります。小説『007』のヴェスパーはジンとウォッカを併用する派生です。
自宅でマティーニを作るには何が必要ですか?
ベースのジン、ドライベルモット、グリーンオリーブかレモン、そしてよく冷えたカクテルグラスがあれば作れます。ミキシンググラスとバースプーンがあると本格的ですが、口の広いグラスと細い柄のスプーンでも代用できます。ジンとグラスをよく冷やし、混ぜすぎないことが仕上がりのコツです。
最終更新:(リンクサス酒販 鑑定士チーム監修)
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