みなさんは「ニッカカフェモルト」というウイスキーをご存知でしょうか?
ニッカカフェモルトは、余市や宮城峡、竹鶴といった銘柄でお馴染みのニッカウヰスキーが手がけるウイスキーの一つです。独特の製法で作られるウイスキーであり、類まれなる個性と人気を誇っています。
今回はそんなニッカカフェモルトに注目してみました。一体どのようなウイスキーなのか、製法や人気の理由を紹介しているのでぜひチェックしてみて下さい。
ニッカカフェモルトはどんなお酒?カフェ式連続蒸溜機とは?
ニッカウヰスキーがリリースするモルトウイスキー
ニッカカフェモルトは、ウイスキーの銘柄の一つです。余市や宮城峡といった銘柄で知られるニッカウヰスキーが手がけるウイスキーになります。なお国内での正規販売はアサヒビールが行なっています。
そんなニッカカフェモルトは、ニッカウヰスキーが所有する宮城峡蒸溜所で作られています。原料はモルトで、モルトらしい旨味や香りをしっかりと堪能できるのが魅力です。なお原料の一部にはスコットランドからの輸入原酒が使われており、いわゆるジャパニーズウイスキーには該当しません。しかし宮城峡蒸溜所らしいスムースでスイートな味に仕上がっており、確かなニッカウヰスキーの技術を感じ取れる傑作となっています。
カフェ式連続式蒸溜機を使って作られる
カフェグレーンといってもコーヒーとは関係ないぞ。イーニアス・カフェという連続式蒸溜機を改良して特許取得した人の名にちなんでいるんじゃ。その「カフェ式連続式蒸溜機」で蒸溜したグレーンウイスキーが、ニッカ カフェグレーンなんじゃ! pic.twitter.com/P8xCz46NY8
— ニッカウヰスキー【公式】 (@nikka_jp) November 18, 2014
ニッカカフェモルトは、他のモルトウイスキーとは大きな違いがあります。最大の特徴は、「カフェ式連続式蒸溜機」を用いて作られているという点にあります。
通常のモルトウイスキー作りでは、ポットスチルと呼ばれる単式蒸溜機が使われます。しかしニッカカフェモルトの製造では、ポットスチルではなくカフェ式連続式蒸溜機があえて採用されています。しかもニッカウヰスキーが保有するカフェ式連続式蒸溜機は、伝統的な旧式タイプとのこと。旧式タイプは蒸溜の効率こそ劣りますが、蒸溜液に原料由来の香りや成分が残りやすいという特徴があり、これがカフェモルトの旨味につながっているのです。
ちなみに旧式タイプのカフェ式連続式蒸溜機は1830年ごろに開発されたという伝統の設備で、開発者のイーニアス・カフェ氏の名をとってカフェスチルと呼ばれています。ニッカウヰスキーは1963年から、旧式タイプのカフェスチルを導入しています。ここにはニッカウヰスキー創業者である竹鶴正孝氏のこだわりが見られます。そして本物のウイスキーのおいしさを求めた結果、カフェ式連続式蒸溜機を使ったモルトウイスキーが誕生したとのことです。
ニッカカフェモルトの商品情報
- アルコール度数:45%
- 発売時期:2013年
- 容量:700ml
- 定価:6,600円(税込)
ニッカカフェモルトは、元々欧州で先駆けリリースされた商品です。発売後からすぐに注目を集め、その後日本でもリリースされるようになりました。海外からも日本国内からも飲まれているウイスキーであり、万人うけしやすい味わいであることがわかります。
なおニッカカフェモルトのアルコール度数は45%と通常のウイスキーよりやや高く設定されています。
ちなみにニッカカフェモルトはモルトが原料ですが、製法が特殊なので分類としてはグレーンウイスキーに分けられています。ただし味の特徴は他のグレーンウイスキーとは異なり、どちらかというとモルトウイスキーに近い個性を持つ仕上がりとなっています。
ニッカカフェモルトの味わい!スムースな口当たりと香ばしさが魅力
カフェモルト素晴らしく美味しい✨
— カリカリベーコン (@saltandpepper66) October 11, 2022
こりゃストレートでグイグイ飲んでしまう🥃 pic.twitter.com/smgyjTs3ZH
ニッカカフェモルトの味は、とにかくスムースで香ばしいのが特徴です。麦芽本来の甘さ・香りを持ちながらも、口当たりは軽く飲みやすいです。口に含んだ時はクリーミーな印象で、後味は爽やかでまとまりが良いです。これはカフェ式連続式蒸溜機で作られるからこその味わいと言えるでしょう。
ニッカカフェモルトの香りはバナナやメロンに例えられることも多く、果実のような印象とはちみつのような甘さがあります。柔らかなコクもあり、高めのアルコール度数でありながらもアルコール感が強すぎないのが魅力です。
そんなニッカカフェモルトは、ストレートのままはもちろんカクテルベースにしても美味しいのが特徴です。ニッカウヰスキーの公式サイトでもカクテルでの飲み方が推奨されており、中でもカフェモルトに角砂糖やビターズを合わせた“オールドファッションド”は王道の合わせ方として人気を集めています。
カフェモルト・オールドファッションドのレシピ
- ニッカカフェモルト・・・60ml
- 角砂糖(ブラウンシュガー)・・・1つ
- アロマティックビターズ・・・3クラッシュ
- オレンジピール・・・少量
オールドファッションドはウイスキーをベースにしたカクテルで、“我が道を行く”というカクテル言葉を持つドリンクです。言葉どおり流行などに左右されずにいつまでも美味しく飲める、そんなカクテルになっています。
作り方は簡単で、角砂糖を入れたグラスにアロマティックビターズを振り、氷を入れたのちにカフェモルトを入れればOKです。お好みでオレンジピールや、そのほかチェリーやレモンピールなどを添えると見た目も香りもレベルUPします。
シェイカー要らずで作れるカクテルなので、自宅でもトライしやすいです。ぜひカフェモルトを飲む機会があれば、オールドファッションドにもチャレンジしてみてください。
インターナショナルスピリッツチャレンジの受賞歴も
\速報じゃ/
— ニッカウヰスキー【公式】 (@nikka_jp) July 13, 2017
『ニッカ カフェモルト』が、世界的な酒類品評会である「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2017」のグレーンウイスキー部門において、カテゴリー最高賞となる“トロフィー”を受賞したぞい!
▼詳しくは▼https://t.co/exP6SDhZNO pic.twitter.com/mCUSY6ZmRg
ニッカカフェモルトの美味しさと実力は世界規模で認められています。2017年のインターナショナルスピリッツチャレンジ(ISC)では、グレーンウイスキー部門で最高賞となるトロフィーも獲得しています。最高賞トロフィーを受賞したニッカのウイスキーは、竹鶴21年ピュアモルト、フロム・ザ・バレルに続いて3作目です。
世界的な賞を受賞したことで、ニッカカフェモルトはさらに注目度が高まりました。ウイスキーブームの後押しもあり、国産シングルモルトに匹敵するような人気を誇るウイスキーに成長しています。
ニッカカフェモルトは終売で高騰?価格推移と再販予定はあるのか
ニッカカフェモルトは休売状態に
片っ端から終売…カフェモルトまで…😞 pic.twitter.com/cdOeGdQ1Sw
— pipi (@pipi_tw) March 16, 2019
参考までに
— やぁやん (@Yha_Yan_) November 16, 2021
宮城峡蒸溜所の有料試飲メニュー
これを見るとカフェモルトとカフェグレーンは終売ではなく休売らしい pic.twitter.com/6H2389LWdp
ニッカカフェモルトについて調べると、「終売」や「販売終了」が話題となっているのがわかります。
2018年ごろから国産のウイスキーは、軒並み品薄状態が続いています。ニッカカフェモルトも例外ではなく、原酒不足で定期的な供給ができなくなっているのが事実です。実際のところ終売(ブランド終了)ではないものの、2019年から休売状態にあります。宮城峡蒸溜所の試飲メニューをみても、休売商品であるマークが確認できると報告されています。
もともとは通年販売の定番商品としてリリースされていましたが、休売となったことで一気にレアウイスキーの扱いになっています。ニッカカフェモルトをお探しの方は、手に入りにくいウイスキーだということを覚えておきましょう。
流通価格は1万円以上まで高騰
ニッカカフェモルト ネット通販での価格推移 | |
---|---|
2015年 | 約5,000円 |
2018年 | 約5,800円 |
2019年 | 約9,000円 |
2020年 | 約11,000円 |
2021年 | 約12,000円 |
2022年 | 約13,000円 |
2023年予想 | 約14,000円 |
上表は、ニッカカフェモルトのネット価格の推移をまとめたものです。表を見てわかるように、休売となったニッカカフェモルトは市場での価格が現在高騰しています。終売以前は5,000円台で手に入っていたのが、2019年以降に価格が跳ね上がっているのが見て取れます。価格の上昇は今も続いていて、2022年末の時点でネット価格は10,000円~13,000円ほどという状況になっています。ニッカカフェモルトの定価は6,600円(税込)なので、およそ2倍に近い値段で売られているということになります。
近年はコレクション目的や投資目的でウイスキーを購入する方も増えてきています。レアなウイスキーであるニッカカフェモルトも、今すぐ飲む予定のない方からでも需要があるボトルとなっています。今後も休売状態が解消されない限り、価格高騰が続くと考えられるでしょう。
再販は未定だがきまぐれで作っていると噂も
宮城峡のカフェスチルで気まぐれで作ってるみたいですね😆
— ガレージBAR (Home bar)king (@BARking56014203) October 9, 2022
休売状態のニッカカフェモルト、「いつ再販するの?」「もう買えないの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。実は休売状態にあるといっても、一切生産されていないという訳ではないので安心してください。
通年商品としてはリリースされていないニッカカフェモルトも、宮城峡蒸溜所ではきまぐれで生産されているという報告があります。実際に酒屋や酒飯店にも、不定期で入荷しているのが確認できています。
酒販店の形態やタイミングによっては、店頭でニッカカフェモルトを定価購入できることもあります。定価で見かけることができたら非常にラッキーなので、ぜひ手に取ってみましょう。
カフェグレーンなどニッカのカフェスチルシリーズ
カフェスチルを使ったニッカのお酒は、ニッカカフェモルトだけではありません。ここからはニッカのカフェスチルシリーズである「ニッカカフェグレーン」やそのほかスピリッツについても紹介していきます。
ニッカカフェグレーン
- お酒の種類:グレーンウイスキー
- アルコール度数:45%
- 容量:700ml
- 定価:6,600円
ニッカカフェモルトと同じシリーズで、グレーン原酒で作られているのが「ニッカカフェグレーン」です。カフェスチルを採用することにより、一般的なグレーンウイスキーに比べて甘さがしっかりと残っているのが特徴です。 こちらもニッカカフェモルトと同様に休売状態のレアなウイスキーです。ネット価格も7,500円~9,000円程度にまで高騰しているので注意です。
甘味の感じられるグレーンウイスキーは、ストレートで飲んでもカクテルにしても美味しく、モルトとはまた違った魅力を感じられます。クリーンで軽やかな舌触りのウイスキーなので、非常に飲みやすいです。
ニッカカフェジン
- お酒の種類:ジン(スピリッツ)
- アルコール度数:47%
- 容量:700ml
- 定価:4,950円(税込)
ニッカのカフェスチルシリーズからは、新たにスピリッツも登場しています。その一つがニッカカフェジンで、透明なボトルとグリーンのラベルが目印です。
和柑橘のような香りが特徴のジンは、山椒のようなスパイス感の中にカフェスチルならではの甘い口当たりを感じ取ることができます。厳選されたボタニカルのニュアンスは、カクテルにしたときに非常に美味しく仕上がります。
ニッカカフェウォッカ
- お酒の種類:ウォッカ(スピリッツ)
- アルコール度数:40%
- 容量:700ml
- 定価:4,950円(税込)
ニッカカフェウォッカはブルーのラベルが目印です。コーンやモルトの甘みが目立つスピリッツで、深みがありつつもすっきりとした味わいに仕上がっています。アルコール度は40%と同シリーズのジンやウイスキーに比べて控えめで、カクテルにも取り入れやすいです。
懐の広いスピリッツなので、ウイスキーと組み合わせてカクテルにするのもおすすめです。そのほかフルーツに組み合わせたり、シンプルにソーダで割ったりと自分らしいアレンジを楽しめる1本です。
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まとめ
ニッカウヰスキーのニッカカフェモルトは、余市や宮城峡とは違った個性を持つウイスキーです。カフェスチルという特殊な設備で蒸溜されることにより、独特な甘みと柔らかさが生まれています。
休売商品のためいつでも購入できるボトルではありませんが、運が良ければ手に入れられるので狙ってみてください。なお同シリーズにはグレーンウイスキーやそのほかスピリッツもあるので、ぜひ気になる方はチェックしてみてください。