ペトリュスのワイン価格はいくら?ポムロールの当たり年と定価
ペトリュスの値段を調べると、数十万円という数字と数百万円という数字が同じ画面に並びます。どちらも間違いではありません。この銘柄には公表された定価が存在せず、目にする金額はすべて二次流通の実勢だからです。そこでこの記事は、値段そのものより先に「値段が決まる仕組み」を、産地の法令と産地団体の公表数値という2つの一次資料から組み立て直しました。ポムロールという産地が条文でどう定義され、なぜ格付けを持たないのかが分かると、相場表の読み方も、偽物を避ける手順も、査定に出すときの勘所も一本の線でつながります。
この記事が出典にした一次資料
産地の生産条件はAOC ポムロール条件書(2021年10月12日のアレテで確定・2021年10月20日官報・2021年10月21日 農業省公報)から引用しました。同じ内容を、確定前の手続版であるAOC ポムロール条件書(2021年6月2日の全国委員会意見にもとづく全国異議申立手続版)とも項目ごとに突き合わせています。産地の面積・生産者数・品種比率はボルドーワイン委員会 AOP ポムロールから、格付けの掲載銘柄は1855年格付け公式団体 掲載銘柄一覧から、比較対象として左岸の条件をAOC マルゴー条件書(2023年3月31日のアレテで確定・2023年4月5日官報)から取りました。相場に関する記述は2026年7月時点の実勢を目安としたもので、法令にもとづく数値とは出所が異なります。
シャトー・ペトリュスとはどんなワインなのか

シャトー・ペトリュスは、フランス南西部ボルドーの右岸、ポムロールという産地で造られる赤ワインです。メルローを軸にした濃密な味わいと、世界的にごく限られた流通量で知られています。ただし、この銘柄について公開されている一次情報は驚くほど少なく、畑の面積も年間生産本数も作付比率も、造り手自身は数字を公表していません。そのため、まず確かめられるのは「ペトリュスがどんな産地の中にあるか」のほうです。
ポムロールという産地の公式データ
ボルドーワイン委員会のAOP ポムロールのページと、産地の生産者組合であるポムロール生産者組合のテロワールのページには、産地の規模が同じ数字で書かれています。栽培面積は813 ヘクタール、組合側の表現では申告所有者が138 。ボルドー全体に占める割合は0.7 パーセントで、委員会は「ボルドーでもっとも小さい生産地域のひとつ」と述べ、組合はこれがボルドーのブドウ畑の面積に対する割合だと明記しています。その0.7 パーセントから逆算すると、ボルドーの栽培面積はおよそ116,000 ヘクタールという規模になり、ポムロールがその中でどれほど小さな一角なのかが見えてきます。
面積を生産者の数で割ると、1生産者あたりおよそ5.9 ヘクタールです。これは偶然ではありません。条件書の本文には、2009 年時点の統計として「140 の経営体があり、平均面積は6ヘクタール、産地は800 ヘクタールを覆い、年平均の生産量は35,000 ヘクトリットル」という記述があります。こちらの数字で割ると1経営体あたり約5.7 ヘクタール。発表した主体も、集計した時点も違う2つの資料が、どちらも約6ヘクタールという同じ規模に落ち着きます。ポムロールが「小さな畑を持つ生産者の集まり」であることは、感想ではなく、独立した2系統の公表値から確かめられる事実です。
もうひとつ、この統計から読み取れることがあります。年平均35,000 ヘクトリットルを800 ヘクタールで割ると1ヘクタールあたり43.75 ヘクトリットル。条件書が定める基準収量49 ヘクトリットルの約89.3 パーセント、上限として置かれたブトワール60 ヘクトリットルの約72.9 パーセントにとどまります。生産者組合はこれとは別に、組合のAOC紹介ページ に実績生産量として2011年33,580 ヘクトリットル、2010年30,100 ヘクトリットルを載せています。813 ヘクタールで割ると41.30 ヘクトリットルと37.02 ヘクトリットル。年も出所も違う3つの数字が、どれも基準収量49 ヘクトリットルの内側に収まります。産地全体の実績が、法令の上限にぶつかる手前で自然に落ち着いているということです。
名前の由来と1761年の調書
ペトリュスという名は、ラテン語で聖ペテロを指す語に由来すると広く説明されます。ただし、この由来を確かめられる公的な資料は見つけられませんでした。いっぽうで、ポムロールという産地そのものの来歴なら、条件書の「地理的区域とのつながり」の章にかなり詳しく書かれています。ローマ時代に高原を2本の古道が横切っていたこと、12世紀に聖ヨハネ騎士修道会の司令部がポムロール地方で初めて置かれたこと、その施療院がサンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼の宿駅で、ワインが巡礼者を元気づけていたことまでが条文の一部として記されています。
この章でとくに目を引くのが、1761年5月7日に作られた1通の調書です。リブルヌの商人ルイ・レオナール・フォントモワンの求めで作成されたもので、彼のポムロールの畑が白ブドウから8年かけて黒ブドウへ植え替えられたこと、その品種がノワール・ド・プレサック(コット)、ブーシェ(カベルネ・フラン)、メルローだったことを記録しています。条文はこの文書について、アンリ・アンジャルベール教授の1983年の著書から「これほど古く、これほど正確な文書は、この件についてはボルドー地方に存在しない」という評価を引いています。原文はこのあとに「ポムロールとは、私が想像しようともしなかった気高さである」と続きます。メルローが産地の主役になったのはもっと後の19世紀末、フィロキセラ禍のあとの植え替えのときで、接ぎ木によって生産が安定し、ポムロールの土壌によく合ったからだと条文は説明しています。
ペトリュスの値段と価格相場をどう読むか

ペトリュスの価格を語るときに最初に押さえておきたいのは、比べている対象が「メーカーが決めた売値」ではないという点です。国産のウイスキーや日本酒なら、造り手が希望小売価格を公表しているので、定価と実勢を並べて「どれだけプレミアが付いているか」を測れます。ペトリュスにはその基準線がありません。
定価が存在しない理由
ペトリュスは希望小売価格を公表していません。ネゴシアンと呼ばれる仲介業者への出荷価格は存在しますが、そこから先の販売価格は各流通段階と二次流通市場の需給で決まります。そのため本記事に出てくる金額はすべて実勢価格であり、定価ではありません。これは高級ボルドー全般に共通する事情で、シャンパーニュやコニャックでも同じことが起きます。「定価の何倍」という言い方が成り立たない銘柄がある、と理解しておくと比較表の読み方を間違えずに済みます。ワイン全般の値付けの考え方はワインの当たり年 ヴィンテージチャート早見表でも整理しています。
相場を動かす4つの要因
実勢が動く要因は、大きく4つに整理できます。
1つめは産地の小ささです。前章のとおりポムロールは813 ヘクタール、生産者138 人、ボルドー全体の0.7 パーセントしかありません。その中の1軒が造る量となれば、世界の需要に対して桁が違います。
2つめは条件書が課している収量の上限です。AOC ポムロールの基準収量は1ヘクタールあたり49 ヘクトリットル、ブトワールでも60 ヘクトリットルまでと決まっています。区画平均の最大収穫量も1ヘクタールあたり8,000 キログラムが上限で、灌漑した区画では5,500 キログラムまで下がります。「たくさん採れた年にたくさん売る」ということが制度としてできません。
3つめは出荷までの時間です。AOC ポムロールでは、消費者に向けた出荷が始められるのは収穫翌年の11月15日から と条文で決まっています。左岸のAOC マルゴーが収穫翌年の9月1日から であることと比べると、2か月以上あとです。収穫から店頭に並ぶまでが構造的に長い産地だということになります。
4つめは投資対象としての需要です。ここだけは公的な資料で裏づけられない領域なので、断定は避けます。確かなのは、上の3つが供給側を細くしている一方で、需要側には飲むためではない買い手も含まれている、というところまでです。
当たり年ヴィンテージ別の市場相場一覧

同じペトリュスでも、ヴィンテージによって市場での扱われ方はまったく違います。下の一覧では、伝説的とされる1961年から比較的手が届く年まで、さらに同じポムロールのル・パンとヴュー・シャトー・セルタンを並べて横断比較できます。価格は2026年7月時点の実勢を目安にしたもので、いずれの銘柄も定価は公表されていません。
「ペトリュスのワイン価格はいくら?ポムロールの当たり年と定価」に関連するおすすめ商品
ここではボルドーワインの在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。
| 画像 | 銘柄・スコア | 定価 市場相場 |
特徴 | リンクサス酒販 本命 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位伝説・最希少
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シャトー・ペトリュス 1961 750ml ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約300万円〜(定価非公開) |
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ロバート・パーカー100点・「不死身のワイン」と評された史上最高評価。 |
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| 2位当たり年・最希少 | シャトー・ペトリュス 1982 750ml ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約80万円〜(定価非公開) |
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20世紀を代表する偉大なボルドー当たり年の一つ。 |
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3位当たり年・希少
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シャトー・ペトリュス 1989 750ml ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約60万円〜(定価非公開) |
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1989・1990の連続グレートヴィンテージの一角。 |
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4位当たり年・希少
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シャトー・ペトリュス 1990 750ml ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約65万円〜(定価非公開) |
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豊作かつ高品質で知られる伝説的当たり年。 |
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5位希少
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シャトー・ペトリュス 1994 750ml ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約35万円〜(定価非公開) |
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芸能人格付けチェックでも話題。完璧に熟成した1本。 |
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6位当たり年・最希少
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シャトー・ペトリュス 2000 750ml ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約70万円〜(定価非公開) |
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ミレニアムを飾る記念碑的グレートヴィンテージ。 |
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| 7位希少 | シャトー・ペトリュス 2008 750ml ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約45万円〜(定価非公開) |
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パーカーポイント97点。最大30年の熟成ポテンシャル。 |
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8位当たり年・最希少
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シャトー・ペトリュス 2009 750ml ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約60万円〜(定価非公開) |
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ロバート・パーカー100点。近年屈指の評価。 |
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9位当たり年・最希少
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シャトー・ペトリュス 2016 750ml ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約50万円〜(定価非公開) |
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ワインアドヴォケイト100点満点。近年稀に見る出来栄え。 |
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| 10位希少 | シャトー・ペトリュス 2017 750ml ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約40万円〜(定価非公開) |
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ワインアドヴォケイト98点。卓越したメルロの独奏。 |
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11位カルト・最希少
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ル・パン 2015 750ml ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約50万円〜(定価非公開) |
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ペトリュスと並ぶポムロールの『ガレージワイン』最高峰。 |
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12位名門・好CP
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ヴュー・シャトー・セルタン 2016 750ml ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
市場相場 約4万円〜(定価非公開) |
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ペトリュスの隣接畑。ポムロールを代表する名門。 |
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| 13位名門 | シャトー・トロタノワ 750ml ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
定価は公表されていません |
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ムエックス公式のポムロール一覧に掲載。 |
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| 14位名門 | シャトー・ラ・フルール・ペトリュス 750ml ★★★★★5/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
定価は公表されていません |
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名前が似ているだけの別銘柄。取り違えに注意。 |
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| 15位希少 | シャトー・オザンナ 750ml ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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ムエックス公式のポムロール一覧に掲載。 |
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| 16位名門 | シャトー・ラトゥール・ア・ポムロール 750ml ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
定価は公表されていません |
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左岸のラトゥールとは別のシャトー。 |
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| 17位好バランス | シャトー・ラ・グラーヴ 750ml ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
定価は公表されていません |
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| 18位好バランス | シャトー・ラフルール゠ガザン 750ml ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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ムエックス公式のポムロール一覧に掲載。 |
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| 19位名門 | シャトー・セルタン・ド・メイ 750ml ★★★★☆4/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
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| 20位入門向け | シャトー・ブルグヌフ 750ml ★★★☆☆3/ J.S.A.認定ソムリエスコア |
定価は公表されていません |
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ムエックス公式の取扱銘柄一覧に掲載。 |
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この表には定価の欄に入れる公表値が存在しないため、価格順の並べ替えと価格帯の絞り込みは働きません。各行に出ている金額は市場相場の目安であり、絞り込み機能が読む値とは別のものです。楽天とAmazonの列は銘柄名での検索結果へ飛ぶリンクで、特定の出品を指すものではありません。ヴィンテージと容量、出品者の情報は必ずリンク先でご確認ください。ポムロールの銘柄は、ボルドーワイン委員会の公表値で産地全体が813ヘクタール・生産者138人と小規模なため、年によって流通の有無が大きく変わります。
表の読み方について
この表には定価の欄に入れる公表値が存在しないため、価格順の並べ替えと価格帯の絞り込みは働きません。各行に出ている金額は市場相場の目安で、絞り込み機能が読む値とは別のものです。楽天とAmazonの列は銘柄名での検索結果へ飛ぶリンクです。ヴィンテージと容量、出品者の情報は必ずリンク先でご確認ください。
当たり年の見方とヴィンテージ表記の読み方

ワインのラベルに書かれた西暦は、瓶詰めした年でも発売した年でもなく、ブドウを収穫した年です。「シャトー・ペトリュス 1989年」と書かれていれば、1989年に穫れたブドウで仕込まれたワインという意味になります。熟成を経て市場に出るのはその数年後です。この前提を取り違えると、「1989年のワインなのに1990年代に売られていた」といった話が混乱のもとになります。
ペトリュスの主な当たり年
市場で高い評価を受けてきた年としてよく挙がるのは、1961年、1982年、1989年、1990年、2000年、2009年、2016年あたりです。とくに1961年は評論家の満点評価が広く知られ、相場も別格の水準にあります。ただし、これらの評価はいずれも民間の評論誌やインポーターが独自に編集したもので、産地の公的機関が出した順位ではありません。日本の主要インポーター2社が公開しているヴィンテージチャートも、同じ産地・同じ年について評価が食い違うことがあります。詳しい突き合わせはヴィンテージチャートの読み分けにまとめました。
産地の公式は順位表を作らないが年ごとの評価は出している
ここは誤解されやすいところなので、産地公式の立場を順に書いておきます。まずヴィンテージのページでボルドーワイン委員会は、年ごとに順位を付けたり優劣を判定したりすることを目的にしていないと述べ、本当に悪い年というものは存在せず、あるのは違う年だけだという趣旨の説明をしています。ただしこれは順位表を作らないという意味であって、年ごとの評価を出さないという意味ではありません。同じ委員会は個別のヴィンテージのページを持ち、生産者組合も組合のヴィンテージのページで年ごとに寸評と等級語を公表しています。2010年と2009年と2005年には「傑出したヴィンテージ」、2008年には「ボルドーの古典的なヴィンテージ」、2002年には「より繊細で軽いがバランスのよいヴィンテージ」といった具合です。
そのうえで委員会のポムロールのページは、この産地における銘柄の序列は主にその評判と販売価格から読み取られると書いています。産地側が持っているのは年ごとの評価までで、シャトーの序列のほうは作っていない。この2つを分けて見ると、市場に出回っている順位づけが何を根拠にしているのかが整理しやすくなります。
同じページには、ポムロールの味わいの傾向も書かれています。香りにはトリュフとスミレ、赤い小果実。樽での熟成は12 か月から18 か月。本領を発揮させるには5 年から15 年の熟成が向くとされています。飲み頃を考えるときの目安に、評論家の点数より先にこちらを見るほうが実用的です。
格付けがないのに最高峰と呼ばれる理由

「ペトリュスは格付けがないのに最高峰」という説明はよく見かけますが、その「格付けがない」を確かめた記事はあまりありません。ここでは、格付けを運営している当事者が公開している一覧そのものに当たってみます。
1855年格付けの公式一覧にポムロールは1件もない
1855年のボルドー格付けを管理しているのは、公式団体であるコンセイユ・デ・グラン・クリュ・クラッセ・アン1855です。この団体が公開している掲載銘柄の一覧を機械的に走査すると、ポムロールという語も、ペトリュスという語も1件も出てきません。ついでに言えば、サンテミリオンも同じ一覧に1件も載っていません。一覧の表題は「1855年のメドック格付シャトー」で、載っているのはメドックの各アペラシオンと、産地欄がペサックと記された1軒、そしてソーテルヌとバルサックの甘口白です。「1855年格付け=ボルドーの格付け」と思っていると取り違えますが、実際には右岸はこの制度の対象外です。サンテミリオンには別の制度として独自の格付けがあり、ポムロールにはそれもありません。
この確認のしかたには意味があります。「格付けに入っていない」というのは否定形の主張なので、記事や書籍を何冊読んでも証明できません。制度を運営している当事者が公開している名簿を全件見て、そこに名前が無いことを確かめる方法でしか裏は取れないからです。1855年格付けの実数や改訂の履歴については五大シャトーの覚え方と序列で詳しく扱っています。
サンテミリオンとの違いを産地公式はこう書く
では、格付けが無いことを産地側はどう説明しているのでしょうか。ボルドーワイン委員会のポムロール紹介ページには、知っておくべき3つの話題のひとつに、サンテミリオンとは違い、この産地は一度も公式な格付けを定めたことがないという一文があり、そのうえで、ここでの序列は主にその評判と販売価格から読み取られる、と続きます。格付けが無いことは欠落ではなく、産地の説明としてそのまま書かれているわけです。
さらに強い言い方をしているのが、産地の生産者組合です。組合のAOC紹介ページにはポムロールは格付けを設けることをつねに拒んできたという一文があり、その直前に「もうひとつの特色」という語が置かれています。「定めたことがない」ではなく「拒んできた」。格付けの不在が結果ではなく選択だったことは、この組合の一文で初めてはっきりします。
なお、産地の名を広める役割を担っているのはオスピタリエ・ド・ポムロールというワインの同業団体(コンフレリー)で、その名が12世紀にエルサレムの聖ヨハネ騎士修道会が設けた施療院に由来することも委員会のページに書かれています。条件書のほうにも同じ修道会が出てきますが、こちらは司令部と巡礼路という角度からで、委員会が書いている同業団体とは組織が別です。ローマ人による植えつけ、聖ヨハネ騎士修道会、コンポステーラ巡礼、フィロキセラ、コレーズからの移民という筋書き自体は、条件書と委員会のどちらにも共通して出てきます。
ポムロールの畑と造りをAOCの条文から読む

格付けが無いかわりに、ポムロールを名乗るための条件は法令ではっきり定められています。ここでは、その条文を左岸のAOC マルゴーと並べて読んでみます。どちらもボルドーの赤という点では同じですが、条文に書かれた数値は驚くほど違います。
条文が定める栽培と収量の数値
下の表は、両方の条件書から同じ項目を抜き出して並べたものです。全21 項目のうち、数値や記述が一致するのは7 項目、異なるのは14 項目でした。ポムロール側の数値は、AOC ポムロール条件書(2021年10月12日のアレテで確定・2021年10月20日官報・2021年10月21日 農業省公報) と、確定前の手続版であるAOC ポムロール条件書(2021年6月2日の全国委員会意見にもとづく全国異議申立手続版) の2つの文書で全項目が一致することを確認しています。
| 条文の項目 | AOC ポムロール | AOC マルゴー | 両者の関係 |
|---|---|---|---|
| AOCとして初めて認められた法令 | 1936年12月8日のデクレ | 1954年8月10日のデクレ | 相違 |
| 現行の条文を確定させた法令 | 2021年10月12日のアレテ | 2023年3月31日のアレテ | 相違 |
| 名乗れるワインの色と種別 | 赤の静止ワインのみ | 赤の静止ワインのみ | 一致 |
| 認可されている品種の数 | 5品種 | 主要品種6品種に、適応目的品種のカステ1品種を加える | 相違 |
| 認可品種の顔ぶれ | カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨン/コット(マルベック/プレサック)/メルロー/プティ・ヴェルド | カベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨン/カルムネール/コット(マルベック)/メルロー/プティ・ヴェルド | 相違 |
| 条文における品種の格付け | 区分を設けず「次の品種から造られる」とだけ書く | 6品種を「主要品種」とし、別枠でカステを作付の5パーセント以下かつアッサンブラージュの10パーセント以下に限る | 相違 |
| 植えるときの最低密度 | 1ヘクタールあたり5500本 | 1ヘクタールあたり7000本 | 相違 |
| 畝と畝の間隔の上限 | 2メートル | 1.50メートル | 相違 |
| 1株が占める場所の決め方 | 同一列の株間0.80メートル以上 | 1株あたり1.43平方メートル以下 | 相違 |
| 1株あたりの芽数の上限 | 10芽 | 12芽 | 相違 |
| 区画平均の最大収穫量 | 1ヘクタールあたり8,000 キログラム | 1ヘクタールあたり9,500 キログラム | 相違 |
| メルローの糖度の下限 | 果汁1リットルあたり194グラム | 果汁1リットルあたり189グラム | 相違 |
| メルロー以外の糖度の下限 | 果汁1リットルあたり180グラム | 果汁1リットルあたり180グラム | 一致 |
| 最低の自然アルコール分 | 11パーセント | 11パーセント | 一致 |
| 基準となる収量 | 1ヘクタールあたり49ヘクトリットル | 1ヘクタールあたり57ヘクトリットル | 相違 |
| 上限としての収量(ブトワール) | 1ヘクタールあたり60ヘクトリットル | 1ヘクタールあたり63ヘクトリットル(畝間1.40〜1.50メートルかつ葉層の高さが畝間の0.6〜0.7倍の区画は60ヘクトリットル) | 相違 |
| 補糖したあとの総アルコール分の上限 | 13.5パーセント | 13.5パーセント | 一致 |
| 濃縮技術による濃縮率の上限 | 15パーセント | 15パーセント | 一致 |
| リンゴ酸の上限 | 1リットルあたり0.30グラム | 1リットルあたり0.30グラム | 一致 |
| 発酵性の糖の上限 | 1リットルあたり2グラム | 1リットルあたり2グラム | 一致 |
| 消費者向けの出荷が始められる日 | 収穫翌年の11月15日から | 収穫翌年の9月1日から | 相違 |
相違の向きに一貫性があるのが面白いところです。ポムロールは疎に植え、1株に与える場所を広く取り、芽を少なく残したうえで、収量の上限も低く抑えるという組み合わせになっています。植栽密度は1ヘクタールあたり5,500 本に対しマルゴーは7,000 本、畝間の上限は2 メートルに対し1.50 メートル、芽数は10 芽に対し12 芽、区画平均の最大収穫量は8,000 キログラムに対し9,500 キログラム、基準収量は49 ヘクトリットルに対し57 ヘクトリットルです。ただし、区画平均の最大収穫量を植栽密度で割ると1株あたりポムロール約1.45 キログラム、マルゴー約1.36 キログラムで、1株に許される収穫量そのものはポムロールのほうが多い点は押さえておく必要があります。株を減らして1株あたりは緩めながら、面積あたりの上限で締める。ここに、この産地が何を優先しているかが表れています。
もうひとつ、両方の条件書がメルローだけ糖度の下限を別扱いにしている点も見逃せません。メルロー以外の品種はどちらも果汁1リットルあたり180 グラムで完全に同じなのに、メルローだけはポムロールが194 グラム、マルゴーが189 グラムと差が付きます。メルローが主役の右岸のほうが、そのメルローに5 グラム分きびしい基準を課しているということです。別々の年に確定した別々の法令が、メルロー以外では同じ数字を置きながらメルローでだけ分かれている。産地の性格が、うたい文句ではなく条文の数値そのものに書き込まれています。
認可品種の扱いも違います。ポムロールが挙げるのはカベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨン/コット(マルベック/プレサック)/メルロー/プティ・ヴェルド の5 品種で、条文は「次の品種から造られる」と書くだけで主要品種と補助品種の区別を設けていません。マルゴーは6 品種を挙げてそのすべてを「主要品種」と明記し、さらに別枠で適応目的品種としてカステを、作付の5パーセント以下かつアッサンブラージュの10パーセント以下という条件つきで認めています。顔ぶれの違いはカルムネールとカステの2つです。なお、産地全体の実際の作付比率はボルドーワイン委員会が公開していて、メルロー80 パーセント、カベルネ・フラン15 パーセント、カベルネ・ソーヴィニヨン5 パーセントで合計100 パーセントになります。これは産地全体の数字であって、個々のシャトーの比率ではありません。ペトリュス自身の作付比率は公表されていないため、この記事では触れないでおきます。
スメクタイトは表土ではなく下層にある
ポムロールの土壌を説明する記事では、「地表の土にスメクタイトという膨潤性の粘土が出ていて、それがペトリュスの秘密だ」という書き方をよく見かけます。この語自体は条件書に実在します。ただし、書かれている位置関係が逆です。
条文の該当箇所は、標高30メートルから40メートルにあるギュンツ期の高位段丘について、砂・砂利・赤みを帯びた円礫でできた層が、深さを変えながら、スメクタイトに富む第三紀の粘土質層の上に載っていると記述しています。つまりスメクタイトは、表土ではなくその下にある基盤側の層です。さらに標高20メートルから25メートルには、砂・砂利・円礫が砂質粘土のマトリックスに包まれたリス期の中位段丘が段状に重なると続きます。地表側にある成分だと書いてしまうと、段丘の重なり方という条文の要点が抜け落ちます。
産地公式が挙げる個性はクラス・ド・フェール
いっぽう、産地の個性を語るときに3つの公式資料がそろって挙げるのは、クラス・ド・フェールと現地で呼ばれる鉄の酸化物のほうです。条件書は「下層土は鉄の酸化物すなわちクラス・ド・フェールを含み、それが固有のミネラル分をもたらしてポムロールのワインに代えがたい個性を保証する」と書き、生産者組合のテロワールのページも「いたるところで下層土は鉄の酸化物を含み、この下層土こそがポムロールにはっきりした性格を与えている」と書きます。ボルドーワイン委員会のポムロールのページも同じ語を産地の署名として挙げています。土壌そのものは高原の粘土質・砂質のグラーヴで、密度は区画によって変わると説明されています。
この2つの語は、公式資料の中での広がり方が対称ではありません。クラス・ド・フェールは条件書・生産者組合・ボルドーワイン委員会の3つすべてに出てきますが、スメクタイトは条件書にしか出てきません。委員会のページを全文走査してもこの語は1件も見つかりません。どの語がどの資料にどこまで広がっているのかを確かめずに「産地公式はこう言っている」と一括りにすると、出典を取り違えたまま断定してしまうことになります。ここでは、スメクタイトは条件書だけの語、クラス・ド・フェールは3資料に共通する語、として区別して書いています。
購入するときのチェックと偽物を避ける考え方

ペトリュスは世界的に偽造の対象になってきた銘柄です。ここでは、確かめられることと確かめられないことを分けて整理します。
来歴と状態の見方
もっとも実務的なのは、来歴がたどれる相手から買うことです。ボルドーの高額なワインを継続して扱っている店であれば、入荷の経路と保管の条件を管理しています。状態については、液面の下がり具合、ラベルの汚れや破れ、キャップシールの浮きや変形を見ます。木箱や購入時の書類が揃っているほど、あとから履歴を確認しやすくなります。相場から大きく外れた安さには理由があるはずなので、その理由が説明されているかどうかを確かめてください。保管の考え方はワインの保存方法と賞味期限にまとめています。
一方で、写真だけで真贋を断定するのは無理です。当店でも、実物を手に取って、瓶の成形やラベルの印刷、コルクの刻印などを複数の観点から見たうえで判断しています。ネット上の「見分け方チェックリスト」を鵜呑みにせず、判断に迷ったら実物を見られる相手に相談するのが結局は早道です。
表記ゆれと綴りに気をつける
検索の場面でつまずきやすいのが表記です。この銘柄は日本語で「ペトリュス」「シャトー・ペトリュス」と書かれるほか、ペトリウス、ペトリス、ぺトゥリスといった揺れも実際に使われています。アクセント記号の有無で Pétrus と Petrus に割れるため、英字で探すときにも表記がそろいません。出品情報を照合するときは、表記の違いだけで別物と判断しないよう気をつけてください。
もうひとつ紛らわしいのが、名前の一部が重なる別のシャトーの存在です。ポムロールにはシャトー・ラ・フルール・ペトリュスという別の生産者があり、こちらはエタブリスマン・ジャン゠ピエール・ムエックスが自社サイトで公開しているファミリー・ヴィンヤードの一覧に載っています。その一覧のポムロール欄には、シャトー・トロタノワ、エスペランス・ド・トロタノワ、シャトー・ラ・フルール・ペトリュス、シャトー・オザンナ、シャトー・ラトゥール・ア・ポムロール、シャトー・ラ・グラーヴ、シャトー・ラフルール゠ガザン、シャトー・ラグランジュが並びますが、ペトリュスの名前はこの一覧にありません。同じ一族の歴史を共有していても、公開されている資産の一覧としては別に扱われています。名前が似ているだけの別銘柄を買ってしまう事故は、ここを知っておくだけでかなり防げます。
ペトリュスの買取相場と高く売るコツ

ポムロールの高額ワインは、ヴィンテージ・保存状態・付属品の3つで査定額が大きく変わります。とくに古酒は、同じ年のボトルでも個体差が結果を分けます。
高く売るための要点は5つです。1つめ、木箱や購入時の書類などの付属品を揃えること。2つめ、直射日光と高温を避け、温度が動かない場所に置くこと。3つめ、ラベルとキャップシールを傷つけないこと。4つめ、液面が下がる前に早めに査定に出すこと。5つめ、ボルドーの高額ワインを日常的に扱っている相手に依頼すること。ワインは熟成で価値が上がる場合もありますが、飲み頃を過ぎれば中身は落ちていきます。産地公式が示す熟成の目安が5 年から15 年であることを踏まえると、手放すかどうか迷っている段階で一度相談しておくほうが選択肢は多く残ります。
査定前にボトルを強く磨く必要はありません。年代物は無理に手を入れず、そのままお持ちいただくほうが状態を正確に伝えられます。ほこりが気になる場合も、乾いた布で軽く払う程度にとどめてください。
買取はリンクサスグループの専門サービスへ
ペトリュスやル・パンをはじめとするボルドーの高額ワインの査定は、リンクサスグループのリンクサス お酒買取が承ります。販売サイトであるリンクサス酒販と同じ目利きが見るため、状態と付属品、流通の履歴を踏まえた金額をご提示できます。店頭・出張・宅配の3つの方法に対応し、手数料はいただきません。
- ブランデー・ワイン・洋酒の買取 — ペトリュス、五大シャトー、ロマネ・コンティなど
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予算とシーンから選ぶポムロールの一本

ペトリュスをいきなり狙わなくても、ポムロールという産地の性格は十分に体験できます。産地全体で813 ヘクタールしかなく、1生産者あたり約5.9 ヘクタールという規模の中に、性格の違うシャトーが並んでいるからです。
まずポムロールを知りたいという場合は、ペトリュスの近隣に畑を持つヴュー・シャトー・セルタンのような名門から入るのが現実的です。トリュフとスミレという産地共通の香りの方向性を、手の届く価格帯で確かめられます。記念日や節目の贈りものとして考えている場合は、評価の高い年のペトリュスが選択肢になります。ただし飲むタイミングを想定するなら、産地公式の熟成目安5 年から15 年に照らして年号を選ぶほうが失敗が少なくなります。一生に一度の1本を探している場合は、1961年のような伝説的な年が候補になりますが、この価格帯では中身より先に来歴と状態を確かめることが必要になります。
いずれの場合も、定価という基準線が存在しない銘柄であることは変わりません。相場と状態の両方を見て判断する、という原則だけは共通です。ボルドー左岸の格付けシャトーと比べたい場合はシャトーマルゴーの当たり年と外れ年もあわせてご覧ください。
購入と買取の入り口
▶ お酒を探す:リンクサス酒販 ボルドーワイン一覧/ワイン一覧
▶ ワインの査定・買取:リンクサス お酒買取
お酒は20歳になってから。適量を心がけ、飲酒後の運転はご遠慮ください。
シャトー・ペトリュスに関するよくある質問

シャトー・ペトリュスの値段はいくらですか?
ペトリュスにはメーカー希望小売価格にあたる定価が公表されていないため、流通しているのはすべて二次流通の実勢価格です。当店で確認できる範囲では、近年のヴィンテージで1本あたり数十万円、伝説的とされる1961年では数百万円という水準で取引されています。ヴィンテージ・保存状態・付属品の有無で大きく動くため、金額は必ず購入時点の実売で確かめてください。
ペトリュスに格付けはありますか?
ありません。1855年格付けの公式団体が公開している掲載銘柄一覧には、ポムロールの銘柄が1件も載っていません。一覧の表題は「1855年のメドック格付シャトー」で、掲載されているのはメドックの各アペラシオンと産地欄がペサックと記された1軒、そしてソーテルヌとバルサックの甘口白です。サンテミリオンも同じ一覧には含まれていません。
ポムロールには本当に格付けが存在しないのですか?
産地団体であるボルドーワイン委員会が、公式のポムロール紹介ページで「サンテミリオンとは違い、この産地は一度も公式な格付けを定めたことがない。ここでの序列は主にその評判と販売価格から読み取られる」と明記しています。さらにポムロール生産者組合は「ポムロールは格付けを設けることをつねに拒んできた」と書いており、格付けの不在が結果ではなく選択だったことが分かります。
ペトリュスの当たり年はいつですか?
市場で高い評価を受けてきたのは1961年、1982年、1989年、1990年、2000年、2009年、2016年などです。ただしボルドーの産地公式は、年ごとに順位を付けたり優劣を判定したりすることを目的にしていないと述べています。これは順位表を作らないという意味で、年ごとの評価そのものは委員会もポムロール生産者組合も公表しており、組合は2010年・2009年・2005年を「傑出したヴィンテージ」と書いています。飲み頃と状態を合わせて判断してください。
ポムロールはどれくらいの大きさの産地ですか?
ボルドーワイン委員会とポムロール生産者組合の公式ページによると、栽培面積は813 ヘクタール、組合の表現では申告所有者が138 で、ボルドーのブドウ畑の面積に占める割合は0.7 パーセントです。1件あたりに直すと約5.9 ヘクタールで、条件書の本文が2009 年時点の統計として記す「平均6ヘクタール」とほぼ同じ規模になります。
ポムロールで認められている品種は何ですか?
AOC ポムロールの条件書が挙げるのはカベルネ・フラン/カベルネ・ソーヴィニヨン/コット(マルベック/プレサック)/メルロー/プティ・ヴェルド の5 品種です。産地全体の作付比率としては、ボルドーワイン委員会と生産者組合がメルロー80 パーセント、カベルネ・フラン15 パーセント、カベルネ・ソーヴィニヨン5 パーセントという数字を公開しています(組合はこれに「おおよそ」と断りを付けています)。ペトリュス個別の作付比率は公表されていません。
ポムロールで白ワインやロゼは造れますか?
造れません。AOC ポムロールの条件書は、この名称を名乗れるのを赤の静止ワインのみ に限っています。白もロゼもスパークリングも、ポムロールを名乗ることはできません。
ペトリュスの所有者は誰ですか?
ポムロール生産者組合が公開しているシャトー名簿では、ペトリュスの所有者欄にジャン゠フランソワ・ムエックスの名前が記載されています。ただし、ワイン商であるエタブリスマン・ジャン゠ピエール・ムエックスが自社サイトで公開しているファミリー・ヴィンヤードの一覧は別の枠組みで、そちらにペトリュスは含まれていません。この一覧に並ぶのはシャトー・トロタノワ、シャトー・ラ・フルール・ペトリュス、シャトー・オザンナ、シャトー・ラトゥール・ア・ポムロールなどで、同じ名簿ではラトゥール・ア・ポムロールの所有者が別の団体になっているように、所有と運営はかならずしも一致しません。
ペトリュスの購入や買取はリンクサスのどこでできますか?
購入はお酒の通販リンクサス酒販のボルドーワイン一覧から、査定と買取はリンクサス お酒買取からご相談ください。宅配・出張・店頭の3つの方法に対応しており、事前査定は無料です。
この記事の価格や数値はいつ時点のものですか?
相場に関する記述は2026年7月時点 の実勢を目安として書いています。条文にもとづく数値は、2021年10月12日のアレテで確定したAOC ポムロール条件書と、2023年3月31日のアレテで確定したAOC マルゴー条件書を出典としています。
最終更新:(リンクサス酒販 鑑定士チーム監修)

















