近年のウイスキーブームで、シェリー樽熟成のウイスキーが注目されています。その中でも、スコットランド・ハイランド地方の「グレンドロナック」は、特にその独自の香りと味わいで人気のウイスキーです。
しかし、「グレンドロナック 終売」という噂も耳にすることがあり、実際に一部のボトルが終売となったり、復刻されることもあります。
今回の記事では、グレンドロナックの魅力に加え、終売となったボトルや、現在購入可能なラインナップについてもご紹介します。
また、シェリー樽由来のフルーティーな甘さとスパイシーさが特徴のこのウイスキーが、なぜ一部で「終売」と噂されているのか、そしてその人気を支える要因についても解説します。
フルーティーなボディが魅力のグレンドロナック
ハイランド地方のシングルモルト「グレンドロナック」
せっかくなので他のと色が濃い順に左から並べてみました。バッチ9より度数低いのに色はバッチ9より濃いです。#グレンドロナック pic.twitter.com/MDLX9hTMRM
— やまちゃん@ウイスキー (@yamawtweet) June 23, 2022
グレンドロナックはスコットランド・ハイランド地方で作られているシングルモルトの銘柄です。蒸留所の創業は1826年と古く、歴史あるウイスキーの一つとして「ザ・マッカラン」などと並び世界でも高い知名度を誇っています。
日本でもアサヒビールが輸入販売を行なっているため、「グレンドロナック12年」「グレンドロナック18年」など多くのボトルが流通しています。親しみやすくバランスの取れた風味、それでいて他にない独創的な味わいで人気を集めています。
グレンドロナックはフルーティーな甘味を感じるテイストで、ドライで芳醇なフレーバーに特徴があります。シェリー系のシングルモルト好きな方には特におすすめできるウイスキーと言えます。
シェリー樽熟成のエキスパート
グレンドロナックは、シェリー樽熟成の比率が高いのが特徴です。使用するのはヨーロピアンオークのシェリー樽で、辛口のオロロソと甘口のペドロヒメネスの2種類を組み合わせているのがポイントです。
オロロソシェリーは、“パロミノ種”というブドウをメインに作られます。オロロソにはスペイン語で香り高いという意味があり、この樽を使って作られるウイスキーは辛口・フルボディーな味わいになるのが特徴です。
一方でペドロヒメネスシェリーは、“ペドロ・ヒメネス”というブドウ品種で作られます。糖度が高いことで知られており、ペドロヒメネスのワインは「世界一甘いワイン」と言われるほどです。
つまりグレンドロナックは、甘辛それぞれのシェリー樽原酒を組み合わせていることになります。この配合により、フルーティーな厚みで飲みごたえがありながらも、他のシェリー系ウイスキーに比べほんのりライトな感覚を味わえるようになっています。
原料や製法へのこだわり
グレンドロナックは、原料にスコットランド・ハイランド地方で作られた大麦を100%使用しています。製法の一部にスコッチ伝統の“フロアモルティング”を採用していて、じっくり時間をかけて丁寧に製麦しています。
さらに仕込み水にもこだわっていて、蒸留所のある位置から7キロほど離れた“命の水”と呼ばれる井戸水を使用しています。
地元の原料を伝統製法でウイスキーに変えることで、愛される味わいの商品を生み出し続けています。
グレンドロナックの終売情報とラインナップ・価格や特徴を紹介
1.グレンドロナック12年
- アルコール度数:43%
- 定価:6,347円(税込)
- 終売情報:2024年10月7日出荷分からパッケージのリニューアルされていますが、終売の情報はありません
グレンドロナック12年は、いわゆる12年熟成もののウイスキーです。2種類のシェリー樽で熟成した原酒をバランスよく組み合わせた、シングルモルトのスコッチとなります。
定価6,000円程度、流通価格はそれより安いため、コスパがよく挑戦しやすいボトルとして人気があります。
ハチミツやチョコレートを思わせる甘味の中に、オロロソシェリー由来のほんのりとしたスパイス感がアクセントになっています。
2.グレンドロナック15年
- アルコール度数:46%
- 定価:11,000円(税込)
- 終売情報:2015年に一度終売となりましたが、2018年よりリバイバルとして再販されています。
グレンドロナック15年は、酒齢15年以上の原酒を使った熟成タイプのウイスキーです。
濃厚でシルクのようなしっかりした飲み口があり、レーズン、いちご、ブラックベリーのような果実感、そしてナッツやプリンのような香ばしさもあります。
3.グレンドロナック18年
- アルコール度数:46%
- 定価:14,388円(税込)
- 終売情報:終売の情報はありません
グレンドロナック18年は、オロロソシェリー樽100%の熟成ボトルです。
甘口原酒を混ぜていませんが、熟成により深みが出ているのが特徴です。ドライな香味に渋み・酸味のある味わいで、バニラのような香り、カカオのような深みも感じられます。
“シェリー爆弾(ボム)”といった異名で呼ばれるボトルでもあり、個性のあるシェリーの風味を感じられるのが特徴です。加水せずにストレートで飲むのがおすすめです。
4.グレンドロナック21年
- アルコール度数:48%
- 定価:19,217円(税込)
- 終売情報:終売の情報はありません
グレンドロナック21年は、酒齢21年以上の原酒を使用したボトルです。グレンドロナック12年のように、辛口のオロロソシェリーに極甘口のペドロヒメネスシェリー原酒が混ぜられています。
マッカランなどの甘めなシェリー樽ウイスキーに比べ、オロロソのドライな味わいが際立っています。レーズンやカカオのような甘く深いニュアンスも感じ取ることができます。
12年ものと香りの雰囲気はやや似ていますが、長期にわたる熟成で12年ボトルにはない長い余韻が生まれています。グレンドロナックの中でも高級ボトルに該当するため、リッチな気分を堪能したい時におすすめです。
5.グレンドロナック トラディショナリーピーテッド
- アルコール度数:48%
- 定価:8,360円(税込)
- 終売情報:終売の情報はありません
グレンドロナックトラディショナリーピーテッドは、昔ながらのピーテッド麦芽を使用したスモーキーな風味が特徴です。
ここにシェリー樽由来の芳醇な香りと味をつけることにおり、グレンドロナックオリジナルの味わいに仕上がります。
フェノール値25ppmの麦芽を使用することで、程よいスモーキーさが生まれています。バニラやトフィーのような甘さも感じ取ることができます。
6.グレンドロナック カスクストレングス
グレンドロナック12年カスクストレングス バッチ3
— 秩父令和商会🥃お酒が飲めるお土産屋&秩父で蜂蜜酒造ってる人 (@chichibureiwa) July 4, 2021
ペドロヒメネスとオロロソカスクをバッティングしたシェリー三昧。
シェリー系の贅沢な香味、赤いフルーツ系の甘さ、甘さを切ってくれる心地よく魅惑的なサルファー。
後味はきちんと甘味もあるビターチョコレートが口内に長く続く。
15ml ¥1,000 pic.twitter.com/Fha1Q0C3zX
- アルコール度数:約60%
- 定価:約12,000円
- 終売情報:終売の情報はありません
グレンドロナックには、カスクストレングスの限定品もあります。
カスクストレングスは加水なしでそのままボトリングしたウイスキーのことで、高い度数と濃厚でフルボディな味わいを楽しめるのが特徴です。グレンドロナックらしいシェリーのインパクトをさらに感じたい方におすすめできます。
なおカスクストレングスはそのままボトルに詰めるため、バッチによって味わいやアルコール度数に差があります。グレンドロナックの味わいが好きな方は、飲み比べて見るのも楽しいかもしれません。
グレンドロナック終売の噂は本当?
終売になったボトルも多数
グレンドロナック21年
— ぱじゃまん💫🌶🐈 (@pajaman46497) June 6, 2022
終売したから、値段が2倍になっていた🥃 pic.twitter.com/DDxPhTyWL0
グレンドロナックを調べると、終売の噂が出回っていることがわかります。グレンドロナックは蒸留所自体が閉鎖したわけではありませんが、シリーズによっては実際に終売となっているボトルもあります。
具体的には「グレンドロナック8年ヒーラン」が既に終売しているほか、ここ最近では18年・21年ボトルも終売が噂されています。終売の理由にはさまざまな要因が考えられますが、グレンドロナックは蒸留所が1996〜2002年の期間創業停止をしていたため、一部の長期熟成酒が欠けており、リリースが難しいボトルがあると考えられています。
リバイバル=復刻したボトルもあり
復活したグレンドロナック15年
— Cafe & Malt Bar Orkney (@tahisyun17) April 12, 2019
終売前のボトルと原酒構成が違うけど、前のボトルに近い感じに仕上がってるといいな
ドライクール叩き売り中🍺 pic.twitter.com/CFnCkfUD85
人気により終売となるシングルモルトがある一方で、グレンドロナックは一時期終売していた「グレンドロナック15年」を2018年にリバイバルさせています。
2002年までの創業停止が明けたことで、グレンドロナック蒸留所では新たに原酒が製造されました。
そこから現在に至るまで約20年の時が経過しており、ちょうど再開後に仕込まれた原酒を使ったウイスキーが15年ボトルとして発売できるようになったと見られます。
このことを踏まえると、現在は品薄となっている18年・21年のボトルも今後復活する可能性が高いです。ただし現行のボトルは希少価値が高まっているので、気になっている方は見かけたタイミングでGETしておくことをおすすめします。
グレンドロナック21年を飲んで評価レビューした
「グレンドロナック21年」をストレート・ロック・ハイボール別に飲み評価レビューをしていきます。
グレンドロナック21年 容量700ml alc.48% 定価:19,217円(税込)
さっそく飲んでみた
- 色・・・ブランデーのように濃い赤さのある琥珀色
- 香り・・・ライフルーツ、熟したフルーツ、桃、ビターでスパイシー、グラスから少し離して香るとレザーのような香り
ストレート
舌にピリッとするスパイシーさ、数秒後から「ギューッ」と凝縮されたような甘さ!モルトの甘さもしっかり感じられる!
空気を含むとスパイシーさが弾け出して辛口に。体調で甘さを強く感じる日もあれば辛さばかり目立つ日もありました。
甘さを強く感じる日は熟したフルーツの甘みを強く感じて甘々なウイスキーです。
余韻は長めでフィニッシュにかけてカシューナッツのような甘さがふわっと現れて消えていきます・・・いい感じ。
グラスを開けて置いていると「ふわーっ」と香ってくるあたりはさすがの21年熟成だなっと感心させられました。
ロック
口内では甘く、喉を通る時はほんのりスパイシーでフィニッシュにかけて少し苦いような味が感じられます。
ストレートよりスパイシーさが目立ってくる印象です。渋みも出ますね!
ハイボール
ハイボールにしてみたけど個性が消えてしまってもったいないですね。
もちろん、まずくはないですよ。
個人的評価
どっしりシェリーな味わいで甘さとスパイシーが絡み合っていて凄く良い感じ。
価格も手が出しにくい値段になるのでシェリーに苦手意識がある方はやめておくのが吉かもですね。
もっと安いシェリーから自分の舌を試してみて下さい。
私的にはもう少しスパイシーさが弱くてもいいかなっと感じました。
香りと甘さはとても好みです。自分が甘党なので甘々で飲みたくなってしまいます…。
価格には見合っているとは思いましますので興味のある方はぜひ試してみて下さい。
グレンドロナックの評価・口コミを調べてみた
#TWLC
— ウイスキー キティ@札幌 (@kitty10252) June 27, 2021
グレンドロナック18年
比較的安い価格帯で美味しいシェリー
結構お気に入りで減りが早いです。 pic.twitter.com/UIkl9HKhtD
グレンドロナック 18年
— ヒロシ@ウイスキー (@K0hNJVcTxsPZwQm) April 7, 2021
オロロソシェリー樽100%
このウイスキーも評価高いですね!#TWLC pic.twitter.com/qQAvz09FA5
グレンドロナックはスコッチ好きの方から高評価されています。特にシェリー樽由来のフルーティーな味わいが好きだという方からは、非常に高い口コミ評価を受けています。
フルーティーでありつつボディがしっかりとあり刺激があるのも、グレンドロナックが評価されているポイントです。
ただしシェリー樽由来のお酒は個性が強いので、「美味しい」と評価する人がいる一方で「自分には合わなかった」と感じる方も少なからずいます。
この辺りは個人の好みになるので、少しでも気になるのであれば、まずはトライしてみることをおすすめします。
なおグレンドロナックは、1本あたり数千円〜数万円単位の価格となります。
そのため気軽に挑戦するには、ややハードルが高いかもしれません。自分の口に合うかどうか心配という場合は、ボトルごと購入するのではなく、1杯から注文できるバーなどで堪能してみるのもありです。
まとめ
「グレンドロナック」は、シェリー樽熟成のウイスキーとして、その独特の香りとフルーティーな味わいで長年にわたってウイスキーファンから支持されています。特にシェリー樽由来の甘さとスパイシーさが特徴で、シェリー系ウイスキーが好きな方にはおすすめです。
近年では、ウイスキーブームや人気の高まりにより、グレンドロナックの一部ボトルが終売となったり、再販されたりしています。例えば「グレンドロナック15年」の復刻や、18年・21年ボトルの品薄状態など、希少価値の高いものも増えており、これらを見かけた際は、購入を検討する価値があります。
「グレンドロナック」は、その深い味わいと高い品質で、シェリー系ウイスキーの愛好者には非常に満足度の高い銘柄です。もし興味があれば、まずは試してみることをおすすめします。
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