おすすめ梅酒30銘柄|選び方と、造り手に掛かる六キロリットル

梅酒の「おすすめ」を並べた一覧を見ていると、蔵の名前と味の説明ばかりが目に入る。ところが棚に何が並ぶかは、その手前で決まっている。誰が、どれだけ造れるのかを決めた条文の数字が先にあって、そこを通れた造り手の瓶だけが一覧に載る。

梅酒は酒税法の品目でいえばリキュールにあたる。リキュールの製造免許には見込数量の下限があり、その数字は六キロリットルである。ただしこの下限は一律には掛からない。清酒や焼酎の免許を持つ蔵が、その製造場で自社の酒を土台にして漬けるなら、政令が下限を外している。

その下限を一キロリットルに読み替える法律が別にある。構造改革特別区域法で、認定を受けた区域で地域の特産物を使う造り手に限って開く道である。さらに、酒場や料理店が客に出す自家製梅酒には、租税特別措置法がもう一つの一キロリットルを置いている。こちらは下限ではなく上限である。

この記事は、その数字を条文の逐語で追いながら選ぶときに効く形に並べ直す。名前の定義は梅酒に合うおつまみの章で扱っているので繰り返さない。作り方は梅酒の作り方にある。

「おすすめ梅酒」の並びは、味の前に三つの数字で決まっている

「おすすめ梅酒」の並びは、味の前に三つの数字で決まっている
グラスに注いだ梅酒と生の梅

六キロリットル・一キロリットル・もう一つの一キロリットル

先に結論を置く。六キロリットルは免許の入口の下限、一キロリットルは特区でその下限が下がった数字、もう一つの一キロリットルは飲食店に掛かる年間の上限である。同じ千リットルという量が、片方では入場券に、片方では天井になっている。そしてもう一つ、下限そのものが無い場合が政令に置かれている。数字が三つと、数字の無い場合が一つ、と数えるほうが正確である。

ただし同じものを測ってはいない。特区の一キロリットルは造ろうとする梅酒そのものの見込数量で、飲食店の一キロリットルは漬け込みに使う土台の酒の数量である。並べても引き比べられる量ではない。

誰が造るか 根拠条文 数量の定め できたものの行き先
酒類製造者(特区の認定なし・外部の酒を土台にする) 酒税法第七条第二項第十五号 年六キロリットル以上の見込数量が必要 制限なし(販売できる)
酒類製造者(清酒・焼酎など七品目の免許者が同じ製造場で自社の酒を土台にする) 酒税法第七条第三項第八号→同施行令第十二条の二第一号 下限なし(最低製造数量基準の適用除外) 制限なし(販売できる)
特区の認定事業者(リキュール) 構造改革特別区域法第二十六条第一項第四号 年一キロリットル以上の見込数量が必要 制限なし(販売できる)
酒場・料理店 租税特別措置法第八十七条の八 土台の蒸留酒類が年一キロリットルを超えない範囲 その営業場で飲用に供する場合のみ
家庭(自ら消費) 酒税法第四十三条第十一項 数量の定めなし 販売してはならない(同条第十二項)

表の「誰が造るか」は条文が名宛人として書き分けている立場で、味や品質の等級ではない。特区の行はリキュールについてのもので、同じ第二十六条第一項でも果実酒は二キロリットル、単式蒸留焼酎と原料用アルコールは下限そのものが外れる。

この記事が扱う範囲と、扱わない範囲

確かめたのは、酒税法・酒税法施行令・酒税法施行規則・租税特別措置法・同施行令・構造改革特別区域法の条文と、国税庁が公表している二つの資料だけである。個々の蔵がどの免許でどれだけ造っているかは公表資料からは分からないので、銘柄ごとの当てはめはしない。条文の形から棚の並びの理由を言い当てることもしない。

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取り扱い中の在庫は、このすぐ下の一覧から確かめられる。梅酒そのものを銘柄で見比べたい場合は、次の章に置いた30銘柄の表のほうが早い。ブランデーで漬けたタイプの違いはブランデー梅酒にまとめてある。

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おすすめ梅酒30銘柄を比較

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銘柄ごとの中身を一覧で確かめる

表の読み方

下の表は梅酒30銘柄を並べたもので、表の上のボタンからおすすめ順・価格順・希少度順に並べ替えられる。価格帯のボタンで絞り込むこともできる。在庫の状況は銘柄ごとに変わるので、表のリンクサス酒販の列で確かめてほしい。

表を見るときに一つ置いておきたいのは、そこに並ぶ数字が「造り手の規模」を示してはいないことである。六キロリットルの下限を満たして取った免許で造られた瓶と、特区の一キロリットルで取った免許で造られた瓶は、ラベルからは見分けられない。土台の酒ごとの傾向は後半の章に別表を置いた。度数の見取り図は梅酒の度数に、カロリーと糖質は梅酒のカロリーにある。

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贈り物にも家飲みにも選びやすいおすすめ梅酒30銘柄を横断比較。サントリー山崎蒸溜所貯蔵梅酒のようなウイスキー樽熟成のプレミアム梅酒から、チョーヤや梅乃宿あらごしといった定番、八海山や立山など日本酒蔵の上質梅酒、黒糖・泡盛・しそ・緑茶などの個性派クラフト梅酒まで。ベースの酒・度数・甘さ・特徴を一覧で比べられます。
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
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名門八海山が自社焼酎で仕込む、上質梅酒。

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鍛高譚の梅酒15位個性派・しそ 鍛高譚の梅酒
市場相場1,300〜2,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

しそ焼酎で仕込む、さわやかな変わり種。

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五代 芋焼酎仕込み梅酒16位蔵元・芋焼酎 五代 芋焼酎仕込み梅酒
市場相場1,400〜2,200円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

芋焼酎仕込みの、コク深い九州の梅酒。

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角玉梅酒17位蔵元・黒糖 角玉梅酒
市場相場1,800〜2,800円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

黒糖焼酎で仕込む、濃密な鹿児島梅酒。

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月ヶ瀬の梅原酒18位蔵元・原酒 月ヶ瀬の梅原酒
市場相場2,500〜3,800円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

加水なしの梅原酒、濃密で力強い味わい。

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19位蔵元・熟成 鶯宿梅 長期熟成梅酒
市場相場1,600〜2,600円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

じっくり熟成させた、コク深い長熟梅酒。

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加賀梅酒20位蔵元・上品 加賀梅酒
市場相場1,500〜2,400円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

国際線でも提供された、上品な加賀の梅酒。

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鶴梅 完熟21位蔵元・完熟 鶴梅 完熟
市場相場1,700〜2,600円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

和歌山の完熟南高梅を贅沢に使った濃厚梅酒。

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鶴梅 すっぱい22位個性派・酸味 鶴梅 すっぱい
市場相場1,500〜2,400円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

酸味好きにはたまらない、すっぱい系梅酒。

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古城梅酒23位蔵元・青梅 古城梅酒
市場相場1,500〜2,400円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

希少な古城梅を使った、爽やかな青梅酒。

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中野BC 紀州 緑茶梅酒24位個性派・緑茶 中野BC 紀州 緑茶梅酒
市場相場1,300〜2,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

緑茶をブレンドした、和テイストの梅酒。

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25位蔵元・有機 龍神梅
市場相場2,000〜3,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

有機栽培の梅にこだわった、素朴な味わい。

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26位蔵元・酒米 北島 山田錦の梅酒
市場相場1,800〜2,800円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

酒米山田錦の清酒で仕込む、上品な梅酒。

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27位蔵元・吟醸 立山 吟醸梅酒
市場相場1,700〜2,600円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

吟醸酒で仕込む、華やかで上品な梅酒。

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うぐいすとまり 鶯とろ28位蔵元・にごり うぐいすとまり 鶯とろ
市場相場1,600〜2,500円前後(500ml・実勢・2026年6月時点)

とろりと濃厚、果肉感あふれるにごり梅酒。

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ヘリオス 黒糖梅酒29位個性派・黒糖 ヘリオス 黒糖梅酒
市場相場1,300〜2,000円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

沖縄黒糖のコクが効いた、まろやか梅酒。

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30位個性派・泡盛 久米仙 泡盛仕込み梅酒
市場相場1,400〜2,200円前後(720ml・実勢・2026年6月時点)

泡盛で仕込む、南国らしい個性派梅酒。

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梅酒は蔵元や流通によって価格が変わりやすく、希望小売価格を安定して公表しない銘柄が多いため、定価(list_price)は掲載せず市場相場の目安のみを記載しています(2026年6月時点の実勢)。濃厚な果肉感を求めるなら梅乃宿あらごしや鶴梅完熟などのにごり系、すっきり飲みたいなら八海山や青梅仕込みの古城梅酒、特別な一本ならサントリー山崎蒸溜所貯蔵梅酒シリーズを起点に選ぶと、好みのおすすめ梅酒に出会いやすくなります。

梅酒はリキュール──だから入口に六キロリットルが置かれている

梅酒はリキュール──だから入口に六キロリットルが置かれている
蔵の仕込み場。免許は品目別・製造場ごとに要る

リキュールの定義は「エキス分が二度以上」で決まる

酒税法は第三条第七号から第二十三号までの十七の品目に酒類を分けている。梅酒が入るのは第二十一号のリキュールで、条文はこう書いている。

酒類と糖類その他の物品(酒類を含む。)を原料とした酒類でエキス分が二度以上のもの(第七号から第十九号までに掲げる酒類、前条第一項に規定する溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のもの及びその性状がみりんに類似する酒類として政令で定めるものを除く。)をいう。

酒税法(昭和二十八年法律第六号)第三条第二十一号

要件は二つ書かれている。酒類を原料に使うこと、エキス分が二度以上であること。糖と梅を漬け込んだ梅酒はどちらも満たす。ただし括弧書きが第七号から第十九号までを先に差し引くので、清酒や果実酒など先に並んだ品目に当たらないことが三つ目の条件になる。梅酒がリキュールに落ち着くのは、この差し引きを通ったあとである。

品目が決まると、免許も数量の下限も品目ごとに別々に掛かる。リキュールという品目の中身はリキュールとはで扱っている。

第七条第二項の一覧に「リキュール六キロリットル」がある

酒類を造るには税務署長の免許が要る。第七条第一項は、免許が何の単位で必要かを書いている。

酒類を製造しようとする者は、政令で定める手続により、製造しようとする酒類の品目(第三条第七号から第二十三号までに掲げる酒類の区分をいう。以下同じ。)別に、製造場ごとに、その製造場の所在地の所轄税務署長の免許(以下「製造免許」という。)を受けなければならない。

酒税法第七条第一項

品目別、そして製造場ごとである。清酒の免許を持っていることは、同じ蔵でリキュールを造ってよいという意味にはならない(同項のただし書が外しているのは原料用に造る酒類だけで、売るための梅酒は当たらない)。そのうえで第七条第二項が数量の下限を置く。

酒類の製造免許は、一の製造場において製造免許を受けた後一年間に製造しようとする酒類の見込数量が当該酒類につき次に定める数量に達しない場合には、受けることができない。

酒税法第七条第二項

続く十七の号が品目ごとの数量を並べている。第十五号がリキュール六キロリットルである。清酒は六十キロリットル、単式蒸留焼酎は十キロリットル、果実酒は六キロリットル。梅酒は果実酒ではなくリキュールなので、当たるのは第十五号のほうになる。

六キロリットルは六千リットルで、七二〇ミリリットル瓶に直せば八千本を超える。これは「造った量」ではなく「造ろうとする見込数量」に掛かる要件である。ただし造ったあとも自由ではなく、第十二条第四号が三年以上引き続き酒類の製造数量が第七条第二項に規定する数量に達しない場合を取消事由に挙げている(次に見る第三項の適用を受ける場合は除く)。

下限が外れる場合は、法ではなく政令に書いてある

第七条第三項は、この数量基準を適用しない場合を八つ挙げている。一号は清酒の製造免許を受けた者が、その製造免許を受けた製造場において、単式蒸留焼酎又はみりんを製造しようとする場合、三号は果実酒又は甘味果実酒の製造免許を受けた者がブランデーを製造しようとする場合、四号は試験のために酒類を製造しようとする場合。残りは焼酎からみりんへ、輸出用の清酒、二つの合算規定である。ここまでにリキュールという語は出てこない。

出てくるのは八号の先である。八号は前各号に準ずる場合として政令で定める場合とだけ書いて中身を政令に預けている。その政令が酒税法施行令第十二条の二(最低製造数量基準の適用除外)で、第一号がリキュールを名指ししている。

清酒、連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール又はスピリッツの製造免許を受けた者が、その製造免許を受けた製造場において、自己の製造したこれらの酒類を原料としてリキュールを製造しようとする場合

酒税法施行令(昭和三十七年政令第九十七号)第十二条の二第一号

ここが要である。下限が外れるのは、七つの品目の免許を持つ者が、その免許を受けた製造場で、自己の製造したその酒を土台にするときだけ。清酒蔵が自社の清酒で、焼酎蔵が自社の焼酎で、同じ製造場で梅を漬けるのは第一号に当たる。外から買ったホワイトリカーで漬けるなら、次章の特区の認定を受けていないかぎり六キロリットルの見込数量が要る。

列挙に入っていない品目も確かめておきたい。果実酒と甘味果実酒はこの七つに入っていないので、ワインの造り手が自社のワインで梅を漬けても下限は外れない。合成清酒・みりん・ビール・発泡酒も同じ。加えて法第七条第七項と同施行令第十二条の四が、輸出するために清酒の製造免許を受けた者について第一号の清酒の製造免許を受けた者に係る部分を外している。

つまり六キロリットルは、すべての梅酒に一律に掛かる壁ではない。分けているのは、土台の酒を誰がどこで造ったかである。次章の特区法も同じ変数を使うが、切り方は違う。

六キロリットルが一キロリットルになる場所

六キロリットルが一キロリットルになる場所
洗い上げた梅。特区の原料は地域の特産物に限られる

構造改革特別区域法が書き換えているのは数字のほう

下限が動く場所がある。構造改革特別区域法が、地域の特産物を使う酒類について酒税法の読み替えを置いている。梅酒に効くのは第二十六条第一項第四号で、対象を次のように限っている。前章の政令とは限定のかけ方が逆になっているところを見ておきたい。

酒税法第三条第二十一号に規定するリキュール(酒類及び特産農産物等を原料の全部又は一部としたものであって特区内自己製造場において製造された酒類を原料としていないものに限る。)

構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第二十六条第一項第四号

括弧の中の条件は二つ。地域の特産物を原料の一部にでも使うこと、そして特区内にある自分の製造場で造った酒を土台に使っていないことである。「特区内自己製造場」は同じ項が定義した語で、特区の外にある製造場は含まない。特区内で焼酎を造る蔵が自社の焼酎で梅を漬けたものは、この号から外れる。

前章の施行令第十二条の二第一号は、自己の製造した酒を土台にするときに下限を外していた。こちらは逆に、特区内自己製造場で造った酒を土台にしていないものだけを対象にする。ただし二つは裏返しではない。政令は品目と主体(七つの免許を持つ者)で切り、特区法は場所で切る。効果も、政令は下限そのものを外し、特区法は六キロリットルを一キロリットルに下げるだけで対称ではない。特区の側には、区域計画が内閣総理大臣の認定を受けていることと、特産農産物等を使うことという条件も別に掛かる。

この号に当たると、同じ条が数字を一つ書き換える。

同項第七号中「六キロリットル」とあるのは「二キロリットル」と、同項第十五号中「六キロリットル」とあるのは「一キロリットル」とする。

構造改革特別区域法第二十六条第一項

第七号は果実酒、第十五号がリキュールである。果実酒は三分の一に、リキュールは六分の一まで下がる。免許そのものが不要になるわけではない。読み替えは第七条第二項だけでなく第十二条第四号にも掛かるので、取消事由の側の数量も一キロリットルで読む。単式蒸留焼酎と原料用アルコールについては、同じ条がこの二つの規定の適用自体を外している。

下がる代わりに付くものもある。同条第二項が酒税法第十一条第一項を読み替えるが、読み替え後も語尾は条件を付することができるのままである。国税庁の手引はそれを断定形で書いている。

特区法によるリキュールの製造免許には、「製造する酒類の範囲」について、「構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第28条の2第1項第2号に掲げる酒類に限る。」旨の条件が付されます。

国税庁「構造改革特区における製造免許の手引 ④特産酒類(リキュール)製造用」Ⅵ-1

手引は同じ節で期限も付されるとしている。下限が下がる代わりに、造れるものが特産リキュールに絞られる。

国税庁の手引は「梅」を例に挙げている

国税庁はこの特例で免許を取る人向けに手引を出している。「構造改革特区における製造免許の手引 ④特産酒類(リキュール)製造用」で、平成二十八年四月の版が公表されている。

等を原料としてリキュールを製造しようとする場合には、製造免許の要件のうち、最低製造数量基準の最低製造数量が6kℓから1kℓに緩和されています。
これにより、年間の製造見込数量が1kℓに達していれば、リキュールの製造免許を受けることができます。

国税庁「構造改革特区における製造免許の手引 ④特産酒類(リキュール)製造用」(平成28年4月)

特区の外についても一行ある。

特区の区域外においても、「リキュール」の製造免許を受ければ、リキュールの製造を行うことができます。ただし、この場合には、酒税法における他の要件のほか、最低製造数量基準(年間6kℓ)の要件を満たすことが必要です。

同手引(注2)

そして記帳のしかたを説明するくだりで、手引は原料の書き方の例に梅を選んでいる。

(「品名」とは、例えば、梅については、紀州南高梅、紅映(べにさし、加賀梅)等、梅の品種などをいいます。)

同手引「主な記帳事項」

記帳の書き方を説明する例に、国税庁が選んだ原料が梅だった。しかも紀州南高梅と紅映という二つの品種名まで書いている(「等」が付いているので網羅ではなく、括弧の中は紅映の別称である)。手引全体で「梅」の語が出るのはこの一文だけなので、これを「代表例」と呼ぶのは言い過ぎになる。ただし、この特例が想定している原料像の一つであることは読み取れる。

認定は312件。うちリキュールは91件、梅酒を名乗るのは3件

特区は実在する。国税庁「構造改革特別区域法による酒税法の特例措置の認定状況一覧(令和8年3月認定分まで)」には認定された特区が312件並び、特産酒類のリキュールの欄に○が付くのは91件ある。

そのうち名称に「梅酒」を含むものが3件あり、いずれもリキュールの欄に○が付いている。なお一覧の欄は第二十五条の特定酒類(果実酒・その他の醸造酒)と第二十六条の特産酒類(単式蒸留焼酎・果実酒・原料用アルコール・リキュール)に分かれており、梅酒に効くのは後者である。

特区の名称 都道府県・申請主体 認定回・計画認定月
紀州みなべ梅酒特区 和歌山県 みなべ町 第17回・H20.7.1
上富田の水梅酒特区 和歌山県 上富田町 第23回・H22.6.1
自然豊かな梅の里吉野川市美郷・梅酒特区 徳島県 吉野川市 第17回・H20.7.1

表は名称に「梅酒」を含む3件を抜き出したもので、梅を原料にできる特区がこの3件に限られるという意味ではない。名称に梅が入っていなくても、地方公共団体の長が梅を特産物として指定していればリキュールの対象になりうる。

店で出てくる自家製梅酒は、別の一キロリットルで動いている

店で出てくる自家製梅酒は、別の一キロリットルで動いている
店のカウンター。自家製梅酒は特例の上で出されている

租税特別措置法第八十七条の八が外しているもの

居酒屋や料理店で「自家製梅酒」と書かれたグラスが出てくる。あれは免許を取って造っているのではない。租税特別措置法に、みなし製造の規定そのものを外す条がある。

酒税法第四十三条第一項から第九項までの規定は、政令で定めるところにより、酒場、料理店その他酒類を専ら自己の営業場において飲用に供することを業とする者がその営業場において飲用に供するため当該営業場において蒸留酒類(同法第三条第五号に規定する蒸留酒類をいう。次項において同じ。)と他の物品(酒類を除く。)との混和をする場合(同法第七条第一項の規定による酒類の製造免許を受けた者が当該製造免許を受けた製造場において当該混和をする場合又は同法第四十三条第十項の規定に該当する場合を除く。)については、適用しない。

租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第八十七条の八第一項

名宛人ははっきりしている。酒場・料理店その他、酒類を専ら自己の営業場において飲用に供することを業とする者である。そして土台に使えるのは蒸留酒類だけで、第三条第五号が挙げる連続式蒸留焼酎・単式蒸留焼酎・ウイスキー・ブランデー・原料用アルコール・スピリッツの六つはここに入るが、清酒は醸造酒類なので入らない。市販の梅酒はリキュールで混成酒類なので、これも土台にはできない。

蒸留酒類・二十度以上・年一キロリットル

条件は政令の側が三つ並べている。

当該混和前の蒸留酒類(酒税法第三条第五号に規定する蒸留酒類をいう。次号及び次項において同じ。)は、アルコール分(同条第一号に規定するアルコール分をいう。第三号において同じ。)が二十度以上のもの
蒸留酒類と混和をする物品は、糖類、梅その他財務省令で定めるものであること。
混和後新たにアルコール分が一度以上の発酵がないものであること。

租税特別措置法施行令(昭和三十二年政令第四十三号)第四十六条の八の八第一項各号

第一号は括弧書きが続いて酒税が納付された、または納付されるべき酒類に限ると絞っている。絞っているのは品目ではなく納税の状態で、免税で持ち出された酒や未納税のまま移された酒は土台にできない。同じ絞り込みは家庭の側の政令にも入っている。そのうえで法律が数量の上限を置く。

前項の規定の適用を受ける混和は、一年間(四月一日から翌年三月三十一日までの間をいう。)において当該混和をする蒸留酒類の数量が営業場ごとに一キロリットルを超えない範囲内で行うものに限るものとする。

租税特別措置法第八十七条の八第二項

営業場ごとに、年に一キロリットル。しかも数えるのは漬け込みに使った蒸留酒類の量であって、できあがった梅酒の量ではない。一年の区切りは暦年ではなく四月一日からの一年で、条文が括弧書きで定義している。政令は開始の日の前日までに申告書を出すことと、混和した蒸留酒類の月ごとの数量を帳簿に記載することも求めている。

「持ち帰り」がここで止まる

この特例には出口の縛りがある。

第一項の規定の適用を受けた混和後の酒類は、当該混和をした営業場において飲用に供する場合を除き、譲り渡してはならない。

租税特別措置法第八十七条の八第三項

同条第六項は第三項の規定に違反したときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。と定める。店で飲むところまでが特例の範囲で、瓶に詰めて持ち帰ってもらう時点で外に出る。「売ってほしい」が断られるのは、店の方針ではなく条文の側の線である。

なお酒税法第九条第一項ただし書も酒場、料理店その他酒類をもつぱら自己の営業場において飲用に供する業については、この限りでない。として、飲用に供する業を販売業免許の対象から外している。飲ませることと譲り渡すことは免許の側でも別に扱われている。

家庭の梅酒に数量の上限は無い。ただし売れない

家庭の梅酒に数量の上限は無い。ただし売れない
家庭の漬け込みは数量ではなく用途で線が引かれる

第四十三条第十一項と、その次の一行

家庭で梅を漬けるほうには、数量の上限が置かれていない。酒税法第四十三条は、酒類に水以外の物品を混ぜて酒類になったときは新たに酒類を製造したものとみなす、という原則を第一項に立てる(第一項自体に六つのただし書がある)。そのうえで第十一項が家庭を外す。

前各項の規定は、政令で定めるところにより、酒類の消費者が自ら消費するため酒類と他の物品(酒類を除く。)との混和をする場合(前項の規定に該当する場合を除く。)については、適用しない。

酒税法第四十三条第十一項

政令の条件は三つで、飲食店向けのものとほとんど同じ形をしている。当該混和前の酒類は、アルコール分が二十度以上のものであること、酒類と混和をする物品は、糖類、梅その他財務省令で定めるものであること。、混和後新たにアルコール分が一度以上の発酵がないものであること。の三つである。第一号には飲食店側と同じ括弧書きが付いており、酒税が納付された(または納付されるべき)酒類に限られる。

飲食店の側が「蒸留酒類」と限定されているのに対し、家庭の側は「酒類」としか書かれていない。二十度以上は共通するが、品目の限定は家庭のほうには無い。

数量の定めがない代わりに、次の一行が置かれている。

前項の規定の適用を受けた酒類は、販売してはならない。

酒税法第四十三条第十二項

違反したときの罰は、第五十六条第一項第四号が第四十三条第十二項の規定に違反した者を挙げて一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。と定めている。免許を受けずに酒類を製造した場合の第五十四条第一項は十年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。で、別の条・別の重さである。線を越えるのは量ではなく用途のほうで、自ら消費するために漬けたものを後で売れば第五十六条、最初から売るために漬けたなら第十一項の適用がないので第一項に戻る。

混ぜてはいけない物品は、省令が「以外」で書いている

政令が「糖類、梅その他財務省令で定めるもの」と書いた先を、省令は否定形で受けている。

令第五十条第十四項第二号に規定する財務省令で定める酒類と混和できるものは、次に掲げる物品以外の物品とする。

酒税法施行規則(昭和三十七年大蔵省令第二十六号)第十三条第三項

続く三つの号が挙げるのは、穀類とそのこうじ、ぶどう(やまぶどうを含む。)、そしてアミノ酸・色素・香料など。使ってよいものではなく、使ってはいけないものを列挙する形なので、梅以外の果実も、ここに挙がっていない限りは原則として使える。ぶどうだけが名指しで外れている。

調べた六本の法令で「梅」が出たのは二か所

調べた六本の法令で「梅」が出たのは二か所
政令の条文に「梅」が置かれている

二つの政令が同じ言い回しで梅を名指ししている

本記事が全文を取得した六本の法令──酒税法・酒税法施行令・酒税法施行規則・租税特別措置法・同施行令・構造改革特別区域法──のうち、「梅」という語が本文に現れたのは二か所だけで、どちらも政令である。

政令 条項 本文の語 誰に掛かるか
酒税法施行令 第五十条第十四項第二号 酒類と混和をする物品は、糖類、梅その他財務省令で定めるもの 自ら消費する消費者
租税特別措置法施行令 第四十六条の八の八第一項第二号 蒸留酒類と混和をする物品は、糖類、梅その他財務省令で定めるもの 酒場・料理店

違うのは主語だけである。片方は「酒類と」、もう片方は「蒸留酒類と」。制度が梅を名指ししているのは、商品としての梅酒ではなく漬け込みという行為のほうだということになる。残る四本に「梅」の語は無い。特区法の施行令と施行規則までは確かめていない。

品種名まで書いてあるのは手引のほう

品種名まで出てくるのは条文ではなく手引のほうで、記帳例として紀州南高梅、紅映(べにさし、加賀梅)と書き、同じ箇所で仕入先の納品書等の保存を求めている。特区の梅酒はどこの梅を使ったかが記録に残るということになるが、ラベルに出るかどうかは別で、条文も手引も表示については何も書いていない。

ベースの酒で何が変わるか

ベースの酒で何が変わるか
ブランデーで漬けた梅酒の色

土台になる酒と、選ぶときの手がかり

ここから先は実際に選ぶときの手がかりを並べる。梅酒の味を大きく動かすのは土台の酒で、市販品はおおむね次の四つに分かれる。

土台の酒 味の傾向 合わせやすい飲み方
ホワイトリカー(連続式蒸留焼酎) 梅の香りが素直に出る。甘さと酸のバランスが分かりやすい ロック・ソーダ割り
単式蒸留焼酎(米・麦・芋) 土台の穀物や芋の風味が乗り、後味に厚みが出る ロック・お湯割り
清酒 とろみと旨みが強く出る。甘口に振れやすい ストレート・少量の加水
ブランデー・ウイスキー樽 樽の甘い香りが重なり、余韻が長い ストレート・ロック

表の分類は市販品によく見られる土台を整理したもので、法令上の区分ではない。飲食店の自家製梅酒が蒸留酒類に限られるのに対し、市販の梅酒にはその限定が掛かっていないので、清酒を土台にした瓶が棚に並ぶ。なお棚にどの土台が多く並ぶかまでは、本記事が確かめた資料からは言えない。

贈り物と家飲みで見る場所が違う

贈り物なら瓶の見た目と度数の高さが効く。樽で寝かせたタイプは度数が高めで、少量ずつ長く楽しめるので贈答向きになりやすい。家飲みなら、まず七二〇ミリリットルの定番から始めて甘さの好みを掴むほうが失敗しにくい。

にごりタイプは果肉を残しているぶん、開栓後の扱いが澄んだタイプと違う。保存の考え方は梅酒の賞味期限にまとめている。

度数と割り方──「別の酒になる」のは瓶詰めして出す側だけ

度数と割り方──「別の酒になる」のは瓶詰めして出す側だけ
ロックとソーダ割りでは条文の当たり方が変わる

第四十三条第八項が名宛人にしているもの

梅酒はソーダで割って飲まれることが多い。酒税法は割るという行為そのものにも条文を置いている。

第一項、第二項本文及び第五項の規定にかかわらず、リキュールと水又は炭酸水との混和をしてエキス分二度未満の酒類としたときは、新たにスピリッツを製造したものとみなす。

酒税法第四十三条第八項

リキュールの要件はエキス分二度以上だった。薄めて二度を割れば、その要件から外れてスピリッツの側へ移る。条文はそれを「新たにスピリッツを製造した」と表現している。何倍で二度を割るかは元のエキス分によるので、本記事は倍率の目安を出さない。

それでも家庭とお店が困らない理由

それでも家庭でソーダ割りを作ることが問題にならないのは、同じ第四十三条の第十項が消費の直前の混和を外しているからである。政令はその場面を、酒場・料理店等が営業場において消費者の求めに応じて混和するとき、または酒類の消費者が自ら消費するために混和するとき、と定めている。求めに応じて、という限定が付いているので、注文の前にまとめて割り置きする場面はここに入らない。

つまりグラスの中で起きることは第八項の射程の外にある。第八項が働くのは、瓶詰めして流通させる側の話である。缶入りの梅酒がリキュールとして売られているのも、エキス分が二度以上に収まっているからで、薄めれば何にでもなるという意味ではない。

飲み口の側から言えば、ロックは瓶の度数がほぼそのまま出て氷が溶けるにつれて下がる。ソーダ割りは割合を増やすほど軽くなるが甘さも薄まる。銘柄ごとの度数と飲み方は梅酒の度数に整理している。

飲まない梅酒・お酒の査定・買取はリンクサスへ

飲まない梅酒・お酒の査定・買取はリンクサスへ
飲まない梅酒の査定を承っています

飲まないまま置いてある梅酒は、未開栓であれば査定の対象になる。リンクサスでは梅酒を含むリキュール全般の買取を承っており、樽熟成のプレミアム帯は特に評価が付きやすい。お酒の通販LINXAS(リンクサス)では在庫の品揃えを常時更新しており、当日14:00までのご注文で当日発送に対応しています。

査定の際は、瓶とあわせて外箱を残しておいていただくと評価が上がります。自宅で漬けた梅酒は、酒税法第四十三条第十二項が販売を禁じているため取り扱えません。

よくある質問

よくある質問
おすすめ梅酒についてよく寄せられる質問
おすすめ梅酒はどう選べばいいですか?

土台の酒・甘さ・飲むシーンの三つで絞ると迷いにくくなります。梅の香りを素直に味わうならホワイトリカー仕込み、後味に厚みが欲しいなら単式蒸留焼酎、旨みととろみなら清酒仕込み、贈り物なら樽で寝かせたタイプが向きます。造り手の規模はラベルからは分かりません。

梅酒は酒税法でどう分類されていますか?

リキュールです。酒税法第三条第二十一号がリキュールを「酒類と糖類その他の物品(酒類を含む。)を原料とした酒類でエキス分が二度以上のもの」と定め、さらに括弧書きで第七号から第十九号までの品目などを除いています。糖と梅を漬けた梅酒は、清酒や果実酒などの号に当たらず、エキス分が二度以上なのでリキュールに落ち着きます。エキス分が二度に届かないものは同条第二十号のスピリッツです。酒税法の本則に「梅」という語は出てきません。

梅酒を造るのに、どれだけの量を造る見込みが必要ですか?

土台に使う酒を誰がどこで造ったかで変わります。酒税法第七条第二項第十五号はリキュールの製造免許に年六キロリットルの見込数量を求めますが、酒税法施行令第十二条の二第一号が、清酒・連続式蒸留焼酎・単式蒸留焼酎・ウイスキー・ブランデー・原料用アルコール・スピリッツの免許を持つ者が、その製造場で自己の製造したこれらの酒を原料としてリキュールを造る場合を適用除外にしています。列挙に果実酒と甘味果実酒は入っていないので、ワインの造り手が自社ワインで漬ける場合は外れません。特区の認定を受けて特産物を使う場合は一キロリットルまで下がります。

梅酒特区とは何ですか?

構造改革特別区域法第二十六条の特例を含む区域計画が内閣総理大臣の認定を受けた区域のことです。地域の特産物を原料に使い、かつ特区内の自己の製造場で造った酒を土台にしていないリキュールについて、酒税法第七条第二項第十五号の「六キロリットル」が「一キロリットル」に読み替えられます。酒税法第十一条第一項は「条件を付することができる」と定めるだけですが、国税庁の手引は造れる酒類の範囲を特産リキュールに限る条件が付されるとしています。国税庁の一覧(令和8年3月認定分まで)には312件の認定が並び、うちリキュールを対象とするものが91件、名称に「梅酒」を含むものが和歌山県みなべ町・和歌山県上富田町・徳島県吉野川市の3件あります。

居酒屋の自家製梅酒は免許なしで作れるのですか?

租税特別措置法第八十七条の八が、酒場・料理店等が自分の営業場で飲用に供するために行う混和について、酒税法第四十三条第一項から第九項までの適用を外しています。ただし土台は蒸留酒類でアルコール分二十度以上、量は営業場ごとに四月一日からの一年で一キロリットルを超えない範囲、開始前日までの申告と帳簿が必要です。同条第三項は営業場で飲用に供する場合を除いて譲り渡すことを禁じ、違反は一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金です。

家で漬けた梅酒を売ってもいいですか?

できません。酒税法第四十三条第十一項が自ら消費するための混和をみなし製造から外していますが、続く第十二項が「前項の規定の適用を受けた酒類は、販売してはならない。」と定めています。これに違反したときは第五十六条第一項第四号により一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金です。漬けるときの条件は、土台の酒がアルコール分二十度以上で、酒税が納付された(または納付されるべき)ものであること、混ぜる物品が施行規則第十三条第三項に挙がっていないものであること、混和後に新たにアルコール分一度以上の発酵がないことの三つです。

梅酒をソーダで割ると別のお酒になるのですか?

瓶詰めして流通させる場面ではそうなります。酒税法第四十三条第八項が、リキュールと水又は炭酸水を混和してエキス分二度未満にしたときは新たにスピリッツを製造したものとみなすと定めているためです。一方で同条第十項が消費の直前の混和を外しており、政令はその場面を酒場等が客の求めに応じて混和するとき、または消費者が自ら消費するために混和するときと定めています。グラスの中で割る行為はこちらです。

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