レミーマルタンとは|VSOPからルイ13世までランク別の違いと選び方
1724年、フランス南西部のコニャック地方で生まれたレミーマルタンは、300年にわたってブドウの蒸留酒だけを造り続けてきたメゾンだ。ケンタウロスのエンブレムで知られ、ヘネシーやマーテルと並ぶ大手でありながら、グランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュ産のブドウにこだわる「フィーヌ・シャンパーニュ」路線を貫く点に個性がある。VSOPからナポレオン、XO、そして頂点のルイ13世まで、ランクの階段がはっきりしているのも特徴で、同じ銘柄でも流通年代によって価値が大きく変わる。この記事では、レミーマルタンのランク制度と各ボトルの違い、旧ボトル(古酒)の見分け方、選び方までを順にたどっていく。ブランデー全体の分類を知りたい人はブランデーとはの記事も合わせて読んでほしい。
レミーマルタンとは|フィーヌ・シャンパーニュを代表するコニャック

レミーマルタンは、ブドウ栽培家レミー・マルタンが1724年に興したコニャックメゾンである。コニャックとは、フランスのコニャック地方で規定どおりに造られたブドウのブランデーだけが名乗れる原産地呼称で、ウイスキーともほかのブランデーとも区別される。ラベルに描かれたケンタウロス(セントール)は19世紀から使われてきた象徴で、世界中のバーでこのマークが目印になってきた。
このメゾンを語るうえで欠かせない言葉が「フィーヌ・シャンパーニュ」だ。コニャック地方の畑は土壌によって複数の区画に格付けされており、最上位がグランド・シャンパーニュ、それに次ぐのがプティット・シャンパーニュとされる。フィーヌ・シャンパーニュは、この上位2区画のブドウだけを使い、かつグランド・シャンパーニュを50%以上含むコニャックに認められる呼称になる。発泡ワインのシャンパンと名前は似ているが、まったく別の概念になる。
石灰質に富んだ上位区画のブドウから生まれる原酒は、熟成によって香りが伸びる力が強いといわれる。だからこそレミーマルタンは長期熟成のランクほど真価を発揮する。まずは、その「ランク」の仕組みから確認しよう。
コニャックのランク表記とレミーマルタンの階級

コニャックのラベルにあるVSOPやXOといった記号は、ブレンドに使われた原酒のうち最も若いものの熟成年数を示す業界共通の表記となっている。樽熟成の最低年数によって、おおよそ次のように区分される。
| 表記 | 最低熟成年数の目安 | レミーマルタンでの該当ボトル |
|---|---|---|
| VS | 2年以上 | (現行の主力からは外れる) |
| VSOP | 4年以上 | VSOP、スペリオール(旧) |
| ナポレオン | 6年以上 | ナポレオン、クラブ、1738アコードロイヤル |
| XO | 10年以上 | XO、XOスペシャル(旧)、XOエクセレンス(旧) |
| XO超 | 規定なし(長期熟成) | エクストラ、セントー、ルイ13世 |
XOの最低熟成は、2018年の規定改定で6年から10年に引き上げられた。つまり同じXOでも、旧世代と現行では前提となる熟成年数が違う場合がある。またナポレオンは皇帝の名を借りた呼び名ではあるものの、規定上はVSOPとXOの間に位置する正式なランクだ。
レミーマルタンの面白さは、この共通規格の上に独自の階級を重ねている点にある。日本・アジア市場で展開された「クラブ」、ルイ15世の勅許を記念した「1738アコードロイヤル」、かつて存在した「スペリオール」など、規定外の名前が歴史の中で生まれては整理されてきた。頂点には100年級の原酒を使うとされるルイ13世が君臨し、階段は驚くほど高い。ランクの全体像を頭に入れたら、次は実際のボトルを一覧で見比べてみよう。
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レミーマルタンのランク別30本を年代・価格で比較

レミーマルタンは、同じVSOPやナポレオンでも流通した年代によってボトルもブレンドも異なり、市場価値まで変わってくる。そこでリンクサス酒販の在庫から、現行品と1970〜2000年代の旧ボトルを横断して30本を選び、ランクが低い順に並べた。現行VSOPに始まり、金ラベルや黒キャップの旧VSOP、いまは無きスペリオール、クラブ、1738、各年代のナポレオン、大花・小花のXOスペシャル、エクストラ、セントー、そしてルイ13世まで、ブランドの階段をそのまま一覧にしている。
選び方の目安として、初めてなら現行VSOPか1738、オールドボトルの入門なら金ラベルVSOPや80年代ナポレオン、特別な一本を探すならXOの大花やエクストラ、頂点を知りたいならルイ13世という順で見ていくと迷いにくい。コニャックはオープン価格が基本のためメーカー定価は掲載していない。楽天・Amazonの価格は2026年6月時点で流通している高値帯の参考値で、最安値を案内するための一覧ではない。
関連商品ラインナップ

リンクサス酒販の在庫から、レミーマルタンと同じブランデーの世界に属する商品をまとめて掲載する。各カードから商品ページへ進むと、容量や度数、価格、在庫状況まで確認できる。コニャックの五大メゾンを飲み比べたい人にも、まずは手頃な一本から試したい人にも、出発点として使いやすいはずだ。
ラインナップには、ヘネシーやカミュ、クルボアジェといった他メゾンのコニャックから、アルマニャックやカルヴァドスまで幅広く含まれる。レミーマルタンのフィーヌ・シャンパーニュらしい華やかさは、他メゾンと並べて飲んだときにいちばんよく分かる。たとえばヘネシーの力強さ、マーテルの端正さと比べると、レミーの花や蜂蜜を思わせる香りの個性が際立ってくる。気になる銘柄が品切れでも、カード経由で近いタイプをたどれるので、飲み比べの計画づくりにも役立ててほしい。コニャックという呼称そのものの定義はコニャックとブランデーの違いの記事で詳しく扱っている。
VSOP|世界で最も飲まれるフィーヌ・シャンパーニュ

レミーマルタンの屋台骨を支えるのがVSOPだ。フィーヌ・シャンパーニュのVSOPとして世界的な定番であり、バニラやアプリコット、すみれを思わせる香りとなめらかな口当たりで、ブランデー初心者の最初の一本にも選ばれ続けている。
現行VSOPと300周年エディション
現行ボトルはすりガラス調のデザインで、ストレートはもちろんソーダ割りやジンジャー割りにも合う懐の深さがある。2024年前後には創業300周年を記念したリミテッドエディションも流通した。中身は定番のVSOPながら、記念ラベルにはコレクション需要があり、市場在庫が減るにつれて探す人が増えている。
金・黒・赤——旧ボトルのVSOPたち
古酒市場で存在感を放つのが、1970〜1990年代に流通した旧ボトル群だ。金ラベルの丸瓶と四角瓶、黒キャップの80年代もの、赤ラベルの世代など、ボトルの意匠で流通年代をたどれる。バブル期の贈答文化とともに日本中へ渡ったボトルが、いまも未開栓のまま見つかることは珍しくない。数十年の瓶内保管を経た個体は角が取れてまろやかに感じられることが多く、現行品と並べて飲むと同じVSOPとは思えないほど印象が変わる。安価にオールドコニャックを体験できる入口として、まず狙いたい領域だ。
クラブと1738アコードロイヤル|中間ランクの個性派

VSOPとXOの間には、レミーマルタン独自の個性的なボトルが並ぶ。規定上のランクではナポレオン級にあたるものが多いが、それぞれ生まれた背景がまったく違う。
クラブ——日本とアジアで愛された角瓶
クラブは主に日本・アジア市場向けに展開されたボトルで、特徴的な角形のデキャンタに詰められている。位置づけはVSOPとXOの中間。バーやスナックのボトルキープ文化とともに広まり、世代によっては「レミーといえばクラブ」という人もいるほど浸透した。2000年代流通のクリアボトルは状態の良い個体が比較的多く、いま手に取りやすいオールドレミーのひとつになっている。
1738アコードロイヤル——ルイ15世の勅許を記念して
1738アコードロイヤルの名は、1738年にルイ15世がレミーマルタンへ与えた勅許に由来する。新たなブドウ畑の開拓が制限されていた時代に、品質を認められて特例を許されたという逸話が誇りとして刻まれている。味わいはトーストした樽由来のバニラやキャラメルが前面に出る甘く濃厚な路線で、米国ではカクテルベースとして絶大な人気を誇る。ロックでゆっくり溶かしながら飲むのもいい。
ナポレオン|贈答全盛期を支えた中上級ランク

ナポレオンと聞くと特定の商品名のように響くが、実際はVSOP以上XO未満に位置する正式なランク表記だ。1980〜1990年代の日本では「ナポレオン=最高級ブランデー」というイメージが浸透し、お歳暮やお中元の最上級品として大量のボトルが流通した。
レミーマルタンのナポレオンには、流通年代ごとに黒瓶、赤ルビー、カラフェ(デキャンタ)型などの仕様違いがある。当時の流通量が多かったぶん、いまも状態の良い古酒が見つかりやすい。XOに迫る熟成感を、XOより穏やかな価格で楽しめるのがナポレオン古酒の魅力で、オールドコニャックの飲み比べを始めるならここからが本道だろう。デキャンタ型のようにボトル自体へ美術的価値が付く個体もあり、コレクション対象としての奥行きも持っている。
XO|大花・小花の旧世代からプルミエクリュまで

XOはエクストラ・オールドの略で、レミーマルタンの中核を担う上級ランクにあたる。グランド・シャンパーニュ主体の長期熟成原酒がブレンドされ、ドライフルーツや蜂蜜、スパイスの重なる円熟した香味がそろう。
XOスペシャル「大花・小花」とエクセレンス
旧世代のXOには通称がある。1980年代流通の「XOスペシャル」はラベル中央の花模様が大きく「大花」、1990年代の世代は花が小さく「小花」と呼ばれ、古酒市場での年代判別の定番ポイントになっている。2000年代には「XOエクセレンス」表記の世代を挟み、現在の「XO」へつながった。旧世代XOは現行品より市場価格がこなれていることも多く、長期保管でこなれた香味と合わせて、古酒XOならではの満足感がある。
プルミエクリュと記念ボトル
XOには派生もある。グランド・シャンパーニュの格を冠した「XOプルミエ・クリュ」は産地の力を打ち出した限定的な一本で、300周年記念ボトルのような周年ものは流通期間が短く、市場在庫が尽きると価格が上がりやすい。定番XOとの違いを知ったうえで出会えたら、確保しておきたい領域だ。
エクストラ・セントー・ルイ13世|最高級帯の世界

XOの上には、レミーマルタンの真骨頂というべき最高級帯が広がっている。ここからは1本数万円から数十万円の世界になる。
エクストラとセントー
エクストラはXOを超える長期熟成原酒をブレンドする上級ランクで、1970年代の緑瓶世代、1980年代世代、限定のパーフェクションなどが知られる。セントーは象徴のケンタウロスの名を冠したシリーズで、クリスタル調のデキャンタに収められた1980年代の流通品は、当時ルイ13世に次ぐ格の贈答品として扱われた。どちらも市場に出る本数が限られ、未開栓・箱付きの完備品は年々貴重になっている。
ルイ13世——100年級の原酒が眠るバカラのデキャンタ
頂点に立つルイ13世は、グランド・シャンパーニュの長期熟成原酒だけを用いる別格の存在といえる。最大100年熟成ともいわれる原酒を1200種類前後ブレンドするとされ、バカラに代表されるクリスタルデキャンタに満たされる。旧世代には「ベリーオールド」表記や金キャップ仕様があり、現行は「ザ・クラシック」として流通する。ボトル単体でも美術品のように扱われ、空き瓶や替え栓にまで価値が付くのはルイ13世ならではだろう。2026年6月時点の市場では、状態の良い完備品が数十万円台で取引されている。
レミーマルタンの飲み方とペアリング

フィーヌ・シャンパーニュの香りを最大限に楽しむなら、常温のストレートが基本になる。チューリップ型のグラスに少量を注ぎ、手のひらで軽く温めながら香りの変化を追うと、バニラから花、ドライフルーツへと表情が移っていく。アルコールの刺激が強いと感じたら、同量の常温水を加えるトワイスアップが向く。香りの開き方はトワイスアップの記事で詳しく説明している。
VSOPや1738なら、ソーダ割りやジンジャーエール割りで気軽に楽しむのもいい。甘く濃厚な1738はロックとの相性が抜群で、米国のバーシーンではサイドカーなどのカクテルベースとしても定番になっている。食後ならチョコレートやドライフルーツ、ナッツ、ブルーチーズが好相性。XO以上の長期熟成品は、葉巻やコーヒーと合わせる大人の組み合わせも楽しい。グラス選びに迷ったらブランデーグラスの記事が参考になるはずだ。
旧ボトルの見分け方と古酒の価値
レミーマルタンの旧ボトルは、いくつかのポイントで流通年代をある程度推定できる。ラベルの意匠(XOスペシャルの大花・小花など)、キャップの素材と色(ルイ13世の金キャップなど)、ボトル形状(丸瓶か四角瓶か、緑瓶か透明か)、そして容量表記や輸入ラベルの様式が主な手がかりになる。同じランクでも世代によって市場価値は大きく異なるため、手元のボトルがどの世代かを知ることが価値判断の第一歩になる。
未開栓の蒸留酒は腐敗しないが、保管状態で価値は変わる。直射日光や高温多湿を避けて立てて保管されていた個体は液面が高く、ラベルや化粧箱がきれいに残っていれば査定でも有利だ。逆にコルクの劣化や液面低下、ラベルの退色は減額の要因になる。古いから無価値なのではなく、古くて状態が良いからこそ価値が出るのがオールドコニャックの世界だ。実家の納戸から出てきた一本が思わぬ評価になることも珍しくない。
飲まないレミーマルタン・コニャックの査定・買取はリンクサスへ
贈答でもらったまま飲んでいないレミーマルタン、コレクション整理で手放したいルイ13世やXOの古酒は、状態が良いうちに査定へ出すのが得策だ。リンクサス酒販では、現行品はもちろん、大花・小花のXOスペシャルや金キャップのルイ13世といった旧ボトルまで、相場を踏まえて査定している。
査定は写真送付による事前見積、宅配買取、出張買取に対応している。複数本まとめての依頼は一本ずつより評価が安定しやすく、コレクション整理にも向く。査定・買取の窓口は ブランデー・洋酒買取 から利用できる。販売側の在庫は リンクサス酒販トップ で確認できるほか、酒類の分類や表示の制度は 国税庁の酒類に関する情報 も参考になる。
よくある質問
レミーマルタンはどんなお酒ですか?
レミーマルタンは、1724年創業のコニャックメゾンが造るブドウのブランデー(コニャック)です。コニャック地方の上位2区画であるグランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュのブドウだけを使う「フィーヌ・シャンパーニュ」スタイルを貫いており、花や蜂蜜を思わせる華やかな香りが持ち味です。ケンタウロスのエンブレムが目印で、アルコール度数は40%が基本です。
レミーマルタンのランクの順番は?
下からVSOP、クラブ・1738アコードロイヤル・ナポレオン(ほぼ同帯の中間ランク)、XO、エクストラ、そして頂点のルイ13世という順になります。表記はブレンド中最も若い原酒の熟成年数に基づき、VSOPは4年以上、ナポレオンは6年以上、XOは10年以上が目安です。旧ボトルには現行に無いスペリオールやセントーといった名前もあります。
ルイ13世はなぜ高いのですか?
最大100年熟成ともいわれるグランド・シャンパーニュの原酒を1200種類前後ブレンドするとされる、原酒コストが桁違いの一本だからです。さらにバカラに代表されるクリスタルデキャンタの製造コストとブランド価値が加わります。100年単位で原酒をつなぐ事業は一代では完結せず、世代を超えた継承そのものが価格に反映されています。
XOの「大花・小花」とは何ですか?
旧世代のXOスペシャルを年代で区別する通称です。ラベル中央の花模様が大きい「大花」は主に1980年代、花が小さい「小花」は1990年代の流通品を指します。どちらもフィーヌ・シャンパーニュの長期熟成ブレンドで、古酒市場では年代判別の定番ポイントとして使われています。同じXOでも世代によって市場価格が変わるため、売買の際は確認したい部分です。
古い未開栓のレミーマルタンは飲めますか?
蒸留酒は未開栓であれば基本的に腐敗せず、数十年前のボトルでも飲めることがほとんどです。むしろ長期保管で角が取れ、まろやかに感じられる個体も多くあります。ただし保管状態によっては液面低下やコルクの劣化が起きるため、開栓前に液面とキャップまわりの状態を確認してください。価値の高い旧ボトルは、飲む前に一度査定に出して市場価値を知るのも選択肢です。
飲まないレミーマルタンを売ることはできますか?
可能です。リンクサス酒販では、VSOPからルイ13世まで、現行品・旧ボトルを問わずレミーマルタンの買取に対応しています。液面の高さ、キャップやラベルの状態、化粧箱・替え栓など付属品の有無が査定に影響します。とくにルイ13世やエクストラ、XO旧世代は需要が安定しているため、直射日光と高温多湿を避けて保管し、状態の良いうちの相談がおすすめです。
最終更新:(リンクサス酒販 鑑定士チーム監修)
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