関西イチの栄えた場所で、観光地やグルメの街として親しまれている大阪府。お酒に関しては、皆さんどのようなイメージをお持ちでしょうか?
実は大阪には、有名なお酒がいくつもあります。大阪ならではの地酒だけでなく有名ウイスキーや大手のビールなども大阪で作られていて、大阪はアルコールの文化が発展している場所だといえます。
今回はそんな大阪府のお酒事情について触れていきます。おすすめ銘柄なども紹介しているのでぜひお酒選びの参考にしてみてください。
大阪府のお酒事情!かの有名なウイスキー山崎蒸留所も
大阪のお酒は食文化と共に発展
大阪といえば、かつて“天下の台所”と呼ばれた場所です。現在も食文化が発展している場所であり、大阪ではお酒は食事と共に楽しむものとして広まっていきました。そんな大阪のお酒は、食事に合わせやすい淡麗辛口のものがメインです。すっきりとした切れ味のあるお酒は、食中酒として長く親しまれています。
また大阪で作られていたお酒は、食文化と共に“下り酒”として広まっていったという歴史もあります。そんな大阪の酒造には、古くからの歴史が今でも続いているところがいくつかあります。
また大阪は、日本酒だけでなくさまざまなお酒が作られているのも特徴です。近年はウイスキーやクラフトビール、そのほかジンなどのスピリッツも作られていて自分に合ったお酒を探しやすいのも大阪ならではと言えます。
サントリーウイスキー山崎の蒸溜所も存在
大阪府には、世界的知名度を誇るサントリーの山崎蒸溜所があります。山崎蒸溜所の所在地は大阪府三島郡島本町であり、大阪の中心というよりは京都の郊外天王山の麓に、そっと佇んでいるような印象です。
山崎蒸溜所の建設がスタートしたのは1923年のことで、サントリーの創業者である鳥井信治郎氏が豊かな水源のあるこの土地を選びました。そんな山崎蒸溜所は日本最古のモルトウイスキー蒸溜所であり、日本のウイスキーの文化発展の始まりとなった場所だと言えます。
そんな山崎のモルトは、力強く華やかな香りとコクがあるのが特徴です。シングルモルト山崎としてリリースされているほか、山崎モルトはブレンデッドウイスキー響などの原酒としても使われています。
そんな山崎蒸溜所といえば、見学ツアーも人気があります。山崎の蒸溜所では、近年市場で入手困難になったと言われるウイスキーも定価に近い価格で試飲を楽しむことができます。蒸溜所でしか買えない限定の品などの購入も可能なので、大阪観光の一環として訪れてみるのも面白いかもしれません。
ビール生産量ランキングは全国2位
大阪府はビールの生産量ランキングにおいても全国の都道府県のうち2位にランクインしています。大阪府にはアサヒビールの吹田工場をはじめ、道頓堀ビールや上方ビール工場などクラフトビールの工場も多数存在しています。
特にアサヒビールの吹田工場は、アサヒビール発祥の地でもあり120年以上の歴史があります。ここにはビールを製造する施設があるだけでなく、アサヒビールの魅力や歴史、生産工程などが楽しめるようなミュージアムも併設されています。
アサヒビールミュージアムは2022年にはリニューアルもされています。こちらも山崎蒸溜所のように、お酒好きの方向けの観光名所としておすすめです。
お酒を楽しめるレストランやバーも豊富
大阪はお酒が作られている場所というだけでなく、“お酒が楽しめる場所”でもあります。関西イチの都心部である大阪には、食事と共にお酒を楽しめるようなレストランやバーがたくさん存在しています。
大阪の飲食店はとにかくエンタメに富んでいて、他のエリアにはないような珍しい飲食店も存在します。例えばブルワリーと店舗が一体となったブルワリーパブ、そして大阪だけでなく世界中のお酒を集めたようなレストランやバーなどもあります。
大阪で人気のお酒・アルコール飲料ランキング10選

1位:サントリー シングルモルト山崎
- お酒の種類:シングルモルトウイスキー
- 製造元:サントリー
- アルコール度数:43%
- 価格:700ml 4,950円(税込)
シングルモルト山崎は、言わずと知れた日本を代表するジャパニーズウイスキーです。山崎蒸留所にて作られるシングルモルトであり、世界に認められる華やかな香りと甘くなめらかな味わいに定評があります。
ノンエイジ品のほか12年、18年、25年といった熟成ボトルもあり、いずれにもプレ値がつけられているほどの人気ぶりです。期間限定のレアボトルなどもあり、オークションや買取市場でも高い人気を誇っています。
2位:秋鹿 超辛口 純米吟醸 生酒
激超酸っぱいお酒「秋鹿 純米吟醸 山田錦100% 超辛口 槽搾直汲 生酒」(あきしか、大阪府豊能郡能勢町 秋鹿酒造)。酸味酒大好き人間のわたくしでもびっくり仰天振り切れるほどの酸の強さ。これは面白い。詳しくはこちら↓https://t.co/P2Dacc7MEi#秋鹿 #奥鹿 #能勢町 #酸味酒 pic.twitter.com/vITMLIGpTQ
— 日本酒 酒蛙 (@sakekaeru) May 4, 2023
- お酒の種類:日本酒(純米吟醸酒)
- 製造元:秋鹿酒造
- アルコール度数:18%
- 価格:1800ml 3,740円(税込)
秋鹿は大阪府を代表する日本酒の蔵元です。こちらは秋鹿の中でも特約店限定、年に一度だけ出荷されるという搾りたての生酒です。
日本酒度+15という圧倒的な辛口は、力強くボディ感が満載です。またただ辛いだけでなく炭酸ガス感が、味をバランスよくまとめ上げていて飲みやすさにも優れています。
3位:箕面ビール
- お酒の種類:ビール
- 製造元:箕面ブリュワリー
- アルコール度数:約5〜6%
- 価格:330ml6本セットで3,190円(税込)
箕面ビールは1996年創業の、大阪のクラフトビールです。ビールの世界大会「World Beer Cup(WBC)」でも金賞経験があり、実力が認められているのがわかります。美味しいビールですが決して特別なビールではなく、あえてデイリービールを目指して作られており親しみやすい味わいと価格設定になっています。
ラインナップには、定番のピルスナー・スタウト・ペールエール・ヴァイツェン・W-IPA・おさるIPAのほか、季節限定の桃味やゆず味なども登場しています。
4位:呉春 本丸 本醸造酒
- お酒の種類:日本酒(本醸造酒)
- 製造元:呉春株式会社
- アルコール度数:16%
- 価格:1800ml 2,478円(税込)
呉春はかつて大阪の酒どころとして栄えた池田市のお酒です。多くのメーカーが多彩な種類のお酒を作る中、呉春はあえて普通酒、本醸造酒、特別醸造酒、大吟醸酒しか作らないというこだわりを持っています。
本醸造酒はまろやかな甘味のある味わいで、飲み飽きしないデイリー向けのお酒です。冷やして飲むのはもちろんお燗にしても美味しく、クラシックな旨味があります。
5位:片野桜 山廃純米無濾過生原酒 山田錦
- お酒の種類:日本酒(純米酒)
- 製造元:山野酒造
- アルコール度数:17%
- 価格:1800ml 3,300円(税込)
片野桜は江戸時代末期に創業したという歴史ある蔵元です。高アルコールの原酒にこだわりを持つ蔵元であり、日本酒の持つダイレクトな旨味を感じることができます。山廃仕込みで作られた山田錦のお酒は、蔵元にて熟成されたのちに出荷されていきます。
熟成が織りなす広がる旨味と膨らみのある味わいは、コクもあり日本酒好きの舌を唸らせるクオリティです。なお片野桜の山廃仕込み純米無濾過生原酒には雄町米バージョンもあるので、飲み比べてみるのも面白いかもしれません。
6位:ジャパニーズクラフトジン ROKU
- お酒の種類:スピリッツ(ジン)
- 製造元:サントリー
- アルコール度数:47%
- 価格:700ml 4,400円(税込)
ジャパニーズクラフトジンROKUは、サントリーが手がけるスピリッツ(ジン)です。日本の四季から生まれた和素材が使用されているのがポイントで、例えば春の桜や桜葉、夏の煎茶と玉露、秋の山椒、冬のゆずなどが原料に使われています。
ボタニカルを感じられる香味、そしてスムースな味わいに魅力があります。大阪府港区にあるサントリー大阪工場にて製造が行われています。
7位:大門 DAIMON 35 純米大吟醸
- お酒の種類:日本酒(純米大吟醸酒)
- 製造元:大門酒造
- アルコール度数:18%
- 価格:720ml 5,500円(税込)
大門酒造は大阪府交野市にある酒造です。1826年創業の酒蔵であり、摂津や生駒の水を使った高品質なお酒づくりに定評があります。
DAIMON 35 純米大吟醸は、そんな大門ブランドの中でも高級ランクに当たるお酒です。酒米の王様である山田錦を35%まで磨いて作られるその味わいは、膨らみがあり西洋料理などとバランスよく合わせることができます。ワイングラスで飲むのもおすすめです。
8位:天野酒 僧房酒
- お酒の種類:日本酒(熟成酒)
- 製造元:西條合資会社
- アルコール度数:15%
- 価格:300ml 11,000円(税込)
天野酒は大阪奥河内の地酒ブランドです。天野酒の僧房酒はかつて太閤秀吉が愛したと言われるお酒で、室町時代の“金剛寺僧房酒製法”を再現して作られた、いわば復刻酒のような存在です。
現代のようなお酒とは違い琥珀色の見た目をしたお酒は超甘口であり、とろみを感じるほど濃厚でデザートのようです。
9位:道頓堀ビール
大阪:道頓堀ビール🍺3種飲み比べ🍺
— ♡かおり♡ (@G9OjfLDPDE8i61E) June 23, 2022
華の金曜日🍺グビグビ ふぁび〜る#ファービー pic.twitter.com/qmNmN2bk30
- お酒の種類:ビール
- 製造元:道頓堀麦酒
- アルコール度数:約5〜6%
- 価格:約500円(税込)
道頓堀ビールは和食に合うクラフトビールとして作られました。麦芽の味がありつつも炭酸ガスの優しい喉越しで、爽やかに飲むことができます。
定番ラインナップには「大阪ケルシュ」や「大阪アルト」、「大阪ポーター」、「大阪IPA」や「道頓堀ほろよい」といった大阪らしい地名のものが豊富にあります。ビール工場併設のオフィシャル飲食店などで飲むことができます。
10位:千利休 純米酒
- お酒の種類:日本酒(純米酒)
- 製造元:利休蔵
- アルコール度数:15〜16%
- 価格:1800ml 2,420円(税込)
千利休は大阪府の堺で作られる日本酒です。かつて堺は日本酒の酒造が多いエリアで、灘や伏見に匹敵するほどのレベルと言われていました。しかし大正の頃までは酒造が多かったものの、昭和以降は酒造りが衰退し、1971年には全ての蔵が閉鎖してしまったと言います。
そんな堺の酒造りを復活させるために有志が集まり再復興して作られたお酒が千利休です。金剛山系の湧き水で作られる日本酒は、旨味と酸味のバランスが良い“堺の地酒”として愛されています。
大阪のお酒の楽しみ方!作られた背景や相性の良いおつまみに注目
大阪のお酒は背景やポリシーを知りながら飲んでみよう
大阪は現在酒造数こそ少ないものの、かつては酒造が栄えたエリアです。そのため今でもお酒づくりを続けている酒造は、明確なコンセプトやこだわりを持ってお酒づくりをおこなっているところが多いです。また千利休など、歴史にちなんだ名前のお酒もあり楽しむことができます。
大阪のお酒を楽しむ際は、こうしたお酒の背景やポリシーに目を向けてみても面白いかもしれません。もちろん地酒だけでなくウイスキーやビールなどもこだわりを持って作られているので、“お酒通”を目指すのであればぜひ調べてみましょう。
大阪に実際に訪れてお酒文化に触れる場合は、酒造やミュージアムの見学もおすすめです。都心部ではお酒関連のイベントも定期的に開催されているのでぜひチェックしてみましょう。
シーンに合わせたお酒を柔軟に選んでみよう
大阪は日本酒やウイスキー、ビールなど多彩なジャンルのお酒が楽しめる場所です。そのためシーンや状況に合わせたお酒が選べるのも、大阪ならではの利点になります。日常に飲みやすいビールや普通酒はもちろん、祝い事にぴったりな高級日本酒、贈り物として喜ばれやすいウイスキー、バーやレストランなどでおしゃれに楽しめるカクテルやリキュールなどがあります。
お酒を選ぶ際には、シーンや食事に合わせたものを選ぶようにしましょう。お酒選びの際は、味わいだけでなくボトルのデザインや金額・価格に注目してみるのもありです。
串カツなど大阪グルメに合わせてお酒を楽しむのも◎
大阪といえば、やはりグルメは圧倒的人気です。大阪は高級グルメだけでなく、串カツやたこ焼き、どて焼きなどのいわゆるB級グルメがとにかく流行しています。大阪のお酒は、こうした大阪のグルメをおつまみにしながら楽しむのもおすすめです。
そして大阪の淡麗辛口な日本酒や喉越しの良いビールなどは、関西味だけでなく関東の濃い味の味付けとも相性が抜群です。全体的に食中酒として親しみやすいものが多いので、ぜひ食事とのマリアージュも楽しみながらお酒を味わってみましょう。
まとめ
今回は大阪府のお酒事情について解説していきました。
大阪には秋鹿をはじめとする日本酒銘柄や、サントリー山崎のような世界レベルのウイスキーに加え、新進気鋭のクラフトビールやクラフトジンROKUなどの新しいお酒も多くあります。
ユーモアに富んだ大阪のお酒は、飲んでいて飽きないものばかりです。食事にも合うものばかりなので、ぜひこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。
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