今回はそんなダルモアの魅力や歴史についてお伝えしていきます。ラインナップや終売の噂についても触れているので、ダルモアが気になる方はぜひ参考にしてみてください。
ダルモアは牡鹿のボトルが目印のウイスキー
スコットランド・北ハイランド地方で作られるシングルモルト
ダルモアはスコットランドで作られるウイスキー、いわゆる「スコッチ」の銘柄の一つになります。スコットランドの中でも北ハイランド地方に位置するダルモア蒸留所にて製造が行われています。単一蒸留所のモルト原酒のみを使用したシングルモルトウイスキーであり、ウイスキー市場でも大きな注目を集めています。
シングルモルトウイスキーは、蒸留所ごとの個性がウイスキーに色濃く現れるのが特徴です。ダルモア蒸留所では泥炭=ピートを使用しない製法を採用しているため、ノンピート製法ならではのマイルドな味を堪能できます。一般的なシングルモルトのスコッチに比べスモーキーな印象は少なく、その一方でマイルド、華やか、クリアな印象を受ける味わいとなっています。
牡鹿のボトルで人気を集める
ダルモアといえば、ボトルデザインにも定評があります。ダルモアのボトルは丸みを帯びた印象的な形をしていて、ボトルには牡鹿のマークがあしらわれています。
ダルモアが作られるダルモア蒸留所は、スコットランドのパースシャー郡・ピトロッホリーという地域にあります。このエリアは雄大で素晴らしい自然に囲まれているのが特徴で、鹿狩りが盛んに行われていることでも知られています。
なおダルモアのボトルに見られる牡鹿のマークは、かつて運営に携わっていたマッケンジー一家の紋章だと言われています。マッケンジー一家は過去に国王が牡鹿に襲われているのを守ったという功績があり、そこから牡鹿の紋章を使うことを国王に許されたそうです。ボトルデザインから歴史が垣間見えるのも、ウイスキー・ダルモアの面白いポイントと言えるでしょう。
ダルモア蒸留所の歴史と製法について
ダルモア蒸留所の歴史!長きに渡り守られてきた蒸留所
ダルモア蒸留所が誕生したのは1839年のことです。当時の創業者は、アレクサンダー・マセソン氏です。そこからやがて農家を営んでいたマッケンジー家により運営されることになり、ダルモアの歴史が続いていきます。北ハイランド旅、内部見学はできないorできなかった蒸留所を写真で紹介。ティーニニック蒸留所→工場ですね。遠巻きに見学。ダルモア蒸留所→旅程の都合で外観だけ。グレンウィヴィス蒸留所→ディングウォールの山の上。外観だけ。#whisky #ウイスキー #威士忌 #teaninich #dalmore #glenwyvis #twlc pic.twitter.com/SP5qrMp3mM
— よしもると (@JpnWhisky) August 29, 2019
しかしダルモアは常に順風満帆であったわけではありません。時代の流れの中では戦争の影響を受け、ウイスキーの生産中止にまで追い込まれるような状況にもなったほどです。一時期は海軍の地雷工場として蒸留所が使用されていたこともあると言われています。また戦争が終わって蒸留所が戻った後も、アメリカの禁酒法の影響を受け、経営難の状況が続いていたそうです。
しかし経営難の中でも、ダルモアはその味とクオリティが評価されていました。ダルモアを守るような動きもあり、多くの会社や企業がサポートすることになります。そして1960年にはホワイト&マッカイの傘下に入ることとなり、資金調達に成功します。そこからは蒸留器を増やしたり、生産数を増やしたりと、安定かつバリエーション豊かなウイスキー製造ができるようになります。なおホワイト&マッカイはブレンデッドウイスキーのメーカーですが、その原酒の一つにはダルモアが選ばれています。
近年では、2014年にフィリピンのブランデー会社であるエンペラドール社に買収されています。経営権の移り変わりこそあるものの、その時代にあった運営でダルモアのブランドは守られ続いている状況です。
ダルモア蒸留所の熟成樽へのこだわり
ノンピートでクリアな味のダルモアは、熟成用の樽にこだわりを持って作られています。熟成樽の中には、マディラワインやポートワインの熟成に使われたものがあり、ダルモアはワイン樽熟成を得意としているのが特徴です。
またワイン樽のほか、シェリー樽の熟成原酒も使用しています。このようにして作られるダルモアは、口当たりはマイルドでありながらコクと香りの華やかさがあり、非常に飲みやすい味わいです。初心者向けのウイスキーをお探しの方にもおすすめできます。
12年や15年などダルモアの人気ラインナップを紹介
ダルモア12年
- 熟成年数:最低12年
- アルコール度数:40%
- 価格:約12,000円
- 特徴:バーボン樽85%、シェリー樽15%で作られる最もスタンダードなダルモア
甘く華やかでありながら、シナモンやナツメグのようなスパイス感も表れてきます。全体的にバランスに優れた味わいであり、スモーキーなスコッチが苦手な方にもおすすめできる一本です。
ダルモア15年
- 熟成年数:最低15年
- アルコール度数:40%
- 価格:約15,000円
- 特徴:バーボン樽85%、シェリー樽15%で作られる、ダルモア12年の上位互換
クオリティの高い15年熟成ボトルでありながら、1万円台で入手できることが多くコストパフォーマンスにも優れています。より円熟した旨味を感じたい方はぜひ試してみてください。
ダルモア18年
- 熟成年数:最低18年
- アルコール度数:43%
- 価格:約30,000円
- 特徴:バーボン樽熟成の後、シェリー樽熟成させたウッディーな味のダルモア
味わいの中にはコーヒーやカカオのような、ほろ苦い香ばしさも含まれています。食後のデザート感覚で楽しめるような味わいに仕上がっています。
ダルモア62年
超高級スコッチ・ウィスキー、ダルモア62年もの。1ボトル1,500万円という高値を付けた事もある。その場合、1杯100万円くらいだ。#キングスマン pic.twitter.com/6G7smEwzI0
— 映画『キングスマン』公式 (@kingsman_jp) October 3, 2015
- 熟成年数:最低62年
- 価格:日本円で1,700万円ほど
- 特徴:2002年に12本だけがリリースされたスペシャルなダルモア
ロンドンのオークションでは日本円にして1,700万円がつけられたこともあるほどで、ダルモアが世界規模で有名なウイスキーであることがわかります。映画「キングスマン」に登場したウイスキーとしても知られています。
ダルモア シガーモルトリザーブ
- アルコール度数:44%
- 価格:約14,000円
- 特徴:シガーに合うモルトとして作られたダルモア
ダルモア ザ・トリオ
- アルコール度数:40%
- 価格:約11,000円
- 特徴:免税店向けにリリースされたダルモア
免税店向けですがネットショップなどを通じて購入も可能です。一本1万円台で買えるので、いつもと違うダルモアにチャレンジしてみたい方は必見です。
ダルモアを美味しく飲む方法!万人受けウイスキーは飲み方も多彩
万人受けしやすい味のダルモアは、ストレートをはじめさまざまな飲み方で楽しめるのも魅力です。ここからはダルモアおすすめの飲み方をいくつか紹介していきます。<ストレート>ダルモアらしい甘味を楽しめる
ダルモアを初めて飲む方は、まずはぜひストレートのまま飲んでみましょう。ダルモアは口当たりが優しく刺激の少ないウイスキーなので、甘い味が好きな方でもストレートで楽しめます。
甘いと言っても強烈な甘さではなく、シトラスやオレンジのような柑橘系の味わい、そして優しいスパイシーさも堪能できます。なお熟成期間の長いダルモアは、ストレートで飲むことで特にコクを感じられるのでおすすめです。
<ロック>華やかな香りが開いた印象に
ロックグラスに大きめの氷を入れ、その上からウイスキーを注ぐという「オン・ザ・ロック」。ダルモアはストレート以外にも、ロックでも楽しめるウイスキーです。
ロックにすることで、ストレートの時よりもさらに香りが花開いた印象になります。時間経過でアルコール感が薄まるので、お酒に酔いやすいという方にもおすすめできます。
<ハイボール>くどくない味わいで食中酒にも
炭酸で割って飲むハイボールは、爽やかさが増し食事にも合わせやすいです。特にダルモアで作るハイボールは、くどくないので何杯でも飲めてしまうような感覚です。
スッキリ系ですがきちんとシングルモルトらしい存在感もあり、バランスに優れています。
ダルモアは終売で手に入らない?オールドボトルはレアなので必見
ダルモアのような人気のシングルモルトは、希少価値が高く時々終売や販売終了が噂されることがあります。実際にシングルモルトの中には、終売が話題となって値段が跳ね上がっているようなものもあるので注意です。#DALMORE
— 高尾 直裕/Naohiro Takao (@NAc_Doer) November 6, 2020
シェリーの匂いも大好きな自分が
別格に感じたのが、このダルモア12年。
80年代イタリア向けの
このオールドボトル、『芳醇』#今週のウイスキー#ダルモア12年#オールドボトル#DALMORE12YEARSOLD pic.twitter.com/4TFkFFQHc3
しかしダルモアは、今のところ定番ボトルは終売にはなっていないので安心しましょう。ダルモア12年やダルモア15年、そしてダルモア18年あたりは比較的入手も容易です。ダルモア12年など終売が噂されたこともありますが、実際にはリリースが続いている状況です。
ダルモアは前述した通り、蒸留所が大手に買収されたため安定した供給が続いています。無駄に値上げしたウイスキーは飲みたくないという方にも、ダルモアはおすすめできる銘柄と言えるでしょう。
ただしダルモアは歴史が長く、常に同じ商品を展開してきたというわけではないのでその点には注意しましょう。現行のオフィシャルボトルは手に入りやすいですが、その一方で80年代〜90年代に流通していたようなオールドボトルは現状手に入りにくいです。オールドボトルはトール瓶で見た目が違ったり、麦らしい印象が強かったりと中身にも差があります。一部のマニアの中では大人気であり、コレクターも多く存在しています。
またこのほか、期間限定商品や数量限定商品が多いのもダルモアらしい点です。一般ボトルは終売にはなっていませんが、限定品で既に簡単には手に入らないボトルはいくつもあるので気を付けておきましょう。
飲まないダルモアはお酒買取専門店がおすすめ
ダルモアのようなシングルモルトウイスキーは、軒並み市場価値が高まっています。近年では転売・投資目的でウイスキーを購入する方もいるほどで、ウイスキー市場は盛り上がりを見せています。もし飲まない未開封のダルモアをお持ちであれば、ぜひお酒買取専門店の利用を検討してみてください。専門店の買取査定なら、飲まずに無駄になっていたダルモアに、高い価値がつくことがあるかもしれません。
ウイスキーは自宅保管でも劣化しにくいため、未開封ボトルであれば買取で値段がつくケースがほとんどです。特にダルモアは世界的に評価されているボトルなので、買取に出せばそれなりの値段になります。オールドボトルや限定品などは、特に高値で売れるケースが多いので必見です。箱や冊子までついた完備品なら、さらに高価買取が期待できます。
ダルモアの買取に興味をお持ちの方は、お酒買取専門店リンクサスにぜひお問合せください。リンクサスなら店頭買取・宅配買取・出張買取が可能で、お客様負担ゼロでお酒買取をご利用いただけます。
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まとめ
ダルモアはシングルモルトウイスキーの中でも飲みやすく甘味があります。スモーキーフレーバーが多いスコッチの中で「まったり系」の味であり、初心者にもおすすめしやすいボトルです。特にダルモア12年、ダルモア15年などは1万円台で購入ができるので、ギフトにもぴったりです。ウイスキーファンの方は、ぜひこの機会にシングルモルト「ダルモア」をチェックしてみてください。