今回は厚岸ウイスキーの特徴や人気の理由に触れていきます。現在登場している二十四節気シリーズについても紹介しているので、ウイスキー選びの参考にぜひご覧ください。
厚岸ウイスキーは新進気鋭の北海道産・地ウイスキー
アイラモルトに似た魅力を持つ厚岸ウイスキー
厚岸ウイスキーは、北海道で製造されているウイスキー銘柄の一つです。北海道厚岸町に蒸溜所があることから“厚岸(あっけし)”と名付けられています。
製造元は元々食品の輸出入を手がけていた堅展実業という会社です。近年北海道の厚岸町に「厚岸蒸溜所」を設置し、ウイスキーづくりを開始しています。
厚岸の土地は霧が多く湿潤な気候が特徴的であり、この環境がウイスキー作りに適していると言われています。特にウイスキーの本場であるスコットランドの“アイラ島”に似ていて、厚岸蒸溜所では「スコットランドのような伝統的な製法で、アイラモルトのようなウイスキーを造りたい」という考えのもとウイスキーづくりが行われています。
このように恵まれた環境にある厚岸蒸溜所は、蒸溜設備や熟成環境にもこだわりを持っています。本場アイラ島でも採用されているスコットランドのフォーサイス社製の設備を導入、さらに仕込みにはピートの効いた水を使用しており、完成される味わいは本格的なものとなっています。熟成樽もバーボンやシェリー、ワインカスクに加えレアなミズナラ樽なども採用していて、多彩な原酒の作り分けが行われています。
厚岸ウイスキーが愛される理由
厚岸ウイスキーは2016年蒸溜開始と歴史が浅いです。製品化されたのは2018年が最初であり、最初には「厚岸NEW BORN」というボトルがリリースされました。そんな厚岸のウイスキーは今市場で大きな注目を浴びており、歴史が浅いながらもサントリーやニッカウヰスキーなど大手のウイスキー銘柄と遜色ないほどの人気を集めているような状況です。厚岸蒸留所見学
— 那雲 (@Film_Walker) August 5, 2022
現地で飲む厚岸ウイスキーは最高です pic.twitter.com/KOjiFPboEI
厚岸ウイスキーがここまで愛される理由には、「本場スコットランドのようなクオリティがある」ということに加え、「ボトルの種類が豊富でそのほとんどが希少品である」ということが関係しています。厚岸の蒸溜所ではさまざまなウイスキーが作られていますが、時期によってラインナップが変わり、リリースされてきた大半の商品が数量限定品となっています。
かつての限定ボトルは今や入手困難で、市場では定価の何倍もの値がつけられているような状況です。このようにレアなウイスキーである厚岸は、コレクターや投資家からの注目度も高くなっています。
厚岸の限定ウイスキー二十四節気シリーズとは
3ヶ月おきに発表される厚岸の数量限定ウイスキー
昨日は二十四節気の大暑でした。
— lounge_bar_selene (@SeleneLounge) July 24, 2023
大暑は夏の暑さが本格的になる頃という意味です。
また厚岸二十四節気シリーズの ブレンデッドウイスキー大暑と大寒 が英国で開催されたインターナショナル スピリッツ チャレンジ2023にてジャパニーズウイスキー部門で銀賞を受賞いたしました。#厚岸ウイスキー pic.twitter.com/GvkywxkX8h
厚岸のウイスキーの中でも、特に人気を集めているのが「二十四節気シリーズ」です。こちらは2020年10月から販売が開始された厚岸の限定ウイスキーで、約3ヶ月に1回のペースで新作がリリースされています。それぞれボトルによってウイスキーの製造方法や原材料、テーマなどが異なっており、同じボトルは今のところ復刻リリースされていません。
ちなみに二十四節気とは、もともと四季や気候を分ける言葉を意味しています。「立春」「春分」「夏至」「大暑」「処暑」「立冬」・・・のように1年が24つの季節に分けられ、時期によってそれぞれ名前が割り振られています。厚岸の二十四節気シリーズにも、この節気名がそれぞれつけられています。例えば「厚岸 シングルモルトウイスキー寒露」や「厚岸ブレンデッドウイスキー 雨水」といったようなボトルがあります。
なお二十四節気は24つの季節がありますが、今のところ厚岸ウイスキーから発表されているのは第10弾のボトルまでです。今後もさまざまなネーミングで新作が発表されて行くことが予想されるので、ぜひ注目してみましょう。そして厚岸のウイスキーは、実際の二十四節気の順番にリリースされているわけではないという点には注意です。全シリーズ揃えたいという方は、何弾のボトルにどのような名前がつけられているかにも目を向けてみましょう。
シングルモルトとブレンデッドウイスキーが存在する
厚岸の二十四節気シリーズは、ボトルごとにウイスキーの作り方が異なります。“シングルモルトウイスキー”の商品と“ブレンデッドウイスキー”の商品があるので、ウイスキーの違いについても比べてみましょう。
シングルモルトのシリーズは、厚岸モルトの個性を感じやすい仕上がりでピート感や柑橘風味に魅力があるものが多いです。アルコール度数も一般的なウイスキーに比べ高めに設定されているのが特徴で、濃厚で重厚な印象を受けます。
一方でブレンデッドウイスキーのボトルは、厚岸らしい個性を残しつつもグレーンが混ざることでバランスの取れた味わいになっています。初心者でも飲みやすいウイスキーであり、ハイボールや食中酒にも向いています。
そして厚岸二十四節気シリーズの中には、ジャパニーズウイスキーの定義を満たしたボトルも存在します。ウイスキーの種類やジャンルについてはネーミングやラベル、商品情報を見るとわかるので、好みの厚岸を探したい方は必見です。
寒露から啓蟄まで二十四節気シリーズの特徴・定価と流通価格
シリーズ名 | 発売日 | |
---|---|---|
第一弾 | シングルモルトウイスキー寒露 | 2020年10月28日 |
第二弾 | ブレンデッドウイスキー雨水 | 2021年2月28日 |
第三弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー芒種 | 2021年5月28日 |
第四弾 | ブレンデッドジャパニーズウイスキー処暑 | 2021年8月下旬 |
第五弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー立冬 | 2021年11月下旬 |
第六弾 | ブレンデッドウイスキー大寒 | 2022年2月下旬 |
第七弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー清明 | 2022年5月下旬 |
第八弾 | ブレンデッドウイスキー大暑 | 2022年8月下旬 |
第九弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー大雪 | 2022年12月上旬 |
第十弾 | シングルモルトジャパニーズウイスキー啓蟄 | 2023年2月下旬 |
【第一弾:2020年10月発売】厚岸シングルモルトウイスキー寒露
- 原材料:モルト
- アルコール度数:55%
- 限定本数:15,000本
- 定価:16,500円(税込)
- 流通価格:約70,000円
- 寒露(かんろ)とは・・・二十四節気の17番目で、新暦では10月上旬ごろ秋の始まりの時期
寒露のボトルはワイン樽やバーボン樽、シェリー樽、ミズナラ樽の3年熟成原酒がブレンドされていて、ドライフルーツのような甘く重厚な香りが印象的です。いちごやオレンジ、りんごといったフレッシュな甘さを感じられるボトルで、ストレートやトワイスアップなどで香りを楽しみながら飲むのがおすすめです。
【第二弾:2021年2月発売】厚岸ブレンデッドウイスキー雨水
- 原材料:モルト、グレーン
- アルコール度数:48%
- 限定本数:15,000本
- 定価:11,000円(税込)
- 流通価格:約30,000円
- 雨水(うすい)とは・・・二十四節気の2番目で、新暦では2月中旬ごろ。雪が水に変化する時期。
ブレンデッドウイスキーのボトルはシングルモルトよりもやや安く、定価は11,000円での販売でした。なお2021年2月に限定リリースだったため、現在は定価での入手はほぼ不可能です。
雨水は厚岸モルトらしい甘く薫り高いピート香のなかに、スコットランド産グレーン由来の軽やかさが加わっています。レモンやライム、洋梨のような爽やかさもあり非常に飲みやすい仕上がりです。
【第三弾:2021年5月発売】厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー芒種
- 原材料:モルト
- アルコール度数:55%
- 限定本数:10,000本
- 定価:16,500円(税込)
- 流通価格:約60,000円
- 芒種(ぼうしゅ)とは・・・二十四節気の9番目で、新暦では6月上旬。稲や麦といった芒の種を撒くころ
アイラモルトに近いウイスキーは、モルトファンにとってはたまらない存在と言えるでしょう。
【第四弾:2021年8月発売】厚岸ブレンデッドジャパニーズウイスキー処暑
- 原材料:モルト、グレーン
- アルコール度数:48%
- 限定本数:10,000本
- 定価:11,000円(税込)
- 流通価格:約35,000円
- 処暑(しょしょ)とは・・・二十四節気の14番目で、新暦では8月中旬〜下旬ごろ。大麦畑に穂が実り始める時期。
ストレートのほか加水やハイボールで飲むのもおすすめです。割って飲んでも薄れにくい個性があります。
【第五弾:2021年11月発売】厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー立冬
- 原材料:モルト
- アルコール度数:55%
- 定価:19,800円(税込)
- 流通価格:約50,000円
- 立冬(りっとう)とは・・・二十四節気の19番目で、新暦では11月上旬。暦の上での冬の始まりで北国には雪も見え始める
シェリー樽メインで甘味やコクの強いシングルモルトであり、チョコレートのような甘さや黒糖のような香りに例えられることもあります。芳醇、リッチな味のウイスキーがお好みの方におすすめの1本です。
【第六弾:2022年2月発売】厚岸ブレンデッドウイスキー大寒
- 原材料:モルト、グレーン
- アルコール度数:48%
- 定価:13,200円(税込)
- 流通価格:約35,000円
- 大寒(だいかん)とは・・・二十四節気の24番目で、新暦では1月中旬〜下旬のころ。氷点下の厳しい気温になることも
寒い冬にも暖を取れるようなウイスキーであり、キーモルトには北海道のミズナラ樽原酒が使われています。シェリー樽やワイン樽の甘味や華やかさも感じられる、重みやコクを感じられる仕上がりです。
【第七弾:2022年5月発売】厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー清明
- 原材料:モルト
- アルコール度数:55%
- 定価:19,800円(税込)
- 流通価格:約45,000円
- 清明(せいめい)とは・・・二十四節気の5番目で、新暦では4月上旬。春の穏やかな日差しで清々しさを感じる時期
コクとビターな甘さが感じられるシングルモルトで、ふんわりとした塩気もあります。甘味とピートのバランスがよく心地よさを感じられる1本に仕上がっています。
【第八弾:2022年8月発売】厚岸ブレンデッドウイスキー大暑
- 原材料:モルト、グレーン
- アルコール度数:48%
- 定価:13,200円(税込)
- 流通価格:約26,000円
- 大暑(たいしょ)とは・・・二十四節気の12番目で、新暦では7月中旬のころ。一年でもっとも暑さが厳しい時期と言われる
【第九弾:2022年12月発売】厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー大雪
- 原材料:モルト
- アルコール度数:55%
- 定価:19,800円(税込)
- 流通価格:約45,000円
- 大雪(たいせつ)とは・・・二十四節気の21番目で、新暦では12月上旬。雪が盛んに降り出す頃で北海道は厳しい寒さに
余韻にはハーブティーのようなニュアンスもあり、樽香も現れます。厚岸らしいピートやスモーキーさも健在です。
【第十弾:2023年2月発売】厚岸シングルモルトジャパニーズウイスキー啓蟄
- 原材料:モルト
- アルコール度数:55%
- 定価:19,800円(税込)
- 啓蟄(けいちつ)とは・・・二十四節気の3番目で、新暦では3月上旬。土にこもっていた生き物たちが目を覚まし始めるころ。
ピート感強めのウイスキーで、紅茶やバニラのようなフルーティーさも合わさっています。
厚岸二十四節気シリーズの購入方法!新作抽選販売なら定価購入も
新作ボトルは抽選販売で定価購入を狙おう
厚岸二十四節気シリーズは、新作ボトルなら定価で買えるチャンスがあります。ただし一般販売はされていないことがほとんどなので、抽選販売を狙うようにしましょう。
抽選販売は百貨店や酒屋などで定期的に開催されています。例えば2023年3月の時点なら、「啓蟄」や「大雪」などのボトルを抽選販売で狙うことができます。
一方それ以前の過去ボトルは、すでに流通量が少なく入手自体が困難なので注意です。
お得に入手したいならふるさと納税もおすすめ
厚岸の二十四節気シリーズは、ふるさと納税の返礼品になっている場合があります。北海道厚岸町の返礼品としてお得に入手できることがあるのでぜひ調べてみましょう。厚岸など希少ウイスキーの買取はリンクサスがおすすめ
厚岸のウイスキーは現在高騰化しており、今後も価格は上がっていく見込みです。お酒買取専門店でも高額買取の対象になるので、手放そうと考えている方は買取専門店をぜひ利用してみましょう。厚岸を売る場合は、ウイスキーの買取を得意とする買取業者を選ぶようにしましょう。お酒買取専門店リンクサスも厚岸の買取を現在強化しているので、ぜひご活用ください。
リンクサスは店頭買取のほか、出張買取や宅配買取にも対応しています。お客様負担0円で相談のみの利用も可能なので、厚岸を売りたい方はもちろん相場が知りたい方、相見積もりご希望の方もまずはご連絡ください。
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まとめ
厚岸の二十四節気シリーズは、ピーティーな印象のウイスキーでファンが多いです。シングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーがあり、ラインナップによって個性が変わるのでぜひ比べてみましょう。2023年2月時点では第十弾までが発表されています。厚岸のウイスキーは期間限定・数量限定の品が多く、過去に発売されたボトルには高い価値が付けられています。新作なら抽選販売で定価購入も狙えるのでぜひチェックしてみましょう。