お酒のニュース・トレンド情報(2026年6月19日)|全国新酒鑑評会2025・TWSC受賞発表
2026年6月も後半に入り、酒類業界は夏商戦の本格化と、春に実施された各種コンクールの受賞結果発表が重なる時期を迎えています。なかでも5月後半に発表された「全国新酒鑑評会」をはじめ、日本酒・ウイスキー・焼酎それぞれの品評会で今年の評価が出そろい、つくり手の技術と各産地の実力があらためて注目されています。あわせて、新しい蒸溜所のウイスキーや、猛暑を見込んだ夏向けの限定商品も相次いで登場しました。本稿では、直近約1か月の公式発表・報道をもとに、消費者の選び方に関わる最新トピックを5件整理します。数値や日付は各発表に基づくもので、最新情報は各社・主催者の公式発表をご確認ください。
この記事の要点
- 「令和7酒造年度 全国新酒鑑評会」の結果が5月20日に発表。出品793点のうち金賞は217点で、福島県が金賞20点と都道府県別で最多。
- 「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2026」が5月15日に結果公表。最高峰のBEST OF THE BESTは7本で、授賞式は7月30日。
- フランス開催の「Kura Master 2026」は10周年。総出品1,252点から受賞酒が発表され、最高賞は9月30日にパリで発表予定。
- 福岡・新道蒸溜所が初のブレンデッド「SHINDO The Blended 2026」を6月15日に全国発売(700ml・46%・税込5,940円)。
- 宝酒造・サントリー・キリンが夏向けの限定商品を相次ぎ投入。10月の酒税改正を控え「ビール回帰」の動きも続く。
全国新酒鑑評会2025、金賞217点を発表─福島県が金賞最多
「日本で最も歴史の長い鑑評会で、今年の新酒の実力が示されました。」
日本酒づくりの技術を競う「令和7酒造年度(2025酒造年度)全国新酒鑑評会」の審査結果が、2026年5月20日に発表されました。全国新酒鑑評会は1911年(明治44年)に始まった、国内でもっとも歴史の長い日本酒の鑑評会で、酒類総合研究所と日本酒造組合中央会が共催しています。今回は全国から793点が出品され、そのうち411点が入賞、さらに優れた217点が「金賞」に選ばれました。出品酒は各蔵の技術を結集した大吟醸酒・純米大吟醸酒が中心で、香りと味のバランスが審査されます。
都道府県別では、福島県が金賞20点を獲得して最多となり、新潟県と長野県が各16点、兵庫県が14点、山形県が12点で続きました。著名銘柄では「十四代」(高木酒造/山形)、「田酒」(西田酒造店/青森)、「而今」(木屋正酒造/三重)、「鍋島」(富久千代酒造/佐賀)、「八海山」(八海醸造/新潟)などが金賞に名を連ねています。金賞酒は流通量が限られることも多く、入手できる機会は貴重です。受賞酒の一覧は主催者が公開しており、産地ごとの傾向を知る手がかりにもなります。(出典: SAKETIMES、2026年5月20日)
TWSC2026、最高峰「BEST OF THE BEST」7本決定─授賞式は7月30日
「日本で唯一の蒸留酒品評会で、世界の銘柄と国産勢が評価を競いました。」
ウイスキー文化研究所は2026年5月15日、「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2026」の洋酒部門と焼酎・泡盛部門の結果を発表しました。今年で8回目となる同コンペには洋酒594アイテム、焼酎・泡盛189アイテムの計783アイテムが出品され、過去最多の316人が審査員を務めました。銘柄を伏せたブラインド方式で審査され、頂点となる「BEST OF THE BEST」には洋酒部門3本、焼酎・泡盛部門4本の計7本が選ばれています。
洋酒部門ではシングルモルトで台湾のカバランが4年連続受賞、ジャパニーズジンでは三宅本店の「クラフトジン瀬戸内 甘夏」が初受賞しました。焼酎・泡盛部門では、芋焼酎で西酒造の「吉兆宝山」が2年連続、米焼酎では八海醸造の「八海山本格米焼酎オーク樽貯蔵風媒花」がBEST OF THE BEST初設定の米カテゴリーで受賞しています。最高金賞は洋酒部門65アイテム、焼酎・泡盛部門23アイテム。授賞式は7月30日に明治記念館(東京)で、受賞酒を試飲できる大試飲会は9月13日にEBiS303(東京・恵比寿、各部5,500円)で開催されます。(出典: ウイスキー文化研究所(PR TIMES)、2026年5月15日)

「Kura Master 2026」は10周年、最高賞は9月30日にパリで発表
「フランスのトップソムリエが選ぶ日本酒コンクールが節目を迎えました。」
フランスで開催される日本酒コンクール「Kura Master(クラマスター)2026」は、2026年5月11日にプラチナ賞・金賞を発表しました。今年は10周年の節目で、日本酒・本格焼酎・泡盛・リキュール・日本ワインを合わせた総出品数は1,252点(前年の日本酒部門は1,083点)に達しました。審査は五つ星ホテルのソムリエやミシュラン星付きレストランの関係者など、現地のプロフェッショナルがブラインドで行うのが特徴です。日本酒部門は純米酒や純米大吟醸酒、スパークリングなど9部門で構成されています。
特別賞「アリアンス ガストロノミー賞」には秋田清酒・出羽鶴酒造の「出羽鶴 awa酒 明日へ」が選ばれました。スパークリング部門の審査員賞には山梨銘醸の「七賢 星ノ輝」、クラシック酛部門には車多酒造の「天狗舞 山廃仕込純米酒」が選出されています。新設された柑橘酒部門では「ULTRA YUZU」がプラチナ賞と審査員賞を獲得しました。プラチナ賞のなかから最高賞「プレジデント賞」1点が、2026年9月30日にパリで発表される予定です。海外の専門家が選ぶ評価は、日本酒の輸出が伸びるなかで産地の追い風になっています。(出典: SAKETIMES、2026年5月11日)
福岡・新道蒸溜所、初のブレンデッド「SHINDO The Blended 2026」を6月15日発売
「自社のモルトとグレーンを掛け合わせた、蒸溜所初のブレンデッドです。」
福岡県朝倉市で酒類を手がける篠崎が運営する新道蒸溜所は、蒸溜所として初となるブレンデッドジャパニーズウイスキー「SHINDO The Blended 2026 - Non Peated」を2026年6月15日に全国一斉発売しました。新道蒸溜所で製造したモルトウイスキーと、同社の朝倉蒸溜所で製造したグレーンウイスキーという、いずれも自社製造の原酒をブレンドした点が特徴です。容量は700ml、アルコール度数は46%、価格は税込5,940円とされています。
本商品は、英国で行われた国際的なスピリッツ品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)2026」で金賞を受賞しています。ジャパニーズウイスキーは大手の人気銘柄が品薄・高騰を続ける一方、各地の新興蒸溜所が自社原酒による個性的なボトルを送り出す動きが活発です。モルトとグレーンを自社でまかなうブレンデッドは、蒸溜所の総合力を示す一本でもあります。数量に限りがあるため、取り扱い状況は販売店ごとに確認するのが確実です。(出典: 西日本新聞(PR TIMES配信)、2026年6月12日)
宝酒造・サントリー・キリン、夏の限定商品を相次ぎ投入
「猛暑を見込み、各社が清涼感を打ち出した夏商品を一斉に展開しています。」
夏本番を前に、大手各社が季節・数量限定の商品を相次いで投入しています。宝酒造は缶チューハイ「タカラ『焼酎ハイボール』」から〈強烈パインサイダー割り〉を6月16日に数量限定で発売し、糖質ゼロ・プリン体ゼロをうたう「タカラ『辛口ゼロボール』」では〈夏のライムミント〉を6月23日に季節限定で投入しました。サントリーは6月16日、ウイスキー樽での熟成を取り入れた「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム 梅子黄(うめのみきなり)」を数量限定で発売しています。
キリンビールは「一番搾り」ブランドで、約10℃に冷やすと夏のモチーフが色づく「示温インキ」を使った夏デザイン缶を限定展開すると発表しました。こうした夏商戦の背景には、2026年10月に控える酒税改正があります。ビール系飲料の税率が350ml換算で54.25円に一本化され、ビールは減税、発泡酒・新ジャンルは増税となるため、各社は開発資源を「ビール回帰」に振り向けつつ、季節限定品で需要を喚起しています。期間・数量限定が多く、店頭在庫には地域差が出る可能性があります。(出典: 週末酒プレ、2026年6月/宝酒造ニュースリリース)
編集後記
今回のトピックは「コンクールの評価」と「夏の限定品」が軸になりました。全国新酒鑑評会やTWSC、Kura Masterの結果は、ふだん名前を見かける銘柄の実力を客観的に知る手がかりになります。受賞酒は流通量が限られることもありますが、受賞傾向から産地や味わいの方向性をつかみ、次の一本を選ぶ参考にするのも楽しみ方のひとつです。一方で、夏向けの限定チューハイやプレミアムビールは、店頭で気軽に季節を味わえる選択肢です。評価の高い銘柄を探すのも、手の届く新作で涼を取るのも、どちらも夏の酒の魅力。無理のない範囲で、自分に合った一杯を見つけていただければ幸いです。
リンクサス酒販では、受賞歴のあるジャパニーズウイスキーや希少な日本酒・焼酎の買取を行っています。ご自宅に眠っている未開栓のボトルがありましたら、ぜひ一度ご相談ください。各種の高級酒・希少酒はオンラインストアでも取り扱っています。
参考文献
- SAKETIMES「【速報】令和7酒造年度(2025酒造年度)全国新酒鑑評会の審査結果が発表されました!」(2026年5月20日)https://jp.sake-times.com/special/news/sake_kanpyokai-r7by
- ウイスキー文化研究所(PR TIMES)「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)2026 結果発表」(2026年5月15日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000323.000119996.html
- SAKETIMES「【速報】『Kura Master 2026』のプラチナ賞と金賞が発表されました!」(2026年5月11日)https://jp.sake-times.com/special/news/sake_kuramaster2026_promptreport
- 本坊酒造 プレスリリース「Kura Master 2026『上等梅酒』がプラチナ賞を受賞」(2026年5月19日)https://www.hombo.co.jp/2026/award/20260519-award-kuramaster2026/
- 西日本新聞(PR TIMES配信)「新道蒸溜所、初のブレンデッドジャパニーズウイスキー『SHINDO The Blended 2026 - Non Peated』を6月15日に全国一斉発売」(2026年6月12日)https://www.nishinippon.co.jp/item/1503207/
- 週末酒プレ「2026年チューハイ・ハイボール新商品一覧|発売日カレンダー」(2026年6月)https://www.sake-pre.net/calendar-for-chu-hi-and-highball2026/
- 宝酒造 ニュースリリース(2026年)https://www.takarashuzo.co.jp/news/
- キリンホールディングス ニュースルーム(2026年)https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/