キティとは|割り材が殺菌も除菌も要らなくなる条件と作り方

キティは、赤ワインをジンジャーエールで割るだけの二材料のカクテルです。その割り材は食品衛生法上の清涼飲料水にあたり、清涼飲料水の規格基準は四つの塊でできています。炭酸ガスの圧力が20℃で98kPa以上あり、かつ植物や動物の組織成分を含まない場合に限って、殺菌も除菌も要らなくなる——原典を開いて、その条件と作り方を順に確かめます。

キティとは|赤ワインをジンジャーエールで割る二材料のカクテル

キティとは|赤ワインをジンジャーエールで割る二材料のカクテル
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キティは、赤ワインをジンジャーエールで割った一杯です。使う材料はふたつだけで、シェイカーもマドラーもいりません。氷を入れたグラスに赤ワインを注ぎ、同じだけジンジャーエールを重ねれば、それでもう出来上がります。

この手軽さのせいで見落とされやすいのですが、グラスの中で出会っている二つの液体は、日本の法令のうえではまったく別の扱いを受けています。赤ワインは酒税法が「酒類」として捕まえる側にいて、ジンジャーエールは食品衛生法が「清涼飲料水」として規格をかける側にいます。境目を分けているのはアルコール分で、その線は1容量パーセントです。

そして清涼飲料水の側には、成分の上限から製造の手順、保存の温度、さらには自動販売機の中の温度まで、かなり細かい数字が用意されています。この記事では、キティの作り方をおさえたうえで、割り材の側にかかっている規格基準を原典から読み直します。読み終える頃には、炭酸ガスの圧力が一定以上あるジンジャーエールが、条件しだいで殺菌も除菌も免れることまで分かります。

キティの作り方|材料と分量、度数の目安

キティの作り方|材料と分量、度数の目安
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分量の基本は赤ワインとジンジャーエールを同量にすることです。ワインの風味を残したければワインを増やし、軽くしたければジンジャーエールを増やします。炭酸を保ちたいので、混ぜるのは一往復までにとどめます。

材料(グラス1杯分)

表1 キティの材料と分量
材料 分量 選び方の目安
赤ワイン 60〜90ml 渋みの穏やかな軽めのもの
ジンジャーエール 60〜90ml(ワインと同量) 辛口は締まり、甘口は飲みやすい
氷 グラスに8分目 溶けにくい大きめの氷
グラス タンブラーまたはワイングラス あらかじめ冷やしておく

作り方の手順

グラスに氷を入れ、赤ワインを注ぎます。ジンジャーエールは氷に当てないよう、グラスの内壁を伝わせて静かに加えます。最後にバースプーンを底まで差して一度だけ持ち上げれば、比重の違いでほぼ混ざります。かき混ぜるほど炭酸は抜けます。

度数は、11〜14パーセントほどの赤ワインを同量で割るので、単純計算でおおむね5〜7パーセント台に落ち着きます。ビールと同じくらいか、やや軽いくらいです。飲み口が軽いぶん量が進みやすいので、ジンジャーエールを多めにして下げる調整が効きます。

清涼飲料水を縛る四つの基準|告示第370号の構え

清涼飲料水を縛る四つの基準|告示第370号の構え
清涼飲料水を縛る四つの基準の参考画像

ここから割り材の側を見ていきます。ジンジャーエールにかかっているのは、食品衛生法(昭和22年法律第233号)に基づく「食品、添加物等の規格基準」、いわゆる昭和34年厚生省告示第370号です。

法律の側の根拠は第十三条第一項で、内閣総理大臣は、公衆衛生の見地から、食品衛生基準審議会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理若しくは保存の方法につき基準を定め、又は販売の用に供する食品若しくは添加物の成分につき規格を定めることができる。と書かれています。基準と規格の二本立てになっている点が要点で、同条第二項が、その基準に合わない方法で製造・加工・使用・調理・保存することそのものを禁じ、そのうえでそうして作ったものや規格に合わないものを売ることも禁じています。

成分規格・製造基準・保存基準・調理基準

この告示の第1「食品」のD「各条」に、食品の種類ごとの規格基準が並んでいます。清涼飲料水の項は次の四つの塊でできています。

表2 告示第370号 第1 食品 D 各条 ○清涼飲料水の構成
塊 何を縛るか 内訳
1 清涼飲料水の成分規格 出来上がった製品の中身 一般規格4項+個別規格3区分
2 清涼飲料水の製造基準 作り方と使う水 一般基準1項+個別基準6区分
3 清涼飲料水の保存基準 置いておく温度と容器 4項
4 調理基準 コップ式自販機とディスペンサー 4項

成分規格は結果を、製造基準は過程を見ています。両方あるのは、出来上がりを検査しただけでは分からない汚染の経路があるからです。

「清涼飲料水」を定義しているのは告示ではない

意外なのですが、この条のどこにも「清涼飲料水とは何か」は書かれていません。定義されているのは下位の区分のほうで、たとえばミネラルウォーター類(水のみを原料とする清涼飲料水をいう。以下同じ。)と、括弧の中で「ミネラルウォーター類」を決めています。冷凍果実飲料も同じように括弧書きで定義されます。しかし親であるはずの清涼飲料水そのものは、定義なしに使われ続けます。

では定義はどこにあるのか。大阪健康安全基盤研究所の解説は、清涼飲料水が「法令で」乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料と定義されている、と説明しています。牛乳と乳酸菌飲料を外したうえで、アルコール分1パーセント未満の飲み物という切り方です。ただし同研究所はその法令の条名までは示しておらず、少なくとも告示第370号の清涼飲料水の条には、この文言も「酒精」「容量パーセント」という語も出てきません。この記事では、定義の所在の特定はここまでにとどめ、同研究所が示す内容として扱います。同研究所は、この規格基準が国際的な食品規格および日本国内の水道法との整合性を図るため、平成26年に全面的に改正されましたとも書いています。

成分規格|一般は四項、スズ150.0ppmは金属製容器包装にしか効かない

成分規格|一般は四項、スズ150.0ppmは金属製容器包装にしか効かない
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一般規格の四項

すべての清涼飲料水にかかる一般規格は、たったの4項です。

一つ目が濁りで、混濁(原材料として用いられる植物若しくは動物の組織成分、着香若しくは着色の目的に使用される添加物又は一般に人の健康を損なうおそれがないと認められる死滅した微生物(製品の原材料に混入することがやむを得ないものに限る。)に起因する混濁を除く。)したものであつてはならない。二つ目が沈殿物と異物で、括弧の中は一つ目と同じ三つの例外を並べたうえで、又は固形の異物(原材料として用いられる植物たる固形物でその容量百分率が30%以下であるものを除く。)のあるものであつてはならない。と続きます。みかんの粒が入ったジュースが売られているのは、この容量百分率30パーセントの余地があるからです。

三つ目が金属で、金属製容器包装入りのものについては、スズの含有量は、150.0ppmを超えるものであつてはならない。ここは容器の材質を名指ししている点が大事です。大阪健康安全基盤研究所も金属容器入りのもの(例えば、缶ジュース)に限って、缶から溶出するスズの規格値が定められていますと、缶を例として挙げています。条文が縛るのは金属製の容器包装に入ったもの全般で、瓶やペットボトルのジンジャーエールには働きません。

四つ目が微生物で、大腸菌群が陰性でなければならない。この場合の大腸菌群試験法は、次のとおりとする。続く試験法には炭酸飲料のための一文が置かれていて、炭酸を含有する清涼飲料水にあつては、他の滅菌容器に移し、かき混ぜて二酸化炭素を発散させた後試料を作成する。とあります。泡のせいで正しく測れないので、先に抜いてから測れという指示です。

ミネラルウォーターのほうが項目数は多い

個別規格に進むと、意外な逆転が見えます。

表3 個別規格の建て方の比較
区分 規格の建て方 中身の例
ミネラルウォーター類(殺菌・除菌なし) 表の第1欄が15項目(別にbで98kPa未満なら腸球菌・緑膿菌) アンチモン、鉛、ヒ素、ホウ素ほか
ミネラルウォーター類(殺菌・除菌あり) 表の第1欄が45項目 上記に加えトリハロメタン類、PFOS・PFOA、味・臭気・色度・濁度
ミネラルウォーター類以外の清涼飲料水 表を持たず、a・bの2号(対象はヒ素・鉛・パツリンの3物質) ヒ素及び鉛/りんご果汁のパツリン

水しか入っていないミネラルウォーターのうち殺菌または除菌を行うものには45項目の表が付き、砂糖と香料と炭酸が入ったジンジャーエールには表そのものがなく2号だけです。物差しが違うので単純な多寡の比較はできませんが、表に並ぶ規格値の数だけを見れば逆転しています。ジンジャーエール側の一つ目はヒ素及び鉛を検出するものであってはならない。という一文で、数値ではなく検出の可否で書かれています。二つ目はりんごの搾汁及び搾汁された果汁のみを原料とするものについては、パツリンの含有量が0.050ppmを超えるものであつてはならない。で、りんご果汁だけを原料にするものに限った規定なので、ジンジャーエールには当たりません。

逆転の理由は、ミネラルウォーターが原水をそのまま詰める飲み物だからです。水道法の水質基準と足並みをそろえる必要があり、殺菌するものには消毒の副生成物まで並びます。ペルフルオロオクタンスルホン酸とペルフルオロオクタン酸の和として0.00005mg/l以下という項目や、色度は5度以下、濁度は2度以下といった外観の規格が入っているのもその流れです(この三つはいずれも表の第1欄と第2欄に分かれて置かれており、一続きの文としては書かれていません)。一方で砂糖や香料を加える飲料は、原料の水の側を製造基準で縛るという別の手を使っています。

なお同研究所は、ミネラルウォーター類以外の清涼飲料水について、平成26年の改正前にはカドミウムの規格値も定められていましたが、調査の結果これらの清涼飲料水を通じたカドミウム摂取が非常に限られていることが判明したため、削除されましたとも書き添えています。ミネラルウォーター類の表のほうには、15項目にも45項目にもカドミウムが今も残っています。項目は増えるだけではなく、対象を絞って減ることもあります。

製造基準|98kPaと「組織成分なし」がそろうと殺菌も除菌も要らなくなる

製造基準|98kPaと「組織成分なし」がそろうと殺菌も除菌も要らなくなる
製造基準の参考画像

ジンジャーエールが乗るのは、製造基準の個別基準4です。見出しはミネラルウォーター類、冷凍果実飲料(果実の搾汁又は果実の搾汁を濃縮したものを冷凍したものであって、原料用果汁以外のものをいう。以下同じ。)及び原料用果汁以外の清涼飲料水という長い引き算で書かれていて、ミネラルウォーターでも冷凍果実飲料でも原料用果汁でもないもの、という受け皿になっています。

使う水については原料として用いる水は、水道水又は次のいずれかでなければならない。とあり、原料については製造に使用する果実、野菜等の原料は、鮮度その他の品質が良好なものであり、かつ、必要に応じて十分洗浄したものでなければならない。と定めます。ここまでは素直です。問題はその次の、殺菌の条です。

同じ98kPaが四か所で違う働きをする

清涼飲料水の条には、炭酸ガスの圧力を示す98kPaという数字が4か所出てきます。同じ数字なのに、置かれた場所によって意味が反転します。なお4か所のうち3か所はミネラルウォーター類についての規定で、ジンジャーエールに直接効くのは最後の一つだけです。

表4 20℃で98kPaという線が四か所で果たす役割
場所 向き 効果 かかる相手
成分規格 ⑵1.b 未満 腸球菌と緑膿菌の陰性が追加で要る ミネラルウォーター類(殺菌・除菌なし)
製造基準 ⑵1. 柱書 以上 厳しい原水基準の対象から外れる ミネラルウォーター類(殺菌・除菌なし)
製造基準 ⑵2. 以上 代わりに緩い原水基準(細菌数100以下)がかかる ミネラルウォーター類(殺菌・除菌なし)
製造基準 ⑵4.c ただし書 以上 条件がそろえば殺菌も除菌も要らなくなる ジンジャーエールを含む区分4

成分規格の側では、殺菌も除菌もしないミネラルウォーター類について容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa未満のものにあつては、腸球菌及び緑膿菌が陰性でなければならない。と、圧力が足りないほうに試験を足しています。製造基準の側ではミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行わないもの(容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa以上のものを除く。)にあつては、次の基準に適合するものでなければならない。と、圧力があるほうを重い基準から外します。外された先が個別基準2で、ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行わないものであつて、かつ、容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa以上のものの原水にあつては、1ml当たりの細菌数が100以下であり、かつ、大腸菌群が陰性でなければならない。という一段緩い要求になります。

炭酸ガスが溶けた水は酸性に傾き、微生物が増えにくくなります。告示はそれを、追加の試験を課すか、原水の要求を下げるかという形で、区分ごとに違う道具として使っているわけです。

この「外れる」ことの重みは、外れる先の基準を読むと分かります。個別基準1が、殺菌も除菌もしないミネラルウォーター類(98kPa以上のものを除く)に課しているのは、原水は、自然に、又は掘削によつて地下の帯水層から直接得られる鉱水のみとし、泉源及び採水地点の環境保全を含め、その衛生確保に十分に配慮しなければならない。という原水の素性の要求から始まり、原水は、芽胞形成亜硫酸還元嫌気性菌、腸球菌、緑膿菌及び大腸菌群が陰性であり、かつ、1ml当たりの細菌数が5以下でなければならない。という微生物の上限、原水には、沈殿、ろ過、曝気又は二酸化炭素の注入若しくは脱気以外の操作を施してはならない。という加工の禁止、そして容器包装詰め直後の製品は1ml当たりの細菌数が20以下でなければならない。という詰めた直後の再確認まで続きます。原水に手を入れることを許さず、細菌数を1ml当たり5以下に抑えろという水準です。炭酸ガスの圧力が98kPaに届くだけで、この一式から外れて細菌数100以下の側へ移ります。

「かつ」で結ばれたもう一つの条件

そしてジンジャーエールに直接効くのが四つ目です。個別基準4のcは、容器に詰めて密栓してから殺菌するか、あるいは殺菌または除菌したものを自動的に詰めて密栓せよ、と定めています。この柱書の時点ですでに、加熱殺菌のかわりにろ過などの除菌を選ぶ道は開かれています。そのうえで、ただし書がこう続きます。

ただし、容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa以上であり、かつ、植物又は動物の組織成分を含有しないものにあつては、殺菌及び除菌を要しない。

ここが本題です。免除の対象は「殺菌及び除菌」の両方で、この二つがまとめて要らなくなります。柱書だけなら殺菌か除菌かの二択でしたが、ただし書はその二択ごと外します。そして免除されるには二つの条件が「かつ」で結ばれています。炭酸ガスの圧力が20℃で98kPa以上あること。そしてもう一つ、植物や動物の組織成分を含まないこと。圧力だけでは足りません。

「組織成分」に告示の定義はありません。手がかりになるのは一般規格1と2で、そこでは原材料として用いられる植物若しくは動物の組織成分に起因する混濁と沈殿を、規格違反から外しています。濁りや沈殿をもたらしうる、原材料由来の粒子の側の概念として使われている、とまでは読めます。そうだとすれば、香料と酸味料と甘味料で香りをつけた透明なジンジャーエールと、生姜のすりおろしや果肉をそのまま加えて濁りの出るものとで、この後半の条件の当てはまりが変わる可能性があります。ただし清澄ろ過した搾汁がどちらに入るかは、条文だけでは決まりません。

もう一つ、一般基準として製造に使用する器具及び容器包装は、適当な方法で洗浄し、かつ、殺菌したものでなければならない。ただし、未使用の容器包装であり、かつ、殺菌され、又は殺菌効果を有する製造方法で製造され、使用されるまでに汚染されるおそれのないように取り扱われたものにあつては、この限りでない。という一文が全区分にかかっています。中身を殺菌しない選択をしても、容器の側の要求は原則として消えません。ただし引用した後半のとおり、未使用で汚染のおそれなく扱われた容器包装は、この洗浄と殺菌の対象から外れます。詰め方についても、fとして紙栓により打栓する場合は、打栓機械により行わなければならない。という一行があり、手作業での打栓を認めていません。

個別基準4にはもう一つ、乳酸菌飲料を作る側のための規定が置かれています。清涼飲料水のうち、cに定める方法により殺菌又は除菌したものに乳酸菌、酵母、発酵乳又は乳酸菌飲料を混合するものにあっては、混合以降の工程を病原微生物により汚染されない適当な方法で管理し、自動的に容器包装に充填した後、密栓若しくは密封しなければならない。という一文で、殺菌したあとに生きた菌を足すという工程を想定しています。殺菌が最後の工程でない場合の受け皿で、ジンジャーエールには当たりません。

隣の区分と比べると、この区分の緩さがよく分かります。個別基準5の冷凍果実飲料には化学的合成品たる添加物(酸化防止剤を除く。)を使用してはならない。という一文があり、酸化防止剤を除いて、化学的合成品にあたる添加物が一律に禁じられています。禁止の名宛人は「化学的合成品たる添加物」であって、告示はそれ以外の添加物をここで名指ししてはいません。ジンジャーエールが乗る個別基準4には、この種の禁止そのものがありません。

殺菌と保存の線|65℃で10分、85℃で30分、そして10℃以下

殺菌と保存の線|65℃で10分、85℃で30分、そして10℃以下
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pHで分かれる三つの殺菌

免除に当てはまらないときは、pHによって三つに枝分かれします。

まずpH4.0未満のものの殺菌にあつては、その中心部の温度を65℃で10分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法で行うこと。次にpH4.0以上のもの(pH4.6以上で、かつ、水分活性が0.94を超えるものを除く。)の殺菌にあつては、その中心部の温度を85℃で30分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法で行うこと。三つ目はpH4.6以上でかつ水分活性0.94超のもので、微生物を死滅させるのに十分な効力を有する方法か、二つ目の方法によることとされています。

表5 個別基準4cが定める殺菌条件
区分 中心部の温度と時間 ジンジャーエールの位置
pH4.0未満 65℃で10分間 該当しやすい(酸味料で酸性側)
pH4.0以上(pH4.6以上かつ水分活性0.94超を除く) 85℃で30分間 通常は当たらない
pH4.6以上かつ水分活性0.94超 十分な効力を有する方法または85℃30分間 当たらない

酸性が強いほど条件が軽くなる理由は、条文には書かれていません。書かれているのは、pHの高さと水分活性で三段に分け、低いほうから65℃10分間、85℃30分間、そして個別判断、と分けている構えだけです。三段目は二段目より重いわけではなく、②に定める85℃30分間の方法をそのまま使うことも認められています。酸味料で酸性側に振られている炭酸飲料は、多くが一段目に落ちます。同じ告示のミネラルウォーター類(殺菌・除菌を行うもの)が、pHの場合分けなしに85℃30分間を原則にしているのと対照的です。

記録の義務も付いています。cの殺菌に係る殺菌温度及び殺菌時間の記録又はcの除菌に係る記録は6月間保存しなければならない。とあり、殺菌そのものと同じ重さで記録が求められています。

保存基準と調理基準

保存基準は4項です。紙栓をつけたガラス瓶に収められたものは、10℃以下で保存しなければならない。が一つ目、ミネラルウォーター類、冷凍果実飲料及び原料用果汁以外の清涼飲料水のうち、pH4.6以上で、かつ、水分活性が0.94を超えるものであり、原材料等に由来して当該食品中に存在し、かつ、発育し得る微生物を死滅させ、又は除去するのに十分な効力を有する方法で殺菌又は除菌を行わないものにあつては、10℃以下で保存しなければならない。が二つ目、冷凍果実飲料及び冷凍した原料用果汁は、-15℃以下で保存しなければならない。が三つ目、四つ目が原料用果汁の容器についての定めです。

ここで気をつけたいのは向きです。二つ目に当たらないというのは、10℃以下で保存せよという義務が生じないという意味であって、常温での保存を積極的に認める条文があるわけではありません。pHの低い炭酸飲料は、この義務の側に当たらないから冷蔵ケースの外に置ける、という順序です。もっとも一つ目は容器だけを見ているので、紙栓をつけたガラス瓶に入っていれば、pHがいくら低くても10℃以下が要ります。二つ目を裏返しただけで「炭酸飲料は常温でよい」とまとめると、この一つ目が反例になります。

四つ目の塊が調理基準で、対象はコップ販売式自動販売機及び運搬器具又は容器包装に充塡された原液を用いて自動的に清涼飲料水の調理を行う器具(以下「清涼飲料水全自動調理機」という。)により調理される清涼飲料水の調理基準です。大阪健康安全基盤研究所は、このうち後者の清涼飲料水全自動調理機を例えばファストフード店に設置されているドリンクディスペンサーと言い換えています。飲食店のカウンター横にある、あの機械のことです。

ここでは清涼飲料水の原液その他の原料の溶解、抽出、希釈及び混合は、コップ販売式自動販売機又は清涼飲料水全自動調理機の中で行わなければならない。と、混ぜる場所まで指定されます。もっともこの⑶にはただし、機外で混合する構造の清涼飲料水全自動調理機における混合にあつては、この限りでない。という例外が付いていて、そういう構造の機械は外れます。

そして温度はコップ販売式自動販売機又は清涼飲料水全自動調理機の中で10℃以下又は63℃以上に保たなければならない。冷たいまま出すか、熱いまま出すかのどちらかで、その中間の温度帯に置くことを原則として許していません。こちらの⑷にもただし、密栓若しくは密封又はこれらと同等の処置を施した運搬器具又は容器包装に収められたものにあつてはこの限りでない。という例外があり、密封された容器に入ったままのものは対象外です。

ベースの赤ワインは清涼飲料水ではない|1容量パーセントの境目

ベースの赤ワインは清涼飲料水ではない|1容量パーセントの境目
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1容量パーセントで世界が変わる

ここまで見てきた規格基準は、すべて割り材の側の話です。ベースの赤ワインには一つも当たりません。

理由は定義にあります。大阪健康安全基盤研究所の説明では、清涼飲料水は乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料とされていて、アルコール分が1容量パーセントに届いた時点で、この枠から外れます。赤ワインは11〜14パーセントですから、圧倒的に外側です。ワインには酒税法とその表示の体系がかかり、清涼飲料水の成分規格も製造基準も保存基準も、まったく働きません。

もっとも、食品衛生法そのものから外れるわけではありません。同法第四条第一項はこの法律で食品とは、全ての飲食物をいう。と定めていて、酒類も飲食物である以上ここに入ります。同法第五条は販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の授与を含む。以下同じ。)の用に供する食品又は添加物の採取、製造、加工、使用、調理、貯蔵、運搬、陳列及び授受は、清潔で衛生的に行われなければならない。と、酒も含めた全体に清潔さを求めています。清涼飲料水という「各条」の網に入らないだけで、食品としての一般的な網はかかったままです。

この1容量パーセントは、製品がどちらの区分に入るかを分ける線です。棚に並んでいたジンジャーエールは清涼飲料水として規格の中にいますが、赤ワインを注ぎ足して5〜7パーセント台になったキティは、その一点だけを理由に清涼飲料水ではなくなります。清涼飲料水の各条が持ち出す成分規格も殺菌の条件も保存温度も、この一杯には当たりません。

ベースに向く赤ワインの条件

選ぶ基準は単純で、渋みが穏やかで果実味が前に出るものです。炭酸と甘みを足すと渋みは輪郭だけが残るので、もともとタンニンの強いワインは重く感じられます。

表6 キティのベースとしての向き不向き
タイプ 向き 理由
ガメイ(ボジョレーなど) 向く 渋みが軽く果実味が素直
軽めのピノ・ノワール 向く 酸が炭酸となじむ
新世界の手頃な赤 向く 果実味が強く割っても残る
樽の効いた重口 向かない 渋みと樽香が甘みと衝突する
熟成した高級赤 向かない 繊細な香りが炭酸で飛ぶ

開栓して数日たった赤ワインの使い道としても向いています。香りが落ちた分をジンジャーエールの香料と炭酸が補うためです。ワインのコレクションから選ぶときは、価格帯よりも品種と造りの軽さを見てください。

キティのベースに向くワインと関連ワインカクテル30種を比較

キティのベースに向くワインと関連ワインカクテル30種を比較
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キティのベースに向く軽めの赤ワインを中心に、オペレーターやスプリッツァーに向く白・スパークリングまで含めた30本を、相場と特徴で並べています。定価が公表されない銘柄が多いため、価格の欄は市場相場の目安です。

キティのベースに向くワイン&関連ワインカクテル30種を比較
キティは赤ワインをジンジャーエールで割るだけの軽いワインカクテルで、土台の赤ワインで味が決まります。果実味があり渋みの穏やかな軽め赤ワインを中心に、白+ジンジャーエールの『オペレーター』向き白、キール・ロワイヤルやミモザに向くスパークリング、キール用カシスやベリーニ用ピーチ、ロゼ、缶の市販ワインカクテル、ノンアルまで30種を産地・度数・タイプで横並びにしました。手軽さ重視か本格派か、選び方の手がかりにしてください。
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
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クセの少ない国産白。軽い白割りに。

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15位爽やか・辛口白 フロンテラ ソーヴィニヨン・ブラン 白
市場相場700〜1,300円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

爽やかな辛口白。すっきりした白割りに。

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16位定番・カバ フレシネ コルドン・ネグロ カバ
市場相場1,200〜2,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

黒ボトルの定番カバ。泡のワインカクテルに。

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17位老舗・カバ コドーニュ クラシコ ブリュット カバ
市場相場1,300〜2,200円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

カバの老舗。華やぐ泡カクテルの土台。

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18位人気・ベリーニ向き プロセッコ DOC(伊スパークリング)
市場相場1,200〜2,200円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

ベリーニやミモザに向く伊の人気スパークリング。

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19位名門・シャンパン モエ・エ・シャンドン アンペリアル ブリュット
市場相場6,000〜9,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

本格キール・ロワイヤルを贅沢に。

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20位甘口・低度数 マルティーニ アスティ スプマンテ
市場相場1,200〜2,000円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

低めの度数で甘口。甘い泡カクテルに。

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ルジェ クレーム・ド・カシス ド・ディジョン21位定番・キール用 ルジェ クレーム・ド・カシス ド・ディジョン
市場相場1,800〜3,000円前後(700ml・実勢・2026年6月時点)

キールの主役。白・泡に少量で華やぐ。

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22位名門・カシス ルクサルド クレーム・ド・カシス
市場相場1,800〜3,000円前後(700ml・実勢・2026年6月時点)

イタリアの名門が造るカシスリキュール。

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23位桃・ベリーニ向き デカイパー ピーチツリー
市場相場1,200〜2,000円前後(700ml・実勢・2026年6月時点)

ベリーニやファジーネーブルに使える桃。

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24位ロゼ・華やか マルケス・デ・カセレス リオハ ロサード ロゼ
市場相場1,300〜2,300円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

華やかな色合い。ロゼのワインカクテルに。

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25位甘口・低度数ロゼ ガロ ホワイトジンファンデル ロゼ
市場相場900〜1,500円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

甘口で低めの度数。甘いロゼ割りに。

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26位缶・手軽 サントリー カクテルパートナー(缶ワインカクテル)
市場相場150〜250円前後(250ml缶・実勢・2026年6月時点)

缶で手軽。割らずに飲める低アル。

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27位市販・サングリア ヴィニャ・アルバリ サングリア 赤
市場相場700〜1,200円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

市販サングリア。果実入りの赤を炭酸割りでも。

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28位国産・微発泡 メルシャン ビストロ スパークリング
市場相場500〜900円前後(実勢・2026年6月時点)

手頃な国産微発泡。気軽な泡カクテルに。

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29位ノンアル・赤 ヴィンテンス メルロー(ノンアルコール赤・0.00%)
市場相場1,000〜1,800円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

運転や妊娠中でも。ノンアルキティに。

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30位ノンアル・泡 デュク・ドゥ・モンターニュ(ノンアルスパークリング・0.0%)
市場相場1,000〜1,800円前後(750ml・実勢・2026年6月時点)

ノンアルの泡。乾杯やミモザ風に。

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ワインや市販ワインカクテルは銘柄ごとに希望小売価格を公表しないものが大半のため、定価(list_price)は掲載せず市場相場の目安のみを記載しています(2026年6月時点の実勢)。ヴィンテージや流通状況により価格は変動し、楽天/Amazonは同一商品が見つからない場合は空欄となります。キティを手軽に楽しむなら軽めの赤、白で作るオペレーターやスプリッツァーなら爽やかな白、泡で華やがせたいならカバやプロセッコ、という具合に用途から選ぶと失敗しにくくなります。

関連商品ラインナップ
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リンクサス酒販のワインのコレクションから、在庫のある商品を表示しています。キティのベースに使う日常価格帯のものから、単体で楽しむ銘醸ワインまで含まれます。

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ここではワインの在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。

キティの仲間とアレンジ|オペレーター・スプリッツァー・キール

キティの仲間とアレンジ|オペレーター・スプリッツァー・キール
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白ワインで作る仲間

ベースを白ワインに替えるとオペレーターになります。同じジンジャーエール割りで、赤か白かの違いだけです。白ワインを炭酸水で割ればスプリッツァー、赤ワインをコーラで割ればカリモーチョで、いずれもワインを炭酸で割る同じ発想の一族です。

表7 ワインを割り材で割るカクテルの対照
名前 ベース 割り材
キティ 赤ワイン ジンジャーエール
オペレーター 白ワイン ジンジャーエール
スプリッツァー 白ワイン 炭酸水
カリモーチョ 赤ワイン コーラ
キール 白ワイン カシスリキュール(炭酸なし)

ジンジャーエールを割り材に使う点では、ジンを使うジンバックやビールを使うシャンディガフとも地続きです。ベースが変わっても、割り材の側にかかる規格基準は同じ条文です。

割合とひと手間

甘さを抑えたいときは辛口のジンジャーエールを選び、ワインを多めにします。逆に飲みやすくしたいときは甘口を選んでジンジャーエールを増やします。レモンを一切れ搾ると輪郭が締まり、オレンジを浮かべると香りが丸くなります。シナモンスティックを一本沈めておくと、10分ほどで香りが移ります。

冷やす順番も味を変えます。ワインを常温のまま氷に当てると、溶けた水で薄まりやすい。ワインとジンジャーエールの両方を先に冷蔵庫で冷やしておくと、氷が長持ちして最後まで濃度が保たれます。

飲まないワイン・洋酒の査定・買取はリンクサスへ

リンクサス酒販では、ワイン・シャンパン・ブランデーなどの洋酒を品揃えとともに買取でも扱っています。飲む予定のないボトルは、状態が良いうちに査定に出すのが結果的にいちばん高く付きます。

査定は無料で、点数がまとまっている場合はご相談ください。

よくある質問

キティのアルコール度数はどのくらいですか。

赤ワインが11〜14パーセントほどで、それを同量のジンジャーエールで割るため、仕上がりはおおむね5〜7パーセント台になります。ビールと同じか、やや軽い程度です。ジンジャーエールを多めにすれば下げられます。

ジンジャーエールは加熱殺菌されていないことがあるのですか。

あります。告示第370号の製造基準 個別基準4cのただし書は、ただし、容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa以上であり、かつ、植物又は動物の組織成分を含有しないものにあつては、殺菌及び除菌を要しない。と定めています。炭酸ガスの圧力が20℃で98kPa以上あることと、植物又は動物の組織成分を含まないことの二つがそろった場合に限られ、そのときは殺菌と除菌の両方が要らなくなります。条件を満たしていても加熱してはならないという意味ではありません。

缶とペットボトルで規格に違いはありますか。

あります。一般規格の三つ目は金属製容器包装入りのものについては、スズの含有量は、150.0ppmを超えるものであつてはならない。と、金属製の容器包装に入ったものを名指ししています。缶はその一例で、ペットボトルや瓶にはこの規格は働きません。

ミネラルウォーターより炭酸飲料のほうが規格が緩いのですか。

条文の分量だけを見ればそうなります。ミネラルウォーター類のうち殺菌または除菌を行うものには第1欄が45項目の表が付きますが、ミネラルウォーター類以外の清涼飲料水は表を持たず、ヒ素及び鉛とりんご果汁のパツリンというa・bの2号だけです。ただし数え方の物差しが違ううえ、後者は製造基準の側で原料に用いる水の品質を縛る形をとっており、緩いというより規制の当て方が違います。

キティ自体は清涼飲料水にあたりますか。

あたりません。清涼飲料水は乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料とされており、5〜7パーセント台のキティはこの定義から外れます。そもそも規格基準がかかる相手は販売の用に供する食品なので、割り材として売られているジンジャーエールが清涼飲料水であって、グラスで混ぜた一杯は各条の対象ではありません。

飲まないワインや洋酒を売ることはできますか。

可能です。リンクサス酒販では熟成ワインやヴィンテージ、未開栓のシャンパンやリキュールの買取に対応しています。液面やコルク・キャップの状態、ラベルの傷み、保管環境が評価に影響します。

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