Chateau Lafite Rothschild シャトー ラフィット ロートシルト 1993年 750ml 12.5%

シャトー・ラフィット・ロートシルトは、メドック格付け第一級に輝くボルドー・ポイヤック地区の名門であり、格調高く洗練されたスタイルで世界中の愛好家から高い評価を受けています。1993年ヴィンテージは、全体的に難しい気候条件に見舞われた年ではあるものの、ラフィットの卓越した選果と醸造技術により、繊細でクラシカルな味わいが表現されています。

香りと味わい

熟成による香りの変化が顕著に現れており、ブラックチェリーやブラックカラントのコンポートに、ドライローズ、葉巻、トリュフ、革製品のような熟成香が重なります。口に含むと、酸味が骨格を支え、緻密に溶け込んだタンニンとともに、落ち着いた赤系果実や乾燥ハーブ、湿った森の下草を想起させる風味が穏やかに広がります。派手さはありませんが、控えめながらも非常に品格のある印象です。

余韻

余韻は中程度からやや長めで、時間の経過とともにカカオやスパイスのニュアンスが現れ、熟成ボルドーらしい静かな深みを感じさせます。現時点では熟成のピークにあり、さらなる保存よりも開栓に適したタイミングといえるでしょう。

シャトーについて

シャトー・ラフィット・ロートシルトは、石灰質と砂利質が理想的に重なるテロワールを背景に、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体とした長期熟成型のワインを造り続けています。1993年のような気候の難しい年においても、選果や樽使いを徹底することで、他のシャトーとは一線を画す完成度を保っています。

この1993年ヴィンテージは、ラフィットの精緻なバランス感覚が際立つ、知的で控えめな魅力を持つ一本です。派手さよりも奥ゆかしさを愛する愛好家にとっては、今こそが最も魅力的な飲み頃といえるでしょう。熟成ボルドーの神髄を静かに楽しみたい場面に最適です。