梅酒の作り方|青梅の毒と「南高」を公的資料で確かめる
梅酒づくりの手順書はどれも「青梅を洗う」「へたを取る」「水気を拭く」から始まります。ではなぜ、生のまま食べてはいけないと言われるのか。その根拠がどの資料のどこに書いてあるのかまで書いた手順書は、意外と多くありません。
調べてみると、公的な資料の側にも温度差があります。東京都は「間違えやすい有毒植物」の一覧に青梅を入れていますが、厚生労働省が公表している「自然毒のリスクプロファイル」の高等植物の欄にウメの項はありません。食品衛生法にもとづく規格基準でシアン化合物を名指しした条は3つありますが、その主語は豆類・生あん・ミネラルウォーター類で、うめはどこにも出てきません。青梅は、危ないと注意喚起されている一方で、それ自体を主語にした基準を持たない食品です。
この記事は、その落差を確かめながら梅酒の作り方をたどります。梅酒という名前を法令がどこまで決めているかは梅酒に合うおつまみの記事の後半、家で漬けるときの酒税法の扱いは家庭で果実を漬けるときの酒税法の扱いで扱っているので、ここでは繰り返しません。
青梅を「有毒植物」に数える役所と、数えない役所がある

青梅の扱いを調べるとき、最初に当たるのは自治体と国が出している有毒植物の一覧です。ところが同じ「有毒植物」という括りなのに、載っている品目が一致しません。
梅の場合、この食い違いは実務に効きます。梅酒を漬ける家庭では、生の青梅が数日から数週間、台所や瓶のなかにあるからです。
東京都の一覧は31種で、青梅は19番目に置かれている
東京都保健医療局の「食品衛生の窓」には「間違えやすい有毒植物」というページ群があります。導入の2ページと用語解説を除くと、植物を主語にした項目は31種。青梅はその19番目に、独立した1ページとして置かれています。
そのページの書き出しはこうです。
果実は一般に加工して利用されます。しかし、未熟な果実や種の中心の部分には毒成分があります。生の梅は、梅酒や梅干しつくりのため身近にありますので、子供が食べないように十分注意する必要があります。
注意の向け先が「子供」に置かれていることに気づきます。梅酒や梅干しを漬けるあいだ、生の梅は台所に何日か置かれます。行政が想定しているのは、漬ける人ではなく、そこにある果実をつまむ人のほうです。
この文が「果実は一般に加工して利用されます」から始まっている点も見落とせません。加工が前提の果実であり、そのうえで未熟な状態と種の中心が名指しされる、という順序です。梅酒づくりは「加工」の側に入りますが、加工すれば安全になると書いてあるわけでもありません。
厚生労働省の一覧24行にウメの項は無い
いっぽう厚生労働省は「自然毒のリスクプロファイル」を公表していて、植物性自然毒をキノコと高等植物に分けています。高等植物の欄は表の見出しセルが24行ぶんを占めると宣言していて、実際に行を1つずつ数えても24行、見出しの語も24通りありました。この中にウメも青梅もありません。
2つの一覧を見出しの語で突き合わせると、そのまま一致するのは15項目でした。東京都にだけあるのが16項目、厚生労働省にだけあるのが9項目です。
| 区分 | 件数 | 名称 |
|---|---|---|
| 名称がそのまま一致 | 15種 | イヌサフラン、カロライナジャスミン、クワズイモ、グロリオサ、ジギタリス、ジャガイモ、スイセン、タマスダレ、トリカブト類、ドクゼリ、ドクニンジン、ハシリドコロ、バイケイソウ類、ユウガオ、ヨウシュヤマゴボウ |
| 東京都の一覧にだけある | 16種 | アサガオ、アセビ、アブラギリ類、ギンナン、コンフリー、シキミ、スズラン、ソテツ、チョウセンアサガオ類、ドクウツギ、ヒガンバナ、フクジュソウ、モロヘイヤ、レンゲツツジ、白インゲン豆、青梅 |
| 厚生労働省の一覧にだけある | 9種 | アジサイ、アマチャ、シャクナゲ、スノーフレーク、チョウセンアサガオ類1(チョウセンアサガオ)、チョウセンアサガオ類2(キダチチョウセンアサガオ)、テンナンショウ類、ヒメザゼンソウ、ベニバナインゲン |
ジャガイモやユウガオのように両方に載るものがある一方で、ギンナンや青梅は東京都にしかありません。逆にアジサイやシャクナゲは厚生労働省にしかない。「有毒植物」という言葉が指す範囲は、資料ごとに違います。どちらかが誤っているという話ではなく、注意喚起の目的と対象が違うためにこうなります。だから「国の資料に載っていないから安全だ」とは読めませんし、逆に「一覧に載っているから食品として規制されている」とも読めません。
ただし上の15項目という数字は、見出しの語がそのまま一致した数です。東京都は「チョウセンアサガオ類」を1項目にまとめ、厚生労働省は「チョウセンアサガオ類1(チョウセンアサガオ)」「チョウセンアサガオ類2(キダチチョウセンアサガオ)」の2項目に分けているので、この1組を同じものとして数え直すと、相手のある項目は東京都側で16、厚生労働省側で17になります。
逆に、名前が似ていても別物のこともあります。東京都の「白インゲン豆」はインゲン豆の白色種で毒成分はレクチン、厚生労働省の「ベニバナインゲン」は別名ハナマメ、英名 scarlet runner bean で、同じマメ科でも別の植物です。語の見た目で同一視すると数を間違えます。なお東京都側は各ページのサイドナビの表記で数えました。一覧ページのほうは「カロライナジヤスミン」と大きい「ヤ」で書かれていて、同じサイトのなかでも表記が揺れています。いずれの数え方でも、青梅がどちらに入るかは動きません。
また、東京都の一覧は「間違えやすい」という限定が見出しに入っています。食用の植物と取り違えて起きる事故を想定した並びです。厚生労働省の側は動物性自然毒と植物性自然毒に分け、植物性自然毒をさらにキノコと高等植物に分けた構成で、キノコを植物として扱う理由については「食中毒統計ではキノコは植物として扱われている」と本文に書かれています。作った目的が違うので、収録の基準も違います。
関連商品ラインナップ

下に並ぶのはリンクサス酒販が扱う焼酎の取り扱いです。梅酒のベースという観点では、連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)の定義の区分でいう連続式蒸留焼酎(いわゆるホワイトリカー)が定番ですが、ここに出るのは百年の孤独や森伊蔵、村尾といった単式蒸留の本格焼酎で、価格帯も用途も別のものです。
ここに並ぶ24点を実際に見ると、大半は単式蒸留の本格焼酎ですが、台湾の高梁酒(馬祖 589)と清酒(勝駒 純米大吟醸)も混ざっています。一覧は作った目的で中身が変わる、というこの記事の話が、売り場の側でも起きているということです。漬け込みに使うか、そのまま味わうかで選び方は変わります。
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ここでは焼酎の在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。
梅酒づくりのベース酒と市販梅酒30銘柄を比較

比較表には30銘柄が入っています。分類のラベルを集計すると、市販の梅酒が13銘柄、漬け込みのベースに使う酒が17銘柄でした。市販13銘柄のうち7銘柄は山崎の名を冠する梅酒で、ここは銘柄の幅ではなくシリーズの厚みで占められています。
| 区分 | 銘柄数 | 内訳 |
|---|---|---|
| 市販の梅酒 | 13 | うち山崎の名を冠するものが7、そのほかが6 |
| ブランデーをベースにするもの | 6 | ヘネシー、レミーマルタン、クルボアジェなど |
| 焼酎をベースにするもの | 7 | ホワイトリカー1、麦2、米2、芋1、黒糖1 |
| そのほかのベース | 4 | 泡盛、日本酒、ジン、ラムが各1 |
| 合計 | 30 | うちリンクサス酒販の在庫と結び付いているのが13 |
表のなかで、ここから先の話と直接ぶつかる銘柄が1つあります。「紀州 南高梅 完熟梅酒」です。あとで見るとおり「南高」は品種登録簿に載っていない名前ですが、それでも商品名として当たり前に使われています。登録されているかどうかと、名乗れるかどうかは別の話だからです。
| 画像 | 銘柄・スコア | 定価 市場相場 |
特徴 | リンクサス酒販 本命 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位
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ヘネシー V.S 700ml 40% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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世界一売れているコニャックの入門グレード。ブランデー梅酒のベースに使えば芳醇なコクが出る。 |
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2位
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ヘネシー V.S.O.P プリヴィレッジ 700ml 40% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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4〜7年熟成の原酒をブレンドしたVSOP。贅沢な梅酒づくりや食後の一杯に。 |
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3位
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レミーマルタン V.S.O.P 黒 1980年代 700ml 40% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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1980年代流通の黒ラベルVSOP古酒。希少なヴィンテージブランデー。 |
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4位
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クラウンバイン トラディション 700ml 40% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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クリスタルデキャンタ入りの豪華コニャック。飾っても映えるギフト向け。 |
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5位
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百年の孤独 麦焼酎 720ml 40% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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樽熟成のプレミアム麦焼酎。ウイスキーのような香ばしさが梅酒に奥行きを与える。 |
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6位
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十四代 秘蔵乙焼酎 720ml 40% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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日本酒の名門が醸す40度の本格米焼酎。繊細な旨みが梅の甘酸っぱさと調和する。 |
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7位
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山崎蒸溜所貯蔵梅酒 リッチアンバー 750ml ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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山崎のウイスキー樽で熟成した完成度の高いプレミアム梅酒。自作の到達点の見本。 |
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8位
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山崎蒸溜所貯蔵梅酒 EXTRA BLEND 2024 700ml ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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長期熟成モルトとブランデー古酒をブレンドした特別仕様。重層的な熟成香。 |
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9位
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山崎蒸溜所貯蔵梅酒 スモーキー 750ml ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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貯蔵梅酒にスモーキーな樽香を加えたユニークな逸品。深みのある味わい。 |
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10位
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山崎蒸溜所貯蔵梅酒 エクストラブレンド5年 700ml ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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厳選梅を5年間オーク樽で熟成。芳醇な果実香と樽香の調和が見事。 |
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11位
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山崎 樽熟成梅酒 ウイスキーブレンド 750ml ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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梅酒を山崎のウイスキー樽で熟成しウイスキーをブレンド。蜂蜜のような甘やかさ。 |
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12位
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山崎蒸留所 梅酒 完熟ブレンド 750ml ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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完熟梅の芳醇な果実味とウイスキー樽原酒のブレンド。まろやかで贅沢。 |
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13位
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山崎蒸留所貯蔵梅酒 エクストラブレンド 2025 700ml ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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国産梅をウイスキー樽で熟成した最新ブレンド。梅酒の概念を引き上げる完成度。 |
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14位
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宝焼酎 ホワイトリカー 35度 1800ml ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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梅酒づくりの王道ベース。クセがなく梅本来の風味をまっすぐ引き出す。 |
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15位
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いいちこ 麦焼酎 25度 720ml ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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下町のナポレオンで知られる定番麦焼酎。やさしい香りで飲みやすい梅酒に。 |
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16位
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黒霧島 芋焼酎 25度 900ml ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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人気の芋焼酎。トロッとキリッとした個性が梅酒に芋の風味を添える。 |
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17位
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奄美 黒糖焼酎 25度 720ml ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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奄美群島だけで造られる黒糖焼酎。ほのかな甘い香りがまろやかな梅酒を生む。 |
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18位
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泡盛 古酒 30度 720ml ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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沖縄の蒸溜酒、泡盛。タイ米と黒麹由来の芳醇な香りが個性的な梅酒に。 |
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| 19位 | 梅酒用 日本酒 ベース 1800ml 19% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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日本酒で漬ける梅酒はまろやかで上品。米の旨みと梅が溶け合う。 |
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20位
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サントリー ブランデー V.O 660ml 37% ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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手頃な国産ブランデー。気軽にブランデー梅酒を試したいときの定番ベース。 |
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21位
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クルボアジェ V.S.O.P 700ml 40% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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ナポレオンゆかりのコニャック。華やかな香りで贅沢なブランデー梅酒に。 |
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22位
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ジン 47度 700ml ベース用 ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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ボタニカルの香りが個性的。ジュニパーと梅が織りなす大人のクラフト梅酒。 |
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| 23位 | ホワイトラム 40度 750ml ベース用 ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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サトウキビ由来の甘い香り。ラムで漬けるトロピカルな梅酒。 |
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24位
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チョーヤ 梅酒 さらりとした梅酒 1000ml 10% ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
梅酒といえばチョーヤ。クセがなく飲みやすい市販の大定番。 |
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25位
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梅乃宿 あらごし梅酒 1800ml 12% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
💎 プロのおすすめ
すりつぶした梅果肉がたっぷり。とろりと濃厚で人気の高い本格梅酒。 |
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| 26位 | 八海山 黒麹仕込み梅酒 720ml 14% ★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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名門酒蔵が焼酎ベースで仕込む上品な梅酒。すっきりした後味が魅力。 |
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27位
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鍛高譚の梅酒 720ml 12% ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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しそ焼酎ベースの変わり種梅酒。さわやかなしその香りが個性的。 |
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28位
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紀州 南高梅 完熟梅酒 720ml 12% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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梅の名産地・紀州の南高梅をぜいたくに使用。果実味豊かな王道梅酒。 |
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| 29位 | 中野BC blossom 完熟梅酒 720ml 12% ★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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国際的なコンテストでも評価される完熟梅酒。華やかで上品な甘み。 |
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| 30位 | 本格米焼酎 25度 720ml ベース用 ★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア |
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米由来のやわらかな旨み。和の梅酒を目指すなら米焼酎ベースが好相性。 |
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価格は各モールの実勢(2026年6月時点)で、焼酎やブランデーはいずれもオープン価格のためメーカー定価は掲載していません。楽天/Amazon価格は同一品が見つからない場合は空欄になります。在庫・価格は変動するため、最新情報は各リンク先でご確認ください。最安値を保証する一覧ではありません。
アミグダリンが何をするかは東京都の3文で書かれている

東京都のページは、症状と毒成分を2行に分けて書いています。症状の欄はこうです。
頭痛、めまい、発汗、けいれん、呼吸困難など。
毒成分の欄はこうです。
青酸配糖体のアミグダリン。酵素により分解されて青酸を出し、中毒を起こします。アミグダリンはその他、スモモ、ビワ、アンズの種子にもあります。
読みどころは3つあります。1つめは、毒成分の欄が、毒そのものが果実に入っているのではなくアミグダリンという配糖体が酵素で分解されてはじめて青酸になると書いている点。2つめは、梅について危ない部位を名指ししているのが毒成分の欄ではなく冒頭の導入文のほうで、そこが「未熟な果実」と「種の中心の部分」の2か所に限っている点。3つめは、同じ話がスモモ・ビワ・アンズの種子にも及ぶと書かれている点です。
ここから逆算すると、手順書が「熟しすぎていない青梅を選ぶ」「種を割らない」「実を入れたまま何年も置かない」と言う理由の輪郭が見えてきます。ただし東京都のページは分量にも時間にも触れていません。何gまでなら大丈夫か、何日漬ければどうなるかは、この資料には書かれていないということです。梅の実をいつ引き上げるかという実務の話は梅酒の保存期間と梅の実を取り出す時期で扱っています。
「酵素により分解されて」という一句も、読み飛ばしにくい部分です。配糖体と酵素が別々にある状態では反応が進まず、細胞が壊れて両者が出会ったときに青酸が出る、という書き方になっています。種を割る、実をすりつぶすといった操作がなぜ名指しで避けられるのかは、この一句で説明がつきます。逆に、実を丸のまま漬ける梅酒の手順は、細胞をなるべく壊さない方向の操作だと言えます。
ただしそれは資料の文から筋道を追った読み方です。このページに書かれているのは、症状と毒成分と、注意すべき部位の3つだけで、漬け方の適否についての記述はありません。
規格基準がシアン化合物を名指しした条は3つあり、どれもうめではない

では法令の側はどうか。食品衛生法にもとづく「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)を開くと、シアン化合物を名指しした規定が確かにあります。消費者庁が掲げる各条の一覧23項目のうち、シアンが出てくるのは「穀類、豆類及び野菜」「生あん」「清涼飲料水」の3つです。うめを主語にした条はここにもありません。
穀類及び豆類の成分規格は8行ある
各条の「穀類、豆類及び野菜」の項は、まず表の読み方をこう定めます。
次の表の第1欄に掲げる穀類又は豆類は、同表第2欄に掲げる物をそれぞれ同表第3欄に定める量を超えて含有するものであつてはならない。
その表は8行で、うち第2欄がシアン化合物の行は6行です。
| 第1欄 | 第2欄 | 第3欄 |
|---|---|---|
| 米(玄米及び精米をいう。2の⑴において同じ。) | カドミウム及びその化合物 | Cdとして0.4ppm |
| 小麦(玄麦) | デオキシニバレノール | 1.0mg/kg |
| 大豆 | シアン化合物 | 不検出 |
| 小豆類 | シアン化合物 | 不検出(ただし、サルタニ豆、サルタピア豆、バター豆、ペギア豆、ホワイト豆及びライマ豆にあつてはHCNとして500ppm) |
| えんどう | シアン化合物 | 不検出 |
| そら豆 | シアン化合物 | 不検出 |
| らつかせい | シアン化合物 | 不検出 |
| その他の豆類 | シアン化合物 | 不検出 |
小豆類だけが例外を持っていて、6種の豆を名指しし、その場合は500ppmまで認めています。それ以外の第3欄は「不検出」で、その意味も柱書が定めています。
この場合において、同表の第2欄に掲げる物について同表の第3欄に「不検出」と定めているときは、次の2に規定する試験法によつて試験した場合に、その物が検出されるものであつてはならない。
ここでいう「2に規定する試験法」には定性試験と定量試験の両方が含まれます。定性の判定は色で行い、告示は「シアン化合物が存在すればピクリン酸紙は赤褐色に変わる。」と書いています。定量のほうは0.05mol/L硝酸銀溶液1mLが2.70mgのHCNに相当するという換算で数えます。
米と小麦の2行は、シアン化合物ではなく別の物質を対象にしています。米はカドミウム及びその化合物で0.4ppm、小麦(玄麦)はデオキシニバレノールで1.0mg/kgです。同じ表のなかに、重金属・かび毒・シアン化合物という性質の違う3種類の規制が並んでいます。柱書が「同表第2欄に掲げる物」という抽象的な受け皿を置いたことで、性質の違う物質を1つの表に収められている、という構えです。
そして使用のほうにも縛りがあります。
シアン化合物の検出される豆類は生あんの原料以外に使用してはならない。
残る2つは清涼飲料水(ミネラルウォーター類)と生あん
シアンが出てくる残りの2条を見ます。ひとつは清涼飲料水の条で、ミネラルウォーター類の成分規格に「シアン(シアンイオン及び塩化シアン)」の項が置かれ、0.01㎎/l以下であること。と定められています。この項は、殺菌又は除菌を行わないものと行うものの2つの成分規格の表に、同じ値で置かれています。製造基準の原水の規定にシアンは出てきません。
もうひとつが生あんです。こちらは数値ではなく「検出されるものであってはならない」という書き方で、次の節でくわしく見ます。各条のなかでシアン化合物に具体的な数値が置かれているのは、小豆類の例外500ppmとミネラルウォーター類の0.01mg/Lの2種類です。なお各条の外では、食品一般の製造,加工及び調理基準の食品製造用水にも同じ0.01mg/lが置かれています。
各条の一覧は上から、清涼飲料水/粉末清涼飲料/氷雪/氷菓/食肉及び鯨肉/生食用食肉/食鳥卵/血液、血球及び血漿/食肉製品/鯨肉製品/魚肉ねり製品/いくら、すじこ及びたらこ/ゆでだこ/ゆでがに/生食用鮮魚介類/生食用かき/寒天/穀類、豆類及び野菜/生あん/豆腐/即席めん類/冷凍食品/容器包装詰加圧加熱殺菌食品の23項目です。この見出しの語を1つずつ見ても、果実を主語にした条はありません(0項目)。
果実を主語にした規定は条の中身に2つある
見出しに無いだけで、条の中身には果実が出てきます。清涼飲料水の条で果実を主語にした区分は2つ、「冷凍果実飲料」と「原料用果汁」です。前者の定義は「果実の搾汁又は果実の搾汁を濃縮したものを冷凍したものであって、原料用果汁以外のものをいう。」で、製造基準はa〜iの9項からなり、そのうち3項が原料用果実そのものの扱いを書いています。
- 原料用果実は、傷果、腐敗果、病害果等でない健全なものを用いなければならない。
- 原料用果実は、水、洗浄剤等に浸して果皮の付着物を膨潤させ、ブラッシングその他の適当な方法で洗浄し、十分に水洗した後、次亜塩素酸ナトリウム液その他の適当な殺菌剤を用いて殺菌し、十分に水洗しなければならない。
- 殺菌した原料用果実は、汚染しないように衛生的に取り扱わなければならない。
後者の原料用果汁のほうは1項だけで、「製造に使用する果実は、鮮度その他の品質が良好なものであり、かつ、必要に応じて十分洗浄したものでなければならない。」と書いています。
健全な実を選ぶこと、洗ってから殺菌してもう一度洗うこと、そのあと汚染させないこと。梅酒の手順書が書いている下処理と、向いている方向は同じです。ただし告示が書いているのは付着物の除去と汚染の防止で、シアン化合物への言及はここにはありません。清涼飲料水の条を通して見ても、「うめ」「梅」という語は0回しか出てきません。
各条23本すべてを開いて「シアン」を数えると、出てくるのは清涼飲料水が6回、穀類、豆類及び野菜が9回、生あんが4回で、残る20本は0回でした。この23本を通して、うめを主語にした規定も、梅の実の扱いを書いた規定も見当たりません。ただし告示は各条のほかにも規定を持つので、告示全体について言い切ることはしません。
豆類には不検出という網があり、梅にはそれが無い。この差は、含まれる量の大小の話ではありません。シアン化合物の検出される豆類は生あんの原料以外に使えないという使用基準と、生あんという加工品の条とが対になっているのに対し、梅にはその対がありません。
生あんの製造基準は「4時間以上」「1回以上」「3回以上」と書いている

おもしろいのは生あんの条です。規格そのものは1文で書かれています。
生あんは、シアン化合物の検出されるものであってはならない。
このあとに検出法の段が続き、穀類及び豆類のシアン化合物試験法を準用すると書かれています。そのうえで製造基準が置かれます。柱書は「シアン化合物を含有する豆類を原料として生あんを製造する場合は、つぎの方法によらなければならない。」です。3項に分かれています。
- つけ込みは温湯を用いて4時間以上行なうこと。
- 煮込みは、渋切りを1回以上行なった後十分に煮沸を継続すること。
- 製あん機にかけて製あんした後、水そうで3回以上十分にさらすこと。
浸ける・煮る・さらすという、家庭の調理とほとんど同じ工程に、4時間以上・1回以上・3回以上という数字が付いています。この告示の各条23項目のなかで、時間と回数の両方を使って原料の下ごしらえを書いているのは生あんの条だけです。ただし告示は「シアン化合物を抜くため」とは書いていません。シアン化合物を含む豆類を原料にするときはこの方法によれ、と手順だけを指定しています。
ただし射程は生あんに限られます。梅酒の漬け込みはこの製造基準の対象ではありませんし、この3項を梅に当てはめて「何時間漬ければよい」と読み替えることもできません。原料が違えば含まれる量も抜け方も違うからです。ここで確かめられるのは、法令が数字を書いた場面と書かなかった場面の境目がどこにあるか、それだけです。
逆に言えば、梅酒の漬け込み期間や梅の引き上げ時期は、法令ではなく作り手の判断と各社の経験則の側にあります。市販品の作り方が銘柄ごとに違うのも同じ理由です。
3項の中身をもう少し見ると、方向がそろっていることに気づきます。第1項は湯を使うことと時間を、第2項は工程の反復を、第3項は水で洗い流す回数を指定しています。溶かし出して、加熱して、流す。3項がまとめて縛っているのは、水に移して捨てるという操作を、時間と回数の両方で決めることです。
梅酒の漬け込みは、この向きとは逆です。水で流すのではなく、糖と酒のなかに何か月も置いたままにする。抜くのではなく移す操作なので、生あんの製造基準の発想はそのまま持ち込めません。だからこそ、梅の実を入れっぱなしにしないという慣行が繰り返し語られてきたのだと思われます。もっとも、その慣行に対応する数値の規定はやはり見当たりません。
基本の作り方と、法令が何も言っていない部分

ここまでを踏まえて、手順を並べます。数字の根拠がある部分と、慣行にすぎない部分を分けて書きます。
下処理でやることは3つ
洗う、へたを竹串で取る、水気をふきんで拭く。この3つです。東京都が名指ししたのは「未熟な果実」と「種の中心の部分」で、この3つの操作はそこに対応するものではありません。洗う・へたを取る・水気を拭くは、資料ではなく慣行の側の手順です。現物を開いた各条のなかで果実の下ごしらえに触れているのは、清涼飲料水の条の冷凍果実飲料と原料用果汁の製造基準で、そこに書かれているのは健全な実を選ぶことと洗浄・殺菌でした。家庭の下処理も向きは同じです。
瓶は煮沸するか、度数の高い酒でぬぐって乾かします。ここに公的な基準はありません。生あんの条が「水そうで3回以上さらす」と書いたような数字は、梅酒には存在しない、というのが前の節で確かめたことでした。
詰める順番と分量
梅と氷砂糖を交互に重ね、上から酒を注ぎます。おおよその目安は次のとおりです。
| 材料 | 分量の目安 | 選ぶときの要点 |
|---|---|---|
| 青梅 | 1kg | 粒がそろっているもの。傷んだ実は外す |
| 氷砂糖 | 500g〜1kg | 甘さの好みで幅を取る。少なくすると溶け残りが減る |
| ベースの酒 | 1.8L | 度数20度以上のもの。定番は連続式蒸留焼酎の35度 |
| 保存瓶 | 4L | 口が広く、密閉できるもの |
| 竹串 | 数本 | へた取りに使う。金串は実を傷めやすい |
度数20度以上という条件は、家庭で漬けるときの酒税法上の扱いに関わります。この点は家庭で果実を漬けるときの酒税法の扱いで条文にそって整理しているので、ここでは条件だけを書いておきます。ベースをブランデーにする場合はブランデーで漬ける梅酒、仕上がりの度数がどう決まるかは梅酒の度数が銘柄で違う理由を参照してください。
置き場所は直射日光の当たらない場所。氷砂糖が溶けきるまでは、ときどき瓶を回して糖の濃さをならします。氷砂糖を選ぶ理由は、溶けるのが遅いぶん糖の濃さが一気に上がらないからだと説明されます。ただしこれは慣行の説明で、成分表や法令に裏付けのある話ではありません。
置く期間に決まりは無い
飲めるようになるまでの目安は3か月から半年、味がまとまるまで1年、といった言い方をよく見ます。この数字に法令上の根拠はありません。ここまで見てきたとおり、青酸配糖体の扱いについて時間や回数を指定している規定は生あんの製造基準だけで、その射程は生あんに限られます。
梅の実を引き上げる時期についても同じで、公的な資料に期限はありません。実を長く入れたままにすると濁りやえぐみが出ると言われますが、これは作り手の経験則の側の話です。市販の梅酒でも、果肉を残す造りと早い段階で分ける造りの両方があり、比較表に並ぶ「あらごし梅酒」のような果肉入りの銘柄はその一例です。
保存では直射日光と温度の上下を避けることが共通して挙げられます。糖分の多い酒は温度が動くと色と香りの変化が早く、この点は買い取りの査定でも見られます。
「南高梅」は品種登録されていない

梅の売り場で最も見かける名前が「南高」です。ところが種苗法にもとづく品種登録のデータベースを引くと、この名前は出てきません。
ウメ関係の登録は45件ある
農林水産省の品種登録ホームページで農林水産植物の種類を「ウメ種」で検索すると45件が返ります。和名の「ニホンスモモ種×ウメ種」も部分一致で拾われるためで、学名で分けるとウメ種(Prunus mume)が43件、ニホンスモモ種×ウメ種が2件です。後者だけを「ニホンスモモ種×ウメ種」で引くと2件が返ります。ひらがなの「うめ」で引くと68件になりますが、これは「しゅうめいぎく」に「うめ」が含まれるためで、シュウメイギクが23件混ざっています。
| 区分 | 件数 | 備考 |
|---|---|---|
| ウメ種(Prunus mume) | 43 | 学名で全件を確認した |
| ニホンスモモ種×ウメ種 | 2 | 露茜と紅の舞の2件 |
| 登録番号があるもの | 42 | うち育成者権の消滅日が入っていないもの15件 |
| 登録番号がないもの | 3 | 拒絶1件、出願公表のみ2件 |
| 「南高」の完全一致 | 0 | 部分一致は「パープル南高」(登録番号21887)の1件だけ |
この45件の品種名称を1件ずつ見ても「南高」はありません。種類の絞り込みを外し、データベース全体を出願品種の名称と読みで検索しても同じです。漢字の「南高」で返るのは「パープル南高」の1件だけ。読みの「なんこう」「ナンコウ」では、柑橘の「南香」と、出願公表のみで登録番号を持たない「玉井南紅(タマイナンコウ)」も一緒に返りますが、品種名称が「南高」と完全に一致するものは0件です。
データベースで確かめられるのは、ここまでです。ウメで最も古い登録が1984年3月19日の「伊那豊後」(登録番号521)であること、品種名称に南高が無いこと、そして2009年以降に登録された品種が南高を対照品種に使っていること。南高がいつから流通しているかは、この資料からは分かりません。
実際、登録品種の側が南高を物差しに使っています。露茜の特性概要には「対照品種「南高」と比較して」という書き方が出てきます。登録されていない名前が、登録された品種を説明する基準として使われているという関係です。
登録済み42件のうち育成者権の消滅日が入っているものが27件あり、権利が現に続いているのは15件です。登録されたことと、権利が今も生きていることは別に数える必要があります。
登録番号17561「露茜」はウメだけの品種ではない
露茜は登録番号17561、出願番号21445、登録年月日は2009年2月26日。品種登録者は国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構です。注意したいのは種類の欄で、Prunus salicina Lindl. x Prunus mume Siebold & Zucc.、和名でいうニホンスモモ種×ウメ種と書かれています。ウメ単独の品種ではありません。
検索画面には次の告知も出ています。
【重要】種苗法の改正により、令和8年7月24日から、育成者権の存続期間が延長されました。
詳細ページの「育成者権の存続期間」欄は、露茜・パープル南高・翠豊のいずれも40年と表示されています。告知と欄の表示は別々のページに並んでいるだけなので、ここでは並べて書くにとどめます。ウメの登録品種は自治体が権利者になっている例が多く、和歌山県、神奈川県、群馬県、福井県の名前が並びます。最も新しい登録は2025年7月23日の「翠豊」(登録番号31097、神奈川県)です。
まとめると、「南高梅」は品種登録された名前ではなく、産地と流通の側で定着した呼び名です。比較表に並ぶ「紀州 南高梅 完熟梅酒」のような商品名が成り立つのはそのためで、登録の有無と名乗りの可否は別の制度の話です。
登録品種の詳細ページには「輸出する行為の制限」「生産する行為の制限」という欄があります。露茜は輸出する行為の制限が「有」で指定国は「無」、パープル南高は輸出する行為の制限が「無」。同じ登録品種でも欄の中身は品種ごとに違います。登録の無い南高には、そもそもこの欄が存在しません。
成分表が持っている梅の数字と、持っていない数字

最後に、数字の面から梅と梅酒を見ます。文部科学省の食品成分データベースは日本食品標準成分表(八訂)増補2023年にもとづいていて、うめには生・梅漬・梅干しのほか、梅びしおや果汁入り飲料まで区分があります。梅酒にも独立した番号があり、し好飲料類/<アルコール飲料類>/(混成酒類)/梅酒という分類に置かれています。
| 食品番号 | 食品名 | エネルギー | 炭水化物 | 有機酸 | カリウム | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 07019 | うめ 生 | 33kcal | 7.9g | − | 240mg | 水分90.4g・廃棄率15% |
| 07020 | うめ 梅漬 塩漬 | 27kcal | 6.7g | − | 150mg | 食塩相当量19.3g |
| 07022 | うめ 梅干し 塩漬 | 29kcal | 8.6g | 4.3g | 220mg | クエン酸3.4・リンゴ酸0.9 |
| 16022 | 梅酒 | 155kcal | 20.7g | − | 39mg | アルコール10.2g |
| 03009 | 氷砂糖 | 394kcal | 100.0g | − | Tr | 水分Tr |
| 03003 | 上白糖 | 391kcal | 99.3g | − | 2mg | 水分0.7g |
表の「−」は、その成分の値が掲載されていないという意味の記号で、ゼロではありません。ここが見どころで、うめの区分と梅酒・砂糖類を通して、有機酸の内訳が載っているのは梅干し(塩漬)だけです。生の梅にも梅酒にも、有機酸の値は掲載されていません。梅の酸っぱさの中身を数字で確かめようとすると、加工して塩漬けにしたものしか手がかりが無い、ということになります。
氷砂糖と上白糖の差も、この表で見るかぎり小さなものです。エネルギーで394kcalと391kcal、炭水化物で100.0gと99.3g。溶ける速さの違いは成分表には現れません。氷砂糖を選ぶ理由が甘さの質ではなく溶け方にあるという説明は、少なくともこの表からは確かめられない話です。
梅酒の値も、あくまで市販品を分析した1つの値です。アルコール10.2g、炭水化物20.7gという数字は、自分で漬けたものにそのまま当てはまるわけではありません。使う酒の度数も糖の量も家ごとに違うからです。市販品の銘柄ごとの幅は市販の梅酒の銘柄で扱っています。
廃棄率の欄も、実務では効いてきます。生の梅は15%、梅干しは25%。買った重さのうち種などを除いた分だけが可食部として数えられている、という意味です。1kgの青梅を漬けるとき、瓶に入るのは1kgの実ですが、成分表の値はその15%を除いた部分についての数字だということになります。
ナトリウムの差も目を引きます。生の梅が2mgなのに対し、梅干し(塩漬)は7200mg、食塩相当量で18.2gです。同じ「うめ」でも、加工の方向がまるで違えば数字は桁で動く。梅酒はこの方向とはさらに別で、ナトリウムは4mg、代わりにアルコールが10.2g入ります。成分表のなかで、うめは加工ごとにほとんど別の食品として並んでいます。
飲まないお酒の査定・買取はリンクサスへ

ベース用に買った酒が余ったり、いただいた梅酒を飲まないまま置いていたりすることがあります。未開封で状態が保たれているものは査定の対象になります。
リンクサス酒販では、鑑定士が銘柄・度数・容量・詰め口の時期・液面やラベルの状態を見て査定します。品揃えは通販ページでご覧いただけます。当日14:00までのご注文で当日発送です。査定のご相談はお問い合わせから承ります。
梅酒のように糖分の多い酒は、保存の状態が見た目に出やすい種類です。冷暗所に置かれていたかどうかで評価が変わります。
よくある質問
青梅は生で食べると危険だと聞きますが、公的な資料に書かれていますか。
東京都保健医療局の「食品衛生の窓」には「間違えやすい有毒植物」の一覧があり、31種のうち19番目に青梅の項が置かれています。毒成分の欄には「青酸配糖体のアミグダリン。酵素により分解されて青酸を出し、中毒を起こします。アミグダリンはその他、スモモ、ビワ、アンズの種子にもあります。」と書かれています。ただし厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」の高等植物の欄(24行)にウメの項はありません。資料によって扱いが分かれています。
梅に含まれるシアン化合物の量に、法令の基準はありますか。
うめを主語にした基準は見当たりません。食品衛生法にもとづく「食品、添加物等の規格基準」でシアンを名指しした条は、各条23項目のうち「穀類、豆類及び野菜」「生あん」「清涼飲料水」の3つです。数値が置かれているのは小豆類の例外500ppmとミネラルウォーター類の0.01mg/Lの2か所で、どちらもうめとは関係がありません。各条の見出しに果実を主語にした条は0項目でした。
生あんの製造基準にある「4時間以上」は、梅酒の漬け込みの目安になりますか。
なりません。柱書が「シアン化合物を含有する豆類を原料として生あんを製造する場合は、つぎの方法によらなければならない。」と限定しているとおり、対象は生あんの製造で、梅酒の漬け込みではありません。原料が違えば含まれる量も抜け方も違うため、この数字を梅に当てはめることはできません。
「南高梅」は品種登録されている名前ですか。
登録されていません。農林水産省の品種登録データベースでウメ関係は45件(ウメ種43件、ニホンスモモ種×ウメ種2件)ありますが、品種名称が「南高」と完全に一致するものは0件です。漢字の「南高」で返るのは「パープル南高」(登録番号21887)の1件だけでした。データベース上でウメの最も古い登録は1984年の「伊那豊後」(登録番号521)です。南高がいつから流通しているかは、この資料からは分かりません。
氷砂糖と上白糖では、成分に違いがありますか。
成分表の数値ではほとんど差がありません。可食部100g当たりで氷砂糖が394kcal・炭水化物100.0g、上白糖が391kcal・炭水化物99.3gです。溶ける速さの違いは成分表には現れません。
成分表の梅酒の数字は、自分で漬けた梅酒にも当てはまりますか。
当てはまりません。食品番号16022の梅酒はアルコール10.2g・炭水化物20.7g・155kcal(可食部100g当たり)ですが、これは市販品を分析した値です。使う酒の度数も糖の量も家庭ごとに違うため、自家製の値はこれとずれます。なお成分表では梅酒はし好飲料類/<アルコール飲料類>/(混成酒類)/梅酒に置かれています。


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