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モルトウイスキーとは?初心者にもわかる定義・種類・おすすめ銘柄を完全ガイド

モルトウイスキーとは?初心者にもわかる定義・種類・おすすめ銘柄を完全ガイド

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ウイスキー好きなら一度は耳にする「モルトウイスキー」。けれども、名前は知っていても「実際どういうお酒なのかまではよくわからない…」という方も多いのではないでしょうか。

本記事では、モルトウイスキーの定義やグレーンウイスキーとの違い、シングルモルト・ブレンデッドモルトといった種類の区別、さらには製造工程や味わいの特徴までをやさしく解説します

あわせて、スコッチやジャパニーズウイスキーを代表する人気銘柄や、最近注目されている熟成年数・樽の違いによる風味の変化もご紹介。

これからモルトウイスキーにチャレンジしたい初心者の方も、ぜひ本記事を参考に“ウイスキー通”への第一歩を踏み出してみてください。

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モルトウイスキーとは?特徴・定義・種類を徹底解説

モルトウイスキーとは?特徴・定義・種類を徹底解説

モルトウイスキーの定義とは?

モルトウイスキーとは、大麦麦芽(モルト)だけを原料とし、主に「単式蒸留器(ポットスチル)」で蒸留されたウイスキーのことを指します。

さまざまな国で作られていますが、スコットランドで作られる「スコッチ」や、日本で作られる「ジャパニーズウイスキー」のモルトウイスキーは特に有名です。

原料の純粋さに加えて、銅製のポットスチルで2回以上蒸留することで、香り豊かで個性の際立った味わいが生まれます。

スコッチやジャパニーズウイスキーのルールでは、通常モルトウイスキーは最低3年以上オーク樽で熟成させることが定められており、時間をかけて深い風味が形成されます。

香ばしさ、フルーティーさ、スモーキーさなど、さまざまなフレーバーが層のように広がるのが特徴です。モルトウイスキーはウイスキーの原点ともいえる存在で、多くの愛好家を魅了し続けています。

モルトとグレーンの違い

スコッチやジャパニーズウイスキーには、大きく分けて「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」の2種類が存在します。 この2つの違いは、原料と蒸留方法にあります。

モルトウイスキー 大麦麦芽のみを使用し、単式蒸留器(ポットスチル)で蒸留。豊かな香りとコクが魅力。
グレーンウイスキー トウモロコシや小麦などの穀物を使い、連続式蒸留器で蒸留。軽やかで飲みやすい味わい。

モルトは「風味の主役」、グレーンは「ブレンドの土台」とも言われ、両者を組み合わせることでバランスの取れたブレンデッドウイスキーが誕生します。

つまり、モルトウイスキーはウイスキーの“個性”を担う重要な存在なのです。

シングルモルト・ブレンデッドモルト・ヴァッテッドモルトの違い

モルトウイスキーはさらにその製造方法や蒸留所の数によって、いくつかの種類に分けられます。

シングルモルトウイスキー 1つの蒸留所で作られたモルトウイスキーのみを使用。代表的な例は「山崎」「グレンリベット」など。
ブレンデッドモルトウイスキー 複数の蒸留所で作られたモルトウイスキー同士をブレンドしたもの。
ヴァッテッドモルトウイスキー ブレンデッドモルトと同義で、以前使われていた旧名称。このほか「ピュアモルトウイスキー」などと呼ばれる場合もある。

シングルモルトは蒸留所ごとの個性が際立つ一方で、ブレンデッドモルトは異なる特徴を調和させた奥深い味わいが楽しめます。

どちらも「モルト100%」という点で共通しており、グレーンは一切使われていません。

スコッチとモルトの法律・基準の違い

「スコッチウイスキー」と「モルトウイスキー」は混同されがちですが、実は定義や法律上の規定が異なります。

まず、スコッチウイスキーとは、スコットランドで製造され、以下の基準を満たすものを指します。

  • 原料に大麦麦芽を使用(グレーンとの併用も可)
  • ポットスチルまたは連続式蒸留器で蒸留
  • オーク樽でスコットランド国内で3年以上熟成
  • アルコール度数が40%以上

一方、モルトウイスキーの定義は「大麦麦芽100%」であること。
つまり、「スコッチ=スコットランド産」、「モルト=大麦麦芽100%」という違いがあります。

したがって「スコッチモルトウイスキー」は、両方の基準を満たしたウイスキーを指します。

日本にも独自の基準があり、2021年には「ジャパニーズウイスキー」の定義が明文化されました

今後は産地表示や製法基準のチェックも、モルトウイスキー選びのポイントになるでしょう。

シングルモルトウイスキーの魅力と人気の理由

シングルモルトウイスキーの魅力と人気の理由

シングルモルトウイスキーとは

シングルモルトウイスキーは上記でも述べたように、単一の蒸溜所(シングル)で作られた、モルト(原料は大麦の麦芽のみ)100%のウイスキーのことを指します。

製造工程は一般的に、製麦~乾燥~糖化・発酵~蒸留~貯蔵・熟成~瓶詰(出荷)といった流れです。例えば「シングルモルトウイスキー サントリー山崎」という名称から、山崎蒸溜所のみで作られた、大麦麦芽だけを原料としたウイスキーだということが分かります。

有名な銘柄としては日本のサントリーウイスキー「山崎」「白州」「響」、ウイスキーの本場ではアイラ系の「ボウモア」「ラフロイグ」、ハイランド系の「ザ・マッカラン」などが挙げられます。

シングルモルトウイスキーが人気を集める理由

シングルモルトウイスキーが注目を集める理由は、その「個性」と「品質」にあります。シングルモルトとは、ひとつの蒸留所でつくられたモルトウイスキーのみを使用していることが条件。

大麦麦芽100%を原料とし、伝統的な単式蒸留器(ポットスチル)で丁寧に蒸留されるため、蒸留所ごとの味や香りが色濃く反映されます。

この“個性の強さ”こそが、多くのウイスキーファンの心をつかむポイント。たとえばフルーティーで飲みやすいタイプ、スモーキーで深みのあるタイプなど、好みに合わせて選ぶ楽しさがあります。

また、熟成年数が高いほど味に奥行きが生まれるため、10年、12年、18年と、年数ごとに変化する風味を楽しむのも醍醐味のひとつです。

さらに、近年ではクラフト志向やギフト需要の高まりも人気を後押ししています。高級感のあるパッケージや限定ボトルは贈り物としても喜ばれ、ウイスキー初心者から愛好者まで幅広い層に支持されています。

まさに“唯一無二の味わいを楽しめる”のが、シングルモルトウイスキーの魅力です。

価格高騰の背景

近年、シングルモルトウイスキーの価格が上昇しています。主な要因として以下が挙げられます。

  • 需要の増加:日本のウイスキーが国際的な賞を受賞し、海外からの注目が高まったことで、需要が急増しました。 
  • 原酒不足:ウイスキーの製造には長期間の熟成が必要ですが、需要の急増に対して供給が追いつかず、原酒が不足しています。 
  • 生産コストの上昇:原材料費や輸送費の高騰、環境規制の強化などにより、生産コストが増加しています。 

これらの要因が重なり、シングルモルトウイスキーの価格は上昇傾向にあります。特に希少性の高い銘柄や長期熟成のものは、投資や転売の対象となることがあり、プレミアム価格がつくことが多いです。 

シングルモルトウイスキーの違いと見分け方

シングルモルトウイスキーの原材料の違い

シングルモルトウイスキーの原材料の違い

シングルモルトウイスキーは基本は大麦ですが、産地や種類によって味わいに違いがでます。また製造工程の”製麦”での原材料の扱いによっても違いがでます。

この工程は大麦を洗い発芽を促す期間で、自社で処置する蔵元と専門業者から麦芽を仕入れる蔵元があり、その差が個性の違いを生み出します。

仕込み水の違い

仕込み水の違い

ウイスキー作りは大量の水が必要です。麦芽を促す工程から始まり、麦汁づくりでは仕込み水が重要な役割を果たします。

樽出しの際、一定のアルコール度数に安定させるため加水が必要になります。多くの蔵元の近くには名水があります。

ウイスキーに限らず、酒造りにおいて水は生命線と言ってもいいでしょう。

蒸留の違い

麦汁を加熱して蒸留することでアルコール度数を上げていきます。この時に使う蒸留窯の形状が蔵元によって異なります。

また蒸留を繰り返すことでアルコール度数をさらに上げるのですが、その温度や回数(概ね2回)によっても違いが出ます。

貯蔵樽の違い

貯蔵樽の違い
蒸留により一定のアルコール度数に達した透明な原液は、樽詰めされ年数を経ることで熟成を重ねウイスキーに生まれ変わります。新たな材料で作った樽を用いると思うように熟成が進まないだけでなく、シングルモルトウイスキーの個性である”香り”が付いてくれません。

バーボンやシェリー酒作りに使われ香りのついた樽を使うことが多く、それも樽の材質や産地を指定して用いることで独特の香りに馴染んでいきます。樽のことをカスク(またはキャスク)と呼びます。

シェリー樽で熟成したモルトは”シェリーカスク”となります。シェリー酒ならではの風味が特徴です。

またシングルカスクと表示されていれば1種類の樽で熟成したものであり、最近注目されているダブルカスクは2種類の樽で熟成したことを示しています。それぞれ味わいや香りにそして色合いに違いが出てきます。

熟成年数の違い

スコットランドの基準では3年以上熟成したものでなければウイスキーと名乗ることは出来ません。若い味わいを楽しみたいのであれば8~12年もの、15年以上18年ものあたりからまろやかさが生まれ、20年以上熟成したものはより個性的に変身します。

それ以上は想像にお任せします。期間が長ければ”うまい”とは限りません。自分に合ったものを探せばいいのです。

その他

蔵元・蒸留所の立地・環境により違いが生まれます。有名な蒸留所は決まったエリアに集中しています。いわば酒処、ウイスキー処が個性につながります。

関わる職人によっても違いがあると思います。日本酒のような杜氏は存在しませんが、ベテラン職人の存在は大きいです。

昨今は客観的なデータを集積し、安定したウイスキー作りに生かす傾向にあります。しかしウイスキーは生き物です。データには表れない微細な違いを感じ取る、ベテランならではの五感が頼りになります。

世界5大ウイスキー各国モルトウイスキーの特徴と違い

世界5大ウイスキー各国モルトウイスキーの特徴と違い

スコッチモルトウイスキーは個性豊かな味わい

スコッチモルトウイスキーは、スコットランド産の大麦麦芽100%で造られるウイスキーです。最低3年以上の熟成が法律で義務づけられており、奥深い香りと味わいが特徴です。

地域によって風味が異なり、スペイサイドはフルーティーで華やか、アイラはスモーキーで力強いなど、多彩な個性が楽しめます

世界中のウイスキーファンから支持されており、シングルモルトの原点ともいえる存在です。

アイリッシュモルトウイスキーは滑らかな口当たり

アイリッシュモルトウイスキーはアイルランドで造られ、3回蒸留による滑らかな口当たりが魅力です。ピートを使わずに麦芽を乾燥させるため、スモーキーさは控えめで、フルーティーで軽やかな味わいが特徴です。

クセが少なく飲みやすいため、ウイスキー初心者にもおすすめです。なめらかで優しい味わいは、他国のモルトとは異なる独自の個性として評価されています。

ジャパニーズモルトウイスキーは繊細な風味が魅力

ジャパニーズモルトウイスキーは、日本特有の気候や水、職人技によって生まれる繊細な風味が特徴です。スコッチをルーツに持ちながらも、より柔らかくバランスの取れた味わいが魅力で、世界的にも高い評価を受けています。

「山崎」「白州」「余市」などの銘柄が有名で、香り・口当たり・余韻のすべてにこだわった丁寧なつくりが、国内外のウイスキーファンを魅了しています。

アメリカンモルトウイスキーは伸び代が期待される

アメリカでは主にバーボンが主流ですが、近年「アメリカンモルトウイスキー」も注目され始めています。大麦麦芽を主原料に使い、ポットスチルなどで蒸留されるスタイルで、香ばしくリッチな味わいが特徴です。

バニラやキャラメルのような甘みがあり、クラフト蒸留所を中心に個性的な製品が増えています。生産量はまだ少ないものの、今後の伸びしろが期待されるジャンルです。

カナディアンモルトウイスキーの特徴と希少性

カナダではグレーン主体のウイスキーが一般的なため、モルトウイスキーは少量しか生産されていません。しかし、存在するモルトウイスキーはスムーズで軽やかな味わいが特徴で、穏やかな香りとハーブのようなニュアンスを楽しめます。

寒冷な気候での熟成により、まろやかで優しい飲み口に仕上がるのも魅力です。世界的にも希少で、知る人ぞ知る“隠れた逸品”といえるでしょう。

スコッチモルトウイスキーの有名蒸溜所・六大名産地


スコッチウイスキーは、イギリス王国の北部を占めるスコットランド内で作られたものに限られます。

中でもシングルモルトはフルーティーで華やかなものから磯の香りがする個性豊かなものまであります。そしてそれらの個性は、産地によって区別することが出来ます。

その土地ならではの違いを解説します。

スペイサイド(Speyside)

スコットランドの北東部を流れるスペイ川周辺地域を指します。広いエリアではありませんが、マッカラン・グレンフィディック・グレンリベットなどそうそうたる有名蒸留所が集中しています。

地域の特徴:フルーティーで華やかな香りとバランスに優れていること。飲みやすく、初心者でも楽しめる銘柄が多い。

ハイランド(Highland)

スコットランドの北側を占める広大なエリアにスコットランドの1/3にあたる蒸留所があります。

特に北ハイランドにはグレンモーレンジィ・ダルモア・クライヌリッシュなど有名な蒸留所が揃っています。

地域の特徴:銘柄ごとに違うが、まろやかで芳醇な味わいのものが多い。

キャンベルタウン(Campbeltown)

人口5,000人程度の小さな港町で、蒸留所は現在は3つのみですが、かつては30を超える蒸留所がありウイスキーの主要産地でした。

スプリングバンク・ロングロウなど個性的なものが多く、根強いファンに支えられています。

地域の特徴:塩気と甘みが入り混じった独特の味わい。アイラ系に近い。

ローランド(Lowland)

スコットランドの南側に位置する大きな地域ですが、稼働中の蒸留所は6つと少なめです。

グレンキンチーが有名。またブレンデッド・ウイスキーに欠かせないグレーンウイスキーの一大産地です。

地域の特徴:3回蒸留することによるライトなフレーバー。

アイランズ(Islands)


スカイ島やオークニー諸島といった、アイラ島以外のスコットランドの島々を指します。海潮の香りが特徴のスカイ島唯一の蒸留所、タリスカーがよく知られています。

地域の特徴:島ごと、蒸留所(各銘柄)ごとに個性が違う。オークニー諸島のものは穏やかでまろやか。

アイラ島(Islay)

アイラ島(Islay)
スコットランドの西側に位置する島で、淡路島より一回り大きい程度の広さだが操業中の蒸留所は8つ。

しかしアイラは「スコッチの聖地」とも言われており、好き嫌いは分かれるもののラフロイグ・ボウモア・アードベッグなど熱狂的なファンが多い地域です。

地域の特徴:「燻製の香り」「磯の香り」中には「正露丸のような薬品臭」など表現されることも。個性がありいつしか虜(とりこ)に。

スコッチのシングルモルトウイスキーおすすめ銘柄7選

グレンドロナック 12年

ハイランド地方にあるグレンドロナック蒸留所が手がけるシングルモルトです。近年生産されているものはすべてシェリー樽で熟成、12年ものは2種のシェリー樽(ダブルカスク)が用いられているため、シェリー樽由来のフルーティーでしっかりしたフレーバーが特徴です。

日本において知名度はイマイチですが、世界のトップバーテンダーの間ではトレンドのシングルモルトです。

ザ マッカラン 12年

ウイスキーの名産地スペイサイドを代表するシングルモルトで、「シングルモルトのロールスロイス」とも称され、知名度・実力とも高く、絶大な人気は揺るぎません

原木を指定した樽をシェリー酒の生産者に使用してもらい、それを回収してマッカランの熟成に使用するというこだわり様です。年代違いを飲み比べてみたいと思わせる逸品です。

ラガヴーリン 16年

“ウイスキーの聖地”アイラ島で造られるシングルモルトは、燻製香が強く潮っぽい味わいが特徴で、好き嫌いが分かれるモルトです。

ラガヴーリンは、アイラウイスキーの中でもしっかりしたボディと深い味わいが魅力です。

ザ・マッカラン ダブルカスク 12年

ザ・マッカランのニューフェイス。通常の12年との違いは、2種のシェリー樽で熟成させたダブルカスクという点です。

よりフルーティーでドライフルーツのような甘みを感じます。通常の12年よりバランスに優れ女性にも人気があります。

アードベッグ 10年

アイラ系シングルモルトの中でもっともスモーキーフレーバーが強い、アードベッグです
好みは別れますが、好きな人はとことんハマるクセの強さが魅力です。

アイラ系はシーフードとの相性がいいので食中酒としも楽しめます。

ボウモア 12年

ボウモアもラガヴーリンやアードベッグ同様にアイラ島生まれのモルトです。他銘柄よりもクセが少ないので初心者向けと言えます。価格が控えめなのも嬉しいところです。

グレンフィディック12年

世界一売れているシングルモルト、それはグレンフィディックです。

良い意味でクセが無く、個性も控え目です。シングルモルト入門編として人気があります。

日本のモルトウイスキーで有名な蒸留所

スコッチの話が続いてしまいましたが、実は日本のモルトウイスキーも世界で大きな人気を集めています。日本産のウイスキーはジャパニーズウイスキーと呼ばれ、スコッチと並び世界5大ウイスキーの一つに数えられています。

世界的に注目を集めたのはここ数十年のことですが、爆発的な人気がでて入手困難な銘柄も増えてしまうほどジャパニーズウイスキーは人気です。

日本のモルトウイスキーは、スコッチウイスキーをお手本にしたものが多く、スコッチに似たスモーキーさが魅力です。ただしピートが強すぎず、非常に上品で飲みやすいのがポイントです。

スコッチの旨味はそのままに、日本人の舌に合うようなまろやかさが加わったイメージと言えるでしょう。

日本のモルトウイスキーで有名な会社といえば、サントリーとニッカウヰスキーの2大ブランドがあります。またこの二つ以外にも、ベンチャーウイスキーの秩父蒸留所、キリンディスティラリーの富士御殿場蒸留所など、日本の各地に有名なモルトウイスキーの蒸留所があります。

日本の有名な蒸留所について、いくつか解説していきます。

サントリー 山崎蒸留所

サントリー 山崎蒸留所

京都郊外、天王山の麓に佇む蒸留所で、日本のモルトウイスキー蒸留所としてはもっとも古い歴史を持ちます。1923年にサントリーの創業者である鳥井信治郎が、国産ウイスキーにこだわり山崎の地に蒸留所を建設したのが始まりです。

出来上がるウイスキーは非常にまろやかで、甘味があり華やかなのが特徴です。

サントリー 白州蒸留所

山崎蒸留所の建設から50年後の1973年、サントリーの第二のモルトウイスキー蒸留所として誕生したのが白州蒸留所です。

山梨県の森に囲まれた環境で、南アルプスで磨かれた上質な軟水を使っています。ミネラルを含むモルトは、キレがありクリアな味わいに仕上がります。
【関連リンク】サントリー白州定価で買えるお店|ノンエイジ12年等購入報告多数有り

ニッカウヰスキー 余市蒸留所

ニッカウヰスキー 余市蒸留所

ニッカウヰスキーの創業者で、日本のウイスキーの父とも呼ばれる竹鶴政孝氏によって北海道・余市の土地に造られた蒸留所です。NHKの朝ドラ「マッサン」でも話題となりました。

本場スコットランドに近いウイスキー造りを目指していて、重厚で力強いウイスキーが造られる場所です。

ニッカウヰスキー 宮城峡蒸留所


余市とは異なる個性を求め、仙台の宮城峡に建てられた蒸留所です。近くには水源もあり、自然に囲まれた環境の中、スチーム間接蒸溜製法にてウイスキー造りを行っています。

余市の力強さに対し、宮城峡は非常に華やかでフルーティーさが目立ちます。

ベンチャーウイスキー 秩父蒸留所


イチローズモルトで有名なベンチャーウイスキーの蒸留所で、埼玉県秩父市にあります。気温変化の激しい小高い丘の上にあり、短期間の熟成でもウイスキーの旨味が引き出せるよう工夫されています。

稼働開始は2008年と、比較的近年ですが造られる原酒は絶大な人気を誇ります。ハンドクラフトにこだわったモルトウイスキー造りにこだわりを持っています。

キリンディスティラリー 富士御殿場蒸留所


静岡県御殿場市にある蒸留所で、モルトウイスキーおよびグレーンウイスキーの仕込みからボトリングまで、一貫して行うという非常に珍しい蒸留所です。

ここで造られるモルトは、そのままモルトウイスキーとして販売されるだけでなく、富士山麓などのブレンデッドウイスキーのキーモルトとしても使われます。

日本のシングルモルトウイスキーおすすめ銘柄5選

山崎12年

日本で初めてISC金賞を受賞したという、世界に認められたシングルモルトウイスキーです。山崎は日本を代表するモルトの銘柄で、非常に有名です。

山崎12年は蒸留所60周年からリリース開始となったボトルで、12年以上熟成させたことによる、何層もの重なった味が魅力です。

香りは熟した柿、桃、バニラであり、口に含むと厚みのある味を堪能できます。

白州18年

「森薫るウイスキー」と呼ばれる、サントリー白州蒸留所にて造られる上質なモルトウイスキーです。

クリアなキレと爽快感がありつつも、長期熟成モルトならではの複雑さ、コクも感じられます。品薄状態が続くボトルであり、プレミア価格がついています。

余市10年

ニッカウヰスキー余市蒸留所で造られるモルトです。石灰直火蒸留で造られており、重厚でリッチな味わいに仕上がっています。

酒齢10年以上の原酒をヴァッティングさせており、ノンエイジ品に比べ、熟成による甘味が生まれています。

宮城峡15年

香ばしさとコクが詰まった、ニッカウヰスキー自慢の1本です。余市に比べ優雅さがあり、特に15年ものはコクが大きく増しています。

ナッツやメイプルシロップのような香ばしい甘味もあります。濃厚ながら口当たりは良く、非常に飲みやすいのが魅力です。

イチローズモルト 秩父 オン・ザ・ウェイ 2019

イチローズモルトは全てがシングルモルトというわけではありません。通年販売されているシリーズは、複数のモルトを混ぜ合わせたブレンデッドモルト(ピュアモルト)やグレーンを混ぜたブレンデッドウイスキーであることが多く、シングルモルトはなかなか貴重です。

秩父オンザウェイ2019は銘柄の中でも珍しいシングルモルトのボトルで、限定でのみ発売された希少なボトルです。

モルトウイスキーの飲み方・楽しみ方指南

結論から言えば形式ばった飲み方はありません。しかし、以下のようなことを踏まえておけばモルトウイスキー好きの諸先輩にも失礼はないでしょう。 
シングルモルトウイスキーの飲み方 指南

ウイスキーは食後酒

アルコール類は食前酒・食中酒・食後酒と大別できますが、ウイスキーは食後酒に当たります。ワインなどで食事を終えたのち、同席の方ともう少し話しをしたい、または一人でゆっくりと一日を振り返りたい時に相応しいアルコールです。

自身の好みに合った、気分や状況にあったシングルモルトウイスキーはいい相棒になります。

ウイスキーは、ストレートまたはトワイスアップで。

ウイスキーの銘柄ごとにその”ブランドらしい”状態で出荷されるのですから、そのままを受け入れるのが作り手に対するリスペクトになると思います。まずは何も足さずストレートで対峙してください。日本的表現では”生(き)”で向かいましょう。

しかしモルトウイスキーの香りがもっとも開くのがアルコール度数20~30%だと言われています。冷たい水を少しずつ加水しながら、納得できる分岐を見つけてください。水と半々で割った状態を” トワイスアップ ”と言います。

ウイスキーは、ストレートまたはトワイスアップで。

水は冷たいものを。

シングルモルトウイスキーを一口楽しんだら冷たい水(チェイサー)を含み、口の中をスッキリさせます。次の一口が新鮮に味わえます。

アルコール度数が調整され、飲み過ぎ対策にも有効です。

グラス選びも楽しい。

ストレートを味わい、ゆっくりとした時間を過ごすには、相応しいグラス選びが大切です。脚の有無は問いませんが、女性的なシルエットの小ぶりなグラスがよろしいようです。

室温で上気したモルト香がグラスから立ち上り、鼻孔をくすぐります。

自由に楽しむこと。

大振りの氷をいれたオンザロックを好まれる方。口当たりがよく、飲み込んだあとに立ち上るモルト香が楽しめます。

若い熟成のシングルモルトウイスキーを、ハイボールで楽しむ方が増えています。シングルモルトらしい個性が気泡とともに広がります。

シングルモルトウイスキーを愛する有名人、芸能人

文学界は酒豪が多くいるイメージがありますが、中でも伊集院静氏はサントリーを題材にした”琥珀の夢”を書くなどウイスキー通という印象が強い作家です。

伊集院静氏はシングルモルトウイスキーを愛するひとり...


最近では時代小説の執筆が多い北方謙三氏もハードボイルドの印象が強く、バーボンからシングルモルトウイスキーまでこよなくウイスキーを愛する作家のようです。

伊集院静氏のエッセーに飲み仲間として多く登場する漫画家の黒鉄ヒロシ氏も、ウイスキーが好きだと言っています。
いずれも、渋い大人の面々です。

『芸能界ウイスキー部会長』のタモリ氏やリリーフランキー氏


芸能界では『芸能界ウイスキー部会長』のタモリ氏が有名です。ビールをチェイサーにウィスキーをひたすら飲むほどウィスキー好きだそうです。

『山崎50年』などタモリさんに仕込まれたお笑いコンビ”TKO”の木本氏


お笑いコンビ”TKO”の木本氏はそのタモリ氏にウイスキーを開眼され、『山崎50年』を飲ませてもらうなど今ではちょっとしたシングル通を名乗るほどだとか。

平成の歌姫 女性シンガー JUJU(ジュジュ)さんもウイスキー通

女性シンガーのJUJUさんは毎晩ウイスキーを飲むほどで、好みはロックまたはストレートというカッコ良さ。

シェリーカスクのマッカランがお好みといいます。 芸能人らしい個性的な方々がウイスキーを楽しんでいるようです。


SNSやWEBにおけるモルトウイスキー情報まとめ

おすすめYouTubeチャンネル

視覚的に楽しめる英語チャンネルでお勧めです。

リリー・フランキー氏がシングルモルトウイスキーをめぐる旅!高感度な情報誌”GQ”がプロデュース!超クールな映像、シリーズは12話まであり、見ごたえ充分です。

アイランズ系、スカイ諸島で作られるシングルモルトウイスキー”タリスカー”にフォーカスした、美しいショートムービーも見ごたえがあります。

インスタグラム #singlemalt


こちらも視覚的に楽しめる響のボトルや中には日本で流通していないウイスキーボトルやラベルも登場します。


女性目線でウイスキーを紹介するという面白いTwitterです。

超高価な高級シングルモルトウイスキーも

市販されているシングルモルトでも十分に高価なものが多いのですが、ビンテージなどの希少品になると驚くような価格で取引されている商品があります。その一部を紹介します。

しかし本当に価値のある、値段のつかない珍品というのもどこかに残っているんでしょうね。

ザ・マッカラン64 in ラリック シール・ペルデュ


銘柄名 ザ・マッカラン64 in ラリック シール・ペルデュ
オークション価格 3,864万円

過去に一度もボトリングされる事の無かった64年物のマッカラン。そして フランスの高級クリスタルブランドのラリックがシール・ペルデュ技法で制作したボトル。

この二つを合わせた世界に一本だけのデカンタに驚きの価格がついています。

グレンフィディック1955 55年物

グレンフィディック1955 55年物

銘柄名 グレンフィディック1955 55年物
オークション価格 810万円

グレンフィディックの55年物は、創業者の孫娘にあたるジャネット・シード・ロバーツさん 110歳!の誕生日を祝って作られたウイスキー。 グレンフィディック秘蔵の樽に55年間眠っていたという幻のウイスキーです。

世界に11本現存する中のナンバー3にあたるボトルが、ニューヨークのオークションで落札された時の価格です。

マッカラン1926 60年物


銘柄 マッカラン1926 60年物
オークション価格 約1億7,000万円

2018年12月時点の落札された価格は史上最高額としてニュースになったほどです。 1926年に樽詰めされた60年間熟成され続けた貴重なシングルモルトです。

ウイスキーを樽で熟成させると年間で約2%近く蒸発してしまうと言われています。 60年間樽詰めされていたならば、何%が残っていたのでしょうか。

ダルモア 62年物


銘柄 ダルモア 62年物
オークション価格 約1,700万円

シンガポール・チャンギ国際空港で実際に販売されていたダルモアの62年物です。 12本しか製造されていません。

20年間で約1200万円値上がりしているため、オークションに出品された時の落札額です。

まとめ

モルトウイスキーは、原料の純度・製法のこだわり・熟成による奥深い味わいといった要素が凝縮された、まさに“ウイスキーの真髄”とも言える存在です。

スコッチやジャパニーズをはじめとした世界各国のモルトには、それぞれ独自の香りと風味があり、飲み比べることでその奥深さを楽しむことができます。

近年ではクラフトブームやウイスキー人気の高まりにより、価格の高騰や限定ボトルの争奪戦も起きていますが、それだけ多くの人を魅了する魅力があるという証拠でもあります

自分の好みに合った1本を見つける楽しさがあるモルトウイスキー。特別な時間を過ごすための1杯として、ぜひあなたの生活にも取り入れてみてください。
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