キューバリブレとラムコークの違い|公式レシピ3つの分量と度数8.57%の内訳

ラムをコーラで割った一杯には、日本語で少なくとも三つの呼び名がある。この記事では、その三つがどこまで公的な裏づけを持つのかを、国際バーテンダー協会の掲載一覧、日本バーテンダー協会が公表しているカクテル名の一覧、そしてアサヒビールとサントリーの公式ページで一つずつ確かめた。結論を先に書くと、名前として登録されているのは一つだけで、残る二つはどの団体の一覧にも一行も存在しない。あわせて、公表されている度数がどうやって出された数字なのかも材料から検算し、割り方によって一杯の重さがどれだけ動くのかを整理した。

キューバリブレとはどんなカクテルか

キューバリブレとはどんなカクテルか
ラムをコーラで割るロングカクテルの一例

キューバリブレは、ラムをコーラで割り、ライムを効かせて仕上げるロングカクテルである。国際バーテンダー協会(IBA)の掲載一覧では Contemporary Classics に分類され、作り方は Build all ingredients in a highball glass filled with ice. の一文だけ、飾りは Garnish with lime wedge. と書かれている。シェイクもステアも要らず、氷を詰めたグラスに材料を注ぐだけで形になる。

日本の業界団体である一般社団法人日本バーテンダー協会は、公表しているカクテル名の一覧に キューバ・リバー CUBA LIBRE スタンダード という一行を載せている。日本語の見出し語は「キューバ・リバー」、英語は CUBA LIBRE、分類は「スタンダード」である。同じ一覧には「キューバ・リバー・クーラー」「キューバ・リバー・シュプリーム」という派生も並ぶが、こちらは「準スタンダード」に置かれている。

同じカクテルなのに日本語表記が公式ごとに割れる

この一杯の日本語表記は、公的な資料の中で三通りに分かれている。サントリーの「カクテル入門」は「キューバ・リブレ」、アサヒビールのカクテルガイドは「キューバリバー」、日本バーテンダー協会は「キューバ・リバー」と書く。英語表記も一致しているわけではなく、日本バーテンダー協会が全て大文字の CUBA LIBRE、サントリーが Cuba Libre で、アサヒビールはレシピに英語名を併記していない。

公表している主体 日本語の表記 英語の表記 掲載している欄
日本バーテンダー協会 キューバ・リバー CUBA LIBRE カクテル名一覧(スタンダード)
アサヒビール キューバリバー レシピに英語名の併記なし カクテルガイドのレシピ
サントリー キューバ・リブレ Cuba Libre カクテル入門のスタンダード解説

読者が検索窓に打ち込む「キューバリブレ」という続け書きは、この三者のレシピ名や見出し語のどれとも一字一句では一致しない。ただしアサヒビールはレシピの説明文のほうでキューバ独立戦争時の合言葉「Viva Cuba Libre(自由なキューバ万歳)」から名づけられ、キューバリブレやクバリブレとも呼ばれるカクテルです。と書いており、別称としては挙げている。銘柄名や商品名と違ってカクテル名には登録制度がないため、こうした揺れは是正されないまま並存する。呼び方をそろえる基準が存在しない、という点がまずこのカクテルの出発点になる。

人気の面では、日本バーテンダー協会が2026年5月12日に公表した「N.B.A.カクテル・ランキング2026」(調査期間2026年1月5日から2月28日)で、ラムベースのロングカクテル部門の3位に入っている。同部門の1位はモヒート、2位はボストン・クーラーで、協会の総評は3位までの並びを 肉薄の順位 と書いている。

ラムコークとコークハイは業界団体の登録名に存在しない

ラムコークとコークハイは業界団体の登録名に存在しない
呼び名ごとに中身が違うコーラ割りの整理

「ラムコーク」と「コークハイ」は、日本語の会話では当たり前のように使われる。ところが業界団体が公表しているカクテル名の一覧を全部読み込むと、この二語は一度も出てこない。

カクテル名一覧を全ページ読み込んで数えた結果

日本バーテンダー協会は、カクテル名の一覧を五十音別の10本のPDFに分けて公開している。これを全部つなげると144,422文字・4,448行あり、行末が「スタンダード」で終わるものが538件、「準スタンダード」で終わるものが3,229件ある。この中を検索した結果が次の表になる。

探した語 一覧での件数 備考
キューバ・リバー 1件 分類はスタンダード
キューバ・リバー・クーラー 1件 分類は準スタンダード
キューバ・リバー・シュプリーム 1件 分類は準スタンダード
ラムコーク 0件 表記を変えた「ラム・コーク」も0件
コークハイ 0件 —
コーク 0件 3文字の部分一致でも1件も出ない

「ラム・◯◯」という命名は55件あるのにコーラだけが例外

この一覧には、ベースの酒に割り材の名を足した見出し語がたくさん載っている。「ラム」で始まる見出し語だけで55件あり、ラム・ソーダ、ラム・トニック、ラム・ハイボール、ラム・コリンズ、ラム・リッキー、ラム・スクリュードライバーと、割り材を名前に持ち込む形が徹底している。それなのに「ラム・コーラ」も「ラム・コーク」も1件もない。コーラで割ったものだけが、割り材の名ではなく「キューバ・リバー」という固有名で登録されている。

コーラを使うカクテルが登録されないわけではない。同じ一覧には ストーンズ・コーラ STONE'S & COLA(準スタンダード)と メキシコーラ MEXICOLA(準スタンダード)が実在する。つまり「コーラ割りだから載らない」のではなく、ラムのコーラ割りには先に固有名が付いてしまっていた、と読むほうが実態に近い。

アサヒビールのレシピ検索でも同じ結果になる

アサヒビールのカクテルガイドで語を変えて検索すると、「キューバリバー」は1件、「コーラ」は10件が返るのに対して、「ラムコーク」と「コークハイ」はどちらも0件だった。検索そのものは動いているので、0件は「見つからない」ではなく「載っていない」を意味する。

検索した語 返ってきた件数
コーラ 10件
キューバリバー 1件
ラムコーク 0件
コークハイ 0件

国際バーテンダー協会の掲載カクテルは102品で、その一覧は完全なアルファベット順に並んでいる。Cosmopolitan の次が Cuba Libre、その次が Daiquiri なのでキューバリブレの掲載は確かめられる。一方 Rum で始まる項目は Remember the Maine と Russian Spring Punch のあいだに一つもなく、Rum and Coke に相当する項目は存在しない。

では三つの呼び名はどう使い分けられているのか

登録名でないからといって、使われていないわけでも間違いでもない。手がかりになるのはサントリーの書き方で、キューバ・リブレの説明にこうある。ラム&コークにライムジュースを加える。つまりサントリーは「ラム&コーク」をカクテル名ではなく材料の組み合わせを指す言い方として使い、そこにライムを足したものにキューバ・リブレという名前を与えている。

呼び名 指しているもの 公的な一覧での扱い
キューバリブレ ラムとコーラにライムを加えた一杯 IBAと日本バーテンダー協会の双方に掲載
ラムコーク ラムをコーラで割ったものの通称 どちらの一覧にも掲載なし
コークハイ コーラで割ったもの全般を指す日本語 どちらの一覧にも掲載なし

「コークハイ」はさらに範囲が広く、ベースがラムとは限らない。ウイスキーや焼酎のコーラ割りも同じ語で呼ばれるため、注文の場面では何をコーラで割るのかを言い添えるほうが行き違いが少ない。ベースを問わないコーラ割り全体の話はコークハイの記事で扱っている。

公式レシピ3つの分量と黄金比を並べる

公式レシピ3つの分量と黄金比を並べる
公式レシピの分量を読み比べる場面

分量を公表している資料は三つある。国際バーテンダー協会、アサヒビール、サントリーで、このうち数字で分量を出しているのは前の二つである。並べると次のようになる。

公表している主体 ラム コーラ ライム 材料の合計 技法とグラス
国際バーテンダー協会 ホワイトラム 50ml 120ml ライムジュース 10ml 180ml ビルド/ハイボールグラス
アサヒビール カリプソ ラム シルバー 30ml 90ml ライムジュース 20ml 140ml ビルド/タンブラー
サントリー 分量の記載なし 分量の記載なし 分量の記載なし — ロング/ビルド

「黄金比」と呼べる単一の比率は公表されていない

よく見かける「ラム1に対してコーラ3から4」という言い方を、この二つに当てはめてみる。IBAはラム50に対してコーラ120なので1対2.4、アサヒはラム30に対してコーラ90なので1対3になる。1対4という比率はどちらにも出てこない。

ライムの量はもっと大きく割れる。IBAが10mlなのに対し、アサヒは20mlで、ちょうど二倍である。ラムに対する比率で見るとIBAは5分の1、アサヒは3分の2で、酸味の効き方はかなり違う。「黄金比」という語そのものも、確認した公式ページには一度も出てこなかった。

作る順番はIBAが指定していない

手順についても違いがある。IBAの記述は Build all ingredients in a highball glass filled with ice. の一文で、注ぐ順番を指定していない。一方アサヒは三段階に分けて書いており、氷を入れたグラスにラムとライムジュースを注ぎ、コーラで満たして軽くステアし、カットライムを飾る、という並びになっている。同社は1で搾ったライムをそのまま入れてもよいとも書き添えている。

家で作るときにどこを動かすか

二つの公式レシピの差を見ると、動かせる場所は三つに絞られる。ラムとコーラの比、ライムの量、そして氷の量である。コーラを増やせば甘さと炭酸が前に出て度数は下がり、ライムを増やせば後味が締まる。氷は大きめのものを使うと溶ける速度が落ち、最後まで味が保たれる。炭酸を残したいときは、注いだあとに縦方向へ一度だけ通すように混ぜるとよい。

ラムとコーラをあらかじめ冷やしておくと、氷が溶けにくくなって薄まりにくい。搾ったあとのライムをグラスに落とすと皮の香りが移る。このあたりは分量の話ではなく温度と香りの話なので、どの公式レシピを土台にしても共通して効く。

度数はアサヒビールの公表値で検算できる

度数はアサヒビールの公表値で検算できる
公表度数を材料から検算する作業

アサヒビールはカクテルごとに度数を公表しており、キューバリバーは8.57%となっている。この数字は推定値ではなく、材料の分量と度数から計算できる。

材料の合計mlで割るだけで公表値に一致する

同社は商品ページに 純アルコール量(g) = 内容量(ml) × アルコール分(%)/100 × 0.8 という式を明記している。カクテルの度数のほうは、材料のmlと度数を掛けて足し、材料の合計mlで割ると出る。キューバリバーで計算すると、ラム30ml×40%を合計140mlで割って8.57%となり、公表値と小数第2位まで一致する。

同じやり方を、同社のカクテルガイドで「コーラ」を使う10件すべてに当てはめた結果が次の表である。10件中10件が公表値と一致した。

カクテル名 材料と分量 材料の合計 計算値 公表値 判定
キューバリバー カリプソ ラム シルバー 30ml/ライムジュース 20ml/コーラ 90ml 140ml 8.57% 8.57% 一致
ロングアイランドアイスティー ウヰルキンソン・ジン 37° 15ml/ウヰルキンソン・ウオッカ 40° 15ml/カリプソ ラム シルバー 15ml/クエルボ・エスペシャル・シルバー 15ml/ボルス トリプルセック 10ml/レモンジュース 30ml/コーラ 40ml 140ml 19.54% 19.54% 一致
コーラ&コーヒーフロート・ハイボール ブラックニッカクリア 30ml/アイスコーヒー 30ml/コーラ 90ml 150ml 7.40% 7.40% 一致
カリモーチョ アルパカ・カベルネ・メルロー 60ml/コーラ 60ml 120ml 6.50% 6.50% 一致
ラズベリー・コーラ ボルス ラズベリー 30ml/コーラ 90ml 120ml 4.25% 4.25% 一致
ライチコーラ with オレンジアイス ボルス ライチ 30ml/コーラ 90ml 120ml 4.25% 4.25% 一致
ライチ・コーラ ボルス ライチ 30ml/コーラ 100ml 130ml 3.92% 3.92% 一致
ピーチ・コーラ ボルス ピーチ 30ml/コーラ 90ml/カットレモン 1ml 121ml 4.21% 4.21% 一致
ストロベリー・コーラ ボルス ストロベリー 30ml/コーラ 90ml/カットレモン(1/8個) 1ml 121ml 4.21% 4.21% 一致
カシスコーラ(ノンアル) カシスシロップ 30ml/コーラ 90ml/レモンスライス 1ml 121ml 0.00% 0.00% 一致

この一致は、アサヒの言う「完成量」が材料のmlの単純な足し算であることを示している。氷が溶けて加わる水も、炭酸が抜けて減る分も算入されていない。公表度数はグラスに注いだ瞬間の値であって、飲み終わるまでの平均ではない。

同じ材料なのに公表値が割れる一組がある

この表の中に、材料も分量もほぼ同じなのに公表度数が違う三件がある。ラズベリー・コーラ、ピーチ・コーラ、ストロベリー・コーラで、三件ともリキュールは同じアサヒ扱いのボルスで度数17%、分量もリキュール30mlとコーラ90mlでそろっている。それなのにラズベリーだけが4.25%、残る二件が4.21%である。

カクテル名 レモンの飾りの書き方 材料の合計 公表度数
ラズベリー・コーラ カットレモン(1/8個) 1ケ 120ml 4.25%
ピーチ・コーラ カットレモン 1ml 121ml 4.21%
ストロベリー・コーラ カットレモン(1/8個) 1ml 121ml 4.21%

差の理由は飾りの単位の書き方にある。ラズベリーは飾りを「1ケ」と個数で書いているので合計に入らず、残る二件は「1ml」と体積で書いているので合計に1ml足されている。飾りの書き方が変わっただけで、公表される度数が動いていることになる。差は0.04ポイントで実際の味には関係しないが、公表値をそのまま引き写すときは、その値がどう作られたのかを確かめる価値がある例といえる。

IBAの配合で計算するとどうなるか

IBAは度数を公表していない。ただし材料の分量は公表されているので、ラムの度数を仮に置けば試算はできる。ホワイトラムを40%と仮定すると、50×40÷180で約11.11%になる。アサヒの8.57%と比べると2.5ポイントほど高い。これはIBAのほうがラムの比率が高く、割り材が相対的に少ないためである。

純アルコール量で見ると順位が入れ替わる

度数と、実際に体に入るアルコールの量は別の指標である。アサヒの式で計算すると、キューバリバーのラム30mlに含まれる純アルコール量は9.6gで、これは同社の表示と一致する。一方IBAの配合はラムが50mlなので16.0gになる。

配合 度数 ラムの量 純アルコール量 1日20gに対する割合
アサヒビール(公表) 8.57% 30ml 9.6g 約48%
国際バーテンダー協会(当店試算) 約11.11% 50ml 16.0g 約80%

厚生労働省の「健康日本21」は、アルコールの項でこう書いている。「節度ある適度な飲酒」としては、1日平均純アルコールで約20g程度である旨の知識を普及する。この20gという値を1杯と比べてみる。アサヒの配合なら1杯でその半分弱、IBAの配合なら8割に届く。度数の差は2.5ポイントでも、1杯に含まれるアルコールの量は1.7倍近く違う。甘さでアルコールを感じにくい一杯だからこそ、何杯目かではなく何mlのラムを入れたかで数えるほうが実態に合う。ほかのカクテルとの比較はカクテルの度数一覧にまとめている。

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ベースに選べるラム30銘柄の比較表

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キューバリブレのベースに選べるラム30銘柄の比較表
コーラ割りに使いやすいホワイトラムから、コクを足すゴールド・ダーク、ストレートでじっくり味わう長期熟成まで30銘柄を横並びにしました。タイプ・度数・産地で見比べられます。アサヒビールが公表しているキューバリバーの配合(ラム30ml・材料の合計140ml)で計算すると、ベースを40%から63%に替えるだけで一杯の度数は8.57%から13.50%まで動きます。コーラとライムの輪郭を素直に立てたいならホワイト、香りと余韻を足したいならゴールド以上が目安です。
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
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この表には定価の欄に数値を入れていません。輸入ラムの多くはメーカー希望小売価格を公表しない扱いのため、確認できない金額を書かない方針によるものです。そのため価格順の並べ替えと価格帯の絞り込みは働きません。金額が表示される行は30行のうち4行だけで、そのうち1行が当店の販売価格、3行は楽天の実勢価格です。どちらかはセルのラベルで見分けられます。市場相場の欄は、相場を書いた24行に時点(2026年6月時点)を添え、当店の在庫で確認できる6行は相場に代えて商品ページを案内しています。「最安」の表示は当店に在庫がある行へ一律に付くもので、他店との価格比較を示すものではありません。

ベースのラムの選び方とタイプ別の効き方

ベースのラムの選び方とタイプ別の効き方
ラムの熟成に使われる樽

ラムは原料と熟成の違いで性格が分かれる。コーラの甘さとライムの酸味という強い二つを相手にするので、ベースの選び方で輪郭の立ち方が変わる。

タイプ別の効き方

タイプ 特徴 コーラ割りでの効き方 この表の代表例
ホワイト 無色でクセが少ない コーラとライムの輪郭が素直に立つ バカルディ スペリオール/ロンリコ ホワイト
ゴールド 樽熟成由来のほのかなコク カラメル感が加わり甘苦さに奥行きが出る バカルディ ゴールド/ブルガル アネホ
ダーク 濃色で香ばしく重い 余韻が深まり甘めの一杯になる マイヤーズ ラム/ゴスリングス ブラックシール
スパイスト バニラや香辛料で香り付け コーラの甘さと響き合って華やかになる キャプテンモルガン スパイスト
アグリコール さとうきびの搾り汁が原料 青い香りが立ちライムと呼応する クレマン/バルバンクール

最初の一本にはクセの少ないホワイトを選び、慣れてきたらゴールドやダークでコクの差を試すと違いがつかみやすい。スパイストはコーラの甘さと同じ方向に働くので甘めが好きな人に向く。アグリコールは糖蜜由来のラムと香りの出方が根本的に違うため、比較の材料として一本置いておくと味の地図が広がる。

ラムの度数が一杯に効く度合い

この表には度数40%前後の銘柄が多いが、63%のオーバープルーフや57.1%のカスクストレングスも含まれている。アサヒの配合(ラム30ml・合計140ml)でベースだけを替えると、一杯の度数は次のように動く。

ベースのラムの度数 一杯の度数(当店試算) 純アルコール量(当店試算)
35%(スパイスト) 7.50% 8.4g
40%(標準的なホワイト) 8.57% 9.6g
43%(長期熟成に多い) 9.21% 10.3g
47%(高めのスパイスト) 10.07% 11.3g
63%(オーバープルーフ) 13.50% 15.1g

酒税法に「ラム」という品目は一度も出てこない

酒税法に「ラム」という品目は一度も出てこない
酒類の品目表示を確かめる場面

ラムのボトルの裏ラベルを見ると、品目の欄には「スピリッツ」と書いてある。「ラム」ではない。これは酒税法の書き方をそのまま映したものである。

条文にラムという語は一度も出てこない

酒税法の条文全体を機械的に数えると、次のようになる。

語 条文中の出現回数
ウイスキー 29件
ブランデー 25件
焼酎 23件
スピリッツ 22件
リキュール 15件
ラム 0件
ジン 0件
ウオッカ 0件
テキーラ 0件

ラムが落ちる先は「スピリッツ」

酒税法は蒸留酒類の中に、連続式蒸留焼酎・単式蒸留焼酎・ウイスキー・ブランデー・原料用アルコール・スピリッツの6つを置いている。ウイスキーとブランデーには名指しの品目があるのに、ラム・ジン・ウオッカ・テキーラには無い。そこで受け皿になるのがスピリッツで、第三条第二十号に第七号から前号までに掲げる酒類以外の酒類でエキス分が二度未満のものをいう。と定義されている。「ほかのどれでもなくて、エキス分が2度未満のもの」という残りものの定義で、原料も製法も条件になっていない。

この書き方のおかげで、さとうきびから造ろうと糖蜜から造ろうと、産地がカリブでも沖縄でも、ラムは同じ「スピリッツ」に入る。ラベルの品目欄からは中身の性格が読み取れないということでもあるので、ボトルを選ぶときは品目ではなくタイプと度数を見るほうが実用的である。

ちなみにアサヒビールの商品情報でも、カリプソ ラム シルバーは「スピリッツ・リキュール」の分類に置かれている。公式サイトの分類は法令の品目区分をなぞっており、条文の書き方が売り場やサイトの棚割りまで規定していることが分かる。

カロリーはコーラのぶんだけが体積で確定する

カロリーはコーラのぶんだけが体積で確定する
果汁と炭酸を使う一杯の材料

キューバリブレのカロリーを「1杯およそ何kcal」と一つの数字で書くことはできない。できないことの理由がはっきりしているので、そこを説明する。

コーラのぶんは体積のまま計算できる

日本コカ・コーラは栄養成分を100ml当たりで公表している。コカ・コーラは45kcal・炭水化物11.3gで、コカ・コーラ ゼロは0kcal・炭水化物0g・糖類0gである。単位が体積なので、レシピのmlをそのまま掛けられる。

配合 コーラの量 コーラ由来のカロリー ゼロに替えた場合
アサヒビール 90ml 40.5kcal 0kcal
国際バーテンダー協会 120ml 54.0kcal 0kcal

原材料名は 糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)/ 炭酸、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン で、甘さの正体は糖類である。ゼロは甘味料をスクラロースとアセスルファムKに替えることでカロリーと糖類を0にしているので、コーラのぶんだけなら丸ごと差し引けるということになる。

ラムとライムのぶんは体積では計算できない

ところがラムとライムのほうは同じようにいかない。公的な数値は日本食品標準成分表にあるが、こちらは可食部100g当たりで書かれている。mlをgに直すには比重が要るのに、その比重は成分表に載っていない。

食品 食品番号 エネルギー 水分 炭水化物 アルコール
ラム 16020 237kcal/100g 66.1g 0.1g 33.8g
コーラ 16053 46kcal/100g 88.5g 11.4g —
ライム 果汁 生 07145 39kcal/100g 89.8g 9.3g —

この表が重量当たりであることは、表の中身だけで確かめられる。ラムの水分66.1g、アルコール33.8g、炭水化物0.1gを足すとちょうど100.0gになる。100gの中身が100gで閉じているので、これは重量を基準にした表である。体積を基準にしていれば合計が100にそろう理由がない。

おもしろいのは、成分表のコーラが46kcal・炭水化物11.4gなのに対して、メーカーの表示が45kcal・炭水化物11.3gである点だ。数字は近いが、片方は100g当たりで片方は100ml当たりなので、そもそも直接は比べられない。近いからといって同じ基準の数字として並べると誤差ではなく誤りになる。

確定できるものと確定できないもの

知りたいこと 確定できるか 理由
1杯の純アルコール量 確定できる ラムの量と度数だけで決まり、体積のまま計算できる
コーラ由来のカロリー 確定できる メーカーの表示が100ml当たりなので体積で掛けられる
ラム由来のカロリー 確定できない 成分表が100g当たりで、mlをgに直す比重が公表されていない
ライム由来のカロリー 確定できない 同じ理由。加えて有機酸の欄が未測定の扱いになっている
1杯の合計カロリー 確定できない 上の2つが確定しないため

結果として言えるのは、アサヒの配合ならコーラ由来が40.5kcalで、ゼロに替えればそのぶんが丸ごと消える、というところまでである。純アルコール量は9.6gで確定するので、摂取量を管理したい場合はカロリーよりこちらを見るほうが確実になる。アルコールの処理にかかる時間の考え方はアルコールの分解時間の記事で扱っている。

名前の由来と日本におけるコーラの受け入れられ方

名前の由来と日本におけるコーラの受け入れられ方
グラスに注ぐ前のボトル

名前の意味については、サントリーが由来を書いている。1902年、スペイン植民地だったキューバ独立運動時の「ビバ!クーバ・リブレ!」(自由なキューバ万歳)の合言葉から名づけられた。これがメーカー公式として確認できる説明である。

同じ一文の中で表記が揺れている

この一文には見落としやすい点がある。カクテル名としては「キューバ・リブレ」と書きながら、合言葉のほうは「クーバ・リブレ」と書いている。同じスペイン語を、同じ段落の中で二通りの片仮名に写している。冒頭で見た三者の表記の割れと合わせると、この名前は日本語に定着する過程で最初から揺れていたことになる。

コーラの側の歴史は日本語の資料が残っている

割り材のほうは、日本コカ・コーラが二つのページに分けて書いている。創業については製品情報のブランドページにコカ・コーラは、1886年、薬剤師のジョン・S・ペンバートン博士により、米国ジョージア州アトランタで誕生しました。とある。日本での受け入れられ方のほうは、これとは別の沿革のページに年表として残っている。沿革のページにペンバートンの名も1886という数字も出てこないので、この二つは別のページから引いている。

年 できごと
1914年(大正3年) 高村光太郎の詩集『道程』所収「狂者の詩」に「コカコオラ」の名が登場
1919年(大正8年) 明治屋のPR誌『嗜好』に広告が掲載される
1925年(大正14年) 芥川龍之介が佐佐木茂索にあてた書簡に「コカコラ」の名が登場
1949年(昭和24年) 日本国内での製造が本格的に始まる
1957年(昭和32年) レギュラーサイズ(190ml)の製造・販売が始まる

このうち1919年の広告文が興味深い。同社が引用している当時の文面にはこうある。酒宴の後叉は晩酌に微醺を帯びたる時、叉は極暑に心身の倦んだ時氷に冷したる此のコカコラを用ゐれば心胸忽ち濯うが如く清爽の快謂うべからざるものがあります。さらに…御酒を召上らぬ下戸方の飲料としては至って賞美すべき價値があります。とも書かれている。

つまり日本で最初期のコーラの広告は、コーラを酒の「後」に飲むもの、あるいは酒を飲まない人の飲み物として位置づけていた。酒に混ぜる用途は、同社が掲載しているこの範囲には書かれていない。ただし同社の引用文自体が途中を中略しているので、広告の全文に無いとまでは言えない。芥川の書簡も酒飲まぬ身のウウロン茶、カフェ、コカコラ、チョコレート……。という並びで、同じ文脈に置かれている。ラムで割るという飲み方が日本語圏に届くのは、少なくともこれらの記録よりあとということになる。

飲まないラム・洋酒の査定と買取

飲まないラム・洋酒の査定と買取
査定に出す前の未開栓ボトル

カクテルから入ってラムを買い集めていくと、好みが固まる過程で出番のなくなるボトルが出てくる。贈り物でもらった長期熟成のラム、カクテル用に買ったゴールドやダーク、流通しなくなった輸入スピリッツなどは、仕舞い込んだままでは状態だけが進む。未開栓のラム・スピリッツ・洋酒があれば、状態のよいうちに査定へ出すという選択肢がある。

リンクサス酒販の買取窓口では、銘柄と流通量、液面の高さ、キャップやシールの状態、ラベルの傷み、箱など付属品の有無を見て評価を付けている。写真送付による事前の見積、宅配、出張の方法を用意しており、複数本まとめての依頼は一本ずつより評価が安定しやすい。

査定と買取の窓口は ブランデー・洋酒買取 を利用できる。販売側の在庫は リンクサス酒販トップ から確認できる。酒類の表示や分類については 国税庁の酒類に関する情報 も参考になる。

よくある質問

よくある質問
よくある質問への回答
キューバリブレとラムコークは何が違いますか。

国際バーテンダー協会と日本バーテンダー協会のどちらの一覧にも、キューバリブレに当たる項目は掲載されていますが、ラムコークという項目は1件もありません。サントリーはキューバ・リブレの説明で「ラム&コークにライムジュースを加える」と書いており、ラム&コークを材料の組み合わせを指す言い方として使っています。つまりライムを加えたものがカクテル名を持ち、加えないものは通称のままだと整理できます。

コークハイとキューバリブレはどう違いますか。

コークハイはコーラで割ったもの全般を指す日本語で、ベースがラムとは限りません。ウイスキーや焼酎のコーラ割りも同じ語で呼ばれます。アサヒビールのカクテルガイドでもコークハイは0件で、業界団体のカクテル名一覧にも掲載がありません。注文するときはベースのお酒が何かを言い添えると行き違いを避けられます。

キューバリブレの黄金比はどのくらいですか。

単一の比率を公表している資料はありません。国際バーテンダー協会はホワイトラム50mlに対してコーラ120mlなので1対2.4、アサヒビールはラム30mlに対してコーラ90mlなので1対3です。よく言われる1対4という比率はどちらにも出てきません。ライムの量も国際バーテンダー協会が10ml、アサヒビールが20mlでちょうど二倍の差があります。

キューバリブレのアルコール度数はどのくらいですか。

アサヒビールが公表している値は8.57%です。この数字はラム30mlに40%を掛け、材料の合計140mlで割ると小数第2位まで一致します。国際バーテンダー協会の配合はラムの比率が高く、ホワイトラムを40%と仮定して当店が試算すると約11.11%になります。ただし国際バーテンダー協会は度数を公表していないため、この試算値は当店の計算です。

1杯にどのくらいのアルコールが入っていますか。

アサヒビールの配合ではラム30mlに含まれる純アルコール量が9.6gで、これは同社の表示と一致します。国際バーテンダー協会の配合ではラムが50mlなので16.0gになります。厚生労働省の健康日本21はアルコールの項で、「節度ある適度な飲酒」としては、1日平均純アルコールで約20g程度である旨の知識を普及する。と書いています。配合によっては1杯で1日の目安の8割に届きます。

キューバリブレのカロリーは1杯何kcalですか。

一つの数字では確定できません。コーラは日本コカ・コーラが100ml当たり45kcalと公表しているので、アサヒビールの配合の90mlなら40.5kcalと体積のまま計算できます。一方でラムとライムの公的な数値は日本食品標準成分表の可食部100g当たりで、mlをgに直す比重が公表されていないため計算が閉じません。コカ・コーラ ゼロに替えればコーラ由来の分は0kcalになります。

キューバリブレに合うラムはどれですか。

コーラとライムの輪郭を素直に立てたいならクセの少ないホワイトが基本です。コクや余韻を足したいときは樽熟成のゴールドやダーク、甘く華やかに寄せたいときはバニラ香のスパイストが向きます。さとうきびの搾り汁を原料にするアグリコールは青い香りが立ち、ライムと呼応します。同じ分量でもベースを替えるだけで印象が大きく変わるので、飲み比べながら探すのが近道です。

ラム酒のラベルに「スピリッツ」と書いてあるのはなぜですか。

酒税法の条文にラムという語が一度も出てこないためです。蒸留酒類として名指しされているのはウイスキー・ブランデー・連続式蒸留焼酎・単式蒸留焼酎・原料用アルコール・スピリッツの6つで、ラム・ジン・ウオッカ・テキーラはいずれも条文に登場しません。受け皿になるスピリッツは第三条第二十号に「第七号から前号までに掲げる酒類以外の酒類でエキス分が二度未満のものをいう。」と定義されており、原料や製法を条件にしていません。

飲まないラムや洋酒を売ることはできますか。

可能です。リンクサス酒販では、長期熟成のラム、ボトラーズの限定品、流通しなくなった輸入スピリッツなど、未開栓のラム・スピリッツ・洋酒の買取に対応しています。液面やキャップの状態、ラベルの傷み、箱など付属品の有無が評価に影響します。直射日光と高温多湿を避けて立てて保管し、状態のよいうちに査定へ出すのがおすすめです。

最終更新:(リンクサス酒販 鑑定士チーム監修)

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