熱燗の作り方と楽しみ方！温度の違いで変わる日本酒の魅力と料理とのペアリング

日本酒の飲み方として人気の「熱燗」。一見シンプルな飲み方に見えますが、実は温度によって呼び名や味わいが大きく変わることをご存じでしょうか？

温める温度によって甘みや旨み、キレのある辛口へと表情を変えるのが熱燗の面白さです。

この記事では、熱燗の魅力や温度ごとの特徴、さらには自宅で簡単にできる熱燗の作り方を詳しく解説します。

さらに、燗酒に適した日本酒の銘柄や料理とのペアリングも紹介するので、これを読めば日本酒をもっと美味しく楽しめること間違いなしです！

熱燗とは？基本情報と冷や酒や常温酒との違いについて

熱燗とはどんなお酒？

冷や酒や常温酒との違い

熱燗は日本酒を温めて楽しむ飲み方で、冷や酒や常温酒とは異なる独特の風味が楽しめます。温度が上がることで日本酒の甘みや旨みが引き立ち、まろやかな味わいになるのが特徴です。

一方、冷や酒や常温酒ではすっきりとした飲み口やフルーティーな香りを楽しむことができます。これらの違いを知ることで、シチュエーションや気分に合わせた日本酒の楽しみ方が広がります。
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日本酒文化における熱燗の魅力

熱燗は古くから日本の冬の風物詩として愛されてきました。寒い夜に体を温めるだけでなく、その香ばしい香りとほのかな甘みが心まで和ませてくれる魅力があります。

また、昔ながらの徳利やお猪口を使うことで、伝統的な雰囲気を味わうことができるのも熱燗の魅力の一つです。

熱燗を楽しむ理由

味わいや香りが変わる仕組み

日本酒を温めると、香り成分がより一層引き立ち、口に含んだ瞬間にふわりと広がる豊かな香りを楽しめます。

特に、純米酒や本醸造酒などのしっかりした味わいの日本酒では、温度が上がることで酸味や苦味がまろやかになり、旨みが際立ちます。

ただ温度が高くなるだけではなく、温度による味の変化を楽しむのも、熱燗の醍醐味と言えるでしょう。

冬の寒い季節にぴったりな理由

冷え込む冬には、体を芯から温めてくれる熱燗が最適です。鍋料理や煮物などの温かい料理とも相性抜群で、寒い季節にぴったりの飲み方です。

家族や友人と囲む食卓で熱燗を楽しむと、一層温かい雰囲気が生まれることでしょう。

 

燗酒の温度と名称まとめ！熱燗とぬる燗の違いや味わいは？

温度ごとの名称と特徴

呼び方	温度	特徴
日向燗（ひなたかん）	30度前後	ほんのりとお酒の香りが引き立つ 触ってもあまり温かさは感じない
人肌燗（ひとはだかん）	35度前後	お米や麹の香りが目立つ 人肌くらいの温度で触ると温かく感じる
ぬる燗	40度前後	純米酒などの香りがより目立ち、味はふくよかになる 触ると熱くはないがはっきり温かさを感じる
上燗（じょうかん）	45度前後	香りが際立ち引き締まった印象になる 注ぐと湯気が見える程度の温かさ
熱燗（あつかん）	50度前後	シャープな香りになりキレ味もよくなる 湯気がたち、触ると熱く感じる
飛びきり燗	55度前後	熱燗よりもさらにシャープな辛口に感じる 徳利を持つと熱く感じる

燗酒は加熱したお酒全般を指します。日本酒は常温が20度前後と言われており、常温のお酒は“冷や”と呼ばれます。冷やよりも温かい、30度〜55度前後のお酒は燗酒と呼ばれます。

燗酒は温度帯によって名称が分かれています。「日向燗」「人肌燗」「ぬる燗」「上燗」「熱燗」「飛びきり燗」の6つがあるので、燗酒が好きならぜひ覚えておくと良いでしょう。

日本酒はお燗につけることで、お米由来のふくよかな旨味や香りを感じやすくなります。30度前後の日向燗なら口当たりはなめらかで、甘味が引き立ちます。

そこから温度を上げると徐々にシャープになり、熱燗くらいの温度を超えるとキレ味や辛口が際立っていきます。

温度が味わいに与える影響

温度による味わいの違いを知っておくことで、その日の気分や料理に合わせて最適な飲み方を選べるようになります。

例えば、50℃前後の「熱燗」では旨みが引き立ち、35～40℃程度の「ぬる燗」ではバランスの取れた穏やかな味わいが楽しめます。

一方、55℃を超える「飛び切り燗」にすると力強い香りと濃厚な味わいが際立ちます。

つまり温度が高くなるほど香りや旨みが増し、低めの温度では穏やかな味わいが楽しめるのが燗酒の特徴です。その日の気分や料理に合わせて温度を変え、自分だけの最適な燗酒スタイルを見つけてみましょう。

また、温度計を使って正確に温度を測ることで、さらに味わいの違いを楽しめます。燗酒は、温度を変えるだけでまったく異なる表情を見せる奥深い飲み物なのです。

 

熱燗に適した日本酒の選び方！向いているお酒・向いてないお酒

同じ日本酒の中にも、燗酒に向いているお酒と向いていないお酒があります。お酒を温めて飲みたいという方は、燗酒に向いているお酒をうまくチョイスしましょう。

純米酒や本醸造酒・普通酒は燗酒向き

燗酒に向いているお酒は、「純米酒」などの旨味を感じやすいお酒です。山廃（やまはい）造りと書かれたものや、生酛（きもと）造りと書かれたようなものは特におすすめです。

純米酒を燗につける場合、温度帯は40度前後のぬる燗がちょうど良く、お米のふんわりとした甘味や香りが際立つようになります。

また本醸造酒や普通酒なども熱燗に向いています。醸造アルコールが加わった“アル添”のデイリー向け日本酒は、辛口なものが多く燗につけることで表情豊かな印象になります。

本醸造酒や普通酒は、45度以上の熱燗や飛びきり燗にするのも良いでしょう。特に寒い冬シーズンなどは、燗につけることで美味しくなり、体を芯から温めてくれます。

吟醸酒や生酒はお燗に向かない

燗酒に不向きな日本酒のタイプには、吟醸酒や大吟醸酒が挙げられます。吟醸酒はよく磨いたお米を低温でじっくりと醸したお酒で、“吟醸香”と呼ばれるフルーティーな香りに魅力があります。

しかしお燗につけてしまうと、香りや風味が損なわれてしまうのでおすすめしません。吟醸酒を楽しむ場合は、冷やして飲むのがおすすめです。

また生酒と書かれているボトルも燗酒には不向きです。生酒は火入をしていないお酒のことであり、生ならではのフレッシュさに定評があります。生酒の新鮮な味わいは、しっかりと冷やして飲むのがベストとされています。

なお吟醸酒の中には、味吟醸と呼ばれるタイプのお酒があります。味吟醸は吟醸酒のカテゴリーに入りますが、燗につけても美味しく飲める銘柄があります。

味吟醸を温める場合は、人肌燗など温度をあげすぎないのがコツです。ほんのりと燗につけることで甘味やお米のふんわりとしたニュアンスを感じやすくなります。

 

燗酒・熱燗を楽しむなら！初心者にもおすすめの日本酒ベスト10選

1位：九頭龍　大吟醸

• 日本酒のタイプ：大吟醸酒
• 製造元：黒龍酒造
• 原料米：福井県産五百万石
• 精米歩合：50％
• アルコール度数：15％
• 日本酒度：＋4.0
• 酸度：不明
• 価格：720ml 2,750円（税込）

九頭龍は福井県の人気酒造である黒龍酒造のお酒です。こちらは大吟醸酒ですが、「お燗用」として作られているのがポイントです。

ぬる燗や上燗（40〜45度）が特におすすめで、温めることによりジューシーな膨らみを感じることができます。

清らかな吟醸香を楽しめる上質なお酒で、特別な時に楽しむ1杯としてもおすすめです。「高級酒をあえてお燗につけて飲みたい」といったシーンにおすすめの1本です。

2位：大七　純米生もと

• 日本酒のタイプ：純米酒
• 製造元：大七酒造
• 原料米：五百万石等
• 精米歩合：超扁平精米69％
• アルコール度数：15％
• 日本酒度：不明
• 酸度：不明
• 価格：720ml 1,390円（税込）

大七は生酛造りにこだわりを持つ、福島県の日本酒銘柄です。お米の旨味を最大限に引き出した本格派の純米酒で、円熟味のあるコク、旨味、そしてバランスの良いキレ味に定評があります。

大七　純米生もとは温度を上げてもバランスが崩れにくいので、熱燗や飛びきり燗にするのにもぴったりです。生酛特有のクリーミーな香りで、和食やコクのある料理に合わせるのにぴったりな1本です。

3位：月桂冠　月

• 日本酒のタイプ：普通酒
• 製造元：月桂冠
• 原料米：国産米
• 精米歩合：不明
• アルコール度数：13〜14％
• 日本酒度：不明
• 酸度：不明
• 価格：2Lパック 1,546円（税込）

熱燗に向くコスパの良いお酒をお探しなら月桂冠　月がおすすめです。コンビニやスーパーで買える定番のパック酒で、京都伏見の名水である“伏水”を使って仕込まれるスッキリとした味わいに定評があります。

マイルドでさっぱりとした印象なので、料理の邪魔をしにくくデイリーのお酒として採用しやすいです。

アルコール度数が高すぎないところも飲みやすさのポイントにつながっています。

4位：磯自慢　本醸造

日本酒のご紹介です。

静岡県
磯自慢 本醸造

地元で愛される定番の本醸造。
優しい飲み口で吟醸香が香り、爽やかで呑み飽きしないお酒です。 pic.twitter.com/YdhR295Kdr

— 鮨内藤 (@sushi_naito_610) December 17, 2020

• 日本酒のタイプ：本醸造酒
• 製造元：磯自慢酒造
• 原料米：山形県産キヨニシキ、兵庫県産山田錦
• 精米歩合：65％
• アルコール度数：15〜16％
• 日本酒度：不明
• 酸度：不明
• 価格：1,800ml 2,310円（税込）

磯自慢の本醸造は、主に静岡県内に流通しているレア日本酒の一つです。本醸造でも手を抜かず、吟醸酒のように低温醸造してじっくりと作られているのが特徴のお酒です。

爽やかな香りのお酒は冷やでも美味しく、燗につけることで甘味が増したニュアンスになります。熱すぎないぬる燗で飲むのが特におすすめです。

5位：越乃景虎　龍

• 日本酒のタイプ：普通酒
• 製造元：諸橋酒造
• 原料米：五百万石、こしいぶき
• 精米歩合：65％
• アルコール度数：15〜16％
• 日本酒度：＋6
• 酸度：1.2
• 価格：1,800ml 1,885円（税込）

越乃景虎　龍は晩酌のために作られた新潟のお酒です。晩酌で飲む酒だからこそ手を抜かずに作るという蔵元の思いが現れたお酒で、低価格ながら味のバランスが良くコストパフォーマンスに優れています。

サラリとした味わいの万能型日本酒なので、さまざまな温度帯で飲むことができ、温度によってニュアンスが変わるのが魅力です。

6位：天狗舞　山廃仕込純米酒

• 日本酒のタイプ：純米酒
• 製造元：車田酒造
• 原料米：五百万石
• 精米歩合：60％
• アルコール度数：15.9％
• 日本酒度：＋3
• 酸度：1.9
• 価格：1,800ml 2,996円（税込）

天狗舞　山廃仕込純米酒は、山廃造りの代名詞とも言える1本で石川県のお酒です。山廃仕込らしい濃厚さ、そして酸味のある味わいはお燗にするとよりインパクトが増します。

高めの温度帯でも楽しめるお酒であり、常温から熱燗まで温度を変えながら好みの味わいで飲むことができます。特に50度ほどの熱燗にすると、キレ味が抜群になります。

7位：国士無双　純米吟醸酒

• 日本酒のタイプ：純米吟醸酒
• 製造元：高砂酒造
• 原料米：きたしずく
• 精米歩合：不明
• アルコール度数：15％
• 日本酒度：＋2
• 酸度：1.5
• 価格：720ml 1,650円（税込）

高砂酒造の国士無双　純米吟醸酒は北海道で作られるお酒です。純米吟醸でありながら、「全国燗酒コンテスト2022」で最高金賞を獲得したお酒でもあります。

北海道産酒造好適米であるきたしずくから作られる味わいは、柑橘系のような膨らみがある香りが印象的です。いわゆる派手な純米吟醸酒ではなくスッキリとしていて、お燗につけてもバランスが崩れにくいです。

8位：黒松白鹿　あまやぎ　特別本醸造

全国燗酒コンテストお値打ち熱燗部門
21年度最高金賞
澤田酒造株式会社様　上撰　白老

22年度最高金賞
弊社　黒松白鹿 あまやぎ 特別本醸造

それぞれの最高金賞を一緒に飲んでおります? pic.twitter.com/DNpJwUc37N

— 辰馬本家酒造株式会社 (@THS_Sake) August 24, 2022

• 日本酒のタイプ：特別本醸造酒
• 製造元：辰馬本家酒造
• 原料米：兵庫県産米山田錦
• 精米歩合：70％
• アルコール度数：13％
• 日本酒度：不明
• 酸度：1.2
• 価格：720ml 1,650円（税込）

黒松白鹿は兵庫県の辰馬本家酒造のお酒です。黒松白鹿　あまやぎ　特別本醸造は、名前の通りほんのりとした甘味を感じるお酒で、熱燗にするとより一層旨さが増す印象です。

甘いといっても極端に甘すぎず、凛とした甘さのお酒で女性にもおすすめです。

9位：菊正宗　上撰

• 日本酒のタイプ：普通酒
• 製造元：菊正宗酒造
• 原料米：国産米
• 精米歩合：不明
• アルコール度数：15％
• 日本酒度：＋5.0
• 酸度：不明
• 価格：1,800ml 1,973円（税込）

菊正宗は兵庫県のお酒で、いわゆる“灘のお酒”の一つです。雑味の少ない淡麗辛口のお酒で、キレ味・喉越しに定評があります。

生酛造りの辛口酒は熱燗との相性がよく、温めることでより一層キレが良くなります。飲み飽きしない味わいなので長く楽しめる1本です。

10位：しぜんしゅ 燗誂

• 日本酒のタイプ：純米酒
• 製造元：仁井田本家
• 原料米：国産米
• 精米歩合：80％
• アルコール度数：14％
• 日本酒度：不明
• 酸度：不明
• 価格：720ml 1,430円（税込）

しぜんしゅ　燗誂はお燗用のお酒として作られています。生酛造りの自然酒を蔵で1年熟成させているのが特徴で、温めると常温では感じられない旨味や香りが開いた印象になります。

疲れた体にも染み渡るような味わいで、癒されたい時にぴったりです。飲み疲れにくいのも大きな特徴に挙げられます。

 

熱燗の作り方を徹底解説！湯煎・電子レンジでの方法と時間の目安

熱燗を自宅で飲みたいけれど、作り方がわからない・・・このようにお悩みの方も、きっと多いのではないかと思います。

ここからは自宅で簡単にできる燗酒・熱燗の作り方を紹介していきます。

まずは熱燗に必要な基本道具を揃えよう

熱燗を美味しく作るためには、以下の基本道具を揃えておくと便利です。それぞれの道具には役割があり、使い方次第で仕上がりの味が変わります。

1. 徳利（とっくり）

徳利は日本酒を温める際に使う伝統的な容器です。陶器や磁器製のものが一般的で、温度をじっくりと均一に上げられるのが特徴です。

湯煎でも電子レンジでも使えるものを選ぶと便利です。徳利の代わりに、耐熱グラスや小さめの耐熱容器を使うこともできます。

2. お猪口（ちょこ）

お猪口は熱燗を注いで飲む際の器です。小ぶりで口当たりが良く、適量を少しずつ味わえるため、熱燗の風味をしっかりと楽しめます。

ガラス製や陶器製など素材によって雰囲気が変わるため、好みに合わせて選びましょう。

3. 温度計

熱燗は温度によって味わいが変わるため、温度管理が重要です。湯煎の場合、温度計を使うことで適切な温度帯を確認しながら作れます。

日本酒用の温度計がなくても、一般的なキッチン用温度計で代用できます。

4. 鍋

湯煎で熱燗を作る場合に使う鍋です。徳利を入れても安定する広さのものを選びましょう。

底が厚い鍋を使うと温度が均一に伝わり、温めすぎを防ぎやすくなります。

5. 耐熱容器（電子レンジ使用時）

電子レンジで熱燗を作る際は、耐熱グラスや耐熱マグカップが便利です。電子レンジ対応の徳利も販売されているので、頻繁に熱燗を楽しむ方にはおすすめです。

 

湯煎で作る方法！味を上手に引き立てるコツは？

1. 徳利にお酒を入れ、口部分にラップをかぶせる
2. 大きめの鍋に徳利半分程度の高さまで水を注ぎ、加熱する
3. 沸騰直前で火を止め、徳利を入れ湯煎にかける
4. 湯煎の途中で徳利を取り出し交ぜながら温度を均一にする
5. 温度計や手触りで温度を確認し、好みの温度帯になったら出来上がり

燗酒はお鍋で徳利を湯煎にかけるだけで簡単にできます。温めたお湯を用意し、徳利をそのままつけるだけです。コツは途中でゆっくりと徳利を振り、温度が均一になるように混ぜることです。

湯煎で燗をつけると徐々に温度が変わっていくため、まろやかな口当たりをキープしやすいです。電子レンジなどに比べ急激に温まることがないので、ぬる燗や日向燗なども成功しやすいです。

温度と時間の目安

熱燗を作る際は、沸騰直前（70〜80℃）まで加熱したお湯の中でおおよそ3〜5分間温めます。温度計があると、正確な温度を把握しやすくなり、失敗を防げます。

温度計がないという方は、以下の時間を参考にしてみてください。

• ぬる燗（35〜40℃）：約3分
• 熱燗（45〜50℃）：約4分
• 飛び切り燗（55℃以上）：約5分

味を引き立てるコツ

湯煎で熱燗を作る際は、以下のポイントを押さえると味わいがぐっと良くなります。

• 徳利の口にラップを軽くかけることで、香りが逃げるのを防ぎます。
• 温度が上がりすぎるとアルコールが飛び、風味が損なわれるため、50℃を超えないよう注意しましょう。
• 万が一お湯を温めすぎた場合でも、水を少し足して温度を下げることで再調整が可能です。

電子レンジを使った簡単な方法！好みの温度になるための時間は？

1. 徳利にお酒を入れ、口部分にラップをかぶせる
2. 500Wの電子レンジで40〜60秒程度加熱する

電子レンジを使えばもっと手軽に燗酒を作ることができます。ものの1〜2分でできてしまうので、晩酌や一人飲みにもおすすめです。

ただし電子レンジはすぐ温まってしまうので、ちょっとした秒数の違いで大きく温度が異なる点に注意です。目安としては日本酒1合＝180mlの場合、500Wなら40秒で人肌燗、50秒でぬる燗、60秒で熱燗に近づくと考えておきましょう。

失敗しないためには、いきなり1分以上を加熱するのではなく10秒ごとに状態をチェックすることをおすすめします。徳利だとムラができてしまうという場合は、ずん胴型の片口を使うのも良いでしょう。

温まりすぎた場合・ムラができてしまった場合はどうする？

燗酒が温まりすぎと感じた場合は、水をはったボウルなどにつけて徳利ごと冷やすのもありです。水につけることで、変化したお酒の味を落ち着かせることができます。

また温めている途中でムラができてしまった場合は、マドラーなどを使い軽く混ぜるのもおすすめです。

道具がない場合の工夫・代用品まとめ

徳利や温度計の代用品

徳利や温度計がない場合でも、家庭にある道具を使っておいしい熱燗を作ることができます。

• 徳利の代わり：耐熱性のマグカップや小さめの耐熱ボウルを使用しましょう。これらは電子レンジや湯煎でも使いやすく、手軽に代用できます。
• 温度計の代わり：温度計がない場合、湯気の立ち方や容器の温かさでおおよその温度を判断できます。湯気がゆっくり立ち始めたら約40℃、勢いよく立つようになったら約50℃と覚えておくと便利です。

工夫次第で、特別な道具がなくても簡単に燗酒を楽しむことができるので、気軽に挑戦してみてください。

 

料理のペアリングで熱燗や燗酒をもっと楽しもう

熱燗は温かくまろやかな味わいが特徴で、幅広い料理との相性を楽しめる飲み方です。和食はもちろん、洋食や中華料理とも意外にマッチします。

ここでは、熱燗に合う料理やペアリングのポイントを紹介します。

熱燗に合う料理の例

和食（鍋料理、煮物、焼き魚）

熱燗と和食は伝統的な組み合わせで、特に以下の料理と相性が抜群です。

 

• 鍋料理：寄せ鍋や味噌仕立ての鍋は、熱燗のまろやかさと一緒に楽しむと、食材の旨みが引き立ちます。
• 煮物：鶏肉や根菜を使った煮物は、甘みや旨みがあるため、熱燗と調和しやすいです。
• 焼き魚：サンマやホッケなど脂の乗った焼き魚と熱燗は、旨みが重なり合い、極上の組み合わせです。

洋食や中華料理との意外な相性

熱燗は和食だけでなく、濃い味付けの洋食や中華料理とも良い相性を持っています。

• 洋食：グラタンやクリームシチューなどの濃厚な料理に合わせると、熱燗のまろやかな口当たりが料理のコクを引き立てます。
• 中華料理：麻婆豆腐や酢豚など、酸味や辛味がある中華料理とも良く合います。熱燗の温かみが、濃い味付けを和らげ、バランスの良い味わいになります。

食材と熱燗の相性を引き出すポイント

濃い味付けや脂肪分の多い料理とのバランス

熱燗は濃い味付けや脂肪分の多い料理と合わせると、口の中をすっきりとさせ、食材の美味しさを引き立てます。

• 濃い味付けの料理：味噌や醤油ベースの料理は、熱燗の甘みとよく調和します。味付けが濃くても、熱燗がその味を包み込むため、バランスの取れた味わいになります。
• 脂肪分の多い料理：脂の多い肉料理や魚料理は、熱燗の温かさとまろやかさによって脂をすっきりと感じさせます。特に、焼き鳥のタレ味やブリの照り焼きなどは相性抜群です。

これらのペアリングのポイントを押さえると、食事と熱燗をより一層楽しむことができます。料理ごとに温度を変えて楽しむのもおすすめです。

「ぬる燗」で穏やかに合わせたり、「熱燗」でしっかり味を引き立てたりと、自分だけの最適な組み合わせを見つけてみてください。

 

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まとめ

日本酒は常温や冷やして飲むだけでなく、温めて楽しむ「燗酒」にすることで、まったく違う味わいを楽しめる奥深いお酒です。

特に純米酒や本醸造酒、普通酒を燗酒にすると、甘みや旨みが際立ち、寒い季節には体も心も温まります。温度帯によって香りや風味が変わるので、自分好みの燗酒スタイルを見つけるのも楽しいでしょう。

燗酒は自宅で簡単に作ることができます。記事内で紹介した方法を試しながら、美味しい燗酒ライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。