飛露喜(ひろき)の定価と特約店|種類と買い方を実測で解説

木のカウンターに並んだ飛露喜の一升瓶五本と、稲穂と山を描いた和柄の背景

飛露喜(ひろき)の定価と特約店|種類と買い方を実測で解説

飛露喜は「ひろき」と読む。福島県河沼郡会津坂下町の廣木酒造本店が造る清酒で、蔵は地元銘柄の泉川も手がけている。この蔵は公式サイトを持たず、価格表も出していない。だから世に「飛露喜の定価」として出回っている数字は、すべて酒販店の店頭価格を誰かが写したものだ。実際、2026年8月26日に開いた四軒の酒販店の商品ページでは、特別純米 生詰の1800mlが税込3,630円、純米大吟醸の720mlが税込3,355円と並び、別の店は同じ純米大吟醸に2,970円を付けていた(こちらは2021年8月の掲載)。同じ品目でも店と時点で数字が動く。この記事は、読み方と蔵の場所、種類ごとの中身、容量の選び方、当店で扱う四本の位置を順に見ていく。後半では、読者がいちばん頼りにしているその「特約店」という言葉を法令の側から探す。日本の法令の全文に「特約店」は二つの文にしかなく、二つとも酒とは関係のない印紙税法とその施行令にある。そこでこの語は、店ではなく一枚の紙の名前として立っている。

飛露喜の読み方は「ひろき」|会津坂下の蔵と泉川

飛露喜の読み方は「ひろき」|会津坂下の蔵と泉川
卓に置かれた日本酒の瓶を正面から撮った一枚

検索の入口でいちばん多いのは「ひろき 日本酒」という平仮名のほうだ。漢字三文字は初見では読みにくく、ふりがなを探して着地する人が多い。飛露喜と書いて「ひろき」。蔵元の姓である廣木(ひろき)と音が重なる。

蔵は福島県河沼郡会津坂下町にある

造っているのは廣木酒造本店で、住所は福島県河沼郡会津坂下町市中二番甲3574。会津坂下は「あいづばんげ」と読む。代表者と杜氏を同じ人が兼ねており、名は廣木健司。売店を持ち、営業時間は9時から17時までとされている。

法人格の表記は資料によって割れている。マツザキの商品ページと、自店を正規特約店と掲げる下郷町の渡辺酒食品店は「合資会社廣木酒造本店」と書く。矢島酒店は「福島県 廣木酒造本店」とだけ書き、法人格に触れていない。一方で日本酒データベースのSakenomyは「株式会社廣木酒造本店」と記載している。創業年も、正規特約店を掲げる渡辺酒食品店が文化・文政年間(1804〜30年)とするのに対し、Sakenomyは1892年としており一致しない。本記事では確定できない部分を書かず、蔵の呼び名は「廣木酒造本店」で統一する。福島県内の他の蔵との位置関係は福島の日本酒にまとめている。

泉川は同じ蔵の地元向け銘柄

同じ蔵から泉川(いずみかわ)という銘柄も出ている。飛露喜が全国に出ていくのに対し、泉川は地元流通が中心で、菊泉川の愛称で古くから親しまれてきた。渡辺酒食品店の紹介文によれば、泉川の吟醸酒は「一番スタンダードな清酒として発売されている」もので、ラベルは吟醸だが位置づけは日常の酒だ。

読者が飛露喜を探して見つからないとき、同じ蔵の泉川が棚に残っていることがある。造り手も水も同じで、価格帯はひとつ下。飛露喜が買えない日に、泉川はしばしば買える。この二本の関係は、あとで容量と値付けを見る章でもう一度出てくる。

飛露喜の「定価」がひとつに決まらない理由

飛露喜の「定価」がひとつに決まらない理由
日本酒の価格表を思わせる一枚

「飛露喜 定価」で検索する人が期待しているのは、一本の数字だ。ところが蔵元は公式サイトを持たず、希望小売価格の一覧を公開していない。数字が出てくるのは、蔵から荷を受け取った特約店の値札のところからだ。

次の表は、2026年8月26日に四軒の酒販店の商品ページで実際に確かめた税込価格である。取得できた品目だけを載せた。なお、自店のページに「正規特約店」と明示していたのはこのうち渡辺酒食品店だけで、残る三軒については蔵との関係を店側の表示から確認できなかった。

飛露喜・泉川を扱う酒販店の掲載価格(税込・各店の商品ページで2026年8月26日に取得)
品目 容量 価格 在庫
飛露喜 特別純米 生詰 1800ml 矢島酒店(千葉) 3,630円 品切れ
飛露喜 純米大吟醸 720ml マツザキ(埼玉) 3,355円 売切れ・一人一本
飛露喜 純米大吟醸 720ml ワダヤ(東京) 2,970円 2021年8月時点の掲載
泉川 純米吟醸 1800ml 渡辺酒食品店(福島) 3,300円 毎月入荷・一人一本
泉川 大吟醸 1800ml 渡辺酒食品店(福島) 7,480円 1800mlは完売

同じ純米大吟醸の720mlで2,970円と3,355円が並ぶ。これが値上げによる差なのか店ごとの差なのかは、外からは切り分けられない。掲載時点が五年離れているからだ。アルコール分も一方は16.1%、もう一方は16%と表記が割れている。ただしどちらにしても、「飛露喜の定価は◯◯円」と一つの数字で言い切れる根拠は、公表資料の側に存在しない。渡辺酒食品店は自店の案内に「価格も予告なく変更することが有ります」と書いている。

そもそも「定価」という語そのものが制度の側で宙に浮いていることは、終売と定価をめぐる別の記事で酒税法の条文に当てて確かめている。この記事が追いかけるのは、値段そのものではなく、その値段を出している「特約店」という仕組みのほうだ。

飛露喜の種類|特別純米・純米吟醸・純米大吟醸の中身

飛露喜の種類|特別純米・純米吟醸・純米大吟醸の中身
棚に並ぶ日本酒の瓶を横から見た一枚

飛露喜はアイテム数の多い銘柄ではない。特約店の店頭で回っているのは、特別純米を軸に、純米吟醸、純米大吟醸、大吟醸、それに季節や酒米で分かれる限定品という並びだ。以下は酒販店の商品ページで数値が確認できたものだけを表にした。

四軒の酒販店の商品ページに記載された規格(2026年8月26日取得)
品目 原料米 精米歩合 アルコール分
飛露喜 特別純米 生詰 山田錦・五百万石 50%・55% 16.3%
飛露喜 純米大吟醸 山田錦 麹40%・掛50% 16.1%
泉川 大吟醸 山田錦 40% 16%
泉川 純米吟醸 会津産 五百万石 55% 15%
泉川 吟醸酒 福島県産 五百万石 55% 15%

特別純米|二種類の米を混ぜて使う一本

特別純米は蔵の看板にあたる。特徴的なのは原料米が一種類ではないことで、山田錦と五百万石が併記され、精米歩合も50%と55%の二つが並ぶ。麹に使う米と掛けに使う米で品種と磨きを変えているという読み方になる。生詰と表示されているものは、貯蔵前に一度火入れし、瓶詰めのときには火を入れない造りだ。矢島酒店は保管について「出来れば冷蔵庫」「クール便推奨」と書いている。

精米歩合という数字が何を指しているかは精米歩合の記事で条文まで確かめている。

純米吟醸と黒ラベル|名前の付き方

純米吟醸には、ラベルの色で通称が付く。黒いラベルのものが「黒ラベル」と呼ばれ、検索でも「飛露喜 黒ラベル 違い」という形で入ってくる。ただしこの通称は蔵が公式に掲げている商品名ではなく、店と飲み手の側の呼び分けだ。ラベルの色で銘柄を指す習慣は便利だが、注文のときは「純米吟醸」と特定名称のほうで伝えたほうが確実になる。純米吟醸と純米大吟醸がどこで分かれるかは純米吟醸と純米大吟醸の違いで扱っている。

純米大吟醸と大吟醸|四合瓶だけの限定出荷

純米大吟醸は山田錦を使い、麹米を40%、掛米を50%まで磨く。日本酒度は+3.5、酸度は1.4。マツザキの商品説明には「四合瓶のみの限定本数出荷商品です」「ラベルは出品吟醸の様に稲穂の絵が描かれております」とある。つまり、少なくともこの店の扱いでは一升瓶が無い。蔵が容量について何かを公表しているわけではないので言えるのはここまでだが、一升瓶が見つからない理由は品切れではないと考えたほうがいい。要冷蔵で、購入は一人一本に制限されている。

飛露喜の大吟醸は当店でも1800mlを扱っているが、規格の数値を蔵元や酒販店の公開資料から確認できなかったため、この記事では精米歩合や度数を書かない。手元の一本の数字は、ラベルの裏面表示で確かめるのが確実だ。

飲んだ印象と、当店で扱う飛露喜四本の位置

飲んだ印象と、当店で扱う飛露喜四本の位置
グラスに日本酒を注ぐ場面を写した一枚

味の方向は、飲み口の軽さで押すタイプではない。密度のある旨みと、後口を締める酸。酒販店の商品説明でも「口に含むと滑らかな旨味、そして酸味が程よく表れて綺麗に消えていきます」という書き方が並ぶ。香りは派手に立たず、温度を5〜10度あたりに置くよう勧める店がある。

当店で扱っている飛露喜は四本ある。特別純米 最新詰の1800ml、純米吟醸 最新詰の1800ml、純米吟醸 愛山の1800ml、大吟醸の1800ml。このうち在庫があるのは特別純米の一本だけで、残る三本は在庫が零になっている(2026年8月26日時点)。

価格については先に断っておきたい。当店の特別純米1800mlは11,000円で、「定価」の章に載せた矢島酒店の3,630円とは三倍ほど開く。これは同じ商品に二つの定価があるということではなく、店頭の値札は蔵から荷が届く経路の価格、当店の価格は市場を経由して集めた一本の価格だという違いだ。特約店で買える機会があるなら、そちらが先である。当店の役割は、その機会を逃した人と、飲まない一本を手放したい人のあいだに立つところにある。

保存については、生詰や生原酒を含む銘柄なので冷蔵が前提になる。開けたあとにどれくらい置けるかは日本酒の賞味期限にまとめた。

当店で扱っている日本酒を並べておく。カードから商品ページへ進めば、容量と在庫の状況が確かめられる。

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ここでは日本酒の在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。

一升瓶と四合瓶|容量で値段の刻みが変わる

一升瓶と四合瓶|容量で値段の刻みが変わる
店頭に並んだ一升瓶を写した一枚

一升瓶は1800ml、四合瓶は720ml。容量の比はちょうど2.5倍になる。ところが値段はその比では動かない。泉川の大吟醸は同じ蔵の同じ品目で二つの容量が出ており、渡辺酒食品店の掲載価格は次のとおりだった。

泉川 大吟醸の容量別価格(渡辺酒食品店・税込・2026年8月26日取得)
容量 価格 100mlあたり 720mlとの比
1800ml 7,480円 約416円 2.00倍
720ml 3,740円 約519円 1.00倍

容量は2.5倍なのに、値段はちょうど2.00倍。一升瓶は100mlあたりで約2割安い。瓶も栓もラベルも一本ぶんは同じだけかかるので、中身が増えるほど一本あたりの固定費が薄まるからだ。

ではいつも一升瓶が得かというと、そうとは言えない。飛露喜の純米大吟醸のように、そもそも720mlしか出ていない品目がある。生詰や生原酒は開栓後の変化が早く、冷蔵庫の棚に1800mlを立てて置ける家は限られる。四合瓶は飲み切りやすさと保管のしやすさを買っている、と考えたほうが実態に近い。

なお渡辺酒食品店の案内は、泉川の吟醸酒について「720瓶は製造していません」と書いている(純米吟醸にも同趣旨の注記がある)。容量が選べるかどうかは銘柄ごとに違い、店の在庫の問題ではないことがある。探し方を間違えないためには、まずその品目に四合瓶が存在するかを確かめるのが早い。

飛露喜と福島・全国のプレミアム日本酒30本を比べる

飛露喜と福島・全国のプレミアム日本酒30本を比べる
複数の日本酒を並べて写した一枚

飛露喜と泉川のラインナップに、同じ会津の写楽・ロ万・会津中将・天明・弥右衛門・末廣、二本松の大七、そして全国区の十四代・獺祭・新政・而今・田酒・久保田・鍋島・風の森を加えた30本を横に並べる。産地と蔵元、度数、それに市場で見かける価格の帯で比較できる。

表の「定価」の列は空にしてある。掲載した蔵元の多くが小売価格の一覧を公表しておらず、公表がある蔵でも容量ごとに分かれているため、一つの数字を置くと誤解を生むからだ。価格の手がかりは「市場相場」の列に帯で示している。なお楽天の掲載価格を拾っている行にはセット売りが混ざるので、単品の目安は市場相場の帯のほうで見てほしい。

飛露喜と福島・全国のプレミアム日本酒 30本 比較|産地と相場が分かる
定番の特別純米や特別純米 無濾過生原酒、純米吟醸 黒ラベル、山田錦の純米大吟醸、規格非公表の最上位・大吟醸、希少酒米の愛山まで飛露喜のラインナップに、地元銘柄の泉川、同じ会津の写楽・ロ万・会津中将・天明・弥右衛門・末廣、二本松の大七、全国区の十四代・獺祭・新政・而今・田酒・久保田・鍋島・風の森を加えた30本を、産地と蔵元、度数、市場で見かける価格の帯で横断比較。手に取りやすい特別純米から、二次流通で数万円に達する大吟醸・愛山・十四代まで、飛露喜の価格的な位置づけと味の幅が一目で分かります(2026年8月26日時点)。
価格は 2026/08/26 更新
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
Amazon 楽天 買取
飛露喜 特別純米 1800ml1定番・看板 飛露喜 特別純米 1800ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約3,000〜5,000円(720ml〜・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

飛露喜の顔ともいえる火入れの定番。ふくよかな旨みとキレ。

¥11,000リンクサス最安 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
2希少・原点 飛露喜 特別純米 無濾過生原酒 1800ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約3,500〜6,500円(720ml〜・限定・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

1999年に蔵を救った原点の酒。芳醇でジューシーな旨み。

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飛露喜 純米吟醸 黒ラベル 1800ml3人気・定番 飛露喜 純米吟醸 黒ラベル 1800ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約3,500〜6,500円(720ml〜・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

黒いラベルの通称で親しまれる純米吟醸。マスカットや白桃を思わす香り。

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飛露喜 純米大吟醸 720ml4上位・ギフト 飛露喜 純米大吟醸 720ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約6,000〜10,000円(720ml・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

山田錦100%の上位酒。甘味と酸味の絶妙なバランス。

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飛露喜 大吟醸 1800ml5極希少・最上位 飛露喜 大吟醸 1800ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約12,000〜25,000円(1.8L・二次流通・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

ラインナップ最上位。店頭に並ぶ期間が短い希少な大吟醸。

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飛露喜 純米大吟醸 愛山 720ml6超希少・上位 飛露喜 純米大吟醸 愛山 720ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約8,000〜16,000円(720ml・限定・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

希少な酒米・愛山を使った純米大吟醸。濃密でジューシー。

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7希少・限定 飛露喜 山廃純米 マル飛 1800ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約4,000〜7,500円(720ml〜・限定・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

山廃仕込みの限定酒。豊かな酸とコクで燗にも映える。

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飛露喜 特別純米 かすみ酒 初しぼり 1800ml8希少・季節限定 飛露喜 特別純米 かすみ酒 初しぼり 1800ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約3,500〜6,000円(720ml〜・冬季限定・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

冬季限定のおりがらみ生。微細な澱とフレッシュな旨み。

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飛露喜 純米吟醸 生詰 黒ラベル 720ml9希少・人気 飛露喜 純米吟醸 生詰 黒ラベル 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約4,000〜7,000円(720ml〜・限定・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

黒ラベルの生詰タイプ。みずみずしくジューシーな香味。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥6,980 楽天 査定 買取
飛露喜 純米吟醸 1800ml10定番・食中酒 飛露喜 純米吟醸 1800ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約3,200〜5,500円(720ml〜・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

バランスの取れた純米吟醸。香りと旨みが食事に寄り添う。

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11希少・地元限定 泉川 特別純米 1800ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約3,000〜5,000円(720ml〜・地元流通中心・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

創業以来の地元銘柄。会津坂下で愛される飛露喜の原点。

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泉川 純米吟醸 1800ml12希少・地元限定 泉川 純米吟醸 1800ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約3,500〜6,000円(720ml〜・地元流通中心・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

泉川の純米吟醸。飛露喜と同蔵ならではの上品な香味。

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13希少・季節限定 泉川 ふな口 本生 1800ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約3,500〜6,000円(1.8L・季節限定・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

搾り口から瓶詰めした季節の本生。フレッシュで力強い。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
飛露喜 純米吟醸 愛山 1800ml14希少・限定 飛露喜 純米吟醸 愛山 1800ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約7,000〜12,000円(1.8L・限定・2026年8月時点)
💎 プロのおすすめ

愛山を使った純米吟醸。ふくよかでジューシーな飲み口。

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写楽 純米吟醸 720ml15希少・人気 写楽 純米吟醸 720ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約3,000〜6,000円(720ml〜・二次流通・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

会津若松・宮泉銘醸の人気銘柄。華やかでジューシー。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ロ万 純米吟醸 一回火入 720ml16人気 ロ万 純米吟醸 一回火入 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約2,500〜4,000円(720ml〜・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

南会津・花泉酒造。福島県産米と酵母で醸す甘旨の人気酒。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥3,495 楽天 査定 買取
会津中将 純米吟醸 720ml17定番 会津中将 純米吟醸 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約2,500〜4,500円(720ml〜・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

鶴乃江酒造の看板。澄んだ飲み口と可憐な淡い香り。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥6,650 楽天 査定 買取
天明 純米 おりがらみ 720ml18人気・同郷 天明 純米 おりがらみ 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約2,500〜4,500円(720ml〜・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

飛露喜と同じ会津坂下・曙酒造。みずみずしく軽快。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥2,336 楽天 査定 買取
弥右衛門 純米吟醸 720ml19定番・食中酒 弥右衛門 純米吟醸 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約2,200〜3,800円(720ml〜・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

喜多方・大和川酒造店。しっかりとした旨口の食中酒。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon ¥2,645 楽天 査定 買取
大七 生酛純米 1800ml20定番・名門 大七 生酛純米 1800ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約2,500〜4,500円(720ml〜・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

二本松・大七酒造。全量生酛で醸す濃醇な旨口の代表格。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
末廣 玄宰 大吟醸 720ml21定番・受賞 末廣 玄宰 大吟醸 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約3,500〜6,000円(720ml・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

会津の老舗・末廣酒造。鑑評会金賞の華やかな大吟醸。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
十四代 本丸 秘伝玉返し 1800ml22極希少・別格 十四代 本丸 秘伝玉返し 1800ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約15,000〜35,000円(1.8L・二次流通・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

“幻の酒”十四代の代名詞。定価入手が極めて難しい。

¥49,500リンクサス最安 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
23極希少・人気 而今 特別純米 無濾過生 720ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約4,000〜9,000円(720ml〜・二次流通・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

飛露喜と並ぶ現代の人気酒。ジューシーで透明感のある旨み。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 720ml24定番・高級 獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 720ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約5,000〜8,000円(720ml・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

山田錦を23%まで磨いた獺祭の最高峰。華やかで繊細。

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獺祭 純米大吟醸45 720ml25定番・入門 獺祭 純米大吟醸45 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約2,000〜3,000円(720ml・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

獺祭の定番。手頃で純米大吟醸の魅力を味わえる。

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新政 No.6 R-type 純米 生原酒 720ml26希少・人気 新政 No.6 R-type 純米 生原酒 720ml
★★★★★5/ 唎酒師スコア
実勢 約4,000〜8,000円(720ml・二次流通・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

新政の代名詞No.6の定番。瑞々しく微発泡感がある。

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田酒 特別純米 720ml27定番・人気 田酒 特別純米 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約2,000〜3,500円(720ml・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

青森の名門・田酒。米の旨みをしっかり感じる王道。

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久保田 萬寿 純米大吟醸 720ml28定番・贈答 久保田 萬寿 純米大吟醸 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約3,500〜5,500円(720ml・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

新潟・久保田の最上位。上品で飲み飽きしない淡麗。

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鍋島 純米吟醸 720ml29人気・受賞 鍋島 純米吟醸 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約2,000〜3,500円(720ml・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

IWCで最高賞を受賞した佐賀の名蔵。バランスの良い旨み。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
風の森 秋津穂 657 純米 720ml30定番・人気 風の森 秋津穂 657 純米 720ml
★★★★☆4/ 唎酒師スコア
実勢 約1,600〜2,600円(720ml・2026年6月時点)
💎 プロのおすすめ

奈良の実力蔵・風の森。フレッシュで微発泡感のある生酒。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取

「定価」の列は空にしてあります。掲載した蔵元の多くが小売価格の一覧を公表しておらず、公表がある蔵でも容量ごとに分かれているため、一つの数字を置くと誤解を生むからです。価格の目安は「市場相場」の列の帯でご覧ください。在庫と価格は変動します。

入手のしにくさそのものを軸に日本酒を見比べたい場合は市場に出回らない日本酒のほうがまとまっている。この記事は飛露喜という一本を起点に、その周りの制度を見にいく。

「特約店」は日本の法令に二つの文しかない

「特約店」は日本の法令に二つの文しかない
酒販店の店頭を思わせる一枚

飛露喜を定価で買おうとする人は、必ず「特約店」という言葉にたどり着く。蔵が信頼した店にだけ卸す、という説明もよく見る。ではその特約店は、法律のどこに書かれているのか。

e-Govの法令横断検索で全法令の本文を叩くと、「特約店」を含む文は二つしかない。しかも二つとも同じ法律の系列にある。片方は印紙税法の別表第一、もう片方は印紙税法施行令だ。酒税法にも、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律にも、独占禁止法にも、この語は一度も現れない。

流通の呼び名が法令全文に現れる文の数(e-Gov法令横断検索・2026年8月26日取得)
文の数 現れる法令
代理店 879 保険業法・信託業法ほか多数
取扱店 165 国債規則・政府保管有価証券取扱規程ほか
小売店 147 大規模小売店舗立地法・中心市街地の活性化に関する法律ほか
販売店 12 塩事業法ほか
特約店 2 印紙税法・印紙税法施行令
正規販売店 0 該当なし

並べてみると落差が大きい。同じ流通の役割を指す言葉でも、代理店は879の文に現れ、特約店は2で止まる。読み仮名を変えた「とくやくてん」、カタカナの「トクヤクテン」、語を伸ばした「特約販売店」はいずれも0件で、「特約店契約書」から一字落とした「特約店契約」で叩いても同じ2件しか返らない。取りこぼしではなく、本当に二つなのだ。

そしてこの二つの文で、特約店は店として登場しない。「特約店契約書」という、一枚の紙の名前として出てくる。法令の側から見ると、特約店とは資格でも許可でもなく、契約書のタイトルの例示にすぎない。

ここから先は、その紙が置かれている印紙税法の側を開いていく。酒とはまったく関係のない場所に、酒の流通を支えている言葉が一つだけ立っている。

印紙税法施行令第二十六条|特約店の号だけが六つ並べる

印紙税法施行令第二十六条|特約店の号だけが六つ並べる
紙幣と電卓を並べて撮った一枚

印紙税法の別表第一は、課税される文書を第一号から第二十号まで並べた表である。第七号の欄はこう書かれている。

継続的取引の基本となる契約書とは、特約店契約書、代理店契約書、銀行取引約定書その他の契約書で、特定の相手方との間に継続的に生ずる取引の基本となるもののうち、政令で定めるものをいう。

印紙税法 別表第一 第七号 定義の欄

三つ並んだ例示の先頭が特約店契約書だ。そして「政令で定めるもの」と投げられた先が、印紙税法施行令第二十六条になる。施行令の側も「法別表第一第七号の定義の欄に規定する政令で定める契約書は、次に掲げる契約書とする」と書き出しており、受け渡しは条文の語で確かめられる。この条は五つの号を並べていて、第一号がまさに特約店契約書の号にあたる。

特約店契約書その他名称のいかんを問わず、営業者(法別表第一第十七号の非課税物件の欄に規定する営業を行う者をいう。)の間において、売買、売買の委託、運送、運送取扱い又は請負に関する二以上の取引を継続して行うため作成される契約書で、当該二以上の取引に共通して適用される取引条件のうち目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法又は再販売価格を定めるもの(電気又はガスの供給に関するものを除く。)

印紙税法施行令 第二十六条第一号

前提が三つ重なっている。営業者どうしであること、売買・売買の委託・運送・運送取扱い・請負のいずれかであること、二以上の取引を継続して行うために作る紙であること。そのうえで読みどころは末尾の列挙だ。目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法、再販売価格。六つ並んでいて「又は」で結ばれている。六つ全部を書く必要はない。どれか一つでも定めてあれば、その紙は第七号の課税文書になる。末尾の括弧が外しているのは電気とガスの供給だけで、酒は外れていない。

五つの号を横に並べると、この六つの重さが分かる。

印紙税法施行令第二十六条 各号が課税の引き金にしている記載事項の数(条文から作成)
先頭に置かれた紙の名前 課税の引き金になる記載事項
第一号 特約店契約書 目的物の種類/取扱数量/単価/対価の支払方法/債務不履行の場合の損害賠償の方法/再販売価格 6
第二号 代理店契約書、業務委託契約書 委託される業務又は事務の範囲/対価の支払方法 2
第三号 銀行取引約定書 列挙せず「包括的に履行方法その他の基本的事項」
第四号 信用取引口座設定約諾書 受渡しその他の決済方法/対価の支払方法/債務不履行の場合の損害賠償の方法 3
第五号 保険特約書 保険の目的の種類/保険金額/保険料率 3

列挙している四つの号のなかで、特約店の号だけが六つ。他はどれも三つ以下で、すぐ隣の代理店の号は二つしかない。代理店の側は業務の範囲か支払方法かの二つだけ。特約店の側は、単価を一行書いても、扱う本数を書いても、支払いの方法を書いても、そこで課税に入る。取引の中身が同じでも、紙にどの一行を書き足すかで税がかかるかどうかが動く。

もうひとつ、法律と政令のあいだにずれがある。法律の定義欄が名前を挙げているのは特約店契約書・代理店契約書・銀行取引約定書の三つだけで、第四号の信用取引口座設定約諾書と第五号の保険特約書は、法律が一度も呼んでいない。政令の側で二つ増えている。

最後に、この号には入れ子がある。冒頭の「営業者」に付いた括弧は「法別表第一第十七号の非課税物件の欄に規定する営業を行う者をいう」と書いてあり、指し先の第十七号の欄をたどると「営業(会社以外の法人で、法令の規定又は定款の定めにより利益金又は剰余金の配当又は分配をすることができることとなつているものが、その出資者以外の者に対して行う事業を含み、当該出資者がその出資をした法人に対して行う営業を除く。)に関しない受取書」とある。この括弧が足し引きしているのは「営業」の縁だけで、中心が何かはどこにも書かれていない。領収書が非課税になる欄から、否定形のまま借りてきた語が、特約店契約書の入口に置かれている。第十七号の受取書そのものと「営業に関しない」の読み方は8,800万円の値札に貼る印紙で扱った。

三か月と四千円|外す条件を課税物件の欄に置いた号

三か月と四千円|外す条件を課税物件の欄に置いた号
壁一面に並べられた一升瓶を写した一枚

第七号の課税物件の欄には、括弧でひとつだけ抜け道が書いてある。

継続的取引の基本となる契約書(契約期間の記載のあるもののうち、当該契約期間が三月以内であり、かつ、更新に関する定めのないものを除く。)

印紙税法 別表第一 第七号 課税物件の欄(物件名)

外れるには三つの条件を重ねる必要がある。契約期間が書いてあること、その期間が三月以内であること、更新の定めがないこと。「かつ」で結ばれているので、期間が二か月でも更新条項が一行あれば外れない。期間を書かなければ、そもそも括弧の土俵に上がらないので課税される。取引が続くかどうかではなく、紙に期間がどう書いてあるかで分かれる。

税額のほうはもっと素っ気ない。第七号の税率の欄は「一通につき 四千円」の一行だけだ。同じ別表の他の号と並べると、この平坦さが際立つ。

印紙税 別表第一における税率の刻み方(条文から作成)
文書 税率の段数 金額
第七号 継続的取引の基本となる契約書 1段 一通につき4,000円
第十七号1 売上代金に係る金銭・有価証券の受取書(受取金額の記載のあるもの) 14段 200円〜200,000円
第十七号2 1以外の受取書 1段 一通につき200円
第五号 合併契約書ほか 1段 一通につき40,000円

受取書のほうは、百万円以下の200円から十億円超の20万円まで14段の階段になっている。受け取った金額はそのまま税額に効くのに、その取引の土台になった契約書は、扱う本数がいくつであろうと四千円で止まる。年に十二本しか動かない蔵と特約店の紙も、何万本も動く紙も同じである。受取書の側の階段の読み方と、貼り忘れ・消し忘れで追徴の額が三通りに分かれる話は山崎50年の価格推移の記事にまとめてあるので、ここでは繰り返さない。納める人は第三条で決まっている。課税文書を作成した者で、二以上の者が共同して作成したときは連帯だ。

外す条件が、非課税物件の欄ではなく課税物件の欄にある

別表第一は、番号・課税物件(物件名と定義の二段に分かれる)・課税標準及び税率・非課税物件という並びで組まれている。第七号は、その最後の欄が空のまま置かれている。第六号の定款には「公証人の保存するもの以外のもの」があり、第八号の預貯金証書には「預入額が一万円未満のもの」があり、第十七号の受取書には「営業に関しないもの」「五万円未満」がある。ただし空欄なのは第七号だけではない。二十の号のうち第五号・第七号・第九号・第十号・第十一号・第十四号・第十九号・第二十号の八つが空で、第七号はそのひとつにすぎない。

第七号が違うのは、外す条件の置き場所のほうだ。物件名の欄に除外の括弧を書き込んでいる号は、第七号・第十三号・第十九号の三つしかない。第十三号(債務の保証に関する契約書)は非課税物件の欄も併せ持ち、第十九号の括弧は「前号に掲げる通帳を除く」という所属の切り分けだ。紙に何が書いてあるかで外す条件を、非課税物件の欄ではなく課税物件の欄の括弧に置いているのは、第七号だけである。

置き場所の違いは効き方に出る。印紙税法第五条は非課税文書を三つ並べていて、第一号が「別表第一の非課税物件の欄に掲げる文書」、第二号が「国、地方公共団体又は別表第二に掲げる者が作成した文書」、第三号が「別表第三の上欄に掲げる文書で、同表の下欄に掲げる者が作成したもの」。第七号には第一号の受け皿が無い。三月以内で更新の定めのない紙は、非課税になるのではなく、はじめから課税物件に入らないという扱いになる。そして第五条の残る二つは、第二号が作成者だけで切り、第三号が文書の種類と作成者の組み合わせで切る。どちらも紙に何が書いてあるかの話ではない。

印紙税法で酒が名前を出す唯一の場所

その別表第三に、酒が一度だけ顔を出す。印紙税法の全文に「酒類」も「酒税」も一度も現れない。「清酒」は三回あり、うち二回は附則の改正規定で、条文の並びの中に立っているのは別表第三の一行だけだ。文書の側は「清酒製造業等の安定に関する特別措置法(昭和四十五年法律第七十七号)第三条第一項第一号(中央会の事業の範囲の特例)の事業に関する文書」、作成者の側は「同法第二条第三項(定義)に規定する中央会」。その中央会とは、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第八十条第一項により組織された酒造組合中央会で、清酒及び単式蒸留焼酎に係るものをいう。

印紙税法が酒の名を書き込んだ唯一の場所は、課税の側ではなく非課税の側で、しかも切り分けているのは紙の中身ではなく作成者だ。そこに置かれているのは蔵の名でも酒販店の名でもなく、組合の中央会である。

印紙税法の外に目を移すと、期間を限った抜け道が過去に一度だけ開いている。「継続的取引の基本となる契約書」という言葉を法令横断で叩くと三つの文が返り、その三つは印紙税法・印紙税法施行令・東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律だ。「印紙税法別表第一第七号に掲げる継続的取引の基本となる契約書」という引用の形まで長くして叩き直すと、返るのは震災特例法の一本だけになる。その第四十八条は、金融機関が保存していた紙が震災で滅失し、その代わりに作り直された文書を非課税とするもので、作成期間は平成23年3月11日から平成25年3月31日までに限られていた。蔵と酒販店のあいだで交わされる特約店契約書には、はじめから届いていない。

同じ「再販売価格」が三つの制度で別の顔になる

同じ「再販売価格」が三つの制度で別の顔になる
酒蔵の内部を写した一枚

施行令第二十六条を開いた章で見た六つの記載事項の最後に、「再販売価格」という語があった。この語を法令横断で叩くと、24の文が返る。内訳は次のようになる。

「再販売価格」を含む文の分布(e-Gov法令横断検索・2026年8月26日取得)
法令 文の数 そこでの役割
租税特別措置法・同施行令 11 国外関連取引や内部取引の対価を推し量る物差し
再販売価格維持契約の届出に関する規則 4 届出の様式と手続
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 3 適用除外の側
公正取引委員会の組織関係の政省令ほか 5 所掌事務の表記
印紙税法施行令 1 課税文書になる引き金

いちばん大きい塊は独占禁止法ではなく、租税特別措置法とその施行令だ。そこでの再販売価格は「国外関連取引に係る棚卸資産の買手が特殊の関係にない者に対して当該棚卸資産を販売した対価の額」と括弧で定義され、そこから通常の利潤の額を差し引いて取引の対価を推し量る「再販売価格基準法」という計算方法の名前になっている。値段を拘束する話ではなく、値段を測る物差しの話である。

独占禁止法の三つの文は、どれも第二十三条にある。この条は入口を二つ持つ。第一項が「公正取引委員会の指定する商品であつて、その品質が一様であることを容易に識別することができるもの」について、第四項が著作物について、再販売価格を決めて維持する正当な行為に法の適用をしないと定める。ところが届出を課す第六項の名宛人は「第一項に規定する事業者」だけで、著作物の側には届出の義務が書かれていない。同じ条で例外の入口は二つあるのに、出口の届出は片方にしか付いていない。

そして、この語を拘束の側では使っていない。不公正な取引方法を定義する第二条第九項第四号イは「相手方に対しその販売する当該商品の販売価格を定めてこれを維持させること」と書き、「再販売価格」の五文字を避けている。独占禁止法でこの語が立っているのは、禁止の側ではなく例外の側だ。禁止そのものの読み方はメーカーが小売価格を守らせられない理由に譲る。この記事が見るのは、同じ語が例外の側と課税の側でどう働くかのほうだ。

もうひとつ、語の扱われ方に差がある。独占禁止法は第二十三条第一項の中で「その相手方たる事業者又はその相手方たる事業者の販売する当該商品を買い受けて販売する事業者がその商品を販売する価格をいう」と括弧を付けて定義してから使い、租税特別措置法も同じように括弧で定義してから使っている。定義を置かずにこの語を使う法令は他にもあるが、届出の規則も公正取引委員会の組織関係の政省令も、意味は独占禁止法の側から借りている。定義を持たない五文字をそのまま自前の課税要件にしているのは、印紙税法施行令だけだ。

届出の規則と公正取引委員会の組織関係の政省令は、どちらも第二十三条の届出と所掌を回すためのもので、制度としては独占禁止法の側に入る。三つ並べると向きがはっきりする。租税特別措置法では計算のための数値、独占禁止法では例外の入口に置かれた条件、印紙税法施行令では紙に書いてあれば税がかかる引き金。同じ五文字が、測る道具と、許される場面と、課税の合図という三つの顔を持つ。そして酒の流通を直接に規律する法律の側には、この語は一度も現れない。

買えなかったときの動き方と、飲まない一本の査定

買えなかったときの動き方と、飲まない一本の査定
瓶の状態を確かめている場面の一枚

店頭に飛露喜が並ぶ時間は短い。この記事で飛露喜の在庫状態が読み取れた二軒(矢島酒店とマツザキ)は、いずれも品切れか売切れだった。現実的な動き方は次の三つに整理できる。

定価に近づくための三つの経路(各店の掲載条件から整理)
経路 やること 注意点
特約店に通う 入荷日の傾向を店に確かめ、その曜日に寄る 取り置きを断る店がある。同じ店でも予約商品だけは期限付きで預かることがある。一人一本の制限が付くことが多い
予約の窓口を使う 季節商品は予約開始日が決まっている場合がある(泉川のふな口本生は10月1日から) 予約でもその店での取り置き期間に期限が切られる(同店は11月30日まで)
同じ蔵の泉川に切り替える 毎月入荷する品目を狙う 720mlを作っていない品目がある

共通するのは、店ごとにルールが違うということだ。法令の側に「特約店はこうふるまう」という決まりは一行も置かれていないので、条件を知る方法はその店に聞く以外にない。

贈り物などで手元に残り、飲む予定のない一本があるなら、そのまま置いておくより早めに動かしたほうがいい。日本酒は温度と光に弱く、時間は味方をしない。当店の日本酒の買取では、銘柄と容量、保管の状態を伺ったうえで金額をお伝えしている。逆に探している側であれば、当店の飛露喜 特別純米 1800mlの在庫状況を商品ページで確かめられる。店頭の値札とは水準が違うことは、四つめの章に書いたとおりだ。

飛露喜と特約店のよくある質問

飛露喜と特約店のよくある質問
徳利とお猪口を並べた一枚
飛露喜の読み方を教えてください。

「ひろき」と読みます。造っているのが福島県河沼郡会津坂下町の廣木酒造本店で、蔵元の姓である廣木(ひろき)と音が重なります。検索では平仮名の「ひろき 日本酒」で探す人のほうが多く、漢字三文字を読めずに着地するケースが目立ちます。会津坂下は「あいづばんげ」と読みます。

飛露喜の定価はいくらですか。

一つの数字では答えられません。廣木酒造本店は公式サイトを持たず、希望小売価格の一覧を公表していないためです。2026年8月26日に確かめた酒販店の税込価格は、特別純米 生詰の1800mlが3,630円(矢島酒店)、純米大吟醸の720mlが3,355円(マツザキ)でした。別の店は同じ純米大吟醸の720mlを2,970円と掲載しています(2021年8月時点)。店と時点によって数字が動くので、買う店の値札を基準にしてください。

飛露喜はどこの都道府県のお酒ですか。

福島県です。蔵は河沼郡会津坂下町市中二番甲3574にあり、代表者と杜氏を廣木健司が兼ねています。法人格の表記は資料によって分かれており、飛露喜を扱う酒販店は「合資会社廣木酒造本店」、日本酒データベースのSakenomyは「株式会社廣木酒造本店」と記載しています。創業年も文化・文政年間とする資料と1892年とする資料があり一致しません。

飛露喜と泉川はどう違うのですか。

どちらも廣木酒造本店の銘柄です。飛露喜が全国の特約店に出ていくのに対し、泉川は地元流通が中心で、菊泉川の愛称で古くから親しまれてきました。特約店の案内では泉川の吟醸酒を「一番スタンダードな清酒」と説明しています。飛露喜が品切れの日に泉川が棚に残っていることは珍しくありません。

飛露喜の純米大吟醸に一升瓶はありますか。

扱っている店の商品説明では四合瓶だけとされています。マツザキの商品ページに「四合瓶のみの限定本数出荷商品です」と明記されており、購入も一人一本に制限されています。蔵元が容量について何かを公表しているわけではないので断定はできませんが、1800mlが見つからない理由は在庫切れではないと考えたほうがよいでしょう。要冷蔵で、ラベルには稲穂の絵が描かれています。

飛露喜の黒ラベルとは何ですか。

純米吟醸のうち黒いラベルのものを指す通称です。蔵が掲げる正式な商品名ではなく、店と飲み手の側の呼び分けとして定着しました。注文や問い合わせのときは「純米吟醸」と特定名称で伝えたほうが行き違いが起きにくくなります。

特約店は法律で決まった資格なのですか。

いいえ。「特約店」という語は日本の法令の全文に二つの文しかなく、その二つはどちらも印紙税法の別表第一第七号と印紙税法施行令第二十六条第一号です。しかもそこでは店ではなく「特約店契約書」という文書の名前として例示されています。酒税法にも独占禁止法にもこの語は現れません。国が与える資格ではなく、蔵と店のあいだの契約に基づく事実の表明だと考えてください。

特約店契約書には収入印紙が必要ですか。

印紙税法別表第一第七号に当たる場合は必要です。施行令第二十六条第一号は、営業者どうしが、売買・売買の委託・運送・運送取扱い・請負のいずれかについて二以上の取引を継続して行うために作る契約書であることを前提としたうえで、目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法、債務不履行の場合の損害賠償の方法、再販売価格という六つのうち一つでも定めていれば該当するとしています。電気またはガスの供給に関するものは括弧で除かれます。また課税物件の欄の括弧により、契約期間が記載されていて、その期間が三月以内で、かつ更新に関する定めがないものは外れます。個別の判断は税務署または税理士にご確認ください。

印紙を貼り忘れるとどうなりますか。

印紙税法第二十条により、納付しなかった印紙税の額とその二倍に相当する金額との合計、つまり三倍が過怠税として徴収されます。第七号の四千円なら一万二千円です。調査を予知せずに自分から申し出た場合は1.1倍に軽減され、印紙は貼ったが消印をしなかった場合は消されていない印紙の額面と同額が徴収されます。合計が千円に満たないときは千円とする下限もありますが、自分から申し出た場合の過怠税だけのときはこの下限が働きません(第五項)。

飛露喜が買えないときはどうすればよいですか。

方法は三つあります。特約店に入荷の傾向を尋ねてその曜日に寄ること、季節商品の予約開始日を押さえること、同じ蔵の泉川に切り替えることです。取り置きを受けない店、一人一本に限る店、予約でも保管期限を切る店があり、条件は店ごとに違います。法令の側に特約店のふるまいを決めた規定はないので、条件はその店に直接確かめるほかありません。

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