シャンパンの度数は何度?ドンペリ・モエなど主要銘柄と酔い方を解説

何杯で酔う?シャンパン ドンペリ・アルマンドやモエのアルコール度数は?

シャンパンの度数は何度?ドンペリ・モエなど主要銘柄と酔い方を解説

シャンパンを開けるとき、「このボトルは度数が何度くらいなのか」「どのくらいで酔うのか」が気になったことはないでしょうか。市販のシャンパンの度数は多くが12〜12.5%に収まり、ビールのおよそ2倍、日本酒よりは少し低い水準です。本記事では、シャンパーニュの仕様書が度数について実際に何を書いているのかから始めて、ドン ペリニヨン・モエ・ヴーヴ クリコといった主要銘柄の数値、他のお酒との比較、何杯で酔い何時間で抜けるのか、そして度数と価格で選ぶ実際の銘柄までを順番に整理します。先に一つ断っておくと、モエ・ドン ペリニヨン・ヴーヴ クリコの3メゾンは、公式サイトで度数を公表していません。本記事に出てくるこれらの数値は、ラベルと流通で広く行き渡っている表示値です。

シャンパンの度数は何度?平均は12〜12.5%

シャンパンの度数は何度?平均は12〜12.5%
仕様書が置くのは自然アルコール分の下限と総アルコール分の上限

結論から言うと、店頭に並ぶシャンパンのアルコール度数はおおむね12〜12.5%で、主要ブランドはほぼこの二つの数値のどちらかです。ただし、その数値を法が直接決めているわけではありません。シャンパーニュの仕様書(cahier des charges・2025年7月31日承認版)を全文にあたると、完成品の実アルコール分に下限を置いた条は一つもありません。実アルコール分を指すフランス語の titre alcoométrique volumique acquis という語自体が28ページの全文に0件で、数字の「11」が現れるのはページ番号の 11/28 ただ一度きりです。「シャンパンは法律で11%以上」という説明は、仕様書には根拠がありません。

仕様書が度数に置いているのは、別々の量の下限と上限

では仕様書は何を書いているのか。度数に下限や上限を置く条は二つだけで、しかも測っている量が違います。一つは補糖する前の自然アルコール分の下限、もう一つは泡立てを終えた時点の総アルコール分の上限です。前者は「これ以上のワインにする」という入口の線、後者は「補糖しすぎない」という出口の線で、どちらもラベルに刷られる完成品の実アルコール分とは別の量を測っています。条番号と数値をそろえた一覧はシャンパンとはの記事にあり、「11%以上という下限は仕様書に無い」という点はワインのアルコール度数の記事でも扱っています。

シャンパンは、まずベースとなる静かなワインを造り、瓶の中でもう一度発酵させる「瓶内二次発酵」という製法でつくられます。この二次発酵では、瓶に加えた糖分(ティラージュのリキュール)と酵母が反応して、アルコールと炭酸ガスが同時に生まれます。ここでも仕様書は、増えるアルコールの幅そのものには数値を置いていません。置いているのは増える容量の比率のほうで、「度数が1%上がるにつき容量の増加は1.12%を超えない」と書かれています(第I章IX-2°d)。あの心地よい泡と度数の底上げが同じ工程から生まれること自体は確かですが、「二次発酵で何%上がるか」を法が定めているわけではない、というのが正確なところです。

とはいえ、「低アルコールのシャンパン」を探しても実際には見つかりません。下限が無いのに低い瓶が出回らないのは、法が禁じているからではなく、入口の下限と出口の上限、そして瓶内二次発酵が重なった結果として、12%前後に落ち着くためです。規範が無いことと、ばらつきが大きいことは別だと考えると分かりやすくなります。度数を抑えたい場合は、シャンパンではなく別ジャンルのスパークリングワインや微発泡ワインを選ぶことになり、その選び分けは記事後半で扱います。より広くお酒全体の度数を知りたい方は、ウイスキーの度数と飲み方の解説記事もあわせて参考になります。

ラベルの数値は0.5刻みで、分析値と0.8%までずれてよい

ラベルの度数が「12%」「12.5%」ばかりで「12.3%」を見かけないのには理由があります。EUの表示規則(委任規則(EU)2019/33 第44条)が、実アルコール分の表示を1%または0.5%の刻みに限っているためです。同じ条はもう一つ、表示と分析値のずれの限度も定めていて、通常は0.5%volまで、発泡性ぶどう酒と上質発泡性ぶどう酒はそれより広く0.8%volまで認められています。シャンパンはこの広いほうに入ります。

つまり「12%」と刷られた瓶の中身は、分析すれば11.2%かもしれないし12.8%かもしれない、というのが制度上の建て付けです。ここで大事なのは、この0.8%が表示と分析値の差の許容範囲であって、造ってよい度数の幅ではないという点です。飲む立場としては、シャンパンは「おおよそ12度」と覚えておけば実用上は十分で、0.5%の違いを気にする意味はほとんどありません。

ドンペリ・モエなど主要銘柄の度数一覧

ドンペリ・モエなど主要銘柄の度数一覧
公式に度数を公表しているメゾンと、していないメゾンがある

代表的なシャンパンの度数を並べると、価格帯は数千円から数万円まで大きく異なるのに、度数は12.0%か12.5%のほぼ二択に集約されます。つまり度数だけで銘柄を選ぶ意味は小さく、実際の選び方は「価格」「香りと甘辛」「ラベルの華やかさ」で決まります。ただし数値を並べる前に、その出どころを分けておく必要があります。メゾン自身が公式サイトで度数を公表しているかどうかは、銘柄によって違うからです。

公式に度数を出しているメゾンと、出していないメゾン

2026年9月時点で各メゾンの公式サイトを調べると、モエ・エ・シャンドン、ドン ペリニヨン、ヴーヴ・クリコの3メゾンは、度数を掲載していません。モエは製品ページにドザージュ7g/Lや熟成期間24か月まで載せているのに、度数の欄だけがありません。一方でペリエ・ジュエは成分表のページで12.5%を、アルマン・ド・ブリニャックは製品ページで12.5%を公表しています。ポメリーはメゾンサイトには無く、同社のオンラインショップにだけ12.5%が載っています。同じことは飲みやすいシャンパンの記事でも確かめられており、モエとヴーヴを含む5銘柄とも公式サイトに度数が無いため、あちらでも度数を公式の数値としては扱っていません。ローラン・ペリエは少し特殊で、本国サイトにあるのは銘柄別の数値ではなく全ページ共通の「最大12度」という但し書きで、銘柄ごとの数値は日本の正規輸入元(サントリー)の商品ページに12%として載っています。

下の一覧は、この違いを分けて示したものです。◎を付けたものがメゾンまたは正規輸入元が公表している数値、それ以外はラベルと流通で行き渡っている表示値です。

  • ドン ペリニヨン:12.5%(白・ロゼ・P2などシリーズ共通/公式サイトに度数の記載なし)
  • モエ・エ・シャンドン アンペリアル:12.0%(世界で最も飲まれるブリュット/公式サイトに度数の記載なし)
  • ヴーヴ・クリコ:12.0%(イエローラベルなど/公式サイトに度数の記載なし)
  • ペリエ・ジュエ:◎12.5%(グラン ブリュットもベル エポックも成分表は12.5%)
  • ローラン・ペリエ:◎12%(ラ キュベ。正規輸入元の商品ページによる)
  • ポメリー:◎12.5%(ブリュット ロワイヤル。同社オンラインショップによる)
  • アルマン・ド・ブリニャック:◎12.5%(ブリュット ゴールド。公式製品ページによる)

このように、名門メゾンでも度数はほぼ横並びです。ドン ペリニヨンやポメリーがやや高めの12.5%、モエやヴーヴ・クリコが12.0%と、差はわずか0.5%にとどまります。プレステージだから度数が高い、スタンダードだから低い、という関係はありません。0.5%という差は、フルートグラス1杯に換算すると純アルコール量で0.5g足らずで、酔い方に体感できるほどの違いは生みません。前の章で触れた表示の許容差が0.8%volあることを思えば、銘柄間の0.5%は誤差の中に収まる大きさだとも言えます。

ですから、「度数の高い順にシャンパンを選ぶ」といった買い方はあまり意味を持ちません。むしろ注目したいのは、辛口(ブリュット)か甘口寄りか、白かロゼか、香りが華やかか引き締まっているか、という味わいの方向性です。実際の取り扱い銘柄ごとの度数と価格は、後半の一覧表でまとめて確認できます。リンクサス酒販のシャンパン・スパークリング一覧でも、各ボトルの度数と価格を確認できます。

もう一つ知っておくと役立つのが、ラベルに書かれた「Brut(ブリュット)」などの表記です。これは度数ではなく甘辛(残糖量)を示す言葉で、辛口のブリュットが最も一般的です。度数はどの甘辛度でもほぼ12%前後で変わらないため、「ブリュットだから度数が高い・低い」ということはありません。度数と甘辛は別物として捉えると、ラベルの読み方がすっきりします。甘辛の表示語がどこで決まっているかはスパークリングワインの辛口・甘口の記事で整理しています。

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シャンパンロゼの度数は白と違う?

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仕様書に色で分かれる度数の規定は一つも無い

「ロゼシャンパンは白より度数が高いのでは」と思われがちですが、ロゼも白と同じ12〜12.5%です。たとえばモエ ロゼ アンペリアルは12%、ドン ペリニヨン ロゼは12.5%と、同じメゾンの白とまったく変わりません。これは偶然ではありません。仕様書がロゼについて特別に書いているのは造り方と申告の手続きだけで、色によって変わる度数の規定は一つもないからです。この点を条文から確かめたものはロゼシャンパンとはの記事にあります。色の違いは、赤ワインを少量ブレンドする「アッサンブラージュ」や、果皮との接触時間によって生まれるもので、度数を動かす要素ではありません。

味わいの印象としては、ロゼのほうが果実味が豊かで甘く感じられることがあります。ただしこれは残糖やアロマによるもので、アルコール度数そのものが高いわけではありません。「ロゼは飲みやすくて口当たりが良いから、つい進んでしまう」という体感はありますが、度数は白と同程度と考えて量を調整するのが安全です。ロゼの甘口タイプ(ネクター系)は残糖が多い分だけ口当たりがまろやかで、度数以上に飲みやすく感じる点には注意しておきましょう。

逆に言えば、ロゼだからといって身構える必要もありません。白とロゼでアルコールの強さは変わらないので、その日の料理や気分、贈る相手の好みでどちらを選んでも構いません。

ロゼには辛口のブリュットから甘口のドゥミセック、ネクター系まで幅があります。度数はほぼ共通でも、残糖の量によって口当たりは大きく変わるため、食前の乾杯には辛口、デザートに合わせるなら甘口、という使い分けが向いています。甘口ほど飲みやすく感じられますが、アルコールの強さは辛口と変わらない点だけは覚えておくと安心です。

ビール・ワイン・日本酒との度数比較

ビール・ワイン・日本酒との度数比較
醸造酒の中では中位、蒸留酒と比べれば半分以下

シャンパンの度数を他のお酒と並べると、醸造酒の中では中位、蒸留酒と比べれば半分以下という位置づけになります。ただし注意したいのは、ウイスキーや焼酎は水や炭酸で割って飲むのに対し、シャンパンは冷やしてそのまま飲むという点です。度数の数字だけでなく「実際に口に入る濃さ」で比べると、シャンパンは意外と侮れません。目安を早見表にまとめました。

お酒 度数の目安 シャンパン比
シャンパン 12〜12.5% 基準
ビール 約5% 約2分の1
ワイン 約10〜15% ほぼ同等
日本酒 約15〜16% 約1.3倍
焼酎 約20〜25% 約2倍
ウイスキー 約40〜43% 約3〜4倍

数字の上ではワインとほぼ同じですが、炭酸のあるシャンパンは口当たりが軽く、飲むペースが上がりやすいという違いがあります。ビールと比べれば度数は2倍あるため、「乾杯で軽く飲むもの」という感覚のまま量を重ねると、思ったより酔いが回ることがあります。ワインの側は赤が12〜15%、白が10〜13%と幅があり、その内訳はワインのアルコール度数の記事にまとめています。

とりわけ気をつけたいのが、ビール感覚での飲みすぎです。喉ごしの良いビールと同じテンポでシャンパンを重ねると、摂取する純アルコール量は倍近くになります。乾杯のあとは自分のペースに戻し、水を挟みながらゆっくり味わうのが、シャンパンを長く楽しむコツです。

なぜシャンパンは度数の割に酔いやすいのか

なぜシャンパンは度数の割に酔いやすいのか
炭酸は胃を刺激し、吸収を早めると考えられている

シャンパンが「度数の割に酔いやすい」と言われるのには、いくつかの理由があります。いずれも度数そのものではなく、飲み方や飲む場面に関わるものです。ここでは代表的な3つを順番に見ていきます。

1つ目は炭酸ガスの影響です。シャンパンには強い炭酸が溶け込んでおり、胃を刺激して内容物が小腸へ送られるのを早めると考えられています。アルコールは胃よりも小腸で速く吸収されるため、炭酸のない同じ度数の飲み物より、酔いが早く立ち上がりやすいというわけです。「1杯目でふわっとくる」という感覚は、この吸収の速さが一因とされています。

2つ目は薄めずに飲むことです。ウイスキー(40%前後)はハイボールで5〜9%、焼酎(25%前後)はお湯割りで10〜14%まで薄まりますが、シャンパンは冷やして12%のまま口に入ります。割って飲む蒸留酒と違い、瓶の中の度数がそのまま体に入る点は見落とされがちです。3つ目は飲みやすさと飲む場面です。フルーティで苦味が少なく、乾杯や食前酒として空腹時に飲むことが多いため、吸収がさらに速くなりがちです。これらが重なって、体感の酔いが強く出やすくなります。

対策はシンプルで、合間に水(チェイサー)を挟むこと、空腹で飲み始めないことの2つが効果的です。乾杯の前に軽く食べておく、1杯ごとに水を一口はさむ——それだけでもペースが落ち着き、悪酔いを避けやすくなります。おつまみと一緒に少しずつ楽しめば、シャンパン本来の香りもより長く味わえます。

何杯で酔う?体重別の目安と純アルコール量

何杯で酔う?体重別の目安と純アルコール量
男性40g・女性20gはリスクを高める量で、許容量ではない

「何杯で酔うか」は体重やその日の体調で変わりますが、まず純アルコール量に直すところから始めます。厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」の式は「摂取量(ml) × アルコール濃度(度数/100)× 0.8(アルコールの比重)」なので、フルートグラス1杯を120ml・度数12%とすると約11.5g(120×0.12×0.8)。750mlボトル1本なら約72g(750×0.12×0.8)で、缶ビール1本(350ml・5%)の約14gのおよそ5本分にあたります。

「1日20gが適量」ではありません

ここで注意が必要なのが、よく見かける「1日20gが適量」という言い方です。同ガイドラインには「節度」も「適量」も一度も出てきません。ガイドラインが引いているのは健康日本21(第三次)などの目標で、そこにある数値は「生活習慣病のリスクを高める量」として、1日あたり純アルコールで男性40g以上・女性20g以上です。つまり20gは女性側の閾値であり、「ここまでなら飲んでよい量」ではありません。ガイドライン自身も注で「なお、これらの量は個々人の許容量を示したものではありません。」と書き添えています。同じ整理はワインのアルコール度数の記事にもあります。ガイドラインが実際に求めているのは、個人差を踏まえて「自分に合った飲酒量を決めて」飲むことのほうです。

酔いの段階は6つで、「泥酔期」はもっと先にある

酔いの段階としてよく引かれるのは、公益社団法人アルコール健康医学協会が示す6区分です。血中アルコール濃度でいうと爽快期0.02〜0.04%、ほろ酔い期0.05〜0.10%、酩酊初期0.11〜0.15%、酩酊期0.16〜0.30%泥酔期0.31〜0.40%、昏睡期0.41〜0.50%という並びです。ここで見落とされやすいのが、酩酊初期の次が泥酔期ではなく酩酊期だという点で、「泥酔」はさらにその先の段階を指します。協会の目安でも泥酔期はビール中びん7〜10本(純アルコールにしておよそ140〜200g)で、シャンパンなら2本から3本近くを一人で空ける量です。

下の表は、この6区分のうち手前の三つについて、体重別のおおよその杯数を血中アルコール濃度から機械的に換算したものです(体重の約7割を体液とみた場合)。協会の表自体は体重を使わず一律の酒量で示しているので、体重で割り戻したのはこちら側の操作にあたります。体脂肪率の高い方や女性は、同じ杯数でも濃度が高く出ます。あくまで平均的な目安で、飲酒に弱い体質の方はこれより少ない量で酔いが回る点に注意してください。

体重 ほろ酔い期 酩酊初期 酩酊期
50kg 約1.5杯 約3.5杯 約6杯
60kg 約2杯 約4杯 約8杯
70kg 約2.5杯 約5杯 約9杯

いちばん右の列でも、純アルコールにすればおよそ70〜105g、ボトル1本から1本半に相当します。ここまで来ると千鳥足や吐き気が出る段階で、楽しく飲める範囲はとうに越えています。この表はあくまで血中アルコール濃度からの機械的な換算で、実際の酔い方には食事の有無や睡眠、体調が大きく影響します。空腹で一気に飲めば表より早く酔いますし、食事をとりながらゆっくり飲めば同じ杯数でも酔いは穏やかになります。20歳未満の飲酒、妊娠中・授乳期の飲酒、車の運転前後の飲酒は避けてください。とくに乾杯から始まる席では最初のペースが速くなりがちなので、序盤ほど意識してゆっくり飲むと、最後まで心地よく楽しめます。

シャンパン1杯は何時間で抜ける?分解時間の目安

シャンパン1杯は何時間で抜ける?分解時間の目安
短いほうの見積もりで足りると考えないための章

「シャンパンを飲んだあと、何時間くらいで抜けるのか」も気になるところです。よく使われるのは体重1kgあたり1時間に約0.1gの純アルコールを分解するという目安で、体重60kgなら1時間あたり約6gという計算になります。ただしこの数字の出どころである厚生労働省 e-ヘルスネットは、同じ段落で「酒好きの人の代謝速度は予測困難です」と打ち消しを添えています。断定して使える数字ではありません。

1時間あたりの分解量は、公的資料で4gから6gに割れている

実際、公表資料をならべると分母は一つに定まらず、1時間あたり4gから6gまで開きます。どの資料が何をどう書いているかの突き合わせはアルコールの分解時間の記事にまとめてあり、「体重×0.1g」はいちばん短く出る側の見積もりだという点も押さえてあります。運転のように外してはいけない判断では、長いほうの見積もりを採るべきです。

幅を持たせて当てはめてみます。フルートグラス1杯(純アルコール約11.5g)なら、4g/時で約3時間、6g/時でも約2時間。2杯ならその倍かかります。750mlボトルを1本空ければ純アルコールは約72gなので、4g/時で約18時間、6g/時でも約12時間という見当になります。夜にボトルを飲み切れば、翌朝どころか翌日の昼までアルコールが残っている可能性が十分にある、ということです。

あくまで平均的な目安であり、体質・体調・食事の有無で分解速度は上下します。とくに翌日に運転の予定がある場合は、「もう抜けただろう」という自己判断は禁物です。飲んだ量と時間から余裕をもって見積もり、少しでも不安があれば運転を控えるのが安全です。悪酔いや二日酔いを避ける飲み方については、水分補給とペース配分が基本になります。就寝前に水をコップ一杯飲んでおくだけでも、翌朝の負担はやわらぎます。

参考までに、缶ビール1本(350ml・5%)の純アルコール量は約14gで、シャンパンのフルートグラス1杯の約11.5gと近い水準です。つまり「シャンパン1杯」と「ビール1缶」は、体に入るアルコールの量としてはほぼ同じ、と捉えておくと量の感覚がつかみやすくなります。泡が軽やかで飲みやすいシャンパンは、つい杯を重ねがちなので、この換算を頭の隅に置いておくと飲みすぎを防げます。

シャンパンとスパークリングワインの度数の違い

シャンパンとスパークリングワインの度数の違い
三つの呼称は、そもそも別の量に線を引いている

「シャンパン」と「スパークリングワイン」は、店頭に並ぶ瓶の度数を見るかぎりあまり変わりません。ところが制度の側を三つ並べると、そもそも規定している「量」が呼称ごとに違います。同じ形の範囲として書き並べてしまうと、この違いが見えなくなります。

実アルコール分に下限を置いているのは、三つのうちカヴァだけ

順に確かめます。シャンパーニュの仕様書には、前述のとおり完成品の実アルコール分の規定がありません。プロセッコのDOC規約はどうかというと、こちらは数値を持っていますが、置かれているのは総アルコール分のほうで、スプマンテなら11.00%vol以上です。実アルコール分を指す effettivo という語は規約の全文に一度も出てきません。そして三つのうちカヴァだけが、スペインの仕様書(pliego de condiciones・2026年1月9日改正版)の分析特性の表で Graduación alcohólica adquirida、すなわち実アルコール分に10.8%volから12.8%volという下限と上限の両方を置いています。

つまり「シャンパンは11%以上、プロセッコは11〜12%、カヴァは11.5〜12%」という並べ方は、規定が無いもの・総アルコール分・実アルコール分という三つの別物を、一つの様式にそろえてしまった書き方でした。ついでに言えば、よくある説明がシャンパンの下限としてきた「11」という数は、隣のプロセッコの規約に総アルコール分として実在します。類型ごとの一覧はプロセッコとスプマンテの違いの記事に、カヴァの呼称と格付けはカヴァとはの記事にあります。

EU規則の側も、上質発泡性ぶどう酒に実アルコール分の下限を置いていない

上位のEU規則(規則(EU)No 1308/2013 附属書VII 第II部)を見ても同じです。シャンパンが属する第5号「上質発泡性ぶどう酒」に置かれているのは、20℃で3.5バール以上という圧力と、調製に供されるキュヴェのアルコール分9%vol以上の二つだけで、完成品の実アルコール分の下限はありません。泡の類型で実アルコール分の下限を明示しているのは、第6号「上質アロマティック発泡性ぶどう酒」の6%vol以上と、第8号・第9号の弱発泡性の7%vol以上のほうです。同じ規則の中で書き分けられている以上、第5号に下限が無いのは書き落としではなく意図された構造だと読めます。度数と特徴を並べると次のようになります。

  • シャンパン(仏・シャンパーニュ地方):実勢12〜12.5%。瓶内二次発酵。実アルコール分の規定は無し
  • プロセッコ(伊):実勢11〜12%。規約は総アルコール分で11.00%vol以上(スプマンテ)。主にタンク内で二次発酵させる製法です。
  • カヴァ(西):仕様書が実アルコール分で10.8〜12.8%volと定める。瓶内二次発酵でシャンパンに近い製法です。
  • その他のスパークリングワイン:おおむね10〜12%。EU規則の類型によって、圧力・原料・度数のどれで線が引かれるかが変わります。

つまり、瓶に入った状態の度数はどれも10〜12.5%前後に収まっており、「シャンパンだから特別に度数が高い」ということはありません。フォーマルな席で香りや泡立ちを重視するならシャンパンやカヴァ、気軽に楽しむならプロセッコ、といった選び分けが実際的です。度数をさらに抑えたいなら、実アルコール分7%volから名乗れる弱発泡性など、別の類型が選択肢になります。3.5%といった数値の商品がワインを名乗れない理由はリステルの記事で条ごとに追っています。値段の面でも、プロセッコやカヴァはシャンパンより手に取りやすいものが多く、日常の食卓に泡を取り入れたいときに向いています。

日本国内で造られるスパークリングワインも近年は品質が高く、シャンパンと同じ瓶内二次発酵でつくられるものは度数も12%前後で仕上がります。産地や製法によって呼び名は変わっても、飲んだときのアルコールの強さはどれも大きく変わらない、と考えておけば選ぶときに迷いません。まずは飲み比べて、自分の好みの泡立ちと味わいを見つけるのが一番の近道です。

度数と価格で選ぶシャンパン20銘柄比較

度数と価格で選ぶシャンパン20銘柄比較
モエ・ドンペリ・ヴーヴの度数はメゾンの公表値ではない

度数がほぼ横並びである以上、実際の選び方は価格・タイプ・シーンで決まります。ここではリンクサス酒販で取り扱う主要シャンパンを、二つの見方で並べました。まず価格とおすすめ度で選ぶ比較表、そのあとに度数と容量とタイプをそろえた一覧表です。度数はいずれも12〜12.5%で、これらはラベルと流通の表示値であって、前述のとおりモエ・ドン ペリニヨン・ヴーヴ クリコについてはメゾンが公表している数値ではありません

度数と価格で選ぶシャンパン20銘柄
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
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上の比較表は価格順・希少度順に並べ替えられますが、度数の列は持っていません。度数まで一度に見比べたい場合は、次の一覧表をご覧ください。銘柄名から各商品ページで在庫と最新価格を確認できます。

銘柄 メゾン 度数 参考価格 容量 タイプ
モエ・エ・シャンドン アンペリアル ブリュット モエ・エ・シャンドン 12% ¥5,500 750ml 白・辛口
モエ・エ・シャンドン ロゼ アンペリアル モエ・エ・シャンドン 12% ¥6,600 750ml ロゼ
ポメリー ブリュット ロワイヤル ポメリー 12.5% ¥6,200 750ml 白・辛口
モエ・エ・シャンドン アンペリアル ピュアゴールド モエ・エ・シャンドン 12% ¥6,500 750ml 白・辛口
モエ・エ・シャンドン アイス アンペリアル モエ・エ・シャンドン 12% ¥7,700 750ml 白・やや甘口
モエ・エ・シャンドン アイス アンペリアル ロゼ モエ・エ・シャンドン 12% ¥7,800 750ml ロゼ
モエ・エ・シャンドン ネクター アンペリアル ロゼ モエ・エ・シャンドン 12% ¥8,800 750ml ロゼ・甘口
モエ・エ・シャンドン グランヴィンテージ 2023 モエ・エ・シャンドン 12.5% ¥8,800 750ml 白・辛口
モエ ロゼ グランヴィンテージ 2025 モエ・エ・シャンドン 12.5% ¥11,000 750ml ロゼ
モエ・エ・シャンドン ロゼ ブリュット ハーフ 375ml モエ・エ・シャンドン 12% ¥4,400 375ml ロゼ
中央葡萄酒 グレイス ブラン・ド・ブラン 2014 中央葡萄酒 12% ¥13,200 750ml 白・辛口
ジャキノ・エ・フィス ハーモニ 2008 ジャキノ・エ・フィス 12% ¥16,500 750ml 白・辛口
Y by YOSHIKI × ポメリー ブリュット ポメリー 12.5% ¥16,829 750ml 白・辛口
ローラン ペリエ グラン シエクル No.25 ローラン・ペリエ 12% ¥18,700 750ml 白・辛口
ヴーヴ・クリコ ラ・グランダム 2012 ヴーヴ・クリコ 12.5% ¥19,800 750ml 白・辛口
ドン ペリニヨン 2013 ギフトボックス ドン ペリニヨン 12.5% ¥25,300 750ml 白・辛口
ペリエ ジュエ ベル エポック 2016 ペリエ・ジュエ 12.5% ¥38,500 750ml 白・辛口
ペリエ ジュエ ベル エポック フロレサンス 2015 ペリエ・ジュエ 12.5% ¥38,500 750ml 白・辛口
ドン ペリニヨン P2 2008 ドン ペリニヨン 12.5% ¥77,000 750ml 白・辛口
コンテス・ドゥ・セレス キュヴェ01 グランクリュ コンテス・ドゥ・セレス 12.5% ¥80,000 750ml 白・辛口

普段づかいなら5,000〜8,000円台のモエやポメリーが選びやすく、贈答や記念日にはドン ペリニヨンやペリエ ジュエ ベル エポックといったプレステージが定番です。度数はどれも大差ないため、「誰と、どんな席で飲むか」を軸に、価格帯と香りのタイプで選ぶと失敗がありません。まずは手ごろな一本で好みの方向性(辛口か、果実味のあるロゼか)を確かめてから、上位銘柄へ進むのがおすすめです。

予算別にざっくり整理すると、5,000円前後は自宅での乾杯や手土産に、1万〜2万円台はしっかりしたお祝いに、3万円以上は特別な記念日や贈り物に向いています。ハーフボトルの375mlなら4,000円台から試せます。同じ銘柄でもヴィンテージや箱の有無で価格は動くため、気になる一本があれば商品ページで最新の在庫と価格を確かめてから選ぶと確実です。

シャンパンの購入と買取|リンクサスの使い方

シャンパンの購入と買取|リンクサスの使い方
状態と付属品を踏まえて査定額を決める

シャンパンを買うときも、飲まずに眠っているボトルを手放すときも、リンクサスグループでまとめて相談できます。販売はリンクサス酒販(linx-as.store)、査定はリンクサス お酒買取(linxas.shop)が窓口です。同じ目利きのスタッフが、状態・付属品・保管状況を踏まえて価格を提示します。

贈答でもらったまま保管していた未開栓のシャンパンや、ヴィンテージ表記のあるプレステージは、状態次第で思いがけない評価になることもあります。ラベルや液面の状態、箱の有無で評価は変わるため、迷ったときはまず査定に出して具体的な数字を確認するのが確実です。飲む予定がなく保管スペースを整理したい場合は、状態が良いうちに相談するほうが結果的に有利に働くこともあります。なお、シャンパンは嗜好品であり、値動きを狙った投資目的での購入はおすすめしません。あくまで飲んで楽しむ、贈って喜ばれる一本として向き合うのがよいでしょう。

保管のコツも簡単に触れておきます。シャンパンは温度変化と直射日光に弱いため、冷暗所で立てて保存するのが基本です。長期間の高温環境は風味を損ない、査定評価にも影響します。度数そのものは保管で変わりませんが、香りと泡立ちは環境によって確実に劣化するため、早めに楽しむのが一番です。

シャンパンの度数に関するよくある質問

シャンパンの度数に関するよくある質問
正確な数値は各ボトルの表示で確かめられる

シャンパンの度数について、検索でよく調べられる質問をまとめました。度数や仕様はメーカーやヴィンテージによって細かく異なる場合があるため、正確な数値は各ボトルの表示で確認してください。

シャンパンの度数は何度ですか?

店頭に並ぶものは12%か12.5%がほとんどです。「生産規定で11%以上と定められている」という説明を見かけますが、シャンパーニュの仕様書に完成品の実アルコール分の下限を置いた条はありません。数値が置かれているのは補糖前の自然アルコール分の下限と、泡立て後の総アルコール分の上限の二つで、どちらもラベルの度数とは別の指標です。

ドンペリの度数は何度ですか?

白・ロゼ・P2などのシリーズを通じて12.5%が基本です。ただしこれはラベルと流通で行き渡っている表示値で、2026年9月時点でドン ペリニヨンの公式サイトには度数の記載がありません。

モエの度数は何度ですか?

モエ・エ・シャンドン アンペリアル ブリュットは12%です。こちらも表示値で、モエの公式サイトはドザージュ7g/Lや熟成期間は載せている一方、度数の欄を持っていません。

シャンパンロゼは白より度数が高いですか?

いいえ、ロゼも白と同じ12〜12.5%です。仕様書がロゼについて定めているのは造り方と申告の手続きだけで、色によって変わる度数の規定はありません。

シャンパン1本(750ml)は何杯で純アルコールはどれくらいですか?

フルートグラス120mlで約6杯です。度数12%換算で1本あたりの純アルコール量は約72g(750×0.12×0.8)で、缶ビール1本14gのおよそ5本分にあたります。なお厚生労働省のガイドラインが挙げる男性40g・女性20gは「生活習慣病のリスクを高める量」で、飲んでよい量として示された数字ではありません。

なぜシャンパンは酔いやすいと言われるのですか?

炭酸ガスが胃を刺激してアルコールの吸収を早めやすいこと、冷やしてそのまま飲むため薄まらないこと、乾杯など空腹時に飲む場面が多いことが主な理由と考えられています。厚生労働省 e-ヘルスネットも、空腹時に飲むほうが血中アルコール濃度は高くなると述べています。

シャンパンとスパークリングワインで度数は違いますか?

瓶の中身はどれも10〜12.5%前後で大きくは変わりませんが、規定の作りが違います。シャンパーニュは実アルコール分の規定を持たず、プロセッコの規約は総アルコール分で11.00%vol以上(スプマンテ)、カヴァはこの三つで唯一、仕様書が実アルコール分に10.8〜12.8%volの上下限を置いています。

シャンパンの購入や買取はどこでできますか?

購入はリンクサス酒販(linx-as.store)、不要なボトルの査定はリンクサスのお酒買取(linxas.shop)で対応しています。同じ目利きのスタッフが状態や付属品を踏まえて価格を提示します。

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