響21年 100周年記念ボトル

背景とコンセプト

Suntory（サントリー）は日本のウイスキー蒸溜所の草分けとして、1923年に創業者鳥井信治郎が日本初のモルトウイスキー蒸溜所を設立して以来、2023年に創業100周年を迎えました。この節目を祝い、響ブランドでは「百年の調和」をテーマに、Chief Blender（チーフブレンダー）深友 真二氏とそのチームが「Art of Blending（ブレンディングの技法）」を再考し、特別な21年熟成ブレンドを限定発売しました。

• 100周年リミテッドエディション：通常の響21年とは異なる原酒や樽構成、樽材の選定などを施し、サントリー100年の集大成としての個性を追求。

• Mizunara Oak（ミズナラ樽）の活用：従来のシェリー樽主体ではなく、日本のウイスキーらしさを象徴するミズナラ樽由来の風味を意図的に加味。日本文化・自然への敬意を込めた演出とされています。

ブレンドの特長

1. 構成原酒

   • 山崎、白州といったモルト原酒、チタ蒸溜所のグレーン原酒を含む複数の熟成年数の原酒を組み合わせ。特に21年熟成原酒を中心としつつ、100周年らしい奥行きを生むためにミズナラ樽由来の香味を強調。

   • ただし、詳細な樽の内訳や年代は企業秘密のため非公開だが、ミズナラの要素を加えることで“和の要素”をより際立たせている点が特徴 。

2. ブレンディングの意図

   • 「響」ブランドが追求する「和の調和」を、創業100年の歴史を映す重層的な香味として表現。

   • ミズナラのスパイシーでウッディなニュアンスを過度にならず繊細に調和させ、21年の熟成由来のまろやかさ・コクと溶け合わせることで、長い余韻と思索的な味わいを実現。

テイスティングノート

以下は公式および複数のテイスティング情報をもとにまとめたノートです。個人差はありますが、典型的な表現例としてお役立てください。

• 色合い（Color）

  • 淡いゴールド～琥珀がかったゴールド。熟成21年由来の落ち着きある色調ながら、ミズナラ樽の影響でやや深みのある輝きを帯びるとされる 。

• 香り（Nose）

  • トップノートに柑橘（ゆず・かぼすなど和柑橘類）のほのかなフレッシュ感や、白い花（ジャスミンなど）の繊細なフローラル。

  • 続いて、ミズナラ由来のスパイス感や、和香（沈香や白檀を想起させる柔らかなウッディネス）、軽いハチミツやバニラの甘いニュアンスが現れる。

  • 総じて、洗練された甘さと穏やかなウッディさ、多面的に変化する香りの層が感じられると評される。

• 味わい（Palate）

  • 口当たりは滑らかでシルキーなテクスチャー。初めは優しい甘み（ハチミツ、キャンディ、白桃や洋梨の熟成果実感）が広がる。

  • 中盤でミズナラのスパイス（クローブ、ナツメグに近い柔らかい辛み）、シナモンや軽いシダ香（沈香的要素）がアクセントとして顔を出し、奥行きを演出。

  • 熟成香として樽由来のトースティーなニュアンスや、かすかにチョコレートやナッツの陰影も伴う。バランスの良い甘みとスパイス感が調和。

• フィニッシュ（Finish）

  • 長く深い余韻。ミズナラウッディネスが後口に優雅に残りつつ、熟成21年のまろやかさがフィニッシュを優しく締めくくる。余韻中には和菓子を思わせるほのかな甘みと、ほろ苦いスパイスが交互に顔を出す印象。

  • 総じて、余韻の持続時間が長く、杯を傾けた後にも多層的な余韻がゆったりと続く体験が魅力。

以上のノートは、公式 House of Suntory の情報や複数の専門家レビューを参照した典型例です。

ボトルデザイン・パッケージ

• ラベル・ボトル形状

  • 「響」らしい丸みを帯びた琥珀色ボトルに金箔を想起させる繊細な意匠を配したデザイン。100周年の象徴として、通常版よりもエンボス加工や箔押しを強調した豪華仕様が施されることが多い。

  • パッケージ（化粧箱）は、和紙や漆調のテクスチャ、伝統文様をモチーフにした図柄を用い、「百年の調和」を視覚的に訴求。橋や季節の花（雪月花など）をあしらうこともあり、サントリーのクラフツマンシップと和の美意識を体現 。

• 限定感

  • 世界的に限られた本数のみ出荷されるため、コレクターズアイテムとしての価値が高い。ボトル底部や箱にシリアルナンバーが刻印されている場合もある。

  • 100周年記念であることを示すロゴや刻印がパッケージに明示され、贈答用にもふさわしい高級感を演出。

リリース情報・流通

• 発売時期：2023年（創業100周年イヤー）に限定発売。市場在庫は非常に少量であり、計画的な抽選販売やギフト向け優先供給等で配布されるケースが多い 。

• 市場価格：市場流通価格は750mlボトルでおおむね600,000～800,000円前後（国内正規小売ではさらに高騰する場合あり）、海外市場ではUSD数千ドルレベルで取引されることも多い。

• 入手難易度：非常に高い。正規店抽選やオンラインショップの抽選販売などで入手チャレンジが必要。転売市場やオークションではさらにプレミア価格になる傾向。

サービングの提案

• ストレート：まずは常温でグラスに注ぎ、香りの立ちや余韻をじっくり楽しむ。

• ロック：大型氷一片を用い、時間経過で開く香味を味わう。特にミズナラ由来のスパイス感が氷解とともにゆっくり変化。

• 加水（少量の水割り）：香りが開きやすく、フローラルやフルーツの甘みが際立つ。反面、まろやかさが損なわれやすいため、少量ずつ加減。

• フレーバー試験：テイスティング会等では、和菓子や柑橘を添え、香りの共鳴・対比を楽しむペアリング提案も有効。

注意事項

• 保存管理：長期熟成原酒を多く含むため、光や温度変動を避け、涼しく暗い場所で立てて保管。開封後はできるだけ早めに楽しむことを推奨。

• 法律遵守：未成年者飲酒禁止、飲酒運転禁止など法令やマナーを遵守の上で楽しむ。

• 投資的側面：限定品ゆえに価格変動や転売リスクがあるため、純粋に味わいを楽しむ用途か、投資／コレクション目的かを明確にして購入検討を。

まとめ

Suntory Hibiki 21 Year 100th Anniversary Editionは、創業100周年を祝う特別な21年熟成ブレンド。ミズナラ樽要素を取り入れたことで、従来の響21年よりも“和のウッディネス”が際立ち、多層的で深みのある香味体験を実現しています。限定本数ゆえに入手は困難ですが、その分コレクター価値と味わいの奥行きを堪能できる逸品です。

ぜひ正規店の抽選販売などでチャレンジされるか、テイスティング会で体験する機会を探し、この百年のクラフツマンシップを感じ取っていただければと思います。