ビールの種類は誰が決めているのか 酒税法と公正競争規約とスタイル規格

ビールの種類|ラガー・エール・IPA・黒ビールなどスタイルの違いと選び方、おすすめ30種も

ビールの種類は誰が決めているのか 酒税法と公正競争規約とスタイル規格

ビールの種類を調べると、ラガーとエール、ピルスナーとIPA、黒ビールとスタウトといった呼び名が並んだ表が出てきます。ところがその表を作っている主体は一つではありません。日本の酒税法が定めているのは種類品目という別の単位で、ラガーやIPAという語は条文に一度も出てきません。ラガーや生ビールの意味を決めているのは業界団体が作って行政の認定を受けた公正競争規約で、ピルスナーやIPAの姿を書いているのは米国の民間団体が公表しているガイドラインです。

この記事は、味わいや選び方ではなく誰がその呼び名を決めているのかという一点で「ビールの種類」を整理します。条文と規約とガイドラインを現物から引き、それぞれがどこまでを決めていてどこから先を決めていないのかを見ていきます。味わいの違いはクラフトビールとは、度数の一覧はビールのアルコール度数一覧で扱っています。

ビールの種類という言葉は四つの層にまたがっている

ビールの種類という言葉は四つの層にまたがっている
四つの物差しが重なっている状態のイメージ

「ビールの種類」という一つの言葉が、実際には性質の違う四つの層を指しています。税金をいくら取るかを決めるための層、容器に何と書いてよいかを決めるための層、審査会で優劣を付けるための層、そして日常の言葉づかいの層です。それぞれ決めている主体が違い、守らなかったときに起きることも違います。

この四つを混ぜると話が通じなくなります。「ラガーとエールがビールの二大分類」という説明は日常語としては通りますが、酒税法の物差しではラガーもエールも存在しない語です。逆に「発泡酒はビールの一種」も、酒税法ではビールと発泡酒が別々の品目なので成り立ちません。

表1 「ビールの種類」を決めている四つの層
決めている主体 何を決めているか 外れたときに起きること
酒税法の種類と品目 国(法律・政令・省令) 税率と製造免許の単位 無免許製造などの罰則の対象になる
公正競争規約の表示基準 事業者・事業者団体(行政が認定) 容器や広告に書いてよい呼び名 規約に参加する事業者について実施機関の調査と措置の対象になる
スタイルのガイドライン 米国の民間団体(私的規格) 審査のときに見る官能上の特徴 審査で評価されないことがある
日常の言葉づかい 誰も決めていない 何も決めていない 何も起きない

罰則の欄は酒税法第7条第1項の製造免許と第54条第1項によります。規約の欄の「実施機関」は規約自身が定める運営団体で、輸入ビールの規約では日本洋酒輸入協会です。

酒税法が決めているのは種類と品目でスタイル名ではない

酒税法が決めているのは種類と品目でスタイル名ではない
条文が定める単位を確かめるイメージ

四つの種類と、その内訳としての品目

酒税法は最初に酒類そのものを定義し、続けてそれを四つに分けます。第2条第2項は次の一文です。

酒類は、発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類及び混成酒類の四種類に分類する。

酒税法第2条第2項

この四つが法律のいう種類です。ビールはこのうち発泡性酒類に属します。第3条第3号が発泡性酒類の内訳をイ・ロ・ハの三つに分け、イがビール、ロが発泡酒、ハがそれ以外の発泡性のある酒類で、ハには「その他の発泡性酒類」という呼び名が付き、アルコール分が11度未満のものに限られます。ビールの定義は第3条第12号です。

ビール 次に掲げる酒類でアルコール分が二十度未満のものをいう。

酒税法第3条第12号

そのうえでイ・ロ・ハの三つの造り方を挙げます。イは麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもので、麦芽とホップと水だけのものです。ロは麦や政令で定める物品を加えたもので、条文は次のように書いています。

麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの(その原料中麦芽の重量がホップ及び水以外の原料の重量の合計の百分の五十以上のものであり、かつ、その原料中政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の百分の五を超えないものに限る。)

酒税法第3条第12号ロ

ここで押さえておきたいのは、五十パーセントという線の分母です。原料全体ではなく「ホップ及び水以外の原料の重量の合計」が分母なので、仕込み水は計算に入りません。麦芽比率の話はビールとは何か発泡酒とビールの違いで詳しく扱っています。

スタイル名は三本の法令に一語もない

次に、条文の側に「種類」の名前がどれだけ書かれているかを見ます。本記事では酒税法・酒税法施行令・酒税法施行規則の三本を電子政府の法令データから取得し、本文を通して語を数えました。

表2 スタイル名や呼び名が法令に出てくるか(酒税法・同施行令・同施行規則の三本の合計)
三本での出現回数 備考
ラガー 0 公正競争規約には表示基準がある
エール 0 規約の表示基準にもない(規約の施行規則に、ビール以外の商品が「○○エール」と表示することを不当表示の例として挙げる規定はある)
ピルスナー 0 公正競争規約にも表示基準がない
スタウト 0 公正競争規約には表示基準がある
黒ビール 0 公正競争規約には表示基準がある
生ビール 0 公正競争規約には表示基準がある
ドラフト 0 公正競争規約には表示基準がある
麦芽 15 内訳は酒税法12・施行令3・施行規則0
ホップ 7 内訳は酒税法7・施行令0・施行規則0
コリアンダー 2 内訳は施行令1・施行規則1

出現回数は電子政府の法令検索から取得した各法令の全文(附則を含む)を平坦化した文字列に対する、単純な文字列一致の件数です。

つまり、私たちが日ごろ「ビールの種類」と呼んでいる語のほとんどは、酒税法の系統の三本には存在しません。存在しないということは、酒税法の課税上の区分としてその語が何の意味も持たない、ということです。ラガーと書いてもエールと書いても、酒税の額は一円も変わりません。なお、ビールの表示そのものについては酒類業組合法などに別の定めがあり、ビール酒造組合も国産ビールの必要な表示事項の根拠として同法と食品衛生法を挙げています。ただし食品の表示に関する部分は現在、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)に移っており、輸入ビールの規約の施行規則第2条も酒類業組合法と食品表示基準を根拠として挙げています。

条文の側の言葉づかいも一つ。ビール酒造組合は容器の表示について「ビール」または「麦酒」と書かれていると説明していますが、現行の酒税法で「麦酒」が出てくるのは、昭和28年の施行にあたって旧法の免許を新法の免許とみなす附則の一か所だけで、本則の品目名は「ビール」に統一されています。

関連商品ラインナップ
当店で取り扱っている銘柄の一覧

ここに並ぶのはウイスキーです。ビールの記事に対して意外に見えるかもしれませんが、本記事のテーマである「呼び名を誰が決めているか」という構造は、ウイスキーでもそっくり同じ形をしています。シングルモルトもブレンデッドも、酒税法の条文には一語も出てきません。第3条第15号が定めているのは原料と蒸留、それにアルコールや香味料などを加えた場合に原酒のアルコール分が全体の十分の一以上あることという条件で、樽での熟成年数も樹種も書かれていないためです。ビールでラガーや生ビールが公正競争規約の側にあるのと同じように、ウイスキーの呼び名の多くも法令の外側で決まっています。

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ここではウイスキーの在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。

なお、以下のカードはウイスキーのコレクションから表示されます。ビールそのものの取り扱いコレクションは当店にないため、テーマの構造が重なるこちらを置いています。

代表的なビール30銘柄を度数の低い順に見る

代表的なビール30銘柄を度数の低い順に見る
度数の幅を確かめるための一覧

次の一覧は、代表的な30銘柄を度数の低い順に並べたものです。銘柄名のあとに付いている数字がアルコール分で、下端が0.00%、上端が14.0%です。この幅の中に、日本の酒税法でいうビールも、そうでないものも混ざっています。

一覧の裏側のデータには、当店が各銘柄に付けているスタイル名の項目も入っています。表の列としては描画されないので画面には出てきませんが、値としては18通りの呼び名が入っていました。ピルスナー、ラガー、IPA、ペールエール、ベルジャンホワイト、トラピスト系、ドッペルボックといった具合で、「ノンアルコールビール」のような度数の説明や「樽熟成プレミアムビール」のような造りの説明も混じっています。いずれも当店が便宜的に付けたもので、酒税法の系統の三本にはこのうち一語も出てきません。

代表的なビール30銘柄を度数の低い順に見る
アルコール分の低い順に30銘柄を並べています。銘柄名の末尾に度数を入れているので、0.00%から14.0%までの幅が「銘柄・スコア」の列で読み取れます。産地やスタイルはデータとしては持っていますが列として描画されないため、この表からは読み取れません。価格は各モールの実勢を参考として掲載しており、最安値を案内する一覧ではありません(2026年8月時点)。
価格は 2026/08/12 更新
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
Amazon 楽天 買取
アサヒ ドライゼロ 350ml 0.00%1 アサヒ ドライゼロ 350ml 0.00%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢120〜180円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

度数0.00%の代表格。休肝日や運転時の選択肢。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
サントリー オールフリー 350ml 0.00%2 サントリー オールフリー 350ml 0.00%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢120〜180円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

カロリー・糖質も0。度数0.00%のベンチマーク。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ギネス ドラフト 330ml 4.2%3 ギネス ドラフト 330ml 4.2%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢280〜380円(330ml缶)
💎 プロのおすすめ

黒く濃厚だが度数は4.2%と意外に低い。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
4 コロナ・エキストラ 355ml 4.6%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢250〜350円(355ml瓶)
💎 プロのおすすめ

ライム映えする軽快ラガー。度数4.6%。

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5 ミラー ジェニュイン ドラフト 355ml 4.7%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢250〜340円(355ml瓶)
💎 プロのおすすめ

クリアな飲み口のアメリカンラガー。4.7%。

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ヒューガルデン ホワイト 330ml 4.9%6 ヒューガルデン ホワイト 330ml 4.9%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢300〜420円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

柑橘香る白ビール。度数4.9%で飲みやすい。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
アサヒ スーパードライ 350ml 5.0%7 アサヒ スーパードライ 350ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢200〜260円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

辛口の国民的ラガー。標準的な度数5.0%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
キリン 一番搾り 350ml 5.0%8 キリン 一番搾り 350ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢200〜260円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

一番搾り製法の王道ピルスナー。5.0%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
サッポロ生ビール黒ラベル 350ml 5.0%9 サッポロ生ビール黒ラベル 350ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢200〜260円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

バランス型の定番。標準度数5.0%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
サッポロ ヱビスビール 350ml 5.0%10 サッポロ ヱビスビール 350ml 5.0%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢250〜320円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

麦芽100%のプレミアム。コク深く度数5.0%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
オリオン ザ・ドラフト 350ml 5.0%11 オリオン ザ・ドラフト 350ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢220〜300円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

沖縄の軽快ラガー。度数5.0%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ハイネケン 330ml 5.0%12 ハイネケン 330ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢250〜350円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

世界的ラガーの代表。標準度数5.0%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
バドワイザー 355ml 5.0%13 バドワイザー 355ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢240〜330円(355ml瓶)
💎 プロのおすすめ

軽快なアメリカンラガー。度数5.0%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
カールスバーグ 330ml 5.0%14 カールスバーグ 330ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢230〜320円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

北欧の定番ピルスナー。度数5.0%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
15 ステラ・アルトワ 330ml 5.2%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢260〜360円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

ベルギー伝統のピルスナー。度数5.2%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
16 ブルームーン 355ml 5.4%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢300〜420円(355ml瓶)
💎 プロのおすすめ

オレンジ映えする白ビール。度数5.4%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
パンクIPA(ブリュードッグ) 330ml 5.4%17 パンクIPA(ブリュードッグ) 330ml 5.4%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢350〜550円(330ml缶)
💎 プロのおすすめ

ホップ全開のクラフトIPA。度数5.4%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
サントリー ザ・プレミアム・モルツ 350ml 5.5%18 サントリー ザ・プレミアム・モルツ 350ml 5.5%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢250〜320円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

華やかな香りのプレミアム。度数5.5%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
よなよなエール 350ml 5.5%19 よなよなエール 350ml 5.5%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢280〜380円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

香り高い国産クラフト。度数5.5%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
シエラネバダ ペールエール 355ml 5.6%20 シエラネバダ ペールエール 355ml 5.6%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢350〜500円(355ml缶)
💎 プロのおすすめ

クラフト史を作ったペールエール。度数5.6%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
オルヴァル 330ml 6.2%21 オルヴァル 330ml 6.2%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢600〜900円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

唯一無二のトラピスト。度数6.2%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
レフ ブロンド 330ml 6.6%22 レフ ブロンド 330ml 6.6%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢350〜500円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

甘く香るベルジャンブロンド。度数6.6%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
23 インドの青鬼(よなよなの里) 350ml 7.0%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢320〜450円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

苦味と度数7.0%の国産IPA。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
24 バラスト・ポイント スカルピンIPA 355ml 7.0%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢450〜650円(355ml缶)
💎 プロのおすすめ

受賞IPA。度数7.0%でホップ強め。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム 山崎原酒樽熟成2025 715ml 8.5%25 ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム 山崎原酒樽熟成2025 715ml 8.5%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
参考小売6,600円前後(715ml瓶)
💎 プロのおすすめ

ウイスキー樽熟成の限定品。度数8.5%。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
デュベル 330ml 8.5%26 デュベル 330ml 8.5%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢450〜650円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

軽快に飲めて度数8.5%の悪魔。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
シメイ ブルー 330ml 9.0%27 シメイ ブルー 330ml 9.0%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢500〜750円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

熟成で深まるトラピスト。度数9.0%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ウェストマール トリプル 330ml 9.5%28 ウェストマール トリプル 330ml 9.5%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢600〜850円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

トリプルの原点。度数9.5%。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
ロシュフォール10 330ml 11.3%29 ロシュフォール10 330ml 11.3%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢700〜1000円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

濃厚で度数11.3%の銘酒級ビール。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
30 サミクラウス クラシック 330ml 14.0%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢900〜1400円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

度数14.0%、ビールの度数の上限級。

LINXASで探すコレクション 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取

ビールはオープン価格のためメーカー定価は掲載していません(数量限定品を除く)。「定価/市場相場」の列に出るのは各モールの実勢の目安です。在庫・価格は変動するため最新情報は各リンク先でご確認ください。最安値を保証する一覧ではありません。

度数の上端に近い銘柄には注意が要ります。アルコール分が11度以上のものは、仮に日本でビールの定義を満たさない中身だった場合、「その他の発泡性酒類」にも入れません。第3条第3号ハが11度未満のものに限っているためです。一覧の中で二けたの度数を名乗っている銘柄が、日本に入ってきたときにどの品目になるかは、その中身を条文に当てはめて初めて決まります。

表示できる呼び名を決めているのは公正競争規約

表示できる呼び名を決めているのは公正競争規約
容器の表示を規律する取り決めのイメージ

根拠は景品表示法で条文の呼び方は協定又は規約

ラガーや生ビールという語の意味を決めているのは、法律そのものではなく公正競争規約です。これは事業者や事業者団体が自分たちで作り、行政の認定を受けた取り決めで、根拠は不当景品類及び不当表示防止法にあります。現行法では第36条第1項です。自主的な取り決めなので、直接に拘束するのは規約に参加している事業者です。同条第2項第4号が認定の要件として、規約への参加や脱退を不当に制限しないことを挙げていることからも、参加が前提であることが読み取れます。ビール酒造組合も国産ビールの規約について現在、これに加盟しているビールメーカーは、この規約にも基づいて表示を行っています。と書いています。

事業者又は事業者団体は、内閣府令で定めるところにより、景品類又は表示に関する事項について、内閣総理大臣及び公正取引委員会の認定を受けて、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保するための協定又は規約を締結し、又は設定することができる。これを変更しようとするときも、同様とする。

不当景品類及び不当表示防止法第36条第1項

細かいけれど混乱のもとになる点が二つあります。一つは、同法の条文に「公正競争規約」という語が一度も出てこないことです。条文上の呼び方は「協定又は規約」で、この語は同法の全文で10か所に現れます。「公正競争規約」は認定を受けたそれを指す通称です。もう一つは、認定するのが一者ではないことです。条文は「内閣総理大臣及び公正取引委員会の認定」と書いており、消費者庁の発足後も二者が並んで認定する形が残っています。ビール酒造組合は国産ビールの規約について、昭和54年に公正取引委員会の認定を受けて制定されたと説明しています。

なお条番号は動きます。輸入ビールの規約は令和元年の告示なので、その第1条は当時の第31条第1項を根拠として挙げていますが、同じ規定は現行法では第36条第1項にあり、いま第31条にあるのは影響是正措置計画に関する別の規定です。

基準が置かれている四つの用語

規約が表示の基準を置いているのは四つの用語です。以下は輸入ビールの規約の第4条第1項から、四つの号をそのまま引いたものです。国産ビールの規約はこれとは別の規約ですが、ビール酒造組合の説明によれば、必要な表示事項も特定用語の表示基準も不当表示の禁止も「国産ビールの規約とほとんど同じ基準」で定められています。

ラガービール 貯蔵工程で熟成させたビールでなければラガービールと表示してはならない。

輸入ビールの表示に関する公正競争規約第4条第1項第1号

生ビール及びドラフトビール 熱による処理(パストリゼーション)をしないビールでなければ、生ビール又はドラフトビールと表示してはならない。

同条同項第2号

黒ビール及びブラックビール 濃色の麦芽を原料の一部に用いた色の濃いビールでなければ、黒ビール又はブラックビールと表示してはならない。

同条同項第3号

スタウト 濃色の麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いビールでなければ、スタウトと表示してはならない。

同条同項第4号

四つとも「〜でなければ〜と表示してはならない」という形で書かれています。つまり規約が決めているのは、その語を名乗るための条件であって、ビールをその四つに割り振る分け方ではありません。この点は次の節で改めて見ます。加えて、四つのうち三つには略称が認められています。

前項第1号から第3号までの文言は、ビールである旨が明瞭である場合には、ビールの文字を省略し、単に「ラガー」、「生」等と表示することができる。

同条第2項

略称が認められる範囲は第1号から第3号まで、つまりラガービール・生ビール及びドラフトビール・黒ビール及びブラックビールです。第4号のスタウトはこの範囲に入っていません。理由そのものは規約に書かれていないため、ここから先は推測になります。さらに、生ビールとドラフトビールには併記の義務があります。

第1項第2号の文言を容器又は包装に表示する場合は、「熱処理していない」旨を併記して表示しなければならない。

同条第3項

缶や瓶に「生ビール」と大きく書かれた横に、小さく「熱処理していない」と添えられているのを見たことがあるはずです。あれは装飾ではなく、規約が課している併記です。熱処理と生ビールの関係は生ビールとはで詳しく扱っています。

表3 公正競争規約が表示の基準を置いている四つの用語(輸入ビールの規約第4条)
用語 名乗るための条件 略称の可否(第2項) 併記の義務(第3項)
ラガービール 貯蔵工程で熟成させたもの ビールである旨が明瞭なら「ラガー」等と表示できる なし
生ビール/ドラフトビール 熱による処理をしていないもの ビールである旨が明瞭なら「生」等と表示できる 容器又は包装に表示する場合は「熱処理していない」旨の併記が必要
黒ビール/ブラックビール 濃色の麦芽を原料の一部に用いた色の濃いもの ビールである旨が明瞭ならビールの文字を省略できる なし
スタウト 濃色の麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いもの 第2項の範囲外 なし

条件の欄は第4条第1項の各号を要約したものです。略称と併記についての条件は第2項と第3項の文言によります。逐語は本文の引用を参照してください。

四つの用語は分類ではなく表示するための必要条件

四つの用語は分類ではなく表示するための必要条件
条件と分類の違いを確かめるイメージ

ここが本記事でいちばん伝えたいところです。四つの用語について基準があると聞くと、ビールがこの四つに分かれているように読めますが、そう読まないでほしいと明記している資料があります。国産ビールの規約について解説しているビール酒造組合のページです。同ページは四つを「特定用語の表示基準」という見出しで並べたあと、次のように書いています。

なお、この特定用語の表示基準はビールを4つに分類したものではなく、それぞれの用語を表示する場合の必要条件を定めたものです。

ビール酒造組合「ビールの豆知識|ビールの表示」

同じページは、この読み方を具体例で押さえてもいます。ラガービールについての説明は次のとおりです。

熱による処理(パストリゼーション)をする、しないに関係なく、貯蔵工程で熟成させたビールは、ラガービールです。

ビール酒造組合「ビールの豆知識|ビールの表示」

なお、輸入ビールの規約が同じ四つを並べている第4条の見出しは「特定事項の表示基準」で、呼び方が少し違います。ただしどちらも「〜でなければ〜と表示してはならない」という形なので、条件を定める規定であって分類ではないという点は共通です。

熱処理の有無はラガービールを名乗れるかどうかに関係しません。関係するのは貯蔵工程で熟成させたかどうかだけです。したがって、貯蔵工程で熟成させ、かつ熱処理をしていないビールは、ラガービールの条件と生ビールの条件を同時に満たします。ビール酒造組合はこの場合「ラガービールの生ビールと表示してもさしつかえありません」と書き、それが四つの項目すべてに当てはまるとしています。

「ラガーと生ビールはどちらですか」という問いが成り立たないのは、このためです。二つは同じ軸の上で排他的に並んでいるのではなく、別々の軸の上にある条件です。同じことは黒ビールとスタウトの関係にも当てはまります。どちらも濃色の麦芽を原料の一部に用いた色の濃いビールで、スタウトのほうに「香味の特に強い」という条件が加わっているだけなので、スタウトの条件を満たすビールは黒ビールの条件も満たします。

表4 四つの用語が見ている軸
用語 見ている軸 他の三つとの関係
ラガービール 貯蔵工程で熟成させたかどうか 熱処理の有無とは無関係
生ビール/ドラフトビール 熱による処理をしたかどうか 貯蔵工程での熟成の有無とは無関係
黒ビール/ブラックビール 濃色の麦芽を用いた色の濃さ スタウトの条件を満たせばこちらも満たす
スタウト 色の濃さに加えて香味の強さ 黒ビールの条件に一つ加わった形

関係の欄は、第4条第1項の各号の文言どうしを重ねて読んだ結果です。規約自身が関係を明文で書いているわけではありません。

輸入ビールには別の規約があり入口が酒税法の定義になっている

輸入ビールには別の規約があり入口が酒税法の定義になっている
国産と輸入で規約が分かれていることのイメージ

国産ビールと輸入ビールでは、適用される規約そのものが別です。ビール酒造組合は、昭和57年3月に「輸入ビールの表示に関する公正競争規約」が制定されており、わが国に輸入され販売されている外国産のビールはこの規約に基づいて表示されていると説明しています。現行の輸入ビールの規約は令和元年8月9日の公正取引委員会・消費者庁告示第8号です。

この規約でとくに見ておきたいのは、対象の入口の定め方です。

この規約で「輸入ビール」とは、酒税法(昭和28年法律第6号)第2条に規定する酒類のうち、同法第3条第12号に規定する酒類であって輸入されたものをいう。

輸入ビールの表示に関する公正競争規約第2条第1項

対象は「酒税法第3条第12号に規定する酒類であって輸入されたもの」です。つまり、現地でビールとして造られ、ビールとして売られていても、日本の酒税法第3条第12号に当てはまらない中身であれば、この規約でいう輸入ビールではありません。日本での扱いは、原産国の法令ではなく日本の条文に当てはめて決まります。

このことは、輸入ビールの棚を見るときの読み方を一つ変えます。本国で「Bier」や「Beer」と書かれていた一本が、日本の容器では発泡酒と表示されていることがあります。中身が変わったわけでも、格が落ちたわけでもありません。当てはめる物差しが替わっただけです。

スタイルの一覧を作っているのは米国の民間団体

スタイルの一覧を作っているのは米国の民間団体
私的規格としてのスタイル一覧のイメージ

ではピルスナーやIPAという呼び名は、どこで定義されているのでしょうか。酒税法の系統の三本にも公正競争規約にもないので、残るのは私的な規格です。世界で広く参照されているのは米国の二つの団体の文書です。

一つはBJCP(Beer Judge Certification Program)の「Beer Style Guidelines」です。BJCPはビールの審査員を認定している団体で、ガイドラインの中にThe BJCP does not run competitions.と書いており、競技会そのものを運営する団体ではありません。現行は2021年版で、ビールについて34のカテゴリーを置いています。1のStandard American Beerから34のSpecialty Beerまで通し番号が振られ、各カテゴリーの下に個別のスタイルがぶら下がる構造です。

もう一つはBrewers Associationの「Beer Style Guidelines」です。Brewers Associationは米国のクラフト醸造業界の団体です。この文書には版年が付されており、現行は2026年版(2025年12月31日更新)で、169のスタイルを載せています。文書の冒頭にはこの一覧の性格が書かれています。

Since 1979 the Brewers Association has provided beer style descriptions as a reference for brewers and beer competition organizers.

Brewers Association 2026 Beer Style Guidelines

「brewers and beer competition organizers」、つまり醸造家と競技会の主催者に向けた参照資料である、というのが自己申告です。自ら宛先として挙げているのはこの二者で、行政が定めた規格ではありません。

表5 「ビールの種類」を数えている四つの文書
文書 作成主体 数えている単位 件数
酒税法 種類 4
酒税法 発泡性酒類の内訳(イ・ロ・ハ) 3
公正競争規約 事業者団体(行政が認定) 表示基準が置かれた用語 4
BJCP 2021 Beer Style Guidelines BJCP(米国・審査員の認定団体) カテゴリー 34
Brewers Association 2026 Beer Style Guidelines Brewers Association(米国・醸造業界の団体) スタイル 169

酒税法は数えている単位が二つあるため二行に分けています。文書としては酒税法・公正競争規約・BJCP・Brewers Associationの四つです。単位がそれぞれ違うので、この件数どうしを直接比べることはできません。BJCPのカテゴリーは複数のスタイルを束ねる上位の枠で、Brewers Associationのスタイルは個別の項目です。件数は本記事が各文書の目次と各項目に一つずつ付く欄を数えたものです。

この二つは同じものを別の粒度で数えているのではありません。BJCPは34のカテゴリーの下に個別のスタイルを置く二段構えで、Brewers Associationはスタイルをエール・ラガー・ハイブリッドの系統に分けて並べています。数え方も分け方も違うので、34と169を並べて「どちらが細かい」とは言えません。

作った当人たちがこれは分類ではないと書いている

作った当人たちがこれは分類ではないと書いている
文書の前書きを読み直すイメージ

BJCPのガイドラインは、本文に入る前に長い前書きを置いています。そこに書かれているのは、この文書がどう使われるべきかではなく、どう使われるべきでないかです。カテゴリーという枠については次のように書いています。

The larger categories are arbitrary groupings of beer, mead, or cider styles, usually with similar sensory characteristics.

BJCP 2021 Beer Style Guidelines

Do not attempt to derive additional meaning from these groupings – no historical or geographic association is implied or intended.

BJCP 2021 Beer Style Guidelines

カテゴリーは恣意的なまとまりであって、そこから歴史的・地理的な意味を読み取ってはいけない、と明言しています。同じ前書きは、この文書の性格そのものについても釘を刺します。

The BJCP Style Guidelines are guidelines not specifications.

BJCP 2021 Beer Style Guidelines

The Style Guidelines are written primarily for homebrew competitions.

BJCP 2021 Beer Style Guidelines

ガイドラインであって仕様ではない、主として自家醸造の競技会のために書かれたものである、というのがBJCP自身の位置づけです。さらに、醸造所が自分の製品を何と呼ぶべきかを指図するものではないとも書いています。

We are not telling breweries what they should call their products.

BJCP 2021 Beer Style Guidelines

BJCPは注意書きを置いた理由も説明していて、many made astounding leaps of logic well beyond our original intent, and subsequently used the guidelines as a sort of universal Rosetta Stone for beerと書いています。本来の意図を超えた論理の飛躍が重ねられ、ビールを読み解く万能の鍵のように使われてしまった、という趣旨です。Brewers Associationの側にも似た注意があり、ある醸造所がブランドに特定のスタイル名を付けていることについて、a brewery labeling a brand as a particular style does not always indicate a fair representation of that styleと書いています。スタイル名は名乗った者勝ちになりうる、ということです。

副原料の量が変われば同じ造り方でも品目が変わる

副原料の量が変われば同じ造り方でも品目が変わる
原料の量と品目の関係を確かめるイメージ

最後に、四つの層のうち酒税法の層だけが持っている性質を見ておきます。それは、中身の数字が線をまたぐと呼び名が自動的に変わるということです。スタイルの側にはこの性質がありません。ホップを増やしてもIPAという呼び名が法的に外れることはありませんが、副原料を増やして条文の線をまたげば、ビールという品目からは外れます。

ビールに使える副原料は施行令第6条が定めています。第1項第1号が麦・米・とうもろこし・こうりゃん・ばれいしょ・でん粉・糖類と苦味料・着色料、第2号が次のものです。

果実(果実を乾燥させ、若しくは煮つめたもの又は濃縮させた果汁を含む。)又はコリアンダーその他の財務省令で定める香味料

酒税法施行令第6条第1項第2号

コリアンダーが政令に名指しで書かれています。施行規則第4条第2項はこれを受けて、こしょう・シナモン・クローブ・さんしょうなどの香辛料、カモミール・セージ・バジル・レモングラスなどのハーブ、かんしょ・かぼちゃなどの野菜、そば・ごま、蜂蜜・食塩・みそ、花・茶・コーヒー・ココア、かき・こんぶ・わかめ・かつお節を挙げています。柑橘やスパイスを使ったビールが日本でもビールとして売られているのは、この列挙があるからです。

ただし量に線があります。第3条第12号ロの括弧書きは、麦芽の重量が分母の五十パーセント以上であることと、政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の五パーセントを超えないことの二つを求めています。そして施行令第6条第2項が、この五パーセントの上限がかかるのは第1項第2号の物品、つまり果実と香味料だけだと定めています。麦や米やとうもろこしには、この五パーセントの上限はかかりません。

表6 副原料と二つの線の関係
副原料 五十パーセントの線(麦芽比率) 五パーセントの線(麦芽に対する重量)
麦・米・とうもろこし・こうりゃん・ばれいしょ・でん粉・糖類 かかる かからない
苦味料・着色料(カラメル) かかる かからない
果実(乾燥・濃縮果汁を含む) かかる かかる
コリアンダーその他の香味料 かかる かかる

施行令第6条第2項が、五パーセントの上限の対象を第1項第2号(果実と香味料)に限っているためです。麦芽比率の分母はホップと水以外の原料の合計です。

この二つの線のどちらかを外れると、そのお酒は日本ではビールという品目ではなくなります。外れた先がどこになるかは、発泡性があるかどうかや度数によって決まります。中身も造り方も一切変えずに、原料の配合の数字だけで呼び名が変わるという点が、スタイルの一覧とはまったく性質の違うところです。混ぜて作る飲み方と品目の関係はレッドアイでも扱っています。

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よくある質問

ビールの種類はいくつあるのですか。

数える物差しによって変わります。酒税法が定める「種類」は発泡性酒類・醸造酒類・蒸留酒類・混成酒類の四つで、その内訳の品目としてビールと発泡酒があります。一方、ラガーやIPAといったスタイル名は、本記事が引いた酒税法・同施行令・同施行規則には一語も出てきません。米国の民間団体が公表している一覧では、BJCPの2021年版が34のカテゴリー、Brewers Associationの2026年版が169のスタイルを挙げています。数え方も単位も違うので、この数字どうしを比べても意味がありません。

ラガーと生ビールはどう違うのですか。

比べる軸が違うので、どちらか一方という関係にはなりません。ラガービールは貯蔵工程で熟成させたもの、生ビールは熱による処理をしていないものを指します。ビール酒造組合は「熱による処理(パストリゼーション)をする、しないに関係なく、貯蔵工程で熟成させたビールは、ラガービールです。」と書いており、両方の条件を満たせば「ラガービールの生ビール」と表示してもさしつかえないとしています。

ピルスナーやIPAは法律で決まっているのですか。

酒税法の系統の三本には規定がありません。本記事でこの三本を検索したところ、ラガー・エール・ピルスナー・スタウト・生ビール・ドラフト・黒ビールはいずれも0件でした。このうちラガー・生ビール・ドラフトビール・黒ビール・スタウトの五つの語だけは公正競争規約が表示の基準を置いていますが、ピルスナーとIPAはそこにも出てきません。他の法令まで網羅的に調べたわけではありません。

公正競争規約とは何ですか。

事業者や事業者団体が表示や景品について自分たちで作り、行政の認定を受けた取り決めです。根拠は不当景品類及び不当表示防止法で、現行法では第36条第1項にあります。認定するのは内閣総理大臣と公正取引委員会の二者です。自主的な取り決めなので、直接に拘束するのは規約に参加している事業者です。なお同法の条文には「公正競争規約」という語は一度も出てこず、条文上の呼び方は「協定又は規約」です。

輸入ビールにも同じルールが適用されるのですか。

国産とは別に「輸入ビールの表示に関する公正競争規約」があります。その第2条第1項は対象を酒税法第3条第12号に該当する酒類の輸入品と定めているので、現地でビールとして売られていても日本の酒税法の定義から外れる中身であれば、この規約の対象にはなりません。日本での品目は、原産国の法令ではなく日本の酒税法で決まります。

スタウトだけ「ラガー」「生」のように略せないのはなぜですか。

規約の書き方がそうなっているからです。輸入ビールの規約第4条第2項は、ビールである旨が明瞭である場合に略称を認める範囲を第1項第1号から第3号まで、つまりラガービール・生ビール及びドラフトビール・黒ビール及びブラックビールに限っており、第4号のスタウトはこの範囲に入っていません。理由そのものは規約に書かれていないので、ここから先は推測になります。

海外のスタイル一覧に載っていれば、そのとおりの味だと考えてよいですか。

作った当人たちがそう読まないよう求めています。BJCPは自分たちの文書について「The BJCP Style Guidelines are guidelines not specifications.」と述べ、Brewers Associationも、ある醸造所がブランドに特定のスタイル名を付けていることは、そのスタイルを正しく代表していることを必ずしも意味しないと書いています。

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