「竹鶴ピュアモルトはまずいの?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。終売後に市場価格が高騰し、希少価値が増したことで、その味わいに対してさまざまな意見が飛び交っています。
結論から言うと、竹鶴ピュアモルトは決してまずいウイスキーではありません。むしろ、モルトの個性を存分に味わえる深いコクとフルーティーな香りが特徴で、世界的な評価も受けている銘柄です。
しかし、飲み慣れていない方にとっては「ピート香が強い」「思っていたよりクセがある」と感じることがあるのも事実です。ここでは、竹鶴ピュアモルトの味わいや香りを実際に飲んでレビューし、まずいと言われる理由とその真相を探っていきます。
竹鶴ピュアモルトの味わいと特徴
竹鶴ピュアモルトは、グレーンウイスキーを使わずにモルトのみをブレンドして作られたピュアモルトウイスキーです。このため、モルト由来の力強い個性と深いコクを楽しめるのが最大の魅力です。
主な特徴
- 竹鶴ピュアモルト:容量700ml alc.43% 定価7,000円※2020年3月31日にリニューアルとして登場
- 香り:りんごや杏のような甘酸っぱいフルーツ香に、バニラのような柔らかな樽香が混ざり合い、心地よい印象。
- 味わい:モルトならではの厚みのある甘さが口いっぱいに広がり、後味にはピート香がふわりと漂います。
- 余韻:甘さと苦さが調和したバランスの良い余韻が続きます。
竹鶴を実際に飲んで評価レビューした
1. ストレートでの評価
香りの第一印象はバニラやフルーツ系の甘さが際立っています。口に含むとシェリー由来のフルーティーさが広がり、モルトの深みが心地よく感じられます。 余韻にはほろ苦さが残り、飲みごたえは十分。初心者には少しクセがあるかもしれませんが、ウイスキー好きには魅力的な味わいです。
2. ロックでの評価
氷が溶けることで甘さがやや抑えられ、華やかな香りが際立ちます。 宮城峡モルトの特徴が表れ、フルーティーな香りが一層楽しめます。ピート香が前面に出るため、スモーキーなウイスキーが苦手な方には「まずい」と感じられる可能性も。
3. ハイボールでの評価
炭酸で割ることで余市モルトの力強いスモーキーさが際立ちます。 ピーティーなハイボール好きにはたまらない味わいですが、甘みが控えめになるため、「竹鶴はまずい」と感じる意見の一因かもしれません。
竹鶴ピュアモルトが「まずい」と言われる理由
竹鶴ピュアモルトは多くの愛好家に支持されている一方で、SNSやレビューサイトでは「まずい」という声が見られることもあります。その理由を分析しました。
1.ピート香のクセが強い
竹鶴ピュアモルトは余市モルトのスモーキーな香りが特徴です。初心者にとって、この独特の香りが「まずい」と感じる原因になることがあります。
2.フルーティーさにギャップを感じる
香りの印象から「甘い味わい」を期待して飲むと、ピート香やほろ苦さが際立ち、イメージとのギャップで「期待外れ」と感じることがあるようです。
3.終売による価格高騰への期待値
竹鶴ピュアモルトは2020年に終売となり、価格が高騰しました。「高いから美味しいはず」と期待値が上がる分、想像以上にシンプルな味わいに「まずい」と感じる心理的な影響も考えられます。
竹鶴ピュアモルトの魅力を再確認
では、竹鶴ピュアモルトはどんな人に向いているのでしょうか?
- フルーティーさの中にほのかなスモーキーさを求める人
- ストレートやロックでじっくりと味わいたい人
- ジャパニーズウイスキーならではの繊細な味わいを楽しみたい人
初心者向けアドバイス
- 初めて飲む際はストレートよりもロックやハイボールから試してみましょう。
- スモーキーさが気になる場合は、宮城峡モルトなどクセが少なめのウイスキーを試してから挑戦すると良いでしょう。
結論:竹鶴ピュアモルトはまずい?
竹鶴ピュアモルトが「まずい」と言われる理由は、ピート香の強さや香りと味のギャップにあります。しかし、これらはウイスキーの個性であり、モルトの深みやフルーティーな香りを楽しめる絶妙なバランスが魅力です。
「まずい」と感じるかどうかは、飲む人の好み次第。実際に飲んでみると、その繊細で奥深い味わいに驚かされるかもしれません。希少価値が高まる中、見つけた際にはぜひ一度味わってみてください。
竹鶴には黒ラベルと白ラベルがある
ちなみに、竹鶴には黒ラベルと白ラベルがありますが、その違いをご存知でしょうか?
黒ラベルは終売となった旧ボトルで、白ラベルが今回レビューした新しい竹鶴にあたります。見た目だけでなく、味わいや香りにも変化が感じられるため、違いを楽しむのもまた一興です。
なお、旧竹鶴と新竹鶴の飲み比べも行ってみました。味わいや香りの違いについて詳しく解説していますので、ぜひこちらの記事をご覧ください。
【関連リンク】竹鶴ピュアモルト黒ラベルvs白ラベルの違い!新旧ボトルを完全比較
新ラベルも見事に竹鶴だなと感じられるのでまずいとかそんなことはありません。好みの問題ですね。
なかなか見かけませんが必ずどこかで出会うと思います。定価とはいきませんがAmazonや楽天でもありますので気になる方は下記のリンクから確認して下さい。
「竹鶴ピュアモルト」はどこで作られているの?
竹鶴ピュアモルトは、ニッカが所有する「余市蒸留所」と「宮城峡蒸留所」で作られたモルト酒を原酒として作られています。
余市蒸溜所
余市蒸溜所 工場見学最高すぎた😢😢😢 クソ高い酒が500円で飲めるし近所だったら普通に通いたい。。。 酒しか勝たねぇ pic.twitter.com/PFAmMhMuq7
— Øコム・ギ・ギャルソンØ (@ikimasi16kg) January 15, 2019
余市蒸溜所は北海道余市に位置しています。
快適な涼しさと豊かな水源、澄み渡る空気がウイスキーづくりに最適だと言われ、1934年にこの場所に建設されました。
熟練された職人による「石炭直火蒸溜」によって醸されたウイスキーは、力強く厚みのあるコクやスモーキーで香ばしい風味が特徴です。ニッカウヰスキーの原点ともいえる蒸溜所です。
宮城峡蒸留所
宮城峡蒸留所!初の蒸留所見学でしたが、オタク心を超刺激されますね… 6号貯蔵棟を見学させていただきましたが、樽は1段でしか保管してないのがわりと衝撃でした。 有料セミナーだったので、最後に試飲。宮城峡の温泉感はシェリー樽原酒で一番強く感じますね。 ものすごく楽しかったです!#TWLC pic.twitter.com/JzOWE079ci
— Saito@沼 (@viotaca) November 24, 2019
宮城峡蒸留所は伝統を大切にしている余市蒸溜所に対し、異なる技術を取り入れた第二の蒸溜所です。
スチームを使ってじっくりと蒸溜する「蒸気間接蒸溜方式」を採用しているため余市で作られたモルト酒とは異なる味を引き出しています。
また「カフェ式連続式蒸溜機」という蒸留機を使用しており、ここで作られたモルト酒は華やかな香りやほんのりとやさしい甘みを感じられます。
2か所の蒸溜所はどちらも見学可能です。「原酒や蒸溜所についてもっと知りたい!」という方は、見学申し込みをしてみましょう。
余市蒸溜所の楽しみ方|NIKKA WHISKY
宮城峡蒸溜所の楽しみ方|NIKKA WHISKY
ニッカの展開する別銘柄「余市」「宮城峡」の違いは?
ニッカウヰスキーは「竹鶴ピュアモルト」以外にも「余市」、「宮城峡」といった人気銘柄を販売しています。
同じニッカの販売するウイスキーでも、それぞれ製造方法が異なり特徴や味が変わってきます。
竹鶴ピュアモルトが2か所の蒸溜所で製造されたモルト酒を掛け合わせたピュアモルトウイスキーであるのに対し、余市や宮城峡は1つの蒸溜所で作られた原酒を使用したシングルモルトウイスキーです。
余市は余市蒸溜所、宮城峡は宮城峡蒸溜所で醸されており、それぞれの特徴が色濃く感じられる味わいとなっています。
【関連リンク】余市定価でどこで買える?終売ウイスキー状況と価格値上げも品薄多発
【関連リンク】宮城峡ウイスキー定価・流通価格は?余市違いと宮城峡ラインナップ
竹鶴ピュアモルトは2つの蒸溜所の特性を活かしながらブレンドによって味を調えられているため、上記の2銘柄に比べクセが少なく、ウイスキー初心者の方でも飲みやすいことがポイントです。
甘さとスモーキーさのバランスが良く、ストレートやロックをはじめ水割りやハイボールなどさまざまな飲み方で楽しむことができます。
受賞歴もある!「竹鶴ピュアモルト」の世界人気について
日本のウイスキー、いわゆるジャパニーズウイスキーは世界5大ウイスキーのひとつにも選ばれており、現在世界中で大きな注目を集めています。
竹鶴ブランドも国際的なコンテストで何度も入賞歴があり、特に「竹鶴17年」は英国で行われるワールド・ウイスキー・アワード(WWA)の世界最高賞「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」を4回も受賞した経験を持っています。
WWAの審査は、世界各国のウイスキー専門家が目隠しをして行うブラインドテイスティングにより厳正に行われています。
そのため知名度や見た目に左右されていない、純粋な“味の良さ”が認められていることがわかります。
終売で高騰!?竹鶴ピュアモルトの価格について
竹鶴ピュアモルトはもともと、同じ年数のシングルモルトウイスキーに比べ価格設定が低く、コスパの良いウイスキーでした。
しかし2015年頃から原酒不足や人気上昇により市場価格が徐々に高まっていきました。
さらに2020年の終売を受け爆発的に値段が上昇し、一番お手頃とされている竹鶴ピュアモルト(ノンエイジ)でも2024年4月から定価3,000円が7,000円になり市場価格も高騰し、一番年月を経ている竹鶴25年ピュアモルトは30万円ほどの高価格で取り引きされています。
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竹鶴ピュアモルトシリーズの紹介
ここからは竹鶴ピュアモルトシリーズについて、それぞれの特徴をご紹介していきます。
竹鶴ピュアモルト※新ボトル(数量限定発売)
2020年の竹鶴ピュアモルトシリーズ終売を受けて、2020年3月31日より数量限定で発売されたリニューアル品です。
竹鶴ピュアモルトの味わいや風味を活かしながら、余市モルトの原酒使用比率を高めることでコクと香ばしいピート感が付与されています。
原酒に限りがあるため、年間販売数量は22,000箱と定められている貴重なウイスキーです。
竹鶴ピュアモルト(ノンエイジ)※旧ボトル2020年3月終売
こちらは竹鶴のスタンダードモデルです。年数表記が無い=ノンエイジのウイスキーであり、そのまま飲むとアルコールの強さが感じられます。
洋ナシやパッションフルーツ、青りんごといった華やかな果実の香りと甘さを感じられ、余韻にピート感がやってきます。
2014年、2016年にISC金賞にもなったことのある、人気の銘柄です。
竹鶴12年ピュアモルト※2014年終売
酒齢12年以上のモルト原酒のみを使用したシリーズで、メロン、リンゴ、桃、ハチミツの甘い香りの中から麦芽ビスケット、チョコレートのビターさを感じ取れます。酸味のあとにオークの余韻が広がります。
2014年に終売となってしまったため、現在では希少価値が非常に高いウイスキーとなっています。
竹鶴17年ピュアモルト※2020年3月終売
こちらは酒齢17年以上の原酒を掛け合わせたもので、長期貯蔵由来の熟成香が楽しめる一本です。
バニラ、オーク、松の香り、イチゴジャムといった香りが特徴で、口に含むとまずはちみつとバニラの甘い味わいが広がります。甘さの中にスモーキーさが広がっていき、後半は酸味もあり重厚ながら引き締まった味わいです。
終売前の定価7,000円に対し、現在は4万円ほどで販売されています。今後在庫が減るにつれて価格がさらに上昇する可能性が高いでしょう。
竹鶴21年ピュアモルト※2020年3月終売
21年という長期熟成原酒を使用したモルト酒で、リッチな厚みが感じられるウイスキーです。
ピーチやメロン、いちぢく、ネクターのようなとろみのある香りがポイントで、バニラやキャラメルのような丸くやさしい味わいです。
最後はオークやバニラ、乾燥いちごの酸味などとても奥行きの深い余韻を感じられます。竹鶴17年に次いで、世界的評価の高い1本です。
竹鶴25年ピュアモルト※2020年3月終売
竹鶴ピュアモルトシリーズの中でもかなりのヴィンテージである、25年以上熟成した原酒によるウイスキーです。
マイルドで甘い味わいが特徴で、口にするとピーチネクター、生キャラメル、フルーツの甘みからはじまり、ミルクチョコのようなまろやかさを味わえます。
甘みの後は徐々にビターな味わいが広がり、余韻はほろ苦く長いです。甘さとほろ苦さが絶妙な、完成されたウイスキーともいえるでしょう。
竹鶴ピュアモルトの楽しみ方
竹鶴ピュアモルトはどのシリーズも希少価値が高くなっているため、飲める機会はあまり多くないかもしれません。もし出会えたら充分に堪能したいものです。
ハイボールや水割りでももちろん楽しめるウイスキーですが、まずはぜひストレートで素材本来のうまみを感じてください。
徐々に味の変化を楽しめるオン・ザ・ロックもおすすめです。飲む場合にはチェイサーを用意しておきましょう。
水と交互に飲むことで味覚を維持しながら、悪酔いを防いでくれる効果もあります。
おつまみにはチーズやナッツ類が相性抜群です。また飲みやすい味わいなので、アヒージョや揚げ物、肉料理などの油分を含んだ食べ物とも合います。
チョコレートやドライフルーツなどの甘い食べ物と一緒にゆっくり楽しむのも良いでしょう。
まとめ
「竹鶴ピュアモルトはまずいの?」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、その評価は個々の味覚によって異なります。確かに、スモーキーなピート香やフルーティーさとのギャップが「まずい」と感じる原因になることもあります。しかし、実際にはモルトの深みやバランスの取れた味わいが楽しめる、日本を代表するウイスキーのひとつです。
初心者には少しクセが強いと感じる場合もありますが、ロックやハイボールで楽しむことで、その魅力を再発見できるでしょう。竹鶴ピュアモルトはまずいどころか、世界的なコンペティションでも高い評価を受けた、芳醇な味わいが魅力のウイスキーです。
希少価値が高まり、価格が上昇している現在だからこそ、その本来の味わいを知ることが重要です。ぜひ機会があれば試してみて、竹鶴ピュアモルトの奥深い魅力を味わってみてください。
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