リンゴから生まれた香り高いブランデー、「カルヴァドス」。
フランス・ノルマンディー地方で造られるこのアップルブランデーは、果実の甘やかさと熟成による奥深い味わいが魅力です。
「ストレートで楽しむ本格派のお酒」と聞くとハードルが高く感じられるかもしれませんが、カルヴァドスはフルーティーで口当たりがよく、女性や初心者にも人気。
食後酒としてはもちろん、カクテルや製菓、料理にも活用できる“万能ブランデー”として注目されています。
本記事では、そんなカルヴァドスの魅力を深掘りしながら、製法・産地・種類・飲み方・料理とのペアリング、そしておすすめ銘柄まで徹底解説。
カルヴァドスが気になっている方、初めて挑戦してみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
カルヴァドスとは?フランスの伝統的なアップルブランデー

カルヴァドスはブランデーの一種
カルヴァドスとは、果実を原料に作られる蒸留酒「ブランデー」の一つです。
ブランデーと呼ばれるお酒は世界各地で作られています。ブランデーは非常に種類が豊富で、さまざまな原料で作られるものが存在しています。
カルヴァドスはそんなブランデーの中でも「りんご」を主な原料としているのが特徴です。またりんごのほか、洋梨などが原料に使われることもあります。
日本では他のブランデーやワインなどに比べ、カルヴァドスという名称はやや聞き慣れないものかもしれません。しかし実はカルヴァドスは世界的に有名なお酒であり、コニャックやアルマニャックと並び世界三大ブランデーの一つに数えられるほどの人気があります。
またお酒として飲むためだけでなく、製菓やパン作りに使われることもあります。このようにカルヴァドスは、かなり身近なお酒となっています。
フランス・ノルマンディー地方のみで造られる

実はりんごから造られる蒸留酒が、全てカルヴァドスと呼ばれるわけではありません。
カルヴァドスには産地や原料などに細かなルールが設定されており、フランスの北西部ノルマンディー地方で造られたものしか「カルヴァドス」の名を名乗ることができません。
いわゆる有名ブランデーである「コニャック」や「アルマニャック」のように、AOC(原産地呼称規制)により条件が定められているのです。
原料となるリンゴの収穫に始まり、蒸留・熟成そしてブレンドまでもが、ノルマンディー地方の定められた場所で行われる必要があります。
AOCによって細かく定義が定めているカルヴァドスは、ブランデーの中でも品質の高いものが多いです。アルコール度数は最低でも40%以上あり、熟成期間も最低で2年以上が設けられています。
カルヴァドスの造り方・味わいやシードルとの違いについて

カルヴァドス | シードル |
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前述した通り、カルヴァドスはりんごから造られるブランデーです。簡単に説明すると、りんごを醸造してお酒を造り、さらにそれを蒸留・熟成させることでカルヴァドスが生まれます。
りんごのお酒というと、有名なものに「シードル」があります。シードルはりんごを発酵させて造る発泡酒のことで、いわゆるスパークリングワインのような醸造酒を指します。
カルヴァドスを造る際は、まずこのシードルを造り、出来上がったシードルを蒸留します。
蒸留されたシードルは「オー・ド・ヴィー・ド・シードル」と呼ばれる、無色透明の状態となります。この蒸留酒をさらに樽に詰め、最低2年以上の熟成を経ることでカルヴァドスが完成します。
カルヴァドスの特徴は、蒸留によりアルコール成分を凝縮させたブランデーであり、しっかりとした濃厚なインパクトが楽しめることです。
そして高いアルコール度数にも関わらず、豊かなリンゴの風味、そして熟成によるまろやかさのおかげで飲みやすいです。
口当たりは非常にフルーティーであり、口に含むと酸味が広がり、さらにナッツやバニラのような樽熟成ならではの奥行きも感じられます。
コニャック・アルマニャックとの違いは?
コニャックやアルマニャックは、カルヴァドスとは違い「ブドウ」を主原料とします。簡単にいうとブドウのワインを蒸留し樽熟成を行うというブランデーであり、ブドウ由来のリッチで濃厚な風味が目立ちます。
これに対しりんごから作られるカルヴァドスは、ブドウを原料とするコニャックやアルマニャックに比べ軽やかで爽やかな風味をしているものが多い印象です。
そんなカルヴァドスは、世界三大ブランデーでありながら気軽に買える価格帯のボトルが多いのも特徴です。数千円台で買えるものも日本に多く流通しているため、ブランデー初心者の方にもおすすめがしやすいです。
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産地や熟成年数で比較するカルヴァドスの分類と特徴
AOCごとの特徴と違い
カルヴァドス ペイ・ドージュ | カルヴァドス ドンフロンテ | カルヴァドス |
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カルヴァドスの生産地は、ノルマンディー地方の中でも3つの地域に分かれています。3つの産地ごとに、呼び名やルール、そして特徴が変わります。
ここからは3つの産地の特徴をそれぞれ紹介します。
1.カルヴァドス ペイ・ドージュ(Calvados Pays d'Auge)
カルヴァドスの中でも高値で取引される銘柄の多い地域です。以下のルールが条件として定められています。
- カルヴァドス ペイ・ドージュの地域で製造すること
- 蒸留時の洋梨の混合割合が30%以下であること
- 単式蒸留器で2回蒸留すること
- 最低2年間、オーク樽で熟成させること
- アルコール度数が最低40度以上であること
カルヴァドス ペイ・ドージュは、コニャックと同様の単式蒸留器での2回蒸留にて造られているのが特徴です。
りんごの風味を生かす優れた造り手が多く、完成したカルヴァドスは非常に芳醇で風味が豊かです。
2.カルヴァドス ドンフロンテ(Calvados Domfrontais)
ドンフロンテは栽培面積が狭めであり、生産量も限られているため希少性が高いです。定められた条件は以下の通りです。
- カルヴァドス ドンフロンテの地域で製造すること
- 蒸留時の洋梨の混合割合が30%以上であること
- 連続式蒸留器で蒸留すること
- 最低3年間、オーク樽で熟成させること
- アルコール度数が最低40度以上であること
ドンフロンテのカルヴァドスは、ペイドージュに比べて洋梨の割合が高いです。蒸留方式もペイドージュとは異なり、アルマニャックと同様の連続式蒸留器で造られています。
余韻に残る洋梨の香りが特徴で、カルヴァドスペイドージュに比べて爽やかさや複雑さが目立ちます。個性のある味わいで、ファン人気が高い産地でもあります。
3.カルヴァドス (Calvados)
カルヴァドスは非常に地域が広く、カルヴァドス県の他にもマイエンヌ、サルト、オワーズといった地域まで含みます。主な条件は以下の通りです。
- カルヴァドス領域全体もしくはカルヴァドス・ペイ・ドージュ地区およびドンフロンテ地区周辺で造られるもの、もしくはそれらをブレンドしたもの
- 最低2年間、オーク樽で熟成されること
- アルコール度数が最低40度以上であること
3つの地域の中でも一番規制が緩いのがカルヴァドス地域です。洋梨の比率を造り手が自由にブレンドすることが可能であり、また蒸留方式に関するルールも設けられていません。
そのため造り手それぞれの特徴が出やすくなっています。
ブレンドの自由さからか、比較的手頃な価格帯で購入できる銘柄も多いです。初めてカルヴァドスを飲むという方にもおすすめです。
熟成年数によるカルヴァドスの種類

カルヴァドスは3つの産地のほか、熟成年数でも味わいが変わってきます。
熟成年数は最低2年以上であり、長さによって以下のようにランクわけされています。
- フィーヌ・・・最低2年
- ヴィユー・レゼルヴ・・・最低3年
- ヴィエイユ・レゼルヴ・・・最低4年
- VSOP・・・最低4年
- オルタージュ・・・最低6年
- ナポレオン・・・最低6年
熟成年数が5年以内と短いカルヴァドスは、フレッシュさや爽やかさが目立ち、アルコールの風味が強いです。強い刺激があるので、ストレートで飲むだけでなくカクテルの材料やお菓子作りに使われることが多いです。
一方でオルタージュやナポレオンと書かれたような熟成年数が6年を超えるカルヴァドスは、角が取れたまろやかな味わいになっているのが特徴です。
りんごの甘い風味が凝縮され、全体的にコクが生まれ高級ブランデーらしい味わいになっています。
初心者から上級者まで楽しめるカルヴァドス7選
カルヴァドス ポム・ド・イヴ
- 生産者:ドメーヌ・ド・コックレル
- アルコール度数:40%
- 熟成期間:2年以上
- 価格:600ml 約9,000円
ポム・ド・イヴは直訳すると「イヴのりんご」を意味していて、旧約聖書の創世記による禁断の果実のエピソードがモチーフになっています。
瓶の中にまるまる1個のりんごが入っており、見た目にもインパクトがありギフト人気が高いです。りんごらしい風味が凝縮された、満足感の得られる1本です。
カルヴァドス ブラー グランソラージュ
- 生産者:ブラー
- アルコール度数:40%
- 熟成期間:2〜5年
- 価格:700ml 約3,000円
りんごの甘酸っぱさ、洋梨のみずみずしさがうまく調和したカルヴァドスです。カルヴァドスの代名詞とも言われるもので、心地よい樽の風味があり、飲みやすく人気があります。
カクテルベースや料理にも使えるため、用途が幅広いです。
カルヴァドス ペイ・ドージュ デュポン フィーヌ
- 生産者:デュポン
- アルコール度数:40%
- 熟成期間:2年以上
- 価格:700ml 約5,500円
デュポンは高級なレストランや百貨店でも取り扱われることの多い、高級銘柄として人気のカルヴァドスです。内側をしっかりと焦がしたオーク樽で熟成しており、綺麗な琥珀色の見た目をしています。
香りはヘーゼルナッツや焼きリンゴの香ばしさがあり、味わいはリッチです。
カルヴァドス ロジェ・グルー 8年
- 生産者:ロジェ・グルー
- アルコール度数:41%
- 熟成期間:8年以上
- 価格:700ml 約10,000円
約50種ものりんごを原料にシードルを製造、それを半年以上寝かせたのちに蒸留しています。一次蒸留したのち一度熟成し、再度二次蒸留を経て熟成しているという独特の製法で造られています。
繰り返す熟成と蒸留の工程のおかげで、味わいに広がりが生まれています。黒糖やかりんとうを思わせる濃い香りの中から、シナモンのようなスパイスも感じます。
カルヴァドス ペール マグロワール VSOP
- 生産者:ペール マグロワール
- アルコール度数:40%
- 熟成期間:4年以上
- 価格:700ml 約7,000円
ペール マグロワールは1812年創業の老舗カルヴァドスメーカーです。非常に多くのラインナップを展開していて、現在はペイ・ドージュ、ドンフロンテ、カルヴァドスと3つの産地全てのボトルをリリースしています。
カルヴァドスの中でも特に高級とされる“ペイ・ドージュ”で作られたボトルのうちの一つがこちらです。2度の蒸留と4年以上の樽熟成を経て作られる高級品は、キリリとした爽やかさに熟成感が混ざり合う味わいです。
カルヴァドス ラ・モヌリー ナポレオン
- 生産者:ラ・モヌリー
- アルコール度数:42%
- 熟成期間:15年以上
- 価格:700ml 約20,000円
カルヴァドスの中でも熟成年数が長く、高級品とされる“ナポレオン”ランクのお酒です。オーク樽にて最低15年以上の熟成が加えられています。
余韻が長くシルキーであり、よくあるカルヴァドスとは一線を画すような味わいを堪能できます。デザートなどとも楽しめる、豪華で贅沢な味わいであり特別な日の1本にぴったりです。
カルヴァドス クリスチャン・ドルーアン セレクション
- 生産者:クリスチャン・ドールアン
- アルコール度数:40%
- 熟成期間:2年以上
- 価格:700ml 約4,000円
食前酒としてはもちろん、カクテルや料理酒、製菓用としても人気を集めるフレッシュなカルヴァドスです。日本では明治屋が正規輸入元となっているため手に入りやすいのも魅力です。
ちなみにクリスチャン・ドールアンはヴィンテージのカルヴァドス作りも得意としています。用途や予算に合わせて選べるのも魅力と言えるでしょう。
カルヴァドスの樽が使われたお酒も
カルヴァドスそのものだけでなく、カルヴァドスを造った樽を使用して造られるお酒もあります。
主にウイスキーの熟成などに使われることが多く、熟成時にまろやかな香りをつけてくれます。代表的な2銘柄を紹介します。
キルホーマン8年 カルヴァドス カスクフィニッシュ
キルホーマン8年 2012 カルヴァドスカスクフィニッシュ( ◜ω◝ ) pic.twitter.com/0Noz24RUS8
— ぽてにょん (@3t_m2) November 12, 2020
バーボンバレルで7年以上熟成させた後、最後にカルヴァドスの樽を使い追熟させたというアイラのウイスキーです。
ピート由来のスモーキーさを感じながらも、味わいに優しいりんごの甘味を感じます。
シングルモルトあかし カルバドスカスクフィニッシュ
これを飲む時が?
「あかし カルバドスカスクフィニッシュ y's CASK」 長熟でないのが残念ですが、アメリカンオーク樽、フレンチオーク樽、バーボン樽それぞれ3年をブレンド後、1年カルバドス樽で後熟。 似た香りですが、酒質、度数、開封期間の違いからかそれぞれ個性が有り面白い↓#あかし pic.twitter.com/8fY4PYIKGt — 勇者ぽ (@gLF8PKuPhf7RYdg) November 28, 2020
兵庫県明石市で造られるウイスキーの銘柄です。カルヴァドス樽で寝かせることにより、まるでアップルパイのような個性的なりんごの香りが生まれています。
ストレートでも悪くないですが、程よい加水でよりりんご風味が際立ちます。
カルヴァドスの正しい飲み方とアレンジ
やや甘味のあるカルヴァドスは、食後酒として飲むのが一般的です。ウイスキーやブランデーのような感覚で飲めますが、甘味があり女性人気も高いです。
ここからはカルヴァドスのおすすめの飲み方をいくつか紹介します。
ストレートで飲む
ベルネロワ カルヴァドス VSOP ストレート とネオス・ミニ pic.twitter.com/0Yzo2TS1u0
— わわ (@lazward1226) November 23, 2018
熟成年数の長いカルヴァドスに向いている飲み方です。
ストレートで飲むことで、カルヴァドス本来の香りや甘味を堪能できます。チョコやチーズをおつまみにすると相性が良いです。
トワイスアップで飲む
アンジュ・ジアール カルヴァドス 11年 ソーテルヌフィニッシュ for モルトヤマをストレート、トワイスアップ、ロックでいただく!まるで林檎の蜜のような甘やかさとほのかなスパイス、そして余韻にもしっかり林檎を感じる!こりゃうめーわww pic.twitter.com/a9BBFHGLie
— 酢豚@豚小屋(SNE黒田) (@subuta96) June 17, 2019
アルコール感がキツすぎるという方は、カルヴァドス:水=1:1で割ったトワイスアップという飲み方もおすすめです。
ウイスキーのテイスティングでよく適用される飲み方であり、素材本来の香りを残しつつアルコールの強さを和らげることができます。
紅茶と混ぜる
滅多に買わないけど、このカルヴァドスは紅茶にものすごく合う pic.twitter.com/pHlfIKA3ay
— りょま キャンパーLv2(Lv3までの必要経験値2024EXP) (@6R2Y6O5M5Acamp) October 12, 2022
お酒にあまり強くないけれどカルヴァドスを楽しんでみたい、リラックスタイムに取り入れてみたいという方には、紅茶の中にカルヴァドスを数滴垂らす方法がおすすめです。
いつもの紅茶にりんごの甘い香りが広がり、リッチな味わいになります。
カクテルに使う
カルヴァドスは甘味のあるブランデーであり、カクテルにも向いています。ストレートやロックでは強すぎるという方は、ぜひカクテルで飲んでみましょう。
熟成年数の若いカルヴァドスはアルコール感が強いので、特にカクテルがおすすめです。
カクテルレシピ例1:ジャックローズ
ガーネットのような真紅の果実、柘榴。今が旬で実を割るとキラキラと輝く果肉が顔を覗かせます✨ 一押しのジャックローズはカルヴァドス、ライム、柘榴とシュガーのみでお作りするシンプルなカクテル。甘酸っぱさが癖になる一杯です❣️ pic.twitter.com/obRrsG8VVu
— BookCafe&Bar 十誡 (@zikkai) December 22, 2019
- カルヴァドス30ml
- ライムジュース20ml
- グレナデンシロップ10ml
ジャックローズとは、本来は「アップルジャック」というアメリカ産のブランデーを使って作られるカクテルです。ただしアップルジャックは手に入りにくく、カルヴァドスが代わりに使用されることが多いです。
ライムジュースと混ぜることにより、甘味がありつつもさっぱりとした味わいに仕上がります。
カクテルレシピ例2:アップル・カー
アップルカー(カルヴァドス、コアントロー、レモンジュース) pic.twitter.com/LxC7CaxCw4
— 劫火@雑食性 (@gouka2501) January 17, 2024
- カルヴァドス30ml
- コアントロー15ml
- レモンジュース15ml
サイドカーというカクテルのベースに使われるブランデーを、カルヴァドスに変えたものになります。ブランデーで作るよりもフルーティーさが増し、飲みやすくなります。
カクテルレシピ例1:カルヴァドス・カクテル
カルヴァドス・カクテル カルヴァドス20ml ホワイトキュラソー20ml オレンジジュース20ml をシェークして完成。 味わいは重いが、爽やかな口当たりがあるカクテル。 pic.twitter.com/1DK0IdjlVY
— カクテル (@cocktail_EL) April 4, 2016
- カルヴァドス25ml
- ホワイトキュラソー5ml
- オレンジジュース25ml
- オレンジビターズ5ml
オレンジジュースを使用することで、フルーティーかつ飲みやすくなったカクテルです。カルヴァドスに挑戦してみたいけれど、強いお酒は苦手という方におすすめです。
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カルヴァドスと料理・デザートの相性
カルヴァドスは、リンゴや洋ナシを原料としたフルーティーな香りが特徴のブランデー。その芳醇な風味は、料理やデザートとのペアリングにも非常に優れています。
ここでは、前菜やメインディッシュ、スイーツとカルヴァドスの相性を詳しくご紹介します。
前菜・メイン料理とのペアリング
チーズ(カマンベール、ブリーチーズ)との相性
ノルマンディー地方で生まれたカルヴァドスは、同じ土地の名産であるカマンベールチーズやブリーチーズと相性抜群。クリーミーなチーズのコクに、カルヴァドスの甘酸っぱいリンゴの香りが重なり、まるで“地元の味覚の共演”のようなマリアージュが楽しめます。
軽めのVSOPクラスのカルヴァドスと合わせると、香りのバランスも絶妙です。
魚介・白身魚料理(カルパッチョ・グリル)とのマリアージュ
白身魚のカルパッチョやグリルしたホタテなど、繊細な味わいの魚介類には、フルーティーで爽やかなカルヴァドスがよく合います。
特に、洋ナシを多く使用した「AOCカルヴァドス・ドンフロンテ」の軽やかな風味が、魚介の旨みを引き立ててくれます。オリーブオイルやレモンを使ったシンプルな味付けの料理との組み合わせがおすすめです。
フォアグラ・鴨肉とのリッチな組み合わせ
濃厚でリッチなフォアグラや、香ばしく焼き上げた鴨肉には、熟成感のあるXOクラスのカルヴァドスがぴったり。甘みと酸味のバランスが、脂のコクをすっきりとまとめてくれるため、重すぎない味わいが実現します。
果実味のあるソース(リンゴやベリー系)と合わせると、より一層華やかなペアリングに仕上がります。
デザート・スイーツとの相性
タルト・タタン、アップルパイとの甘美なペアリング
カルヴァドスとアップル系のスイーツは王道の組み合わせ。タルト・タタンやアップルパイといった焼き菓子に、カルヴァドスを合わせることで、素材のリンゴ感が倍増します。
温かいデザートにカルヴァドスをひとたらしするアレンジもおすすめ。食後酒としてだけでなく、スイーツの“香りの演出役”にもなります。
チョコレート・キャラメルデザートとのマッチ
チョコレートやキャラメル系の濃厚なスイーツにも、意外とカルヴァドスは好相性。
特に、ダークチョコレートや塩キャラメルのような“甘さと苦味・塩味のコントラスト”があるデザートには、長期熟成ボトルの複雑な風味がマッチします。食後の余韻をゆっくり楽しむ大人のデザートタイムにぴったりです。
ホームパーティー向けのペアリング提案

ワイン・ウイスキーとの併用ペアリング
パーティーでは、ワインやウイスキーとカルヴァドスを組み合わせた“飲み比べ”スタイルも人気。前菜は白ワインと、メインは赤ワインと合わせ、デザートにはカルヴァドスで締めると、流れのあるペアリング構成になります。
ウイスキー好きには、フルーティーなカルヴァドスとの違いを語りながら楽しむのもおすすめ。
特別な日のフードペアリング
記念日やお祝いの席では、フルコースの最後にカルヴァドスをサーブすることで、洗練された印象を与えることができます。特に、ヴィンテージボトルやXOクラスのカルヴァドスを選ぶと、特別感がぐっと高まり、ゲストにも喜ばれる演出に。
ボトルごとテーブルに置いて、香りや色味を楽しんでもらうスタイルも映えます。
まとめ
カルヴァドスは、リンゴや洋ナシを原料にしたフランス産の個性派ブランデーです。
果実の華やかさとオーク樽熟成による芳醇さを兼ね備え、ストレートでもカクテルでも美味しく楽しめるのが魅力。熟成年数や産地ごとに異なる表情を持ち、奥深い世界が広がっています。
特に「ペイ・ドージュ」や「ドンフロンテ」といったAOCごとの違い、そして熟成ランク(フィーヌ〜ナポレオン)を知ることで、自分好みの1本に出会いやすくなるはずです。
料理やスイーツとのペアリング、ギフト需要、さらには投資的価値まで、カルヴァドスは“味わう以上の楽しみ方”を提供してくれるお酒。
この記事が、あなたとカルヴァドスの素敵な出会いのきっかけになれば幸いです。
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