黒ビールとは|色を決める法令の線と「濃色の麦芽」の条件

黒ビールとは|スタウトやポーターなど種類の違いと味わい・飲み方

黒ビールとは|色を決める法令の線と「濃色の麦芽」の条件

グラスに注いだときの色が濃い。それだけの共通点で「黒ビール」と呼ばれている飲みものが、実は名乗るための条件を法令から与えられていない、という話から始めます。酒税法にも、その施行令にも施行規則にも、「黒ビール」という語は一度も出てきません。

では何も決まっていないのかというと、そうではありません。条件を書いているのは公正競争規約で、そこには「濃色の麦芽を原料の一部に用いた色の濃いビール」という一文があります。数値はありません。反対に、酒税法の側には色を数値で測る規定があります。波長四三〇ナノメートルの吸光度に二十五を掛けて出す「色度」です。ところがこの数値は、黒ビールかどうかを決めるためのものではありません。

この記事は、二つの線がどこですれ違っているのかを、一次資料の条文で追いかけます。銘柄の紹介ではなく、ラベルに書かれている言葉が何を根拠にしているかの話です。

黒ビールとは|名前の条件を決めているのは法令ではない

黒ビールとは|名前の条件を決めているのは法令ではない
本記事の参考画像|黒ビールという呼び名

最初に、走査した結果を先に出します。酒税法(空白を除いて104,943字)、酒税法施行令(同44,230字)、酒税法施行規則(同14,543字)、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(同53,873字)、食品表示基準(同155,711字)の五本、合計373,300字を対象に、「黒ビール」「スタウト」「濃色」の三語を数えました。結果はいずれも零件です。

つまり、ラベルに「黒ビール」と書いてあるとき、その言葉の意味を政府が条文で定義しているわけではありません。酒税法が定義しているのはあくまで「ビール」という品目で、第3条第12号ロは麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの(その原料中麦芽の重量がホップ及び水以外の原料の重量の合計の百分の五十以上のものであり、かつ、その原料中政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の百分の五を超えないものに限る。)と書きます。麦芽の割合と副原料の量は決まっていますが、色については一言も触れていません。

色に関わる言葉が酒税法の本体にまったく無いわけではありません。「色沢」という語が2回あり、一つは合成清酒の定義の中で清酒に類似するかどうかを、もう一つは発泡酒の定義の中でビールに類似するかどうかを判定する場面です。どちらも「その品目そのもの」ではなく「その品目に似ているかどうか」を判定する文脈で使われています。ここが後の節の伏線になります。

「濃色の麦芽を原料の一部に用いた色の濃いビール」という一文

濃色の麦芽を原料の一部に用いた色の濃いビールという一文
本記事の参考画像|表示の規約

黒ビールと表示してよい条件を書いているのは公正競争規約です。ビールの規約は国産と輸入の二本立てになっており、ビール酒造組合は国産について昭和54年「ビールの表示に関する公正競争規約」が公正取引委員会の認定を受けて制定され、現在、これに加盟しているビールメーカーは、この規約にも基づいて表示を行っています。と説明しています。輸入の側については昭和57年3月「輸入ビールの表示に関する公正競争規約」が制定されており、わが国に輸入され、販売されている外国産のビールはこの規約に基づいて表示されています。それによりますと、「必要な表示事項」「特定用語の表示基準」「不当表示の禁止」は国産ビールの規約とほとんど同じ基準で定められています。とも書いています。

ここでは条文が公開されている輸入側の規約を引きます。制定は昭和五十七年三月で、現行の条文は令和元年八月九日の公正取引委員会・消費者庁告示第8号によるものです。第4条第1項第3号にこうあります。

黒ビール及びブラックビール 濃色の麦芽を原料の一部に用いた色の濃いビールでなければ、黒ビール又はブラックビールと表示してはならない。

輸入ビールの表示に関する公正競争規約 第4条第1項第3号

読みどおり、条件は二つです。濃色の麦芽を原料の一部に用いていること。そして色が濃いこと。「濃色」がどれくらいの濃さを指すのか、「色の濃い」がどこからなのかは、この規約のどこにも書かれていません。

ビール酒造組合が公表している特定用語の表示基準でも、黒ビールおよびブラックビールの欄には濃色の麦芽を原料の一部に用い、色の濃いビールです。とあります。文末の言い回しは違いますが、「濃色の麦芽を原料の一部に用い」と「色の濃い」という二つの条件は同じです。

表1 「黒ビール」を含む用語の基準と、そこに数値があるかどうか
用語 基準の文言 定めている文書 数値の有無
黒ビール及びブラックビール 濃色の麦芽を原料の一部に用いた色の濃いビール 輸入ビールの表示に関する公正競争規約 第4条第1項第3号 なし
スタウト 濃色の麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いビール 同 第4条第1項第4号 なし
ラガービール 貯蔵工程で熟成させたビール 同 第4条第1項第1号 なし
生ビール及びドラフトビール 熱による処理(パストリゼーション)をしないビール 同 第4条第1項第2号 なし
ビールに類似する酒類 苦味価五以上かつ色度四以上 酒税法施行令 第7条の2 あり

表1で並べたとおり、数値が出てくるのは最後の行だけです。しかもその行は「黒ビール」の話ではありません。この記事の主題は、上の四行と最後の一行がどう違うのかにあります。

規約が何を対象にするのかも押さえておきます。輸入側の規約 第2条第1項は、その規約でいう輸入ビールを、酒税法 第3条第12号のビールに当たる酒類であって輸入されたものと定めています。現地で dark beer と呼ばれていても、日本の定義でビールから外れれば、そもそもこの規約の外側になります。

四つの用語は分類ではなく必要条件

規約 第4条第1項は、ラガービール、生ビール及びドラフトビール、黒ビール及びブラックビール、スタウトの四つについて、いずれも「〜でなければ〜と表示してはならない」という形で書かれています。つまりビールを四つに切り分ける分類ではなく、その語を使うときの条件です。ビール酒造組合も同じことを明記しています。

なお、この特定用語の表示基準はビールを4つに分類したものではなく、それぞれの用語を表示する場合の必要条件を定めたものです。

ビール酒造組合「ビールの表示」特定用語の表示基準

したがって、貯蔵工程で熟成させた濃色麦芽のビールは、ラガービールでも黒ビールでもあり得ます。二つの語が同時に成り立つことは、この書き方からは何も妨げられていません。

略称についても規定があります。第4条第2項は前項第1号から第3号までの文言は、ビールである旨が明瞭である場合には、ビールの文字を省略し、単に「ラガー」、「生」等と表示することができる。と定めています。第1号から第3号までが対象なので第3号の「黒ビール及びブラックビール」はここに含まれ、「黒」や「ブラック」とだけ書く余地があります。条文が例として挙げているのは「ラガー」と「生」の二つで、「黒」は例示されていません。第4号のスタウトはこの項の範囲外です。

酒税法が数値で決めている「色度四以上」は別の線

酒税法が数値で決めている色度四以上は別の線
本記事の参考画像|色度という数値

ここからが本題です。酒税法令には色を数値で測る規定があります。ただしそれはビールの中を分けるためのものではなく、「ビールではないもの」を発泡酒に引き込むための線です。

出発点は酒税法 第3条第18号ハで、発泡酒の定義の三番目の枝にこうあります。

イ又はロに掲げる酒類以外の酒類で、香味、色沢その他の性状がビールに類似するものとして政令で定めるもの

酒税法 第3条第18号ハ

麦芽も麦も使っていない、ホップも苦味料も使っていない。それでも「ビールに似ている」なら発泡酒として扱う、という規定です。その「似ている」の中身を政令に委ねており、受けているのが酒税法施行令 第7条の2です。同条は二つの号を並べ、第1号が財務省令で定める方法により測定した場合における光を吸収する度合を基礎として財務省令で定めるところにより算出した苦味価の値が五以上であること。、第2号が財務省令で定める方法により測定した場合における光を吸収する度合を基礎として財務省令で定めるところにより算出した色度の値が四以上であること。と定めています。

二つの号は「次の各号のいずれにも該当する酒類」という柱書の下に置かれているので、片方だけでは足りません。苦味価が五以上で、かつ色度が四以上。この二つを同時に満たしてはじめて第18号ハに当たります。

酒税法本体には「色度」も「苦味価」も一度も出てきません。どちらの語も、施行令に一回ずつ、施行規則に一回ずつ現れるだけです。法律は「色沢その他の性状」という定性的な言葉で書き、数値の設計は下位法令に降ろしている、という構造になっています。

色度と苦味価はどう測るか|四三〇ナノメートルと二七五ナノメートル

色度と苦味価はどう測るか
本記事の参考画像|測定の手順

測り方は酒税法施行規則 第4条の2に書かれています。まず色度から見ます。第3項はこうです。

令第七条の二第二号に規定する財務省令で定める方法は、炭酸ガスを抜く処理を施した当該酒類について、吸光光度分析通則に従い、光路長十ミリメートルの吸収セルを用いて波長四百三十ナノメートルにおける吸光度を測定する方法とする。

酒税法施行規則 第4条の2第3項

濁りがあれば取り除いたうえで炭酸ガスを抜き、光路長十ミリメートルの吸収セルに入れて、波長四三〇ナノメートルの吸光度を測ります。そのうえで第4項が令第七条の二第二号に規定する色度の算出は、前項に規定する方法により測定した吸光度に二十五(同項ただし書の規定により希釈した場合にあつては、二十五に希釈率を乗じて得た数値)を乗じて行う。と定めます。吸光度に二十五を掛けた数が色度です。

苦味価のほうはもう少し手が込んでいます。第1項はオクチルアルコールを加えて撹拌し、塩酸とイソオクタンを順に加えて振とうし、遠心分離して得たイソオクタン層について波長二百七十五ナノメートルにおけるイソアルファー酸及び還元型イソアルファー酸に由来する吸光度を純粋なイソオクタンを対照として測定する方法とする。と定めています。第2項が令第七条の二第一号に規定する苦味価の算出は、前項に規定する方法により測定した吸光度に五十を乗じて行う。です。

表2 酒税法令が数値で定める三つの光学測定
測るもの 根拠 波長 光路長 掛ける数 しきい値
色度 酒税法施行規則 第4条の2第3項・第4項 430ナノメートル 10ミリメートル 25 四以上
苦味価 同 第4条の2第1項・第2項 275ナノメートル 10ミリメートル 50 五以上
みりんに類似する酒類の吸光度 同 第5条/施行令 第8条の2第3号 430ナノメートル 10ミリメートル なし 〇・二以上

表2の三行目は、同じ四三〇ナノメートルを使いながら扱いが違う例です。みりんに類似する酒類の判定は施行令 第8条の2第3号が財務省令で定める方法により測定した場合における光を吸収する度合が〇・二以上であること。と書き、施行規則 第5条が令第八条の二第三号に規定する財務省令で定める方法は、吸光光度分析通則に従い、光路長十ミリメートルの吸収セルを用いて波長四百三十ナノメートルにおける当該酒類の吸光度を測定する方法とする。と定めます。掛け算がなく、吸光度そのものを〇・二という値と比べています。

つまり同じ波長・同じ光路長で測った量を、ビールに類似する酒類では二十五倍して「色度」という名前で呼び、みりんに類似する酒類では倍率をかけずに「光を吸収する度合」のまま使っている、ということです。倍率を掛けて名前を与えるかどうかは条文の書き方の違いにすぎません。ただし手順は同じではありません。前処理と希釈のただし書が課されているのはビールに類似する酒類の側だけで、みりんに類似する酒類の第5条には前処理の定めがありません。

吸光度〇・八という天井と希釈率

色の濃い液体では、吸光度が上がりすぎて測定の直線性が保てなくなります。そこで第3項にはただし書があります。

ただし、当該吸光度が〇・八以上である場合には、〇・八未満となるように当該酒類を蒸留水で希釈した上でこの項前段に規定する方法によつて測定する方法とする。

酒税法施行規則 第4条の2第3項ただし書

希釈したときは第4項の括弧書きが効いて、掛ける数が二十五ではなく二十五に希釈率を乗じて得た数値になります。二倍に薄めたなら五十を掛ける、という意味です。薄めた分を戻す仕組みなので、色の濃い酒類でも色度そのものは上限なく大きな値を取り得ます。

苦味価の五十も同じ性質の係数です。ホップ由来のイソアルファー酸の量を、二七五ナノメートルの吸光度から換算しています。ちなみに、この吸光度が由来するイソフムロン類を主成分とする品目も食品添加物として名簿に載っています。既存添加物名簿収載品目リストの27番が「イソアルファー苦味酸」で、ホップの花から得られた、イソフムロン類を主成分とするものをいう。と説明されています。

ビールに使える着色料はカラメルひとつだけ

ビールに使える着色料はカラメルひとつだけ
本記事の参考画像|着色料とカラメル

色の話をもう一段だけ下ります。酒税法 第3条第12号ロは、麦芽・ホップ・水のほかに「麦その他の政令で定める物品」を使ってよいと書いています。その中身を定めるのが酒税法施行令 第6条第1項で、第1号と第2号の二つに分かれます。第1号は麦、米、とうもろこし、こうりやん、ばれいしよ、でん粉、糖類又は財務省令で定める苦味料若しくは着色料と並び、末尾に「着色料」が入っています。

では何が着色料として認められるのか。これを決めているのが酒税法施行規則 第4条第1項です。

令第六条第一項第一号に規定する財務省令で定める着色料は、カラメルとする。

酒税法施行規則 第4条第1項

一語です。着色料として名指しされているのはカラメルだけで、ほかの色素は一つも挙がっていません。この書きぶりが特別なのかどうかは、同じ省令の少し前の条文と比べると分かります。第3条は連続式蒸留焼酎について令第三条の二第一項第二号に規定する財務省令で定める着色料は、食品衛生法施行規則(昭和二十三年厚生省令第二十三号)別表第一に掲げる食用黄色四号及び食用黄色五号とする。と定めています。

表3 本稿で比べる三つの規定が着色料として名指ししている物品
酒類 着色料として名指しされている物品 根拠
ビール(酒税法 第3条第12号ロ) カラメル 酒税法施行規則 第4条第1項
連続式蒸留焼酎 食用黄色四号・食用黄色五号 同 第3条
単式蒸留焼酎 食用黄色四号・食用黄色五号 酒税法施行規則 第3条(酒税法施行令 第4条の2第3項が同令 第3条の2第1項各号を引くことによる)

同じ省令の中で、品目ごとに違う着色料が名指しされています。焼酎の側は食品衛生法施行規則の別表を引いて二つの色を挙げ、ビールの側は名簿も別表も引かずに「カラメル」とだけ書く。指定のしかたが揃っていないことが、そのまま条文に残っています。

なお第3条の指定は連続式蒸留焼酎だけの話ではありません。施行令 第4条の2第3項が法第三条第十号ヘに規定する政令で定める物品は、第三条の二第一項各号に掲げる物品とする。と定めているため、単式蒸留焼酎にも同じ二つが及びます。第3条と第4条の間に挟まる第3条の2は単式蒸留焼酎の原料の条で、着色料そのものを定めた条文ではありません。

視点を法律まで上げると、もう一つの非対称が見えます。酒税法本体に「色素」という語は四回出てきますが、その内訳は甘味果実酒の二か所とウイスキーの一か所、ブランデーの一か所で、いずれも「アルコール、スピリッツ、香味料、色素又は水を加えたもの」という形の、加えてよい物品の列挙です。ビールの定義には「色素」が一度も出てきません。ビールの色に関わる物品は、法律ではなく政令と省令の側で決まっています。

百分の五の上限はカラメルにかからない

酒税法 第3条第12号ロには二つの割合が書かれています。麦芽が百分の五十以上であること、そして「政令で定める物品」の合計が麦芽の百分の五を超えないことです。この後者がどこまで及ぶのかは、施行令 第6条第2項が決めています。

法第三条第十二号ロに規定するビールの原料中政令で定める物品及び同号ハに規定する政令で定める物品は、前項第二号に掲げる物品とする。

酒税法施行令 第6条第2項

百分の五の対象は「前項第二号に掲げる物品」に限られます。第2号は果実やコリアンダーその他の香味料で、カラメルが入っている第1号は含まれません。

表4 施行令 第6条第1項の二つの号と、百分の五の上限がかかる範囲
物品の区分 施行令 第6条第1項 麦芽の百分の五の上限 カラメルの位置
麦・米・とうもろこし・こうりやん・ばれいしよ・でん粉・糖類・苦味料・着色料 第1号 かからない ここに入る
果実・コリアンダーその他の香味料 第2号 かかる 入らない

ただし、量に上限が無いわけではありません。麦芽比率の分母は「ホップ及び水以外の原料の重量の合計」なので、カラメルも米もとうもろこしもこの分母に入ります。麦芽が半分を割れば、その酒類はビールではなく発泡酒になります。第1号の物品は、百分の五という個別の天井ではなく、麦芽比率という一つの天井だけで抑えられている、というのが正確な言い方です。

原材料名は要らないのに、添加物だけは書かれる

原材料名は要らないのに添加物だけは書かれる
本記事の参考画像|ラベルの表示

ここで表示の側に移ります。意外に思われるかもしれませんが、酒類には原材料名を書く義務がありません。食品表示基準 第5条が、義務表示の特例としてこう定めているためです。

酒類を販売する場合 原材料名 アレルゲン 原産国名

食品表示基準 第5条(義務表示の特例)

酒類を販売する場合、原材料名・アレルゲン・原産国名の三つは表示が要りません。同じ趣旨の規定は業務用の加工食品にもあり、第11条が業務用酒類について同じ三つを挙げています。それでもビールの缶や瓶に原材料が書かれているのは、規約の側がそれを求めているからです。ビール酒造組合は必要な表示事項の二つ目として「原材料」の文字のあとに、使用した原材料(水を除く)を酒税法、同施行令および同施行規則に定められている品名で、その順序に従って表示してあります。と説明しています。

一方で添加物はこの表に挙がっていません。第3条第1項の横断的義務表示に「添加物」の項が置かれたまま残るので、原材料名を書かない酒類でも、添加物は書かなければなりません。

表5 食品表示基準における酒類の扱い
表示事項 一般の加工食品 酒類
原材料名 義務 要しない(第5条)
アレルゲン 義務 要しない(第5条)
原産国名 義務 要しない(第5条)
添加物 義務 義務のまま
栄養成分の量及び熱量 義務 省略できる(第3条第3項)

表5の最後の行は少し性格が違います。栄養成分の量及び熱量については、第3条第3項の表が省略できる区分を五つ並べており、酒類はその二番目に置かれています。求めていないのではなく、省略できる、という書き方です。しかもその欄の冒頭は自ら栄養表示をしようとする場合を除いており、熱量や糖質を自分から書く商品はこの省略を使えません。

原材料名を求めているのは国産の規約だけではありません。輸入側の規約 施行規則 第2条第2号も原材料名について「原材料名」という文字の後に、使用した材料を酒税法(昭和28年法律第6号)、同施行令(昭和37年政令第97号)及び同施行規則(昭和37年大蔵省令第26号)に定められた品名で、定められた順序に従って表示するものとする。ただし、とうもろこしはコーン、でんぷんはスターチと表示することができる。と定めており、食品表示基準では要らないはずの原材料名が、規約では必要な表示事項に入っています。しかも書き方まで指定されていて、言い換えが認められているのはとうもろこしとでんぷんの二つだけです。

カラメルという語の扱いも、法域によって粒度が違います。食品衛生法の側では四つに分かれます。

表6 既存添加物名簿収載品目リストのカラメル四種とただし書の関係
名称 基原・製法・本質 リストの番号
カラメルⅠ 食用炭水化物を熱処理して得られたもの(Ⅱ・Ⅲ・Ⅳを除く) 63
カラメルⅡ 亜硫酸化合物を加えて熱処理して得られたもの(Ⅳを除く) 64
カラメルⅢ アンモニウム化合物を加えて熱処理して得られたもの(Ⅳを除く) 65
カラメルⅣ 亜硫酸化合物及びアンモニウム化合物を加えて熱処理して得られたもの 66

既存添加物名簿は平成八年四月十六日厚生省告示第120号で、直近の改正は令和七年八月二十五日消費者庁告示第9号、収載品目数は327です。カラメルⅠはでん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物を熱処理して得られたものをいう。ただし、「カラメルⅡ」、「カラメルⅢ」及び「カラメルⅣ」を除く。と定義され、カラメルⅣはでん粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に亜硫酸化合物及びアンモニウム化合物を加えて熱処理して得られたものをいう。と定義されています。亜硫酸化合物とアンモニウム化合物を加えるかどうかの組み合わせで四つに分かれる仕組みです。

酒税法施行規則の側にあるのは「カラメル」の一語だけで、この四つを区別していません。今回参照した既存添加物名簿収載品目リストは、消費者庁次長通知「食品表示基準について」の別添 添加物2-1に当たるもので、そこに並ぶ名称も四つとも「カラメルⅠ」から「カラメルⅣ」までです。ラベルでよく見る「カラメル色素」という書き方は、このリストの品名そのものではありません。

下に並ぶのは、リンクサス酒販のウイスキーの棚から抜き出したカードです。コレクション自体は1,138点で、この記事にはそのうち8点が表示されます。

黒ビールの記事にウイスキーが並ぶのは唐突に見えるかもしれませんが、原料の入口は重なっています。酒税法 第3条第15号イは、ウイスキーを発芽させた穀類と水を原料とする酒類として定めており、ビールの麦芽と同じく、穀物を発芽させて火を入れる工程がその手前にあります。ただし色のつき方は違います。黒ビールの色は濃色の麦芽から来ますが、ウイスキーは蒸留したてが無色で、色は貯蔵中の樽から来ます。しかも同条第15号ハは、そこへ色素を加えたものもウイスキーに含めています。当店の在庫はウイスキーが中心で、ビールの常設コレクションは持っていません。

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ここではウイスキーの在庫から一部を掲載しています。価格・在庫・箱の有無は各商品ページでご確認いただけます。

黒ビールを含む代表30銘柄を並べた比較表の読み方

黒ビールを含む代表30銘柄を並べた比較表の読み方
本記事の参考画像|銘柄の比較

この記事には30銘柄の一覧表が付いています。読む前に、この表が何を載せていて何を載せていないかを先に書いておきます。

表の列は8つで、左から「画像」、「銘柄・スコア」、「定価 市場相場」、「特徴」、「リンクサス酒販 本命」、「Amazon」、「楽天」、「買取」です。ビアスタイルの列も産地の列も度数の列もありません。度数は銘柄名の末尾と、「特徴」欄の文中に出てくるだけです。「特徴」欄については30行すべてに度数の記載があります。

収録されている30銘柄のうち、この記事の主題である黒ビールに当たるのは1本だけです。ギネス ドラフトがそれで、ポーターもシュヴァルツもドゥンケルも一本も入っていません。残りはピルスナーやペールエール、ベルギーのエール、ノンアルコールビールなどで、黒ビールの一覧としては読めません。この30件はビール関連の別の7本の記事と同じ内容を共有しているため、この記事だけの都合で入れ替えることができません。

価格の欄も実際に描画されているものを書いておきます。「定価 市場相場」の列は30行のうち29行が「実勢」から始まる相場の文、1行が参考小売価格で、空欄は0行です。定価そのものが入っている行はなく、限定品の一行だけが参考小売価格です。並べ替えは3つ、価格の絞り込みは6ボタンで、そのうち価格帯を指定するものは4つです。ただし30行はすべて価格の数値を持たない扱いになっているため、価格帯のボタンを押すと一行も残らず、実際に使えるのは「すべて」と「価格不明」の二つだけです。

リンクサス酒販の列は30行のうち29行が全商品のページへ、1行だけが個別の商品ページへ進みます。Amazonと楽天の列はいずれも検索結果のページで、特定の出品を指してはいません。画像も7行は用意がなく空欄になります。

黒ビールと淡色ビール 代表30銘柄を度数の低い順に比較
この記事の比較表は、黒ビールを選ぶための一覧ではなく、代表的なビール30銘柄を度数の低い順に並べたものです。列は画像・銘柄とスコア・定価/市場相場・特徴・リンクサス酒販・Amazon・楽天・買取の8つで、ビアスタイルの列も産地の列も度数の列もありません。度数は銘柄名の末尾と特徴欄の文中に出てきます。30銘柄のうち黒ビールとはっきり分かるのはギネス ドラフトの1本だけで、ポーターやシュヴァルツ、ドゥンケルは含まれていません。
価格は 2026/08/10 更新
画像 銘柄・スコア 定価
市場相場
特徴 リンクサス酒販
本命
Amazon 楽天 買取
アサヒ ドライゼロ 350ml 0.00%1 アサヒ ドライゼロ 350ml 0.00%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢120〜180円(350ml缶)
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度数0.00%の代表格。休肝日や運転時の選択肢。

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サントリー オールフリー 350ml 0.00%2 サントリー オールフリー 350ml 0.00%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢120〜180円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

カロリー・糖質も0。度数0.00%のベンチマーク。

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ギネス ドラフト 330ml 4.2%3 ギネス ドラフト 330ml 4.2%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢280〜380円(330ml缶)
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黒く濃厚だが度数は4.2%と意外に低い。

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4 コロナ・エキストラ 355ml 4.6%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢250〜350円(355ml瓶)
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ライム映えする軽快ラガー。度数4.6%。

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5 ミラー ジェニュイン ドラフト 355ml 4.7%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢250〜340円(355ml瓶)
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クリアな飲み口のアメリカンラガー。4.7%。

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ヒューガルデン ホワイト 330ml 4.9%6 ヒューガルデン ホワイト 330ml 4.9%
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柑橘香る白ビール。度数4.9%で飲みやすい。

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アサヒ スーパードライ 350ml 5.0%7 アサヒ スーパードライ 350ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢200〜260円(350ml缶)
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辛口の国民的ラガー。標準的な度数5.0%。

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キリン 一番搾り 350ml 5.0%8 キリン 一番搾り 350ml 5.0%
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一番搾り製法の王道ピルスナー。5.0%。

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サッポロ生ビール黒ラベル 350ml 5.0%9 サッポロ生ビール黒ラベル 350ml 5.0%
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麦芽100%のプレミアム。コク深く度数5.0%。

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オリオン ザ・ドラフト 350ml 5.0%11 オリオン ザ・ドラフト 350ml 5.0%
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実勢220〜300円(350ml缶)
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沖縄の軽快ラガー。度数5.0%。

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ハイネケン 330ml 5.0%12 ハイネケン 330ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢250〜350円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

世界的ラガーの代表。標準度数5.0%。

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バドワイザー 355ml 5.0%13 バドワイザー 355ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢240〜330円(355ml瓶)
💎 プロのおすすめ

軽快なアメリカンラガー。度数5.0%。

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カールスバーグ 330ml 5.0%14 カールスバーグ 330ml 5.0%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢230〜320円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

北欧の定番ピルスナー。度数5.0%。

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15 ステラ・アルトワ 330ml 5.2%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢260〜360円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

ベルギー伝統のピルスナー。度数5.2%。

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16 ブルームーン 355ml 5.4%
★★★☆☆3/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢300〜420円(355ml瓶)
💎 プロのおすすめ

オレンジ映えする白ビール。度数5.4%。

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パンクIPA(ブリュードッグ) 330ml 5.4%17 パンクIPA(ブリュードッグ) 330ml 5.4%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢350〜550円(330ml缶)
💎 プロのおすすめ

ホップ全開のクラフトIPA。度数5.4%。

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サントリー ザ・プレミアム・モルツ 350ml 5.5%18 サントリー ザ・プレミアム・モルツ 350ml 5.5%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢250〜320円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

華やかな香りのプレミアム。度数5.5%。

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よなよなエール 350ml 5.5%19 よなよなエール 350ml 5.5%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢280〜380円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

香り高い国産クラフト。度数5.5%。

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シエラネバダ ペールエール 355ml 5.6%20 シエラネバダ ペールエール 355ml 5.6%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢350〜500円(355ml缶)
💎 プロのおすすめ

クラフト史を作ったペールエール。度数5.6%。

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オルヴァル 330ml 6.2%21 オルヴァル 330ml 6.2%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢600〜900円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

唯一無二のトラピスト。度数6.2%。

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レフ ブロンド 330ml 6.6%22 レフ ブロンド 330ml 6.6%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢350〜500円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

甘く香るベルジャンブロンド。度数6.6%。

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23 インドの青鬼(よなよなの里) 350ml 7.0%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢320〜450円(350ml缶)
💎 プロのおすすめ

苦味と度数7.0%の国産IPA。

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24 バラスト・ポイント スカルピンIPA 355ml 7.0%
★★★★☆4/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢450〜650円(355ml缶)
💎 プロのおすすめ

受賞IPA。度数7.0%でホップ強め。

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ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム 山崎原酒樽熟成2025 715ml 8.5%25 ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム 山崎原酒樽熟成2025 715ml 8.5%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
参考小売6,600円前後(715ml瓶)
💎 プロのおすすめ

ウイスキー樽熟成の限定品。度数8.5%。

在庫切れリンクサス入荷通知 価格を見るAmazon 楽天で探す 商品名検索 査定 買取
デュベル 330ml 8.5%26 デュベル 330ml 8.5%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢450〜650円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

軽快に飲めて度数8.5%の悪魔。

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シメイ ブルー 330ml 9.0%27 シメイ ブルー 330ml 9.0%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢500〜750円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

熟成で深まるトラピスト。度数9.0%。

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ウェストマール トリプル 330ml 9.5%28 ウェストマール トリプル 330ml 9.5%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢600〜850円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

トリプルの原点。度数9.5%。

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ロシュフォール10 330ml 11.3%29 ロシュフォール10 330ml 11.3%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢700〜1000円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

濃厚で度数11.3%の銘酒級ビール。

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30 サミクラウス クラシック 330ml 14.0%
★★★★★5/ リンクサス専属ソムリエスコア
実勢900〜1400円(330ml瓶)
💎 プロのおすすめ

度数14.0%、ビールの度数の上限級。

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価格は各モールの実勢を参考として掲載したもので(2026年6月時点)、最安値を案内する一覧ではありません。ビールはオープン価格のためメーカー定価の欄は使っておらず、30行のうち29行が実勢の相場、1行が限定品の参考小売価格です。30行とも価格の数値そのものは登録していないため、価格帯での絞り込みは機能しません。Amazonと楽天の列は検索結果のページ、買取の列は共通の窓口へ進みます。

スタウト・ポーター・シュヴァルツはどこで分かれるか

スタウトとポーターとシュヴァルツはどこで分かれるか
本記事の参考画像|スタウトとポーター

ここまで見たとおり、色の濃さに関わる用語として日本の制度が扱っているのは「黒ビール」「ブラックビール」「スタウト」の三つだけです。ポーターもシュヴァルツも、規約にも法令にも出てきません。この二つは醸造の伝統として使われている呼び名で、名乗るための条件を日本の制度が与えているわけではありません。

制度の側から言えることは、そう多くありません。スタウトを名乗るには濃色の麦芽と色の濃さに加えて「香味の特に強い」ことが要り、黒ビールにはその一句がない。差はここだけです。そして両方とも、条件を満たしていれば同時に表示してもかまいません。

ポーターとシュヴァルツについては、規約の不当表示の禁止のほうが効いてきます。規約 第6条第2号は原材料又は製造方法について実際のものよりも優良であると誤認されるおそれがある表示を禁じており、規約 施行規則 第3条第2号はその例として、特定の原材料等が多いことや少ないことを強調して品質が優れているかのように見せる表示を挙げています。呼び名そのものに基準が無くても、中身と離れた売り方は別の条文で止まる仕組みです。

温度とグラス|色の濃さは飲み方の指標にならない

温度とグラス|色の濃さは飲み方の指標にならない
本記事の参考画像|温度とグラス

色が濃いから常温がよい、という説明を見かけますが、制度の側にその根拠はありません。色度という数値は、四三〇ナノメートルの吸光度から出した値で、飲み頃の温度について何も語っていません。色の濃さは濃色の麦芽の使い方やカラメルの有無を示す目安にはなりますが、そこから先の温度や度数を決めるものではありません。

実務的な目安として言えるのは、冷やしすぎると香りが立ちにくくなる、という一般的な傾向くらいです。香りを取りたいなら口の広がったグラスを、泡を長く持たせたいなら細身のグラスを選ぶ。このあたりは黒ビールに固有の話ではなく、ビール全般に共通します。

黒ビールと買取|値がつくのはどんなときか

黒ビールと買取|値がつくのはどんなときか
本記事の参考画像|買取のご相談

率直に書きます。市販の缶ビールや瓶ビールは、賞味期限が近く単価も低いため、買取の対象にすることが難しい品です。黒ビールであることが値段を押し上げる要素にもなりません。

値がつく可能性があるのは、記念ボトルや長期熟成をうたう限定品、あるいは未開封の詰め合わせが箱ごと残っている場合です。とはいえ、当店に持ち込まれる品で中心になるのはウイスキー・ブランデー・日本酒で、ビール単体でのご相談は多くありません。

お手持ちの品をどう扱うか迷われたときは、リンクサス酒販の商品ページや、お酒買取のご案内をご覧ください。当店の在庫はウイスキーワイン日本酒焼酎が中心です。

よくある質問

黒ビールと名乗るのに色の濃さの数値基準はありますか。

ありません。輸入ビールの表示に関する公正競争規約 第4条第1項第3号は黒ビール及びブラックビール 濃色の麦芽を原料の一部に用いた色の濃いビールでなければ、黒ビール又はブラックビールと表示してはならない。と定めていますが、この文に数値は一つも含まれていません。酒税法・同施行令・同施行規則・酒類業組合法・食品表示基準の五本を走査しても「黒ビール」という語は一度も出てきません。

酒税法にある「色度四以上」は黒ビールの基準ではないのですか。

違います。色度は酒税法施行令 第7条の2が定める「ビールに類似する酒類」の要件で、財務省令で定める方法により測定した場合における光を吸収する度合を基礎として財務省令で定めるところにより算出した色度の値が四以上であること。と書かれています。これは酒税法 第3条第18号ハの発泡酒に当たるかどうかを決める線で、ビールの色の濃さを区分するものではありません。しかも苦味価五以上との二つを同時に満たす必要があります。

黒ビールの色は着色料でつけているのですか。

酒税法施行規則 第4条第1項は令第六条第一項第一号に規定する財務省令で定める着色料は、カラメルとする。と定めており、ビールに使える着色料はカラメルの一種類だけです。ただし黒ビールと表示するための条件は「濃色の麦芽を原料の一部に用い」ることなので、カラメルだけで色をつけたものはこの条件を満たしません。

カラメルを入れるとビールでなくなりますか。

なりません。カラメルは酒税法施行令 第6条第1項第1号の物品なので、ビールの原料として認められています。麦芽の重量がホップ及び水以外の原料の重量の合計の百分の五十以上であることは必要ですが、百分の五の上限がかかるのは同項第2号の果実や香味料だけです。

ビールのラベルに原材料名が書かれていないことがあるのはなぜですか。

食品表示基準 第5条が酒類を販売する場合 原材料名 アレルゲン 原産国名と定めているためです。酒類を販売する場合、原材料名・アレルゲン・原産国名の表示は要しないことになっています。一方で添加物はこの表に挙がっていないので、表示の義務が残ります。

カラメルは一種類ではないと聞きました。

食品衛生法の側では四つに分かれます。既存添加物名簿収載品目リストはカラメルⅠからカラメルⅣまでを別々の品目として掲げ、亜硫酸化合物やアンモニウム化合物を加えるかどうかで書き分けています。酒税法施行規則が使う語は「カラメル」の一語だけで、この四つを区別していません。

スタウトと黒ビールはどう違いますか。

規約の文言で違うのは「香味の特に強い」の一句だけです。第4条第1項第4号はスタウト 濃色の麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いビールでなければ、スタウトと表示してはならない。と定めています。濃色の麦芽と色の濃さはどちらにも共通しており、ビール酒造組合もなお、この特定用語の表示基準はビールを4つに分類したものではなく、それぞれの用語を表示する場合の必要条件を定めたものです。と書いています。

(リンクサス酒販 鑑定士チーム監修)

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