ロゼシャンパンとは|安い〜高級のおすすめ在庫30本
ロゼシャンパンを調べていると、白との違い、値段の幅、造り方の名前と、答えの出どころがばらばらな話が並びます。そこで先に一次資料へ当たりました。結果はひとことで言えます。ロゼという色を定義した条文は、日本の法令にもEUの基本規則にも一つもありません。それでいて、色をつくった量を申告させる欄だけは実在します。
この記事は、その空白の形をたしかめたうえで、当店在庫のロゼ・シャンパーニュから三十本を販売価格の順に並べ、一万円台まで、五万円台まで、六万円台から上の三つに分けます。価格は当店の税込表示、条文と明細書は原文から写しました。相場や転売価格は扱いません。
ロゼシャンパンとは|色を定義した条文が一つも無い

ロゼシャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方で造られ、原産地呼称「シャンパーニュ」を名乗れる発泡性ワインのうち、色が淡紅色のものを指す呼び名です。ここまでは通りのよい説明ですが、では「淡紅色」の線をどこに引くのか、その線を誰が引いたのかを調べると、答えが出てきません。
今回、日本の法令とEUの規則を横断して「ロゼ」という語を探しました。結論から書くと、ワインの色としての「ロゼ」を定義した条文は一つも見つかりませんでした。定義が無いまま、色を名乗る手続と、色をつくった量を書かせる欄だけが実在します。この記事はその形をたどります。
日本の法令を横断すると、ロゼは木材とカメレオンと県名と農薬になる
e-Gov法令検索は法律・政令・省令を収録しています。その全法令横断検索で「ロゼ」を引くと、七本が返ります。中身は次のとおりです。関税定率法と関税暫定措置法施行令、同施行規則にある「パリッサンドルロゼ」は木材の名前です。絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の施行令と施行規則にあるのは、カメレオン科の Brookesia perarmata に付いた和名「ロゼッタヒメカメレオン」の一部です。在外選挙人名簿に関する省令の「ロゼ」はフランスのロゼール県、特定有害廃棄物等の範囲を定める省令の「エチクロゼート」は農薬名です。
七本のうち、酒に関係するものは一本もありません。「ロゼワイン」「ばら色」「薔薇色」で引くとどれも該当なしで返ります。つまり法律・政令・省令は、ワインの色としての「ロゼ」という語を一度も使っていません。e-Gov が収録しない告示の側も同じで、国税庁告示の果実酒等の製法品質表示基準にロゼは一度も出てきません。
EUの基本規則にも、ワインの意味の「ロゼ」は出てこない
EU側も同じでした。ぶどう製品のカテゴリーを定めている規則(EU)第1308/2013号の現行統合版を全文走査すると、ワインの意味での rosé は一件もありません。附属書VII第II部が並べる十七のカテゴリーは、スティルワインやスパークリングワイン、リキュールワインといった造りの区分で、色の区分ではないからです。
表示について定めた委任規則(EU)2019/33号にも、rosé の定義規定はありません。この語が定義抜きで使われるのは、クレマンの使用条件を定めた第53条第5項の「白またはロゼの高級スパークリングワイン」という一句と、瓶型の制限を定めた附属書VIIの銘柄一覧だけです。
色を決めているのは法令ではなく、明細書一枚だけ

ロゼという色が制度の中で意味を持つ場所は、ひとつだけありました。原産地呼称シャンパーニュの明細書です。二〇二五年七月三十一日のアレテ(官報掲載は八月五日)によって認可された現行版は、その第一章第III節にこう書かれています。「原産地呼称『シャンパーニュ』は、白またはロゼの発泡性ワインに限られる」。
ここでは色が、呼称を名乗れるかどうかの入口になっています。白かロゼでなければシャンパーニュではない。裏を返せば、赤いシャンパーニュという商品は制度上ありえません。日本の酒税法にもEUの基本規則にも無かった色の線が、明細書という一枚の文書にだけ引かれています。
明細書が書いている造り方は三系統ある
同じ明細書の第一章第IX節2°a)は、ロゼの造り方をこう書きます。「ロゼワインは、直接圧搾によって得られたベースワインから、あるいはマセラシオンもしくはセニエによって得られたベースワインから、あるいはティラージュ前の白ワインと赤ワインのアッサンブラージュによって造られる」。
並んでいるのは三系統です。黒ぶどうを軽く搾る直接圧搾。果皮とともに漬け込むマセラシオンと、その途中で液を抜くセニエ。そして、白ワインに赤ワインを合わせるアッサンブラージュ。委員会の公式日本語ページは「2通りの 方法で作ることができます」と書いた直後に三つを挙げており、明細書の書き分けも三系統です。ロゼワイン一般の造り方の整理はロゼワインとは|特徴・作り方・度数・選び方にまとめています。
シャンパーニュ委員会が公表している時間と割合
時間と割合の数字は、明細書ではなくシャンパーニュ委員会の公式サイトにあります。公式の日本語ページは「ロゼ・アサンブラージュは、白ワインに5〜20%の赤ワインをブレンドしてつくられます」「ロゼ・ド・マセラシオンは、黒ブドウの果皮とともに果汁を36時間マセラシオンして得られます」「ロゼ・ド・セニエはマセラシオン・ロゼですが、マセラシオンの時間が短い(8時間から12時間)」と書いています。
委員会の訳語は「アサンブラージュ」で、この記事の地の文では明細書の綴りに合わせて「アッサンブラージュ」と書きます。五から二十パーセント、三十六時間、八から十二時間という数字は、いずれも委員会の説明であって、明細書の条項ではありません。
「白と赤を混ぜてはいけない」という通説と、条文の実際

ロゼシャンパンの話でよく見かけるのが、「EUでは白ワインと赤ワインを混ぜてロゼを造ることが禁止されていて、シャンパーニュだけが例外として認められている」という説明です。原文に当たると、この説明は二か所で条文とずれていました。
禁止の主語は「呼称を持たない白」と「呼称を持たない赤」
該当するのは委任規則(EU)2019/934号の第8条第1項第2副段です。英語の原文はこうです。「Coupage of a non-PDO/PGI white wine with a non-PDO/PGI red wine cannot produce a rosé wine.」。原産地呼称も地理的表示も持たない白ワインと、同じく持たない赤ワインとのコーパージュは、ロゼワインを生じさせることができない、という一文です。
主語の両方に「持たない」がかかっています。シャンパーニュは保護原産地呼称を持つワインですから、この一文はそもそもシャンパーニュに向けられていません。同じ規則の前文第13項も「ロゼワインの生産に関しても、同じ理由から、このやり方はとりわけ明細書の適用を受けない一定のワインについて規制されるべきである」と、立法の意図をそのまま書いています。
続く一文は「例外」ではなく「排除しない」と書いている
第2副段の次に第3副段が続きます。「However, the second subparagraph does not exclude coupage of the type referred to therein where the final product is intended for the preparation of a cuvée ... or intended for the production of semi-sparkling wines.」。最終製品がキュヴェの調製か微発泡ワインの製造に充てられる場合、第2副段はそのコーパージュを排除しない、という文です。
ここで使われている動詞は exclude であって derogate ではありません。ただし決め手はそこではありません。この規則は derogation の語を本文の条にはまったく置いておらず、その語が出るのは附属書だけだからです。決め手は、第3副段が受けているのが「第2副段にいう種類のコーパージュ」、つまり呼称を持たないワイン同士だという点にあります。しかも救われる先は「キュヴェの調製」、すなわち発泡性ワインのベースに限られています。
コーパージュの定義の中で、ロゼは赤に数えられる
では規則はロゼをどう扱っているのか。コーパージュを定義した第7条は、第2項で「異なるカテゴリー」として赤ワインと白ワインを並べ、その末尾に一行を置きます。「For the purposes of this paragraph, rosé wine shall be regarded as red wine.」。本項の適用上、ロゼワインは赤ワインとみなす。カテゴリーを数えるときだけ、赤の側に置いています。
まとめると、シャンパーニュのロゼは禁止の例外なのではなく、保護原産地呼称を持つという一点で、最初から禁止の外側にいます。「シャンパーニュを除く」と名指しした条文は、調べた範囲では見つかりませんでした。
上限は無い。あるのは、赤を何リットル入れるかを申告させる欄
では、委員会の言う五から二十パーセントは上限なのか。明細書の全文を調べると、赤ワインの割合の上限を定めた条項は一つもありませんでした。数値の制限は搾汁量と収量と品種の比率と度数にかかるだけで、色に関する数値はありません。五から二十パーセントは、実際に行われている幅の説明です。
そのかわり、明細書の第二章第I節に申告の欄があります。「さらに、ティラージュ前の赤ワインと白ワインのアッサンブラージュによりロゼワインを製造する場合には、投入予定の赤ワイン量、投入予定の白ワイン量」を記載する、という規定です。上限は書かないが、量は書かせる。定義を置かない制度が、手続だけは持っているという形が、ここではっきり出ます。
ロゼと一緒に選ばれるシャンパンの品揃え

ロゼと白を一本ずつ用意したい、贈る相手の好みが分からないので白から選びたい、といったご相談を多くいただきます。ここには当店のシャンパンの品揃えから、ロゼ以外も含めて並べています。当日十四時までのご注文で当日発送します。
「ロゼシャンパンとは|安い〜高級のおすすめ在庫30本」に関連するおすすめ商品
ここではシャンパンの在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。
当店在庫のロゼシャンパン三十本を販売価格で見比べる

次の表は、この記事を書いた時点で当店に在庫があるロゼ・シャンパーニュ四十一本から、近い構成のものを整理した三十本を、販売価格の安い順に並べたものです。価格はすべて当店サイトの表示価格で、消費税込みです。メーカーの希望小売価格でも、市場の相場でもありません。
表に入れた「特徴」の欄には、容量、化粧箱の有無、ラベルに印字された年、当店の在庫本数だけを書いています。造りの型を銘柄ごとに書き分けていないのは、アッサンブラージュかマセラシオンかを各メゾンが公表していない銘柄が多く、推測で埋めたくないためです。
並べてみると、四千四百円から二十九万七千円まで開きがあります。容量が三通りあるので七百五十ミリリットルに換算すると五千五百円から二十九万七千円で、同じ「ロゼシャンパン」という呼び名の中に五十倍を超える差が残ります。この開きが何で生まれているのかは、価格帯ごとに事情が違います。以下の三つの章で分けて見たあと、第九章で選び方をまとめます。
一万円台までで選ぶロゼシャンパン

安いロゼシャンパンを探している方が実際に見ているのは、多くの場合この帯です。当店の在庫でこの範囲に入るのは七本で、内訳は次のとおりです。
五千円台までの二本
いちばん下は、モエ・エ・シャンドンのロゼ ブリュットのハーフボトル三百七十五ミリリットルで、当店価格は四千四百円(税込・以下同じ)です。容量が半分なので、七百五十ミリリットル換算にすると八千八百円相当になります。二人で一本を開けるには多い、けれど泡は開けたてが良い、という場面のための容量です。
七百五十ミリリットルで最も低いのは、メゾン マム グラン コルドン ロゼの五千五百円です。度数は商品名に十二パーセントと入っています。
六千円台から八千円台の三本
モエ ロゼ アンペリアルが六千六百円、ヴーヴ・クリコ ロゼが七千百五十円、モエ・エ・シャンドン ネクター アンペリアル ロゼ ドライが八千八百円です。ここは在庫の動きがいちばん速い帯で、ネクター アンペリアル ロゼ ドライは記事作成時点で二十八本と、この帯で最も厚く用意しています。
名前に「ドライ」や「ネクター」と付いていても、それがEUの表示規則の甘辛区分の名称とは限りません。区分は瓶に残っている糖の量で決まるので、ラベルの区分表示で確かめてください。読み方は第九章にまとめています。
一万円台の二本
アンリ・ジロー ロゼ ダムジャンヌが一万六千五百円(箱あり)、ポル・ロジェ ロゼ 二〇一八が一万七千六百円です。どちらも在庫は一本で、価格帯としては次の章の入口に近い位置にあります。贈答で箱の有無を気にされる場合、この帯では箱ありと箱なしが混在しますので、商品名の末尾をご確認ください。
二万円台から五万円台で選ぶロゼシャンパン

記念日や贈答でいちばん指名の多い帯です。当店の在庫ではこの範囲に九本が入っており、うち三本が三万円台、六本が四万円台から五万円台に集まっています。二万円台に在庫は今ありません。
三万円台|ベル エポック ロゼとポメリーの共作
ダイヤモンドロック ロゼが三万五千二百円、ペリエ・ジュエ ベル エポック ロゼが三万八千五百円、Y by YOSHIKI × シャンパーニュ ポメリー ブリュット ロゼ ギフトボックスが同じく三万八千五百円です。ベル エポック ロゼは在庫七本、ポメリーとの共作は三本。同じ価格で並んでいますが、後者は化粧箱込みの構成として販売しています。
四万円台|ドンペリニヨン ロゼとクリュッグ ロゼ
ドンペリニヨン ロゼの箱なしが四万一千八百円で、当店のロゼ在庫の中では最も本数が多く、記事作成時点で九十本あります。クリュッグ ロゼは四万四千円、箱ありの構成が四万八千四百円です。
ここで注意したいのは、同じ銘柄でも「箱なし」「箱あり」「年号入り」で商品が分かれていて、価格も別に付いている点です。表の特徴欄に箱の有無と年の表記を入れているのはそのためです。贈答用に選ぶ場合は、価格だけを見て安いほうを取ると箱が付いてこないことがあります。
五万円前後|年号入りのドンペリニヨンとアルマンド
ドンペリニヨン ロゼ 二〇〇八が四万九千五百円、同じく二〇〇九が五万五千円、アルマンド ロゼの箱なしが五万九千四百円です。ドンペリニヨンのロゼは年の表記があるものが中心で、当店の在庫では年によって価格が四万円台から二十万円台まで分かれます。年ごとの位置づけの解説はドンペリの定価と種類・相場にまとめています。
この帯は、名前が広く知られている銘柄と、造り手の名前で選ばれる銘柄が混ざります。贈る相手が名前で受け取る場面か、中身で受け取る場面かで、選ぶ側が変わる帯だと考えています。
六万円台から上のロゼシャンパン

高級ロゼシャンパンで検索される方が見ているのはこの帯です。表の三十本では十四本がここに入ります。値段の付き方は、それより下の帯とは理由が変わります。
六万円台から八万円台|アルマンドとエンジェルとドンペリニヨン
アルマンド ロゼの箱付きが六万一千六百円、ドンペリニヨン ロゼ 二〇〇三が六万六千円、エンジェルのドゥミセック ロゼ ピンクが六万円から七万四百円、ドンペリニヨン ロゼ 一九九八が七万七千円です。エンジェルはボトルの外装が仕様ごとに分かれており、同じ価格帯でも構成の違う商品が別々に並びます。
八万八千円の帯には、エンジェルの限定エディション二種と、ルイ・ロデレール クリスタル ロゼ 二〇一四が並びます。造りで見るか、外装で見るかで、同じ金額の中身がまったく変わる帯です。
十万円前後から|クリスタル ロゼと古い年号のドンペリニヨン
ルイ・ロデレール クリスタル ロゼ 二〇〇五が九万九千円、同 二〇〇八のギフト箱付きが十五万四千円、ドンペリニヨン ロゼ 一九八六が十二万一千円です。エンジェルのハロウィン限定は十三万二千円、アルマン・ド・ブリニャック ロゼのマグナムボトル千五百ミリリットルが十五万円です。
当店在庫で最も高いロゼは、ドンペリニヨン エノテーク ロゼ 一九九〇の二十九万七千円です。エノテークはメゾンの蔵で長く置かれてから出荷される構成です。表の中ではより古い一九八六年が十二万一千円で付いているので、差を生んでいるのは年ではなく置かれた年月です。
この帯の価格は、年と外装と残りの本数で動いている
ここまで並べて分かるのは、六万円を超えると価格差の理由がロゼであることから離れる、という点です。動いているのは年号、容量、化粧箱や外装の仕様、そして残っている本数です。ロゼか白かという色の軸は、この帯ではほとんど効いていません。
言い換えると、「ロゼだから高い」という説明は、少なくとも当店の在庫では成り立ちません。白との差そのものは確かめていませんが、ロゼの中の価格差を動かしているのは色以外の要素です。高額帯全体の並びは世界一高いワインは81万ドル|高級ワイン30本でも扱っています。
ロゼシャンパンの選び方|商品名とラベルで確かめられる四つ

ここまで見てきたとおり、ロゼという色に制度が与えているのは、呼称を名乗る入口という役目だけです。おすすめの一本を選ぶときに手がかりになるのは、色の濃淡ではなく、商品名とラベルに出ている次の四つです。
甘辛は色ではなく、残糖の数字で決まる
ロゼは白より甘い、という前提でご相談をいただくことがありますが、甘辛は瓶に残っている糖の量による区分で、色とは別の軸です。規則(EU)2019/33号の附属書III第A部が、一リットルあたりの残糖で七つに切っています。
表の三十本でも、商品名にブリュット(十二グラム未満)と入るロゼと、ドゥミセック(三十二から五十グラム)と入るロゼが並びます。同じ「ロゼ」の中に、七区分のうち離れた二つが同居しているわけです。七区分の全部と、それぞれ一本あたり何グラムになるかは飲みやすいシャンパン人気ランキング 甘口と辛口の違いにあります。
年号の有無で、熟成の下限が変わる
商品名に年が入っているかどうかは、価格だけでなく熟成期間の下限にも関わります。シャンパーニュ委員会は、ノンヴィンテージが瓶詰めの日から少なくとも十五か月、ヴィンテージは少なくとも三年と説明しています。年数の規定の切り分けはシャンパンとは|主要品種は8つ、下限は3.5気圧にまとめてあります。
表の三十本のうち年の表記があるのは十本で、そのうち九本が四万円台から上に入ります。ただし年の表記がないロゼも十五万円まで並ぶので、年があるから高いとは言えません。ドンペリニヨン ロゼでも、新しい二〇〇九年の五万五千円が二〇〇八年の四万九千五百円より高く、いっぽう古い一九八六年は十二万一千円で、年の新旧と価格の順は一致しません。
箱と容量で、同じ銘柄が別の商品に分かれる
贈答で失敗が起きやすいのがここです。表の三十本では、アルマンド ロゼもクリュッグ ロゼも、箱なしと箱ありが別の行に別の価格で並んでいます。同じ銘柄名の行が二つあるときは、末尾の表記を確かめてから選んでください。
容量も三百七十五ミリリットル、七百五十ミリリットル、千五百ミリリットルの三通りがあります。ハーフボトルは容量あたりでは割高になり、マグナムボトルは同じ中身でも別の価格帯に入ります。商品名の末尾に必ず容量が入っているので、そこを先に見てください。
商品名が「シャンパン」でも、指している呼称は同じ
最後に名前です。商品名が「ロゼシャンパン」でも「ロゼ・シャンパーニュ」でも、指している呼称は同じで、日本で保護されるのはラテン文字の Champagne です。その層の作りはシャンパンとは|主要品種は8つ、下限は3.5気圧にあります。では日常でいちばん使われる「シャンパン」はどうか。国税庁の法令解釈通達は、表示基準第九項の「翻訳」について「音訳(例えば、漢字の地理的表示の名称の読みをカタカナやローマ字等に置き換えて使用する場合等)も含まれる」と書いています。公的文書に一度も現れない表記が、音訳という道筋で規制の射程に入ると読める形です。
ロゼと白シャンパンの違いは、数字の側には出てこない

ロゼと白の違いを調べる方が知りたいのは、たいてい度数や熟成や飲み方の差だと思います。ところが明細書とEU規則の数字を突き合わせると、色で分かれている数字はありませんでした。
度数も熟成も圧力も、白とロゼで同じ数字
明細書が置く自然アルコール度数の下限と総アルコール度数の上限、EU規則が高級スパークリングワインに求めるゲージ圧力の下限、シャンパーニュ委員会が示す熟成期間の下限。調べた範囲で、これらのどれにも白とロゼを分ける但し書きはありません。搾汁量の上限だけは項が二つに割れますが、分かれ目は色ではなく造り方です。それぞれの数値と条文上の位置づけはシャンパンとは|主要品種は8つ、下限は3.5気圧に整理してあります。
日本側も同じです。酒税法に「色」を含む語は六回しかなく、合成清酒と発泡酒が清酒やビールに似ているかを測る「色沢」が二回、甘味果実酒とウイスキーとブランデーに加える「色素」が四回です。色そのものによる分類は条文に存在しないので、ロゼだから扱いが変わる、ということも起きません。
明細書で色によって変わるのは、造り方と申告だけ
明細書の全文を見ると、赤を意味する rouge という語が現れるのは五か所しかありません。マセラシオンとセニエの搾汁量を定める項の見出し、ロゼの造り方を三系統挙げる条項、アッサンブラージュで造る場合に投入予定量を申告させる二行、そして台帳の記載について定めた一行です。
言い換えると、制度が色について書いているのは「どうやって色を付けたか」と「そのとき赤をどれだけ使うか」だけで、色が付いた結果の中身については何も書いていません。ロゼだから度数が高い、ロゼだから熟成が長い、といった規定は存在しません。
では何が違うのか
制度の外に出れば違いはあります。ロゼは黒ぶどうの果皮に由来する成分が入るぶんだけ色が付き、造り手はその色を意図して設計します。ただしその設計は各メゾンの判断で、公表されている数値の裏づけがある話ではありません。当店が査定や販売の説明で扱うのも、色そのものではなく、呼称と造り手と年と状態です。
価格の付き方も、当店の在庫を並べた限りでは年号と外装と残りの本数で動いていました。表には白を入れていないので、同じメゾンの同じ年で白とロゼを比べるとどうなるかは、この記事の範囲では確かめていません。
提供温度は色で変えない
シャンパーニュ委員会が示している提供温度は摂氏八度から十度で、この数字にもロゼ用の但し書きはありません。温度と器の選び方そのものは、公式資料と通説を突き合わせたシャンパンの種類とドンペリ・アルマンドの公表価格をご覧ください。
飲まないロゼシャンパンの査定・買取はリンクサス酒販へ

贈答でいただいたまま置いてある、記念に取っておいたが飲む機会がない、という一本のご相談を日常的にお受けしています。販売と買取を同じ担当が見ているので、売り場の値付けと査定の感覚が離れにくいのが当店の形です。
査定で見ているのは、色ではなく状態と付属品
この記事で見てきたとおり、制度はロゼの色そのものに数値を与えていません。査定で見ているのは、呼称と造り手、ラベルに印字された年、液面の位置、ラベルとキャップシールの状態、そして化粧箱や冊子といった付属品の有無です。
年号入りの高額帯では、箱の有無で結果が変わることがあります。外箱、内箱、冊子、首に掛かるタグまで揃っていれば、そのままお持ちください。当店の在庫でも「箱あり」と「箱なし」が別の価格で並んでいるのは、この差がそのまま売り場に出るためです。
保管の状態を伝えていただけると早く進みます
横置きか立てていたか、冷蔵庫だったかセラーだったか、直射日光の当たる場所を経ていないか。この三点を先に伺えると、確認の往復が減ります。泡のある酒は熱の履歴が状態に出やすいので、可能な範囲で構いません。
販売のご相談も同じ窓口で承ります。ロゼを含む品揃えはシャンパンのコレクションにあります。
ロゼシャンパンに関するよくある質問

ロゼシャンパンと白シャンパンの違いは何ですか。
制度の側で分かれているのは、色を付けたかどうかと、その付け方だけです。原産地呼称シャンパーニュの明細書は「白またはロゼの発泡性ワインに限る」と定め、ロゼについてだけ直接圧搾、マセラシオンまたはセニエ、ティラージュ前の白と赤のアッサンブラージュという三系統の造り方を挙げています。度数の上限、搾汁の上限、熟成期間、瓶内圧力は、白とロゼで同じ数字です。味わいの傾向は各メゾンの設計によるもので、公表された数値の裏づけがある区別ではありません。
ロゼシャンパンは白ワインに赤ワインを混ぜて造るのですか。
その造り方も認められています。シャンパーニュ委員会の公式サイトは「ロゼ・アサンブラージュは、白ワインに5〜20%の赤ワインをブレンドしてつくられます」と説明しています。ただし五から二十パーセントという数字は委員会の説明であって、明細書の条項ではありません。明細書には赤ワインの割合の上限を定めた条項が一つもなく、そのかわりアッサンブラージュで造る場合には投入予定の赤ワイン量と白ワイン量を申告するよう求めています。
EUでは白と赤を混ぜたロゼが禁止されていて、シャンパーニュだけ例外だと聞きました。
条文とはずれています。委任規則(EU)2019/934号の第8条第1項第2副段は「原産地呼称も地理的表示も持たない白ワインと、持たない赤ワインとのコーパージュは、ロゼワインを生じさせることができない」と書いており、主語の両方に「持たない」がかかります。シャンパーニュは保護原産地呼称を持つので、最初からこの一文の対象外です。続く第3副段が「排除しない」としているのも、第2副段にいう種類のコーパージュ、つまり呼称を持たないワイン同士についてです。
日本の法令に「ロゼ」という言葉はありますか。
ワインの色としての「ロゼ」はありません。e-Gov法令検索の全法令横断検索で「ロゼ」を引くと七本が返りますが、内訳は木材の名前(パリッサンドルロゼ)、カメレオン科の一種の和名の一部、フランスのロゼール県、農薬名で、酒に関係するものは一本もありません。酒税法、酒税法施行令、酒税法施行規則、食品表示基準、果実酒等の製法品質表示基準のいずれにも「ロゼ」は出てきません。
安いロゼシャンパンはいくらから買えますか。
当店の在庫では、モエ・エ・シャンドン ロゼ ブリュットの三百七十五ミリリットルが四千四百円(税込)で最も低く、七百五十ミリリットルではメゾン マム グラン コルドン ロゼの五千五百円が最も低い価格です。一万円までの帯には五本あり、モエ ロゼ アンペリアルが六千六百円、ヴーヴ・クリコ ロゼが七千百五十円、モエ・エ・シャンドン ネクター アンペリアル ロゼ ドライが八千八百円で並びます。いずれも当店サイトの表示価格で、メーカーの希望小売価格ではありません。
高級なロゼシャンパンにはどんな銘柄がありますか。
表の三十本のうち六万円以上は十四本です。ドンペリニヨン ロゼの年号入り各種、ルイ・ロデレール クリスタル ロゼ、アルマン・ド・ブリニャック ロゼのマグナムボトル、エンジェルの限定エディションなどが並び、最も高いのはドンペリニヨン エノテーク ロゼ 一九九〇の二十九万七千円です。この帯で価格を動かしているのは年号、容量、化粧箱や外装の仕様、残っている本数で、ロゼであること自体ではありません。
「シャンパン」と「シャンパーニュ」はどちらが正しい表記ですか。
公的文書に載っているのは「シャンパーニュ」です。日本とEUの経済連携協定によって保護される地理的表示の一覧で、保護される名称の欄にあるのはラテン文字の Champagne だけで、「シャンパーニュ」は「(参考)翻訳の例」の欄に置かれています。「シャンパン」という表記は、国税庁の表示基準、ガイドライン、Q&A、協定の一覧のいずれにも出てきません。ただし表示基準第九項は翻訳された名称の使用も規制し、通達は「翻訳」に音訳を含むとしています。
ロゼシャンパンは酒税法でどう分類されますか。
果実酒です。酒税法第三条第三号ハは「その他の発泡性酒類」をアルコール分十一度未満のものに限っており、十二パーセント前後のシャンパーニュはこれに当たらないため、醸造酒類の果実酒に入ります。醸造酒類の税率は一キロリットルにつき十万円です。この十一度という数字は経過措置で読み替えが続いており、切り替わる日と何が同時に起きるかはシャンパンファイトとは|起源と栓の速さ、撒く一本の酒税で扱っています。
ロゼシャンパンの適温は何度ですか。
シャンパーニュ委員会が示している提供温度は摂氏八度から十度です。この数字にロゼ用の但し書きはなく、白と共通です。ロゼだけに与えられた温度や器の指定は、明細書にも委員会の説明にもありません。

















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