「ハイボール」のブームやNHK連続ドラマ「マッサン」の影響を受け、ここ数年で国内での人気が急激に高まったウイスキー。世界中でつくられていて、さまざまな種類があることをご存知でしょうか。
ウイスキーは造られる場所によって、味の特徴が異なります。しかしその違いを詳しく説明できる方は意外と少ないです。
今回は世界のウイスキーの中から特に有名な世界5大ウイスキーに注目し、その特徴を解説していきます。
その後、世界5大ウイスキーの中から世界でもっとも売れているウイスキーをランキング形式で順にご紹介します。
それぞれのウイスキーを知れば、より美味しくウイスキーが飲めるようになるでしょう。
世界5大ウイスキーについて知ろう
スコッチウイスキー(スコットランド)
イギリスの最北端に位置する国、スコットランドにて造られているウイスキーの種類です。
特にその中でも、糖化から発酵、蒸留、熟成まで全てをスコットランドで行ったもののみがスコッチウイスキーを名乗ることができます。
大きく分けてモルトとブレンドの2種類があります。麦芽を乾燥させるときに燃やすピート(泥炭)の香りが強く残ることが大きな特徴で、独特のスモーキーさを感じられます。
現在のジャパニーズウイスキーの見本となったのもこのスコッチウイスキーであり、多くの日本人から好まれています。
代表的なスコッチウイスキー
【関連リンク】スコッチウイスキーの産地地域による違いとは?おすすめ人気銘柄15選
アイリッシュウイスキー(アイルランド)
アイルランド共和国および北アイルランドで造られるウイスキーです。
スコッチウイスキーが強いピート香を放つのと対照的に、アイリッシュウイスキーはピート香をつけずに複数回蒸留することで非常に滑らかな飲み口をしているのが特徴として挙げられます。穀物のもつ芳醇な香りを楽しめ、雑味が少なめなので初心者におすすめです。
一時はスコッチウイスキーの影に隠れシェアや人気が低迷したものの、ここ最近で復活の兆しを見せています。そのまま飲むのはもちろん、コーヒーと合わせたりカクテルにしても美味しく飲むことができます。
代表的なアイリッシュウイスキー
- ジェムソン・・・4位(年間販売ケース数1020万)
【関連リンク】アイリッシュウイスキーの特徴と種類とは?おすすめ人気銘柄10選
アメリカンウイスキー(アメリカ)
アメリカンウイスキーはアメリカで造られているウイスキーの総称です。
土地柄、さまざまな種類があるのが大きな特徴です。
内側を焦がした新しいオーク樽を使うことで、強い香りや色がウイスキーに付きます。
そのため力強い味わいのものや、個性的なものが多いです。ハイボールにしても旨味がしっかりと感じられるのでおすすめです。
さまざまな種類がある中でも、とくに有名なのが「バーボン」と呼ばれるものです。バーボンはとうもろこしを主な原料としていて、麦芽由来のウイスキーよりも甘みが強いです。
代表的なアメリカンウイスキー
【関連リンク】アメリカンウイスキーとは?高級バーボンや種類・おすすめ銘柄10選
カナディアンウイスキー(カナダ)
カナダにて造られるカナディアンウイスキーは、世界5大ウイスキーのなかでも最もライトな飲み口です。
とうもろこしベースのマイルドさがあり、合わせやすさからカクテルの材料に使われることもあります。
日本ではやや馴染みが少ないものの、全世界でのウイスキー生産量ではスコッチウイスキーに次ぐ2位となっています。
代表的なカナディアンウイスキー
【関連リンク】カナディアンウイスキーとは?C.C.など種類やおすすめ銘柄10選
ジャパニーズウイスキー(日本)
ジャパニーズウイスキーとは日本国内の水を使い日本で蒸留された原酒のウイスキーのことです。
4月1日はジャパニーズウイスキーの日でもあり2021年に4月1日にジャパニーズウイスキーの正式な定義も決まりました。
生産がはじまったのは1920年代のことであり、世界5大ウイスキーのなかでは歴史が浅いです。
スコッチウイスキーを参考につくられていますが、日本人の舌に合わせてスコッチウイスキーよりもスモーキーさが抑えられています。
ここ10年ほどで世界での人気が高まっていて、品評会で金賞を獲得するなど高い評価を受けて近年ものすごい勢いで値上がりをしています。
【関連リンク】今買うべき値上がりしそうな入手困難国産ウイスキーランキング10選
大手の蒸留所が原酒造りからブレンドまで行っていることが多く、安定して高い品質を保っています。
代表的なジャパニーズウイスキー
- サントリーウイスキー 角瓶・・・8位(年間販売ケース数540万)
- ブラックニッカ・・・13位(年間販売ケース数330万)
【関連リンク】高騰いつまで?ジャパニーズウイスキーおすすめ高級レア人気銘柄一覧10選
世界5大ウイスキー世界販売数ランキング20位
ブランド | 画像 | shop | 5大産地 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | ||
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ジョニーウォーカー | ![]() |
Amazon | ウイスキー買取 | 楽天市場 | スコッチウイスキー |
18.4
|
14.1
|
19.1
|
22.7
|
22.1
|
ジムビーム | ![]() |
Amazon | ウイスキー買取 | 楽天市場 | アメリカンウイスキー |
15.8
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16.4
|
17
|
16.6
|
17
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ジャックダニエル | ![]() |
Amazon | ウイスキー買取 | 楽天市場 | アメリカンウイスキー |
13.4
|
12.3
|
13.5
|
14.6
|
14.3
|
ジェムソン | ![]() |
Amazon | ウイスキー買取 | 楽天市場 | アイリッシュウイスキー |
8.1
|
7.7
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9.6
|
11.1
|
10.2
|
バランタイン | ![]() |
Amazon | ウイスキー買取 | 楽天市場 | スコッチウイスキー |
7.7
|
7
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8.7
|
9.2
|
8.2
|
クラウンローヤル | ![]() |
Amazon | ウイスキー買取 | 楽天市場 | カナディアンウイスキー |
7.9
|
8.1
|
9
|
8.4
|
7.7
|
カナディアンクラブ | ![]() |
Amazon | ウイスキー買取 | 楽天市場 | カナディアンウイスキー |
5.9
|
5.9
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6.2
|
6.5
|
6
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サントリー 角瓶 | ![]() |
Amazon | ウイスキー買取 | 楽天市場 | ジャパニーズウイスキー |
5.6
|
5.7
|
6.0
|
5.3
|
5.4
|
シーバスリーガル | ![]() |
Amazon | ウイスキー買取 | 楽天市場 | スコッチウイスキー |
4.4
|
3.2
|
4.1
|
5.2
|
4.6
|
グランツ | ![]() |
Amazon | ウイスキー買取 | 楽天市場 | スコッチウイスキー |
4.2
|
3.6
|
4.2
|
4.2
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4.4
|
ランキングはThe Spirits BusinessのThe BRAND CHAMPIONS 2024より参照しています。
※1ケース9リットルの販売ケース数(単位は×100万)
1位ジョニーウォーカー(Johnnie Walker)
- 年間販売ケース数:2210万
- 会社:ディアジオ
- スコッチウイスキー
入手のしやすさと圧倒的な知名度で安定した人気を集めるスコッチウイスキーです。
造っているのはディアジオという会社で、年間販売ケース数は2210万ケースと本数にすると軽く世界で1億本以上を超える売り上げを誇ります。
40種類以上の原酒をブレンドしていて、バランスの良い味わいです。
2位ジムビーム(Jim Beam)
- 年間販売ケース数:1700万
- 会社:ビーム サントリー
- アメリカンウイスキー
バーボンウイスキーの中でもっとも有名な銘柄です。とうもろこし由来の香ばしさや、バーボンウイスキーらしいバニラのような甘さが感じられます。
スッキリしていて飽きのこない味わいです。
3位ジャックダニエル(Jack Daniel's)
- 年間販売ケース数:1430万
- 会社:ブラウン・フォーマン
- アメリカンウイスキー
アメリカのテネシー州にて造られるウイスキーです。アメリカ産ウイスキーの中ではもっとも売れている銘柄です。ブラウン・フォーマン社が造っています。
特に有名なのがレギュラーボトルのブラックで、日本の食卓や晩酌でも大変親しまれています。
4位ジェムソン(Jameson)
- 年間販売ケース数:1020万
- 会社:ペルノ・リカール
- アイリッシュウイスキー
3回蒸留することで、非常に滑らかかつスッキリしています。
アイリッシュウイスキーの中でももっとも出荷量が多く、なんとシェア率は7割を超えています。
5位バランタイン(Ballantine's)
- 年間販売ケース数:820万
- 会社:ジョージ・バランタイン&サン
- スコッチウイスキー
バニラや蜂蜜を思わせる甘さと、クリーミーで奥行きのある味わいのスコッチウイスキーです。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーを掛け合わせたブレンデットウイスキーで、深いコクを保ちながらもバランスが良く飲みやすいのが魅力です。
6位クラウンローヤル(Crown Royal)
- 年間販売ケース数:770万
- 会社:ディアジオ
- カナディアンウイスキー
ライトな口当たりとまろやさかで大きな人気を誇るカナディアンウイスキーです。味わいはもちろん、王冠のようなデザインのボトルでプレゼントとしても人気の高い銘柄です。
見た目よりもリーズナブルなので、チャレンジしやすいです。
7位カナディアンクラブ(Canadian Club)
- 年間販売ケース数:600万
- 会社:ビーム サントリー
- カナディアンウイスキー
カナディアンウイスキーを代表する銘柄で、ライトな飲み口で大きな人気を集めています。
なんと160年もの歴史をもっていて、世界150ヵ国以上という幅広い国で愛されています。上品な味わいのウイスキーです。
8位サントリーウイスキー 角瓶
- 年間販売ケース数:540万
- 会社:サントリースピリッツ
- ジャパニーズウイスキー
サントリーが造るブレンデットウイスキーで、日本産のウイスキーの中でもっとも売れている銘柄です。甘みのあるコクとドライな飲み口で日本人受けが良いです。
80年以上の歴史を持つ銘柄で、特に2008年からのハイボールブームを受け大きな流行となりました。
9位シーバスリーガル(Chivas Regal)
- 年間販売ケース数:460万
- 会社:ペルノ・リカール
- スコッチウイスキー
シーバスリーガルはスコッチウイスキーの銘柄のひとつで、フルーティな香りとナッツの風味が特徴です。ウイスキーに飲み慣れてない方でも飲みやすいです。
コスパ良しの低価格から高級なボトルまで、幅広いシリーズがあります。
10位グランツ(Grant's)
- 年間販売ケース数:440万
- 会社:ウィリアムグラント&サンズ グランツ
- スコッチウイスキー
スコットランドのハイランド地方にて製造されているブレンデットウイスキーです。
甘くフルーティで、ストレート、ロック、水割り、さらにはハイボールとさまざまな飲み方ができます。クセが少なめでどなたでも飲みやすいです。
11位ウィリアム・ローソンズ(William Lawson's)
- 年間販売ケース数:340万
- 会社:Baccardi Limited
- スコッチウイスキー
お疲れ様です。目白田中屋で買った、ウィリアムローソンズ🥃残り物で、美味しくいただきます。乾杯🍻スッキリ美味い! #ハイボール #ウィリアムローソンズ #目白田中屋 pic.twitter.com/b871hxaGP5
— ハイボールいつも (@itumoBarBer) May 31, 2022
スコットランド産のブレンデットウイスキーです。
日本での流通量はあまり多くありませんが、ロシアや西欧、南米などで大きな人気を集めていて高い売り上げを誇ります。
12位デュワーズ(Dewar's)
- 年間販売ケース数:330万
- 会社:ジョン・デュワー&サンズ社
- スコッチウイスキー
ハイボールの起源となったといわれるウイスキーで、日本国内でもよく流通しています。
イベントで提供されることも多く、特に若年層から多大な支持を受けています。バランスよく繊細な味わいです。
13位ブラックニッカ(Black Nikka)
- 年間販売ケース数:320万
- 会社:アサヒビール
- ジャパニーズウイスキー
ヒゲのおじさんのラベルが特徴の、日本を代表するウイスキーです。製造しているのはニッカウヰスキーです。
時代の流れに合わせてリニューアルがなされていて、長年強い人気を誇ります。コストパフォーマンスがよく、日本の多くの家庭で飲まれています。
13位Black & White
- 年間販売ケース数:320万
- 会社:James buchan&co
- スコッチウイスキー
犬のラベルが印象的なスコットランドウイスキーです。
スコッチウイスキーのブランドは長く続く老舗が人気を集めているなか、こちらは現在急成長しているという珍しい銘柄です。
15位エヴァンウィリアムズ(Evan Williams)
- 年間販売ケース数:310万
- 会社:バカルディ
- アメリカンウイスキー
続いてエヴァンウィリアムズのブラックラベル🇺🇸スパイシーさが強くてシャープな味わい。ハイボールはイマイチだけどロックは中々美味しいわね🤩 pic.twitter.com/rIeDg7tfOU
— ひろりんパパ (@whiskyjp) December 11, 2024
エヴァンウィリアムズは、アメリカ・ケンタッキー州で誕生した歴史あるバーボンウイスキー。
スムーズな口当たりとキャラメルの甘み、ほのかなスパイスが特徴で、コスパの良さから初心者にも人気の銘柄です。
16位メーカーズマーク(Maker's Mark)
- 年間販売ケース数:300万
- 会社:ビーム サントリー
- アメリカンウイスキー
アメリカのケンタッキー州で造られるバーボンの一種で、一般的なライムグリーンではなく冬小麦を使用しているのが大きな特徴です。
冬小麦を原料とすることで、まるでシルクのようなしなやかさやまろやかさが表現されています。
17位ウィリアム・ローソンズ(William Lawson's)
- 年間販売ケース数:270万
- 会社:バカルディ
- スコッチウイスキー
ウィリアムローソンズ pic.twitter.com/pAJJ8MX2KQ
— はしお (@hashiohashiha) January 17, 2025
ウィリアム・ローソンズは、スコットランド生まれのブレンデッドウイスキーで、クセが少なく飲みやすいのが特徴。
フルーティーで甘みのある味わいに、軽やかなスモーキーさが加わり、ストレートやハイボールでも楽しめる。
18位J&B
- 年間販売ケース数:250万
- 会社:ジャステリーニ&ブルックス社
- スコッチウイスキー
イエローのラベルに赤いロゴで目を引くボトルです。42種類もの原種をうまくブレンドさせていて、スムースさが際立っています。
そのまま飲むのはもちろん、コーラやジンジャエールなどとの相性もバッチリです。
19位Label 5
- 年間販売ケース数:240万
- 輸入元コルドンヴェール(株)
- スコッチウイスキー
スコッチウイスキーの一種で、特にフランス向けに造られた銘柄です。
ハイランド地方独特のモルト香が特徴で、深い味わいとしっかりと残る余韻が楽しめます。
19位Buchanan's(ブキャナンズ)
- 年間販売ケース数:240万
- 会社:ジェームス・ブキャナン社
- スコッチウイスキー
ちゃがたでボウモアと一緒に買ったブキャナンズのハーフボトル
— タラ (@malt_now) January 27, 2025
好みなのはわかってたよ pic.twitter.com/VtZdONBz3t
ブキャナンズは、スコットランド発のブレンデッドウイスキーで、スムースな口当たりとバランスの取れた味わいが特徴。
フルーティーさやハチミツのような甘み、スモーキーさが調和し、初心者から愛好家まで幅広く楽しまれている。
ジャパニーズウイスキーが急な人気で値上がり中
世界5大ウイスキーの中の1つとして選ばれているジャパニーズウイスキーは、ここ数年で劇的な値上がりをしています。これにはいくつかの理由があります。
もともとジャパニーズウイスキーはスコットランドやアイルランドのウイスキーに比べ歴史が浅く、世界での注目度はやや劣っていました。しかし2000年代に入ってから、世界的に評価を受けるようになり大きな注目を集めるようになります。
さらには国内での人気も高まったことで、販売数が急激に伸びることになりました。
【関連リンク】今買うべき値上がりしそうな入手困難国産ウイスキーランキング10選
しかしウイスキーというのは製造過程で熟成をする必要があるため、販売数が増えたからといっていきなり出荷数を増やすことができません。高まる需要に供給が追いつかず、年代物の有名なジャパニーズウイスキーは続々と終売してしまう結果となりました。
現行では販売されていないものは希少価値が高まり、市場での価格が跳ね上がる結果となりました。ものによっては定価の10倍で売られているような銘柄もあるほどです。
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まとめ
ジョニーウォーカーやジャックダニエルをはじめ、世界5大ウイスキーの人気銘柄は世界中で愛されています。
日本産のジャパニーズウイスキーもここ最近では世界から注目を集めていて、サントリーの角瓶やブラックニッカを筆頭に高いシェア率を誇ります。
なお今回は販売量でランキングをだしましたが、希少価値の高いボトルなど人気の銘柄は他にもあります。それぞれ味わいが異なるので、ウイスキーがお好きな方はぜひ色々飲み比べてみてはいかがでしょうか。