九州南部に位置する宮崎県は、1年中暖かい気候で暮らしやすい場所です。海や山に囲まれており自然豊かで、グルメなども人気です。
そんな宮崎県のお酒といえば焼酎がとにかく有名です。宮崎の焼酎はバリエーションが豊かで、デイリー向けに親しみやすいものからプレミアム焼酎と呼ばれるような銘柄まで揃っています。
そこで今回は、焼酎を筆頭とする宮崎県のお酒事情について解説していきます。
焼酎王国と呼ばれる宮崎県のお酒事情
宮崎県は焼酎の生産量・出荷量が全国1位
宮崎県は、焼酎の生産量・出荷量が何年にもわたり全国1位となっています。焼酎と言われると鹿児島県の印象が強いかもしれませんが、実は生産の面では鹿児島を超えるレベルを誇っています。なぜなら宮崎の焼酎酒造には全国区で名が知られているような会社や蔵が多く、地元だけではなく全国、そして世界に向けてもリリースされている銘柄・ブランドが多いためです。
また宮崎の焼酎は、バリエーションが豊富であることも特徴に挙げられます。鹿児島は芋焼酎、長崎は壱岐の麦焼酎が断トツに有名ですが、宮崎県では芋焼酎も麦焼酎も作られており、その製法もさまざまです。そんな宮崎の焼酎には飲みやすい味わいのものが多く、毎日の晩酌から飲み会、そしてお祝い事など特別なシーンまであらゆる場面で親しまれています。
都城市の霧島酒造はあまりにも有名
宮崎の焼酎ブランドの中でも特に有名とされているのが、都城市にある「霧島酒造」です。霧島酒造は居酒屋で定番の黒霧島や赤霧島を手がけるブランドであり、多彩で豊富な量の焼酎作りをおこなっています。宮崎県の焼酎生産量や出荷量が鹿児島県を超えているのは、この霧島酒造の存在が非常に大きく影響していると言えます。
なお霧島酒造は、工場見学なども開催しています。焼酎に興味がある方や宮崎に観光に訪れた方にはぜひお勧めしたいところです。
宮崎の焼酎はアルコール度数20%が多い
宮崎の焼酎といえば、アルコール度数20%のボトルが多いのも特徴に挙げられます。鹿児島や大分の焼酎は25%のものが多いので、これは宮崎ならではの個性と言えるでしょう。
宮崎に20%の焼酎が多いのには、酒税法の影響で密売が流行っていたことが関係しています。かつての酒税法では度数が25%以上の焼酎しか製造が許されておらず、アルコール度数の高い焼酎は高級品・嗜好品として発売されていました。その裏で、戦後の貧しい時代にはアルコール度数20%程度の粗悪品の焼酎が密造品として出回っていました。宮崎は特に密造業者が多いエリアで、クオリティの低い“焼酎もどき”が多かったといいます。
この事態に対策するため、戦後になると国は20度の焼酎を焼酎蔵にきちんと作らせるようになります。ここから宮崎では、アルコール度数20%の焼酎が多く流通するようになりました。現在でも宮崎で有名なブランドの多くが、25%の焼酎のほか20%の焼酎も製造しています。好みに合わせて度数を選べるのは、宮崎焼酎の大きなメリットと言えるでしょう。
焼酎以外のアルコールは作られていないの?
焼酎が圧倒的に有名な宮崎県ですが、焼酎以外のお酒が作られていないわけではありません。日本酒の酒造も僅かですが存在しています。また近年は焼酎の酒造がウイスキーやスピリッツの製造を手掛けているなど、多彩なお酒が作られています。
とはいえ圧倒的に生産量が多いのは、やはり焼酎です。なお宮崎の焼酎の中には、芋焼酎・麦焼酎のほかそば焼酎などのレア焼酎も存在しています。
黒霧島など宮崎県で人気のお酒ランキング9選
1位.黒霧島
- お酒の種類:芋焼酎
- 製造元:霧島酒造
- アルコール度数:20%、25%
- 容量:1,800mlなど
- 価格:1,800ml・25%ボトルで¥2,083(税込)
黒霧島は全国規模で有名な本格焼酎です。九州産のさつまいもをベースにした焼酎で、“黒麹”で仕込みをしているのが特徴です。
黒霧島はとろりとした甘味で飲み応えが抜群であり、それでいて後キレも良いので飲みやすいです。20%、25%の2種類があるので、好みの味わいを選びやすいのもメリットです。居酒屋などでも取り扱いが多く、芋焼酎の入口としてもおすすめです。
2位.百年の孤独
- お酒の種類:麦焼酎
- 製造元:黒木本店
- アルコール度数:40%
- 容量:720ml
- 価格:¥3,674(税込)
百年の孤独は麦焼酎をオーク樽で熟成した、長期熟成タイプの焼酎です。熟成が生み出す味わいの深さが魅力で、アルコール度数も40%と高くなっています。
ココナッツや香ばしい麦のようなニュアンスがあり、水割りやお湯割りなど様々な飲み方で楽しむことができます。定価購入の難しい希少な焼酎でもあり、有名な3Mの焼酎と並んでプレミアム焼酎とも言われています。
3位.㐂六(きろく)
- お酒の種類:芋焼酎
- 製造元:黒木本店
- アルコール度数:25%
- 容量:720ml
- 価格:¥1,375(税込)
㐂六は百年の孤独で有名な黒木本店が手がける芋焼酎の銘柄です。穀物の甘みの中に紅茶のような香りが感じられる焼酎で、厚みのある香りに魅力があります。
バランスの取れた丸みのある味わいは、飲みやすく初心者にもおすすめです。通常ボトルのほか、冬季限定で無濾過ボトルがリリースされることもあります。
4位.木挽ブルー
- お酒の種類:芋焼酎
- 製造元:雲海酒造
- アルコール度数:20%、25%
- 容量:1,800ml、720mlなど
- 価格:1,800ml・20%ボトルで¥1,789(税込)
木挽ブルー(こびきブルー)は爽やかな口当たりの本格芋焼酎です。宮崎の海から採取した「日向灘黒潮酵母」という独自の酵母を使用して作られる焼酎で、味わいがスッキリとしているのが特徴です。
宮崎の焼酎らしく20%と25%の2種類があり、またボトルサイズも豊富なので自分の飲みたいバランスで購入できます。ソーダ割りやロックにして食中酒として楽しむのにもおすすめです。
5位.赤霧島
- お酒の種類:芋焼酎
- 製造元:霧島酒造
- アルコール度数:25%
- 容量:1,800mlなど
- 価格:1,800mlボトルで¥2,607(税込)
赤霧島は黒霧島で有名な霧島酒造の焼酎です。こちらは黒霧島と同様に芋焼酎ですが、素材や製法に違いがあります。紫優(ムラサキマサリ)と呼ばれる紫芋を原料にしているのがポイントで、この芋で作られるもろみが真っ赤になることから“赤霧島”と名付けられています。なお赤霧島は黒霧島とは麹も異なり、白麹が使用されています。
紫芋ベースに作られる赤霧島は、黒霧島よりも香りの華やかさに定評があります。香りは強めですが上品で、甘味もあり飲みやすいです。
6位.中々
- お酒の種類:麦焼酎
- 製造元:黒木本店
- アルコール度数:20%、25%
- 容量:720ml、900mlなど
- 価格:720ml・25%ボトルで¥1,265(税込)
中々も、百年の孤独と同じ黒木本店の焼酎です。酒造を代表する麦焼酎の一つで、ローストされたような麦の香りに定評があります。
黒木本店は高級な焼酎が多い印象ですが、中々はコスパにも優れておりデイリーに取り入れやすいです。味わいも辛すぎず・甘すぎずの絶妙バランスで、万人受けしやすいです。
7位.尾鈴山 山ねこ
- お酒の種類:芋焼酎
- 製造元:尾鈴山蒸留所
- アルコール度数:20%、25%
- 容量:720ml、1,800mlなど
- 価格:1,800ml・25%ボトルで¥2,882(税込)
山ねこの焼酎は尾鈴山蒸留所にて作られています。尾鈴山蒸留所は黒木本店の別蔵であり、宮崎県尾鈴山に蔵があります。軟水である尾鈴山の伏流水から作られる芋焼酎は、とにかく優しく柔らかな酒質に定評があります。
現状にはジョイホワイトという芋を使用していて、栗のような甘さが表現されています。木樽仕込みで2年以上熟成されている焼酎であり、熟成のコクも味わうことができます。クリアな印象の芋焼酎をお探しの方におすすめな1本です。
8位.OSUZU MALT NEW BORN
ジャパニーズウイスキーの日ということで、ちょうど今日届いた #尾鈴山蒸留所 のOSUZU MALT NEW BORNを尾鈴山グラスで!#ジャパニーズウイスキーの日 #黒木本店 #TWLC pic.twitter.com/ay5lPlEqLO
— まえちゃん (@maechan_lqr) April 1, 2022
- お酒の種類:ウイスキー
- 製造元:尾鈴山蒸留所
- アルコール度数:59%
- 容量:700ml
- 価格:¥11,550(税込)
OSUZU MALTは、黒木本店の別蔵・尾鈴山蒸留所にて作られるモルトウイスキーです。焼酎作りで培ってきた技術を詰め込んだウイスキーで、宮崎県産の栗とアメリカンオークを使った樽で18ヶ月熟成されているのが特徴です。
クラフトウイスキーのような立ち位置で、流通量が少なく希少価値が高まっています。ウイスキー好きの方は必見の1本です。
9位.那由多の刻
- お酒の種類:そば焼酎
- 製造元:雲海酒造
- アルコール度数:25%
- 容量:1,800ml、720mlなど
- 価格:1,800mlで¥2,420(税込)
那由多の刻はそばを原料にしたそば焼酎です。九州山地の水を使って仕込まれており、そば焼酎らしい華やかな香りが特徴です。長期熟成タイプで、まろやかな琥珀色をしています。逸品の焼酎として高いクオリティを誇っています。
お土産に人気!宮崎県でしか買えないお酒・焼酎
霧島《宮崎限定》
- お酒の種類:芋焼酎
- 製造元:霧島酒造
- アルコール度数:20%
- 容量:1,800mlなど
- 価格:1,800mlボトルで¥1,779(税込)
霧島酒造からは、全国向けのボトルのほか宮崎限定の焼酎も販売されています。霧島酒造創業100周年の節目にリリースされた焼酎で、原点回帰の白麹仕込みとなっています。
響くような飲み応えと長い余韻があり、満足度が高めです。濃厚なコクはお湯割との相性が抜群です。
川越
- お酒の種類:芋焼酎
- 製造元:川越酒造場
- アルコール度数:25%
- 容量:1,800ml
- 価格:1,800mlボトルで¥3,380(税込)
川越は宮崎県にある小さな蔵元で作られる芋焼酎です。朝掘りした芋をその日のうちに仕込んで作られる、新鮮な味に魅力があります。
国際線のファーストクラスで販売されたこともある銘柄で、人気が高く入手が難しいです。信頼できる小売店にしか卸されておらず、レアな焼酎となっています。
宮崎の焼酎はどう飲むのが正解?合わせたいおつまみも!
宮崎の焼酎は飲みやすい味のものが多く、自分の好みの飲み方で楽しむことができます。アルコール度数20%と低めのボトルも多いので、ストレートやロックで素材そのままの味を堪能することができます。ストレートだと芋や麦の旨味を感じやすく、ロックだと口当たりが軽くなり飲みやすさが増します。
また焼酎の定番である水割り・お湯割りにするのももちろんOKです。水割りの場合は、前日から割っておく“前割り”が特におすすめです。割合は焼酎:水=6:4程度がバランス良いですが、濃い味がお好きな方は7:3程度に濃く作るのもありです。
このほか焼酎をソーダで割り“焼酎ハイボール”にしたり、水割りの焼酎を後から温める“燗付け”にしたりするのもおすすめです。焼酎を割ることで爽やかさが増すので、濃い味の食事とも合わせやすくなります。
宮崎の焼酎に合わせたいおつまみ
全都道府県🗾の料理を「おうちで食す」☝️
— HIRO∞YUKI (@hiro_19780221) January 24, 2021
宮崎県の『肉巻きおにぎり』🐷『鶏の炭火焼き』🐓『チキン南蛮』🐓『冷や汁』😋
芋焼酎『黒霧島』と一緒にいただきまーす🍠😋#おうちごはん #都道府県飯 #宮崎県#料理好きな人と繋がりたい #乾杯🍻#Twitter晩酌部 #Twitter家庭料理部 pic.twitter.com/chDOYCXVxd
宮崎といえば、グルメも有名です。宮崎の焼酎は食事とも合わせやすいので、ぜひ名産品とのマリアージュを楽しんでみましょう。
宮崎で有名なのはチキン南蛮です。甘タレのジューシーな味は、水割りやハイボールにした焼酎との相性が抜群です。また海鮮系の料理も、宮崎焼酎に組み合わせるのにおすすめです。
まとめ
宮崎県は、焼酎王国と呼ばれるほど焼酎が有名です。黒霧島のような全国区の銘柄から、百年の孤独のようなレア焼酎までその種類はさまざまです。
お酒が好き、焼酎が好きな方にとっては、ぜひ注目したいエリアだと言えるでしょう。飲みやすい銘柄が多いので、焼酎にこれから挑戦してみたいという方もぜひチェックしてみてください。