焼酎には芋焼酎や麦焼酎などさまざまな種類がありますが、中でも特に焼酎通から人気を集めているのが、鹿児島県で作られる本格芋焼酎です。
今回ご紹介する「櫻井(さくらい)」は、鹿児島県・南さつま市にある老舗蔵元「櫻井酒造」が手掛けるプレミア芋焼酎。芋本来の旨味を存分に味わえる濃厚さがありながら、喉ごしは驚くほどまろやかで飲みやすいのが特徴です。
この記事では櫻井焼酎のおいしさの秘密やラインナップごとの違い、おすすめの飲み方まで詳しく解説していますので、ぜひ焼酎選びの参考にしてみてください。
鹿児島で作られる本格芋焼酎「櫻井」
芋焼酎 櫻井について
「櫻井(さくらい)」は鹿児島県で製造される芋焼酎の銘柄です。鹿児島県の中でも南さつま市で作られる薩摩の焼酎であり、南さつま焼酎七蔵の一つに数えられています。
鹿児島県の薩摩焼酎は、鹿児島県のサツマイモと水を用いて作られる焼酎です。単式蒸留器を使って蒸留するという本格焼酎であり、芋本来の旨味をしっかりと堪能できる濃い味であるのが醍醐味です。
鹿児島の芋焼酎は濃い味である分、インパクトが強く好みが分かれやすいという側面があります。しかし櫻井の焼酎は、喉に引っかかるような衝撃がなくスッキリと飲めるのがポイントです。味は濃くても喉に引っかかる雑味がなく、非常に飲みやすいことで若い方も含め幅広い世代に好まれています。
製造元は櫻井酒造有限会社
櫻井を作っているのは、鹿児島県南さつま市の蔵元「櫻井酒造」です。櫻井酒造は1905年創業の老舗で、現在の代表である櫻井弘之氏で3代目です。
櫻井酒造は決して大きな蔵ではありません。ほぼ家族経営のような状態で、外部から雇っている社員はたった1人です。大手になることを目指さず手作りの焼酎にこだわり、丁寧な焼酎製造を行っているのが蔵の特徴です。
そんな櫻井酒造は、もともと「さつま松の露」という銘柄で伝統的に焼酎製造を行なっていました。
しかし松の露という名称は宮崎の酒造も使っていたため、鹿児島県外に焼酎を出荷できないことがわかります。そこで櫻井酒造の芋焼酎を県外にまで販売するために、新しく考えられたのが焼酎・櫻井です。ネーミングを新たにする際に、焼酎のクオリティについても改めて検討が重ねられています。
県外にまで発展していった櫻井の焼酎は、大手メーカーと価格競争をすることを避け、あくまでもクオリティ重視で製造されています。手作りにこだわり、原料の品質や芋の磨き方にまでこだわりを持って製造されています。そんな櫻井の焼酎は数ある芋焼酎の中でもリッチな焼酎という位置付けで、希少価値が高いこともありプレミア焼酎に数えられています。
<櫻井酒造有限会社の情報>
- 代表者:櫻井 弘之
- 住所:鹿児島県南さつま市金峰町池辺295
- 連絡先:TEL0993-77-1332/FAX0993-77-1351
櫻井のおいしさの秘密!原料や芋の磨き方へのこだわり
櫻井は蒸し立てのホクホクとした芋の香り、そして口に含んだ時のとろりとした甘さが印象的です。厚みのある深い味わいでありながら、口当たりは非常に滑らかです。
なお櫻井酒造の焼酎には複数のラインナップがありますが、ほとんどの焼酎は「黄金千貫」を原料に作られています。常圧蒸留での仕上げで、原料の味がしっかりと残った骨太な印象に仕上がっています。
そして櫻井最大の特徴であるのが、芋をとにかく磨き上げてから焼酎を作っているということです。櫻井では芋を2割ほど削って綺麗な状態にしてから焼酎を製造していて、これほどまでに芋を磨いているのは焼酎蔵でも1番であるとまで言われています。
この考えは、日本酒で酒米を削る大吟醸酒造りの考えから来ているそうです。芋を磨くことで、味がしっかりと残る常圧蒸留の焼酎でも、雑味のない綺麗な味わいになります。
櫻井酒造おすすめ芋焼酎ラインナップ7選
櫻井酒造では、製法や原料の違いでいくつかの焼酎の造りわけを行っています。ここからは櫻井酒造のラインナップを紹介していきます。
金峰櫻井
- アルコール度数:25%
- 価格:1,800ml 約3,000円
金峰櫻井は、櫻井酒造を代表する1本です。蔵のある「金峰町」と蔵元の「櫻井酒造」の名を取り、このネーミングがつけられています。
金峰櫻井は白麹仕込みの芋焼酎をベースに、黒麹の原酒がブレンドされています。キレ味の中に綺麗なコクや丸みを感じるソフトな味わいで、とにかく飲みやすいと評判です。
黒櫻井
- アルコール度数:25%
- 価格:1,800ml 約2,700円
黒櫻井は黒麹を使って作られた櫻井です。金峰町産の黄金千貫を使用した黒麹100%の焼酎で、鹿児島・薩摩焼酎の特徴をしっかりと感じることができます。
黒麹仕込みの焼酎なので、白麹ベースの金峰櫻井よりもどっしり濃厚で力強さを感じます。櫻井ならではのスッキリとしたキレもあり、コアなファンに人気があります。
紅櫻井
- アルコール度数:25%
- 価格:1,800ml 約2,700円
黄金千貫ではなく紅芋を原料に作られた焼酎です。紅芋らしい甘い香り、そして芋の旨味を堪能できます。黒麹仕込みなので、しっかりとした力強さもあります。
焼き芋や蒸し芋のようなニュアンスがあり、甘さとフルーティーさを感じることができます。お湯割りで香ばしく、ロックでひんやり甘くといろいろな飲み方で楽しめる焼酎でもあります。
おまち櫻井
- アルコール度数:25%
- 価格:1,800ml 約3,300円
酒造好適米である雄町米を麹に使用した焼酎です。数ある櫻井シリーズの中でも、もっとも柔らかくまろやかな味わいに仕上がっています。
販売店限定の櫻井なので、一般的な金峰櫻井に比べてよりレア度が高いです。他の櫻井シリーズとの飲み比べもおすすめです。
造り酒屋櫻井
- アルコール度数:25%
- 価格:1,800ml 約3,800円
焼酎本来の旨味をそのまま引き出すため、無濾過のまま瓶詰めされた櫻井です。丸みと甘みがあるコク系の味で、濃厚な滑らかさがあります。
酒米を米麹に使い割り水に関平鉱泉水を使用しています。
小さな蔵
- アルコール度数:25%
- 価格:1,800ml 約3,500円
販売店限定いも焼酎として展開されている1本です。白麹を用いて、伝統的なかめ壺で仕込まれています。
キレのあるスッキリタイプの焼酎で、非常に飲みやすいです。生産本数が少なくレア度が高いです。
さつま松の露
- アルコール度数:25%
- 価格:1,800ml 約2,000円
地元・鹿児島で愛され続けてきた、櫻井酒造の伝統的な一本です。鹿児島県内でのみ数量限定発売されているボトルで、お土産としても人気があります。なおここ最近で麹米がタイ米から国産米に変わっているとのことです。
香りたつ芋の香りと喉越しが評判で、価格も櫻井より控えめでコスパがいいと好評です。
櫻井酒造の焼酎の選び方は?プレゼントのおすすめも
お酒のタイプ別選び方
甘口・辛口をチェックしよう
櫻井酒造が造る芋焼酎には、それぞれ個性豊かな味わいがありますが、大きく分けて甘口寄りのものと辛口寄りのものがあります。
甘口タイプの焼酎
代表的なのは「金峰(きんほう)」や「おまち」などで、芋本来の甘みと柔らかい口当たりが特徴です。
まろやかな風味を好む方、焼酎をあまり飲み慣れていない方にもおすすめで、ロックや水割りなど、比較的シンプルな飲み方で素材本来の味を楽しむのに向いています。
辛口タイプの焼酎
一方、「黒櫻井(くろさくらい)」はやや辛口で、芋焼酎特有の力強い香りと引き締まった後味が魅力です。すっきりした飲み口や香ばしい風味を好む方、お酒を飲み慣れている方にぴったり。
特にお湯割りにすると、芋の香ばしい香りが引き立ち、食中酒としても楽しめます。
自身の好みや用途に合わせて、甘口タイプと辛口タイプを飲み比べてみるのもおすすめです。
アルコール度数に注目しよう
櫻井酒造の焼酎は主に25度前後で展開されていますが、中には限定品などで度数がやや高めのものもあります。焼酎を選ぶ際には、自分がどんなシチュエーションで飲むかをイメージしてみましょう。
25度前後の焼酎
最も一般的で飲みやすい度数です。ロック、水割り、お湯割りなど幅広い飲み方に対応できるため、初めての方にもおすすめ。普段使いから特別な日まで幅広く楽しめます。
30度以上の焼酎(限定品など)
希少な限定品や特別な銘柄にはアルコール度数が30度以上のものもあり、力強く濃厚な味わいを楽しむことができます。焼酎通の方や、贈り物として特別感を演出したい場合にも適しています。
ストレートやロックなど、シンプルな飲み方で本来の味をじっくり堪能するのがおすすめです。
用途に応じて適したアルコール度数を選ぶことで、櫻井酒造の焼酎の魅力を最大限に楽しむことができます。
プレゼントとしての選び方
ギフトとしての魅力
櫻井酒造の焼酎は、父の日や誕生日、記念日などの特別な贈り物としても非常に人気があります。その理由は、ブランド自体が持つ高級感や、洗練された味わい、そして希少性にあります。
希少性とプレミア感
「金峰」「黒櫻井」「おまち」などの銘柄は、焼酎ファンの間でも評価が高く、手に入りにくい銘柄として知られています。贈り物に選べば、受け取る方にも特別な印象を与えるでしょう。
多様な味わいで相手の好みに合わせやすい
甘口タイプから辛口タイプまで揃っているため、贈る相手の好みや普段飲んでいるお酒に合わせて選ぶことが可能です。焼酎に詳しくない方にも親しみやすく、喜ばれるでしょう。
パーソナライズされたギフト
櫻井酒造の焼酎をさらに特別なギフトとして贈りたい場合、名入れボトルや特別包装を利用するのもおすすめです。
名入れボトル
名前やメッセージを入れられる名入れボトルは、世界で一つだけの贈り物として特別感を演出できます。記念日や節目のお祝いにふさわしいでしょう。
特別包装やギフトセット
豪華な木箱入りや和紙包装など、見た目にも美しい特別包装を選ぶと、高級感がさらにアップします。櫻井焼酎専用のギフトセットとしてグラスなどとセットで贈るのも喜ばれます。
櫻井焼酎をギフトとして選ぶ際は、ぜひパーソナライズされた演出を取り入れて、相手に喜ばれる贈り物にしてみてください。
櫻井焼酎のユーザー口コミ・評価を調べてみた
芋焼酎 櫻井 これうまいわ~ pic.twitter.com/WJBcu20GWm
— kuniaki (@kuniaki929) March 1, 2014
やっと届いた久々の金峰櫻井。 芋焼酎は色んな種類飲んできたけど、これが一番美味しいと思ってる。 つまみは梅水晶。これで辛い12月を乗り切る。 pic.twitter.com/MjQjVDNacd
— ゆーや@たな咲 (@tanasaki) December 11, 2018
櫻井の焼酎は、飲んだ人からの評価が非常に高いです。飲みやすさや香りの高さ、そして丸みのある味わいに定評があります。焼酎ファンの中でも、「今まで飲んだ中で一番美味しい」と言われるほどのレベルです。
ボトルによってそれぞれ味は異なりますが、どれも共通してまろやかな中にスッキリさがあり雑味がないと評価されています。
飲みやすい芋焼酎なので、芋焼酎ファンはもちろん普段は焼酎を飲んだことがない方にもおすすめできます。
黒 櫻井。店員に絶対酒屋では買えないレアな酒だよ…私は飲んだ事はないのですが芋焼酎として美味しいと聞いてますよって勧められて買った酒。芋の香りはすっきりだけど強くて、味は丸くて普通に美味しい。 pic.twitter.com/3qXjYdiOJn
— しろつき@チャリの人 (@chari_sirotuki) January 10, 2022
@Yurippe 金峰櫻井?なかなか買えない焼酎だよ~ おれは飲んだことない(/ _ ; )
— ぼりさん (@bori2002) September 8, 2010
美味しいと評判の櫻井ですが、なかなか買えないレアな焼酎だとも言われています。櫻井の焼酎は生産本数が非常に少ないため、一般的な酒屋ではなかなか購入が難しいようです。
櫻井の焼酎が気になっている方は、見かけたタイミングでぜひ入手しておくことをおすすめします。ボトルによっては季節限定のお酒もあるので注意しておきましょう。
櫻井を美味しく飲む方法!お湯割りやロックが人気
櫻井の焼酎は飲み方によってニュアンスが変わります。ぜひ入手した際には、さまざまな飲み方を試して自分好みを探してみてください。
ここからは櫻井を飲む際におすすめの方法を紹介していきます。
王道はお湯割り!コクが増しまろやかな口当たりに
本格焼酎である薩摩焼酎の飲み方として、もっとも王道と言われているのがお湯割りです。お湯割りは焼酎にお湯を混ぜて飲む方法のことで、温かなお湯を加えることでコクが増し、まろやかな口当たりになるのがポイントです。
お湯割りは焼酎:お湯=6:4程度になるロクヨンの飲み方が人気です。お湯を先に注ぎ、焼酎を後から加えるのが上手に作るコツです。
櫻井をお湯割りで飲む場合は、温度を保ちやすい陶器のグラスを選ぶと良いでしょう。70〜80度くらいのお湯でお湯割りを作ると、仕上がりの温度もちょうど良くなります。
ロックで飲むとキリリとした印象に仕上がる
まろやかでスッキリとした櫻井の味わいは、オン・ザ・ロックで飲んでも美味しいと人気です。特に暑い夏などは、お湯割りでなく氷を浮かべるロックで飲んでみましょう。甘めの香りの紅櫻井などは、特にロックがおすすめです。
焼酎のロックを作る際は、できるだけ大きい氷を選ぶのがコツです。グラスも大きな氷を入れられるロックグラスを採用するようにしましょう。
水割りは前割りで味を馴染ませるとクオリティUP
アルコール度数25%の櫻井は、水割りにしても薄まりすぎずバランスがいいです。なお水割りを作る際には、その場で作るよりも前日に割っておく“前割り”が人気です。
前割りにしておくと、櫻井らしいまろやかさを水割りでもそのまま楽しめます。焼酎と水は6:4もしくは5:5で試すと良いでしょう。
なお前割りにする場合は、水選びにもこだわってみましょう。せっかく美味しい櫻井を飲むなら、きちんとミネラルウォーターを選ぶように心がけてください。
なおミネラルウォーターの中でも軟水タイプのものを選ぶと、櫻井らしいまろやかさ、柔らかな口当たりを感じやすくなります。
櫻井焼酎と相性の良い料理は?和食から肉料理まで
櫻井焼酎は、芋焼酎特有の香りとコクがあり、さまざまな料理と相性抜群です。おすすめの料理やおつまみをいくつか紹介します。
和食系の魚料理(刺身や焼き魚)
繊細な芋の香りを持つ櫻井焼酎は、シンプルで繊細な味わいの和食と非常に相性が良いです。
特に「金峰」など甘口タイプは、お刺身や白身魚の焼き物など素材の味を生かした料理にぴったり。焼酎が魚の旨味をより引き立てます。
肉料理(焼き鳥、豚の角煮など)
コクがあり香ばしい「黒櫻井」には、甘辛い味付けの焼き鳥や豚の角煮などの濃厚な料理がよく合います。
湯割りにすると、料理の脂分を程よく洗い流してくれるので、料理も焼酎も一層美味しく楽しめます。
チーズや洋風おつまみ
意外にも、櫻井焼酎はチーズや生ハムなど洋風のおつまみとも相性が良いです。
ストレートやロックで味わうことで、焼酎の旨味がさらに引き立ち、チーズや生ハムの塩気と絶妙なバランスを楽しめます。
櫻井焼酎の購入方法と入手先!レアボトルは特約店がおすすめ
先ほども述べたように、櫻井の焼酎は人気に対して生産量が少ないです。手作りにこだわりを持つ酒造なので、今後も生産量が大幅に増えるとは考えにくいです。
生産数が少ない分、当然入手も難しくなります。櫻井は大手メーカーの焼酎のようにどこでも買えるというわけではないので覚えておきましょう。
レアな焼酎である櫻井をゲットしたいなら特約店を探すのがおすすめです。櫻井には販売契約をしている特約店がいくつもあります。
櫻井は鹿児島県外にも流通している銘柄であり、全国各地に特約店があります。まずは身近に櫻井の特約店がないか探してみましょう。
なお近場にアクセスしやすい特約店がない場合は、オンラインで購入するのもありです。櫻井は特約店のオンラインショップや楽天市場、Amazonなどでも買うことができます。
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まとめ
鹿児島県の南さつま市を代表する焼酎ブランド「櫻井」は、伝統的な手作り製法に徹底してこだわり、芋本来の旨味を引き出しつつもスッキリと飲みやすい味わいが魅力の一本です。
希少なプレミア焼酎のため一般の店舗で気軽に入手するのは難しいですが、特約店やオンライン通販を活用すれば購入が可能です。焼酎初心者から通の方まで幅広くおすすめできる櫻井焼酎を、ぜひ一度味わってみてください。