NIKKA ニッカ 余市 10年 シングルカスク 2008-2018 700ml

商品概要

このボトルは、ニッカウヰスキー余市蒸溜所で蒸溜され、10年間（2008年から2018年）にわたって熟成されたモルト原酒を、単一の樽（シングルカスク）から直接ボトリングした非常に希少なシングルモルトです。

通常、ウイスキーは複数の樽の原酒をブレンド（ヴァッティング）して造られますが、「シングルカスク」は樽そのものの個性が色濃く反映されるため、個性的で力強い味わいとなります。本品は、蒸溜所限定で販売されていたものであり、アルコール度数も樽出しに近い**高めの度数（カスクストレングス）**でボトリングされていることが多く、余市モルトの真髄を味わうことができるコレクター垂涎の逸品です。

味や香り

この「余市 10年 シングルカスク」は、ニッカウヰスキーの石炭直火蒸溜という伝統的な製法に由来する力強く重厚な個性が際立っています。

香りは、濃厚な樽熟成香と香ばしい麦芽の風味が特徴です。樽の種類によりますが、バニラやキャラメル、黒糖のような濃密な甘さに、オレンジやパイナップルといったフルーティーなアクセントが加わることがあります。奥には、余市モルト特有の潮気と、しっかりとしたピートのスモーキーさが感じられます。

味わいは、高めの度数からくるパワフルでスパイシーな口当たりが印象的です。ウッディでビターな要素が強く、チョコレートやカカオのようなコクが舌の上に広がります。熟成10年ながらも、粘性のある滑らかな舌触りで、荒々しさの中にも円熟味が感じられます。余韻は長く、ウッディネス、ほろ苦さ、そして心地よいピート感が持続します。

生産者やブランドの特徴

ニッカウヰスキー余市蒸溜所は、日本のウイスキーの父、竹鶴政孝がスコットランドに酷似した環境を求めて、1934年に北海道余市町に開設しました。創業以来、世界でも珍しい石炭直火蒸溜という伝統製法を守り続けています。この製法により、もろみが焦げて独特の香ばしさと力強い重厚なボディが原酒に与えられ、潮風と冷涼な気候が育む個性的なシングルモルトが生まれています。シングルカスクは、その余市が持つ「力強さ」を一切加工せず、そのままボトルに封じ込めた究極の原酒です。

特記事項

本品は、蒸溜年と瓶詰年が明記された10年熟成のシングルカスクであり、同じ蒸溜所の同じ熟成年数のボトルであっても、樽（カスクNo.）によって味わいが大きく異なる一点物です。加水せずストレートで、余市モルトの持つ最大限のポテンシャルを体験いただくのがおすすめです。