近年のウイスキーブームにより、多くの人がウイスキーに魅了されています。その中でも特に注目されているのが 高級ウイスキー です。
しかし、「高級ウイスキーとはどんなもの?」「どの銘柄が人気なの?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。
本記事では、高級ウイスキーの定義や特徴、価格帯の目安を解説し、選び方のポイントを詳しく紹介します。さらに、贈り物や投資目的など用途別のおすすめ銘柄や、国内外の人気ウイスキー19選も掲載。
この記事を読めば、高級ウイスキーの魅力や選び方がしっかりと理解でき、自分にぴったりの一本を見つけることができるでしょう。
高級ウイスキーとは|長熟もの・レアボトルは高額になりやすい
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そもそも高級ウイスキーとは何でしょうか?
端的に言えば長熟ものの銘柄であったり、希少な銘柄であったりといったものです。
これらはどういったものなのか、ここではその点にも注目しながら解説し、最後に高級ウイスキーと安価なウイスキーとの違いについても触れていきます。
長熟もののウイスキー
高級ウイスキーに限らず、ウイスキーは基本的に3年以上の熟成を経て出荷されます。その理由として熟成を重ねることでウイスキーはスピリッツから香味の良いアルコールに昇華するからです。
つまり熟成を重ねることでウイスキーは味わいが良くなります。
簡単に言えば、長い年数を熟成期間に充てることによってウイスキーの味わいがよくなるといっても過言ではありません。
しかし、長い年数熟成をするということは、その分蒸留所の貯蔵庫を長年にわたって占有し、さらに品質の劣化を起こさないように定期的な樽のチェックが行われます。これによって製造にかかるコストは上がっていくのです。
そう言った背景から熟成期間の長いウイスキーは高級ウイスキーとして販売されることが多く、さらに味わいも優れた物が多いことになります。
希少なウイスキー
希少なウイスキーも高級ウイスキーとして販売されることが少なくありません。例えば、廃業してしまった蒸留所で蒸留されたウイスキーや人気があるために供給が足りないウイスキーといったものが挙げられます。
需要と供給との関係はウイスキーでも言えることで、希少なウイスキーになるほど価格も上昇し、高級ウイスキーとして販売されることがほとんどです。
一般的なウイスキーとの違い|材料・製法・熟成年数を比較
高級ウイスキーと一般的なウイスキーとの違いは、材料、製法、そして熟成年数です。
材料の違い
材料は、大麦麦芽を多く使ったモルトウイスキーが高級ウイスキーとして販売されやすい傾向です。
大麦を使ったモルトウイスキーは、リッチで風味豊かな仕上がりのことが多い反面、コストがかかるため、価格も高いものが多い傾向にあります。また、小麦やトウモロコシを使ったグレーンウイスキーをブレンドしているブレンデッドウイスキーも高級ウイスキーほどモルトの比率が高い傾向です。
さらに激安ウイスキーに関して言えば、モルトやグレーンウイスキーに加えて熟成を全く行っていないスピリッツをたくさん加えているケースも見られます。
製法の違い
製法は単式蒸留である場合、高級ウイスキーになるケースが多い傾向です
単式蒸留とはウイスキーの原酒の風味を残した少ない蒸留回数の製法で、個性が出やすいとされています。そのため、高級ウイスキーとして販売されることが多い傾向があります。
一方連続式蒸留は、グレーンウイスキーに利用される蒸留方式で、何度も蒸留することですっきりとした味わいになるのが特徴です。さらに大量生産もできるので、安いブレンデッドウイスキーによく利用されます。
熟成年数の違い
最後は熟成年数です。高級ウイスキーは基本的に12年を超えるものがほとんどで、中には50年というウイスキーも存在します。
サントリー山崎55年 8500万で落札? グラス?一杯いくらだろ⁉️ pic.twitter.com/OBzM0wlpTT
— hikari ☆(晶)☆ (@hikari27489361) August 29, 2020
一方、安いウイスキーは熟成数年という若いウイスキーを多く利用しているのが特徴です。
ちなみに高級ウイスキーに書かれている12年などという年数表記は、含まれているウイスキーの熟成年数が最低12年という意味です。
そのため、アクセントに50年物のウイスキーをブレンドしているケースも可能性として十分考えられるのです。
高級ウイスキーの金額|コレクター需要で価値が上昇
次に高級ウイスキーの金額について触れていきましょう。厳密な定義はありませんが、一つの目安として考えておいてください。
目安は1万円前後以上
高級ウイスキーの目安として1本1万円前後が一つの目安です。これ以下の金額のウイスキーもありますが、熟成年数が短かったり、ドラッグストアで販売されていたりするなど、そこまで高級感のあるものは少ない傾向があります。
1万円を超えると、パッケージを含めて高級感があり、熟成年数も21年など長期熟成のものが多くを占めるようになります。
金額はどこまでも上がる
高級ウイスキーの金額に上限はありません。山崎55年のように定価で数百万円というものも存在するからです。
さらにこれでも比較的安い価格であり、オークション会場に行けば数千万円の値を記録するウイスキーも登場します。場合によっては、億の値段が付くケースすらあるのです。
価格の上を見たらきりがないのが高級ウイスキーの価格といえるでしょう。
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希少性とコレクター向けの価値:年々価値が上昇する理由
高級ウイスキーは、単なる嗜好品としてだけでなく、投資対象としての価値 も高まっています。その理由として、以下のポイントが挙げられます。
-
長期熟成による希少性
ウイスキーは熟成させるほど深みのある味わいに変化しますが、長期熟成には 時間とコスト がかかります。例えば、18年以上熟成されたウイスキーは市場に出回る本数が限られ、年々希少価値が上がっています。 -
限定ボトルの価格上昇
ウイスキーのブランドは、時折 数量限定のリリース を行います。例えば、マッカランの特別ボトル や 山崎55年 のような超希少なボトルは、リリース当初の価格の 数倍~数十倍に高騰 することもあります。 -
オークション市場の活性化
近年、ウイスキーはオークション市場でも高値で取引されています。特に「ボトルのラベルが変更される前の旧デザイン」や、「限定生産の希少ボトル」は、世界中のコレクターが競って購入 する傾向があります。
高級ウイスキーの選び方|産地や種類をチェックしてみよう
原産国から選ぶ
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原産国で選ぶのが高級ウイスキーのポイントです。ウイスキーは日本に流通する主な原産国として次のものがあります。
種類 | 特徴 | 主な銘柄 |
---|---|---|
スコッチウイスキー |
スコットランド産 スモーキーな香り 個性豊かな蒸留所の多さ |
マッカラン ラフロイグ グレンフィディック |
アイリッシュウイスキー |
アイルランド産 スムーズな飲み口 3回蒸留による滑らかさ |
ジェムソン ブッシュミルズ レッドブレスト |
アメリカンウイスキー(バーボン) |
アメリカ産 バーボンはケンタッキー州が産地 トウモロコシ主体で甘みが強い |
ジムビーム メーカーズマーク ワイルドターキー |
カナディアンウイスキー |
カナダ産 ライトな口当たり ブレンド技術に優れる |
カナディアンクラブ クラウンロイヤル |
ジャパニーズウイスキー |
日本産 繊細で優雅な香り 日本の水や気候が影響 |
山崎 響 白州 |
その他 |
台湾など トロピカルな香り 高温多湿による早熟成 |
カバラン OMAR |
まずは上記の有名な国を覚えておけば、王道人気のある高級ウイスキーに出会うことができるでしょう。
例えばスコッチウイスキーは、スコットランドの厳格な基準のもとで造られ、豊かな香りやスモーキーな香りが特徴。100以上の蒸留所があり、地域ごとに異なる風味を楽しめるのも魅力のひとつです。
対して、アイリッシュウイスキーはアイルランドで造られ、3回蒸留によるスムーズな口当たりが特徴。かつてはスコッチに押され衰退しましたが、近年は蒸留所の再興が進んでいます。
一方、アメリカンウイスキーはトウモロコシを主原料とし、甘く力強い風味が魅力です。バーボンやテネシーウイスキーなどが有名で、焦がした樽で熟成させることで特有の香ばしさが加わります。
カナディアンウイスキーはこれに対し、軽やかで飲みやすいスタイルが特徴で、ブレンド技術にも優れています。
ジャパニーズウイスキーは、繊細でバランスの取れた味わいが魅力です。長らく明確な定義がなかったものの、2021年に基準が設けられ、日本独自のウイスキー文化が確立されました。
さらに、台湾ウイスキーも注目を集めており、温暖な気候による短期間での熟成とフルーティーな香りが特徴です。こうした各国のウイスキーの違いを知ることで、自分の好みに合った一本を見つける楽しさが広がります。
種類から選ぶ(シングルモルト・グレーンウイスキー・ブレンデッドなど)
高級ウイスキーを選ぶ際に種類から選ぶのもポイントです。
種類は、シングルモルト、ブレンデッドウイスキー、グレーンウイスキーなどが挙げられます。
種類 | 原料・製造方法 | 特徴 | 主な銘柄 |
---|---|---|---|
シングルモルトウイスキー |
原料は大麦麦芽(モルト)のみ 1つの蒸溜所で製造される |
個性的な味わい 蒸留所ごとの風味が楽しめる |
山崎 マッカラン ラフロイグ |
グレーンウイスキー |
トウモロコシ・小麦・麦芽など 連続式蒸溜器で製造 |
クリアで軽やかな味わい ブレンデッドのベースとして使用される |
ニッカ カフェグレーン ヘイグクラブ |
ブレンデッドウイスキー |
モルトウイスキー+グレーンウイスキー ブレンダーが調合 |
モルトの個性とグレーンの飲みやすさが融合 | バランタイン ジョニーウォーカー 響 |
シングルモルトウイスキー は、大麦麦芽(モルト)のみを使用し、1つの蒸溜所で造られるウイスキーです。「山崎」など蒸留所名がついているものが多く、それぞれの蒸留所の個性をダイレクトに楽しめます。
一方、グレーンウイスキー はトウモロコシや小麦を主原料とし、クリアで飲みやすいのが特徴。ブレンデッドウイスキーのベースとして使われることが多いですが、「ニッカ カフェグレーン」などシングルグレーンとして人気の銘柄もあります。
ブレンデッドウイスキー は、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたもので、味のバランスが絶妙。ブレンダーの技術によって調和が取られ、飲みやすさと個性が共存するウイスキーです。
価格帯から選ぶ
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高級ウイスキーを価格帯で選ぶのもポイントです。
先ほど1万円前後が目安とお話ししましたが、ここまで高級なものは飲むのに抵抗があるという方は、4,000円前後でも魅力的なものが少なくありません。
さらに高価なウイスキーにチャレンジしたくなれば1万円以上のものに挑戦してみるというのもおすすめです。
飲み方に合わせて選ぶ
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ウイスキーの魅力として、ストレート、ロック、ハイボール、トワイスアップ、水割り、ホットなど多彩な飲み方ができるのが魅力です。
そんな中、高級ウイスキーを飲むのであれば、一度試していただきたいのがストレートです。高級ウイスキーは熟成されたものが多く、そのまま飲んでもアルコールの刺激が非常に少ないものがほとんどです。
また、ハイボールが好きな方は、グレーンウイスキーの高級なもの(身近なものでは知多など)を選ぶのも良いかもしれません。
用途に合わせて選ぶ
ウイスキーを選ぶ際は、贈り物、自分用、投資目的 など用途に応じて選ぶのもありです。
贈り物におすすめのウイスキー
贈り物には、高級感があり、見た目も美しいボトル を選ぶのがポイント。特に「響 21年」や「マッカラン 18年」など、ギフト向けのパッケージが施されたウイスキーが喜ばれます。
記念日や誕生日には、限定リリースのボトルも特別感を演出できます。
自分用に選ぶウイスキー
自分用なら、味わいの好み や シーン に合わせた選択が大切。スモーキーなウイスキーが好きなら「ラフロイグ 10年」、フルーティーな味わいなら「グレンフィディック 18年」がおすすめ。
日常のリラックスタイムに楽しめる一本を見つけましょう。
投資目的で選ぶウイスキー
投資を考えるなら、限定生産のウイスキーや長期熟成のボトル を狙うのがポイント。「山崎 25年」や「マッカラン 30年」などは、年々価値が上昇しており、オークション市場でも高額で取引されています。
保存状態を保つことで、将来的に資産価値が高まる可能性もあります。
用途に合わせて最適なウイスキーを選び、より豊かな楽しみ方を見つけましょう。
高級ウイスキーをプレゼントするなら|年代別おすすめ例
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最近は、ウイスキーブームに伴って、ウイスキーを楽しむ世代も広がり、高級ウイスキーをプレゼントに使う機会も増えてきました。
かつては無難なブレンデッドウイスキーを贈ることが定番でしたが、最近は贈る先の好みを聞いてからプレゼントをするケースも見られます。
ただ、聞きにくい場合も多いのが事実、こういった場合は世代ごとの大まかな趣向をもとに決めていくのも手です。ここでは40~50代の中年世代や60代以降のシニア世代の趣向について紹介していきましょう。
40~50代の方へのプレゼント例
まず40~50代の方はジャパニーズウイスキーがおすすめです。
気を引くために海外ウイスキーをプレゼントするよりも国内産のサントリーやニッカ、イチローズモルトで有名な秩父蒸留所のベンチャーウイスキーなどが良いでしょう。
さらにこれらの年代物は希少性も高いため、ウイスキーが好きな方に贈れば大変喜ばれるでしょう。
60代以降の方へのプレゼント例
60代以降の方は、高級ウイスキーの中でもスコッチウイスキーがおすすめです。
この世代の方の現役時代はスコッチウイスキーが高嶺の花でした。そう言ったブランドイメージがあるため、シングルモルトのスコッチウイスキーが年数表記されたものを贈るのがいいかもしれません。
20~30代世代の方へのプレゼント例
反対に難しいのが20~30代の世代で、この世代は情報が先行しそれぞれにウイスキーのブランドイメージが出来上がってしまっている場合も少なくありません。
ボトラーズという非公式のウイスキー銘柄しか飲まない人もいます。こういった世代は推測で選んでしまうと真逆の趣向のウイスキーを贈ってしまうことも少なくありません。
そのため、思い切ってどんな高級ウイスキーが好みか聞いてしまう方が良いでしょう。
国内の高級ウイスキー9選|山崎などプレミア品は贈答用に人気
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最初に国内のおすすめしたい高級ウイスキーを紹介していきましょう。これらは、いずれも海外での評価も高いジャパニーズウイスキーの蒸留所で製造されたものです。
1.サントリー 山崎12年
日本最古の蒸留所として知られる山崎蒸留所で蒸留された12年物のウイスキーです。日本初のISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)金賞を受賞した銘柄としても知られています。
名実ともに日本のウイスキーの歴史を切り拓いた銘柄であることから、バックグラウンドも申し分ありません。
甘みと濃厚な果実の香りを楽しめ、余韻は長く力強いのが魅力です。ストレートで楽しむのがおすすめですが、それ以外の飲み方も十分楽しめます。
2.ニッカ カフェモルト
ニッカウヰスキーが宮城県仙台市の郊外にある宮城峡蒸留所で製造しているウイスキーです。
製法にもこだわっているのが特徴で、カフェスチル(カフェ式連続式蒸溜機) という国内でもここだけの蒸留器を使ってモルトウイスキーを造っています。通常はグレーンウイスキーを蒸留する蒸留器ですが、敢えてモルトを用いているのがこのウイスキーです。
もともとカフェスチルは、旧来の伝統的な連続式蒸留器で蒸留効率が低いとされています。しかし、穀物の風味が残るウイスキーを造りやすいメリットもあります。それを生かして造ったこのウイスキーは、ビターな味わいと、どこかコーヒーのような香りを感じさせる一本に仕上がっています。
単式蒸留器を使用していないため、分類上はグレーンウイスキーになりますが、モルトを100%使っているのでモルトウイスキーの性質を色濃く持つユニークなウイスキーです。ちなみにISCグレーンウイスキー部門カテゴリー最高賞にも輝いています。
3.サントリーウイスキー 響JAPANESE HARMONY
サントリーが国内で所有する山崎、白州、知多の3つの蒸留所で生み出されたウイスキーをブレンドしたブレンデッドウイスキーです。山崎蒸溜所と白州蒸溜所のモルト原酒、知多蒸溜所のグレーン原酒を用いて、それらの良さが響き合うウイスキーとしてリリースされています。
華やかな香りと、奥深くハチミツのようなやわらかな味わいとアーモンドのような余韻を感じさせるウイスキーであり、飲みやすい印象を与える一本でもあります。
基本的に響は、サントリーのウイスキーの中でも高級ウイスキーとして分類されています。そのため、年数表記されたものは非常に高額になっています。しかし、この銘柄が熟成年数未表記の価格を抑えたノンエイジボトルとして買い求めやすい響になっているのも特徴です。
4.イチローズモルト ミズナラウッドリザーブ
香港のオークションで24本セットでの価格ながら1億円もの価格を付けたことで一躍有名になったのがイチローズモルトです。そのウイスキーをリリースしているのが秩父蒸留所を運営するベンチャーウイスキーです。
このボトルは、秩父蒸留所以外にも海外の原酒もブレンドしているので、厳密にはジャパニーズウイスキーではありませんが、最終的な工程は秩父蒸留所で行われているため国産ウイスキーとして紹介しました。
味わいは、スイートさフルーティーさを感じ、奥深い複雑な味わいで、ピートの独特の香りが広がる本格的な一本に仕上がっているのが特徴です。ジャパニーズオークとも呼ばれるミズナラを熟成樽で利用しているのも特徴といえます。
5.シングルモルトウイスキー山崎 LIMITED EDITION
先ほど紹介した山崎蒸留所で蒸留されたウイスキーのみをボトリングしたシングルモルトウイスキーです。名前の通り限定品ですが、贈答用に選ばれた12年以上のモルトウイスキーをブレンドしています。
ミズナラの新樽を用いることで、複雑な味わいが加わっており、なめらかで厚みのある甘みと、いきいきとした果実味を感じることができます。さらに飲みごたえのある香味は、シングルモルトウイスキーが苦手な方でも飲みやすい仕上がりです。
パッケージングも越前和紙や焼き印の表現などこだわったものとなっており、高額ではありますが贈答用にぴったりの一本です。
6.シングルモルト宮城峡10年
ニッカウヰスキーの宮城峡蒸留所で製造されたボトルです。全量を10年以上のモルトウイスキーだけでボトリングされているのが特徴で、品薄になることも多い一本となっています。
クリーミーで繊細な甘さ、滑らかな味わいとともに華やかな香りが広がる一本で、熟成年数が長い分、全体的にまろやかな印象を与えます。手に入りにくい希少性から、贈答用としてもおすすめできるボトルです。
7.竹鶴21年ピュアモルト
ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝の名前を冠しているのが竹鶴です。この竹鶴のうち、なんと21年もの長熟した原酒のみを使用しています
シングルモルトウイスキーではなく、同社が持つ宮城峡蒸留所と北海道の余市蒸留所のモルトウイスキーをブレンドしています。通常のブレンデッドウイスキーはモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしているのに対し、竹鶴はモルトウイスキーのみをブレンドしているのが特徴です。
味わいは重厚感のあるどっしりとした甘さと、深いウイスキーらしい香り、そしてそれらの余韻が長い時間続いていきます。同社のハイブランドウイスキーらしい仕上がりになっています。
海外の評価も高く、WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)でワールド・ベスト・ブレンデッドモルト(ピュアモルト)を何度も受賞しています。
8.ニッカ 余市 12年
ニッカウヰスキーの創業者、竹鶴氏が自身で初めて蒸留所を建設した余市蒸留所で生み出された長熟もののシングルモルトウイスキーです。12年以上の貯蔵熟成した余市蒸溜所モルトのみを使用し、余市蒸留所らしさを存分に感じさせる一本に仕上がっています。
味わいは豊かな甘さと樽の風味を感じさせ、香りは熟成間のあるフルーツのような香りと穏やかなピートのスモーキーな香りが高いレベルで融合した印象です。希少性が高く12年という年数の割には高額ですが、それに見合った味わいを感じさせてくれます。
9.サントリー ウイスキー 響 17年
サントリーのブレンデッドウイスキーの長熟ものです。サントリーのフラッグシップブレンデッドウイスキーとして知られる響で、酒齢17年以上のモルトとグレーンを厳選し、ミズナラ樽原酒がキーモルトになっているのが特徴です。
ブレンド後に再度十分な熟成をしているため、絶妙なハーモニーを感じさせます。香りは華やかさの中にも深いウッディー感があり味わいはシルキーでバターやバニラを感じさせる濃厚さとキャラメルのような甘さがあります
ISCで金賞を受賞した、国際的な評価も高い一本です。
海外の高級ウイスキー10選|長熟ボトルから個性派の味わいまで
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次に海外の高級ウイスキーを紹介していきましょう。スコッチウイスキーを中心に100年以上の歴史を持つ蒸留所も多く、長期熟成のウイスキーが数多く存在しているのが特徴です。
1.ジョニーウォーカーブルーラベル
1820年に設立されたブレンドを専門とするメーカーです。数多くのスコッチウイスキーを絶妙なバランスでブレンドすることから、ブレンデッドウイスキーを代表する銘柄の1つとなっています。
高級ウイスキーの定番として、ジョニーウォーカーの黒(通称:ジョニ黒)は日本の政財界の要人にも愛されてきました。そんなジョニーウォーカーの高級ウイスキーがジョニーウォーカーブルーラベルです。
「一万樽に一樽の奇跡」と称される究極のブレンドを目指して造られたウイスキーで、40〜50年の長期熟成をさせた原酒が含まれていることでも知られています。
香りはシトラス系の爽やかさが感じられ飲みやすい印象を与えます。味わいは、スモーキーさとりんごのようなすっきりとした甘さです。
2.シーバスリーガル 25年
スコットランドを代表するブレンデッドウイスキーのブランドの1つとして知られているがシーバスリーガルです。シーバスリーガルの中でも長期熟成品として知られている通年販売の最高級品がこの25年になります。
飽きの来ない桃のような香りと華やかなオークの香りが高いレベルでブレンドされ、味わいはチョコレートのようなコクが特徴です。
飲みやすく、ウイスキー初心者の方でも抵抗なく楽しめる高級ウイスキーです。
3.バランタイン 30年
ブレンデッドスコッチウイスキーで忘れてはいけないブランドがバランタインです。このボトルはバランタインの長期熟成もので、実に30年以上もの原酒をブレンド、希少な一本に仕上げられています。
香りは、華やかでりんごとピートが高いレベルで重なり合い、背後にバニラや木を感じさせます。味わいは、はちみつやレーズンを思わせる濃厚なものとなっており、高級な印象を与えるでしょう。
4.グレンフィディック 18年
シングルモルトのスコッチウイスキーで最も売れているブランドの1つがグレンフィディックです。
このグレンフィディックのうち18年以上熟成したスパニッシュオロロソシェリー樽原酒とアメリカンオーク樽原酒をブレンドしているのがこの一本になります。
香りは、樽に残ったシェリーの香りを中心に木を思わせるようなすがすがしさを感じさせます。味わいはドライフルーツやナッツを思わせる、深い味わいを感じさせるでしょう。ストレートでゆっくり楽しむのに向いているボトルです。
5.タリスカー 18年
タリスカー蒸留所にあるバーボン樽とシェリー樽の2つの樽から最低18年間熟成された原酒をヴァッティングしているボトルです。
個性的な味わいともいわれているタリスカーの特徴を残しながら、長期熟成によって飲みやすさのある仕上がりです。
香りは、フルーティーさの中にバターのような濃厚さと、タリスカーらしいスモーキーさを感じさせます。味わいは、甘味とスモーキーな良い意味のかすかな渋さを感じさせます。
ワールド・ウイスキー・アワードグランプリ受賞の実績もあり、世界一のシングルモルトとも呼ばれています。
6.オールドプルトニー 18年
プルトニー蒸留所で造られたウイスキーで海沿いで蒸留されることから、塩気を若干含んだ風味があります。セカンドフィルバーボン樽(1度ウイスキー熟成に使ったバーボン樽)により熟成することで、程よいバーボンの影響を受けた原酒を使用している銘柄です。
さらに、そこからスペイン産オロロソシェリー新樽で熟成させた18年以上の原酒のみでボトリングしているシングルモルトのスコッチウイスキーです。
甘さを全面に打ち出した香りの印象で、ミルクチョコレートとレーズン、パンケーキを合わせたような感覚を与えます。味わいは濃厚な甘さに加えて、オールドプルトニーらしいスパイシーさも残しています。
7.ザ マッカラン18年
ウイスキー界のロールスロイスとも呼ばれるマッカランの長期熟成ものです。同蒸留所のウイスキーはシェリー樽の製造からウイスキーの熟成に至るまで、自社で手掛けており、そのこだわりによって現在の地位を築き上げました。
シェリー樽の特徴がよく出ており、ぶどうのようなフルーティーな香りが印象的ですが、樽の内側を焦がしているのでスモーキーさも感じられます。味わいは爽やかな酸味と、スパイシーさ、深い甘みがあります。
複数の香りや味の因子が複雑に絡み合った味わいはまさに高級ウイスキーという風味があります。
8.アードベッグ アン・オー
個性の強さから、熱烈なファンが多いシングルモルトのスコッチウイスキーがアードベッグです。アン・オーの由来はアードベッグ蒸留所のあるアイラ島の岬で、高さ約200メートルの断崖絶壁を誇るマル・オブ・オー(オー岬)から来ています。
アイラ島を暴風雨や長年の雨水から守り続けた激しさと、岬自体の丸みを帯びたコントラストを味わいをイメージしているのが特徴です。
香りはシロップのような甘さを軸にチョコレートのような風味もあります。それでいてアードベッグらしいスモーキーさを感じさせ、海のような香りは健在です。
味わいは、アニスやヒッコリーのようなスパイシーさと、オレンジをシロップで調和させた印象を与えます。好みが別れる風味ですが、好まれる方には大変好まれます。
9.ハイランドパーク 18年
全モルトウイスキーの中で最もオールラウンダーで、秀逸な食後酒という評価を受ける銘柄です。地元のオークニー諸島で産出されるピートを使用し、フロアモルティング製法という伝統的な製法で造られた原酒をファーストフィルのシェリー樽で仕上げているのが美味しさの秘訣とされています。
そんなハイランドパーク蒸留所で18年以上熟成された原酒のみを使ったボトルです。
香りは華やかで基本となるピートと香水を思わせる中にシトラス系のさわやかさが光ります。味わいはチョコレートでコーティングしたオレンジから徐々にスモーキーな濃厚さに変化していきます。
10.ブッカーズ
少量生産によって出荷されるクラフトバーボンの中でも最高峰といわれるのがブッカーズです。アメリカンウイスキーはお手頃な価格帯が多い印象ですが、その中でも高級ウイスキーとして知られている銘柄です。
ブレンドと割水や濾過を一切せずにボトリングしていることから、高いアルコール度数を誇ります。大手のアメリカンウイスキー、ジムビームの創業家によって立ち上げられた銘柄としても有名です。
香りはスパイシーさとバニラ、バナナの濃厚で甘みを感じさせます。味わいはアルコール度数に比べてマイルド、カラメルソースのような甘みと木の持つ優しい甘みが調和した印象です。
まとめ
高級ウイスキーは、一般的なウイスキーに比べて 熟成年数が長く、希少価値が高い ことが特徴です。そのため、豊かな香りや深い味わいが楽しめるだけでなく、贈り物や投資対象としても注目されています。
本記事では、高級ウイスキーの定義や種類、価格帯を解説し、選び方のポイントを紹介しました。また、国内外のおすすめ銘柄も厳選し、それぞれの特徴を詳しく解説しました。
ウイスキーの奥深い世界を知ることで、自分に合った一本を選ぶ楽しみが広がります。ぜひ、本記事を参考に 特別なウイスキーを選び、豊かな時間を過ごしてみてください。
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